1976年生まれ、氷河期世代の愚痴

第９章 氷河期と胡麻の油は絞れば絞るほど出るもの

その５ 働かないで生きていきたい……

さて、今回はちょっと番外編じゃ
昔と今の貯金の利息の話じゃ

利息なんて雀の涙だよ……

作者にとってはそうでも、昔は今と違って金利も高かったのじゃ。

あー、聞いた事ある

そして、もちろん金利にも税金が掛かる。
金利の20%くらいが取られたぞい。

税金かかるんだ。

えっ！　利息に税金なんて掛かってたの！？

ああ……作者はあまりにも貯金が少ないから……その差に気付いていなかったのね
貧しさ……それは罪！

だって、金利は郵貯の定期で0.01%だよ！
100万円貯金しても100円の利息だよ！　それが80円になってたって気づかないじゃないか！

とまあ、作者が気づかないのも無理ないかもしれん。
じゃが、昔は金利が今より非情に高く、その上、『少額貯蓄非課税制度』というがあり、利息へかかる税金２０％（所得税15%＋住民税5%)が非課税になる制度、通称『マル優』があったのじゃ！

具体的には下記の３つじゃ

１．少額貯蓄非課税制度（通称：マル優　銀行の利息への非課税制度）
２．少額公債非課税制度（通称：特別マル優　国債や地方債の利息への非課税制度）
３．郵便貯金の利子に対する非課税制度（通称：郵貯マル優　郵貯の利息の非課税制度）

この制度を使えば、元本300万円までの利息が丸々もらえたのじゃ。
補足：元本は当初（1947年）は100万円じゃったが、1974年には300万円に増えたぞ。

１と２は1988年に廃止されておる。
３も2007年の郵政民営化に伴い廃止（というか１に統合）されたぞい。
特別な人を除き、以降は利息の２０％が税金で取られる事になった。

特別な人って？　

障害者や寡婦・寡夫年金受給者などの社会的弱者のみ認められておる。
元本は350万円まで増えたが、金利が金利なだけにあまり旨みはない。

はえ～

このマル優をネタにした話がこち亀にもあったぞ。
こち亀４２巻『人生は夢のごとく…の巻』のワンシーン
両津と部長台詞の抜粋なのじゃが

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ひょんなことから１億円を手に入れた両津だが

部長『神が与えてくれた最後のチャンスだ！　全額預金しろ！　一億円なら利息で生活できるぞ！』
両津『利息でたべていけるんですかあ？　ぶちょう～っ』
部長『いける！　大丈夫だ！』
両津『たとえば、九千万円を２年間の定期預金にすれば年利率5.75%で年間5,175,000円の利息がつく事になる！　いいかよくきけっ、サラリーマンの年俸くらいはとれるんだぞ』
両津『なんで九千万円なんですか？　一億全部あずけた方が得でしょう？』
部長『非課税になる方法があるんだ！　残りはそっちの方が得なのだ』
部長『現在、マル優が３００万まで、国債が３００万まで、郵便貯金の定額貯金が３００万まで非課税になり税金がひかれずもらえるわけだ。だから一千万円をそのようにふりわけて預金した方がいい！』
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※こちら葛飾区亀有公園前派出所42巻『人生は夢のごとく…の巻』より抜粋

1984年11月のジャンプに掲載された話じゃ
利息に付く税金が非課税になる説明が詳しく載っておるぞ。

こち亀……どんだけスゴイんだよ……

金利が５％超……うらやましい

しかもな、このマル優シリーズは、ひとりひとりに与えられていた権利なんじゃ！

ボクも！　

公債向けの『特別マル優』は敷居が高いが、銀行とゆうちょならば簡単じゃ！
それぞれに各３００万円の元本に対して非課税じゃから４人家族ならば……

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パパ：銀行定期300万円、郵貯300万円
ママ：銀行定期300万円、郵貯300万円
息子：銀行定期300万円、郵貯300万円
娘　：銀行定期300万円、郵貯300万円

合計2400万円の利息が全て非課税！
金利５％ならば120万円！！
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なーんて事も可能じゃったんじゃぞい。

もし今、0.01%の利息だけで120万円もらうためには、120億円の預金が必要なうえに、その120万円からは20%の税金が取られるので手取りの利息収入は96万円になっちゃうのね。

その通りじゃ！

これって、1960年代から働き始めた人が財産形成の上で圧倒的に有利じゃない？
金利でも税制でも！

うむ、その通りじゃ。
高度経済成長期からバブル期までの経済の発展はこれらの金利と税制による不労所得が多かった事も原因と言われているぞ。

働かずに増えたお金が結構な額なら、パーっと使いたくなるもんね。

そうじゃ

俺たちはちゃんと働いて、ちゃんと貯金して財産を築いたんだクマ―！

なんて自慢する団塊世代もおるが、彼らは人生の大半で利息に対する優遇を受けていた事を忘れてはならんぞ。

ああ……俺ももっと早く産まれていたら……不労所得でウハウハに

だめなんじゃない？　貯金ゼロにどんな高い利息がついてもゼロでしょ。

うむ、その通りじゃ！

真実は時に人を傷つけるという事を学ぶがいい！！

ああ……だから……永遠のゼロに……