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第4章 氷河期とバブル誕生
その3 きちゃった……(げつようび)
しおりを挟むでは、バブルの発生について簡単に説明するぞい。
バブルのきっかけは1985年のプラザ合意じゃ
プラザ合意って?
円安で輸出絶好調だった日本に対し、アメリカ、西ドイツ、フランス、イギリスが圧力をかけて円高誘導を掛けた会議じゃ
まあ、日本も渋々というよりか、日米貿易摩擦の緩和の為に、この程度は受け入れざるを得ないかなーという雰囲気じゃったが。
知ってる! マグロが安くなったんだよ!
回転寿司で一皿にマグロが4つのってたんだよ!
そーなの?
プラザ合意の1985年9月は1ドル=240円くらいじゃったのじゃが、1年後には150円台まで円高が進むぞい。
うわっ、円高一直線じゃない
当時のマグロは欧米からはツナ缶の原料としか見られておらず、ありがたがるのは日本人くらいじゃったのじゃ。
円高の影響で輸入マグロの値段が安くなったのじゃな。
マグロおいしい!
えっと……これで日本経済は大丈夫だったの?
ユキちゃんの心配の通り、あまり大丈夫ではなかったのじゃ。
当時は円高不況という名の不況が起きたぞい。
まあ、バブル崩壊後の不況に比べればゴミみたいだがな。
そうそう、リーマンショックの足元にも及ばないぜ。
そーなの?
氷河期たちの言う通りじゃ、政府の経済対策のおかげで、そんなに不況にはならなかったのじゃ。
どんな政策を執ったの?
この頃の景気対策といえば、公共事業と金融緩和が鉄板じゃ
金融緩和とは具体的には公定歩合の引き下げじゃな。
今で言う政策金利じゃ。
金利を引き下げて、借金のリスクを減らし、投資にお金が回りやすくしたのじゃ
この頃の金利は1983年10月の5.0%のまま動かなかったのじゃが、プラザ合意後の1986年1月を皮切りに
こんな形で引き下げしたぞい
===========================
1983年10月22日:5.0%
-----1985年9月22日プラザ合意-----
1986年1月30日:4.5%
同年3月10日:4.0%
同年4月21日:3.5%
同年11月1日:3.0%
1987年2月23日:2.5%
===========================
こりゃ大盤振る舞いね
うむ、0.1%も動かない今とは大違いじゃ
国債も大量に発行して、公共事業も増やし、何とか景気は持ち直した。
まあ、円高で原材料が安く輸入出来始めた事もある。
ワインおいしいブー
この頃からじゃな、外国産のワインブームが本格化したのは
円高でワインも安く買えるようになったのね
そうじゃな、少し後の話になるが、1989年11月のこち亀では「ボジョレー狂騒曲の巻」という話が登場するぞい。
時差の関係で日本がボジョーレ・ヌーボーを世界で一番に早く飲めるという事から始まるお話しじゃ。
さすがこち亀……世相を反映しているわね
とまあ、景気が何とか持ち直したかのように見えたのじゃが
あやつが来てしまったのじゃ
うわわわぁー! くるなぁ! くるなぁ!
いやー! なんで! どうして!
これは悪い夢なんだ、まだ土曜日の晩なんだ……
目が覚めたらプリキュアとスーパーヒーロータイムを見るんだ……
あっ! げつようびのせいで作者の心がクレイジーに!!
とまあ、毎週くるげつようびさんの話ではなく、来たのは……
ブラックマンデーじゃ!
いやぁー! ブラックはいやぁー! もう残業いやです、家に帰らせてください!
せめて、せめて、残業代だけでもぉー! 1日2時間分でいいからぁー!
ああっ、ブラックって単語で作者がトラウマを発症したわ!
まあ、頭のおかしい作者はほっといて、ブラックマンデーというのは1987年10月19日に起きたニューヨーク株式市場の大暴落じゃ。
ニューヨークダウ平均株価が2246ドルから1738ドルへ1日で508ドルも下落したぞい。
-22.8%の下落率は今も最悪値として残っておる。
2018年のニューヨークダウ平均が24000ドルくらいじゃから、今に例えると1日で5500ドルくらい下落した事になるぞい。
それで、日本は大丈夫だったの?
ブラックマンデーの翌日の日経平均株価は24,746円から21,910円へ約3,836円下落したぞい
大丈夫じゃないじゃん……
ところが、その後、日本の株価は回復を始める。
バブルの始まりじゃ。
えっ!? いったいどうして?
うーん、実はブラックマンデーは原因がはっきりしておらんのじゃ。
中東情勢悪化による原油高騰の恐れや、西ドイツの利上げとか、自動売買アルゴリズムの暴走だとか諸説あるが、どれも致命的ではない。
これらの原因は世界経済ではたまにある出来事じゃ。
あー、世界経済に与えたインパクトとしては、米国同時多発テロとか、リーマンブラザーズ破綻とかの方がインパクトあるわね。
そうなんじゃ、じゃからブラックマンデーの原因は、本当は良好な経済の実態に反して、ちょっとしたきっかけで、個人も含めた投資家心理の悪化によるものかもしれんのじゃ。
わたしは実は良い子なのですよ。
じゃが、それは今だから言える事で、当時の政府は世界恐慌の到来を防がなければと考えたのじゃ。
G5各国はどの国も内需拡大路線に動き、景気拡大。
アメリカはドル安効果で経済の上昇傾向が続いたのじゃ。
日本が円高なら、アメリカはドル安だもんね。
うむ、その結果、世界経済は恐慌どころか好調に向かったのじゃ。
そして、日本も例外でなかった。
低金利の資金で土地や株に投資が行われ、あのとんでもないバブル上昇が起きたのじゃ。
日本のバブルは俺たちが築いた。
崩壊したのは悪かったが、今の若いやつらはバブルを起こす気概もない情けないやつよ。
と言っているけど?
まあ、ある程度は団塊世代の功績もあるじゃろうが、バブルとは実態を超えて経済好調を迎える事じゃ。
バブル発生は団塊世代の実力だけじゃない……
そこにはインチキブーストもあったのじゃ。
次はこのインチキブーストについて説明するぞい。
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