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第9章 氷河期と胡麻の油は絞れば絞るほど出るもの
その1 ボーナスシュリンクフレーション
しおりを挟むこの章では氷河期と税金について語るぞい。
最初はちょっとマニアックな話じゃ!
そろそろボーナスが近づいておるが、それに対する社会保険料の話をするぞい。
作者のボーナスはどうだったの?
ボーナスは……あなたの空想上の産物なのでは?
ああ……ボーナスを受け取った事がないから、現実にあるものと認識していないんだ。
うーむ、それでは今回の話は作者には全く関係ないのぅ。
そこでマッチでも擦ってたら。
ああ、明るい、暖かい、ごちそうにプレゼント……
とまあ、作者はさておき、昔はボーナスといえば、ほとんどが手取りだったんじゃ!
マジで!?
なんせ、社会保険料が取られなかったからのう……
あのクソ高い厚生年金保険料や健康保険料が取られなかったって事!?
その通りじゃ!
ボーナスから所得税と住民税は取られるが、社会保険料は取られんかったのじゃ!
ためしに40歳、ボーナス100万円と仮定して、取られる社会保険料の今昔を計算してみたぞい。
※健康保険は『協会けんぽ』加入と仮定
うひょー! ボーナス最高クマ―!
バブルでルンルンだブー!
昔、夏と冬にはこんな声が街にあふれたのじゃ
1994年までは社会保険料なし!
1995年~2002年までは特別保険料という名前でわずか0.8%(厚生年金0.5%,健康保険0.3%,個人負担分)!
2003年以降は月給と同じ割合で引かれる、今や約15.235%じゃ!
(厚生年金9.15%、健康保険5%、介護保険0.785%、雇用保険0.3%)
※健康保険は『協会けんぽ』加入と仮定
なにこれ、圧倒的な差じゃない!?
どーしてこうなったの?
それはな、ずっと昔はボーナスそのものが無い会社もあったので、政府も考慮に入れていなかったんじゃ。
ボーナスがある人だけから取られるのは不公平だからの。
じゃが、ボーナスが当たり前になると、このボーナスに社会保険料がかからない制度を利用して、節約する企業が現れた。
これがその例じゃ
昭和60年(1985年)の年収500万円のA社とB社の例
同じ年収なのに不公平ね
うむ、年収におけるボーナスの割合を増やすと、会社負担は減るし、個人の手取りも増える。
双方にメリットがあったのじゃ。
1995年~2002年までの特別保険料0.8%の期間でも効果はあったぞい。
ああ、昔はボーナスが年3回も4回もあったという話はこのせいね!
その通りじゃ! 年収の割合をボーナス偏重にして、節約していたのじゃ。
税金じゃないので、脱税じゃないもん!!
いや、意味的には同じでしょ……
いや、法には触れておらん、なので合法なのじゃよ。
だから2003年からボーナスにも月給と同じく社会保険料がかかるようになったのね。
うむ、政府もこの不公平さを問題視しておって、2003年からボーナスも含めた総報酬制を導入した。
急にボーナスにも同じ率を掛けると負担が増えてしまうので、率を下げたぞい。
ああ、2003年の社会保険料の下落はこのためなのね。
うむ、支払う年間社会保険料の額が同じくらいになるように調整したためじゃ。
じゃから、実態としては2003年の下落は無いと考えてよい。
つまり、ずっと右肩上がりじゃな!!
でもこれって、昔の方が優遇されてたってことよね。
だって、会社にとっても個人にとってもメリットがあるなら、みんな節約策に走るよね。
いや、走ったから政府が対策を打ったと考えるべきね。
その通りじゃ!
一応、厚生年金は将来的な年金受給額に影響するので、納得できなくもないが、健康保険は明らかに優遇じゃ!
そうね、健康保険は、加入期間は病院での支払いに保険が適用されて安くなる制度だもんね。
巷ではボーナス支給額が上がったというニュースが流れてるが、図にもある通り社会保険料は年々増えておるので、昔に比べてボーナスの喜び(現金)が減っているのじゃよ。
最近は『シュリンクフレーション』という、お菓子や牛乳の量が減っていく現象が話題になっているけど、ボーナスにもそれは起きていたのね。
ああ、だから……目減りしていく喜びに……
おまけ「酒類はデフレが続いている……」
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