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最終章 ここから始まる理想郷
その10 俺と爆発の最終決戦
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ドラゴンは首を掲げ、息を吸い込む素振りを見せる。
あれって、もしかして……
ボブワァー!!
やっぱりブレス!
青白く、赤い炎が口から放出された。
「散開ー! 逃げろー!」
あんなのに当たったら、ひとたまりもない。
というか、死ぬ。
炎は天幕を焼き、いたる所で火災と爆発が起きる。
ん? 爆発?
「神様! 逃げる! ドトーに乗る!」
ドトーが俺を抱える。
こんな小さな体なのに、すごいパワーだな。
だが、逃げてもドラゴンは俺達を追ってくるだろう。
あんなのを町に連れていく訳にはいかない。
「ドトー! あいつの後ろに回れるか? それと頼みがある!」
「お前には恩がある。これからもばさーの味方してくれるなら、その話乗る!」
話が早くて助かる!
「よし、行くぞドトー! ばさー!」
ドトーは俺を抱えたまま、侍女の背に乗る、そして、その侍女ももうひとりの侍女の背に乗った。
「いくぞ、3段式ロケットジャーンプ!」
疾走する侍女の背から、侍女が跳び、そしてその上からドトーが跳び、最後に俺が跳んだ。
ボスッ
そして俺はドラゴンの背に乗る。
あっ、首を後ろに曲げたドラゴンと目があっちゃた。
そうだよねー、縮尺的に人の背にネズミが乗ったら気づくよね。
だが、この角度ではブレスは撃てまい。
そして、手も届かないだろう。
俺は背中から、ドラゴンの首筋に移動する。
翼が羽ばたいた。
やはり、そうきたか。
俺を上空から振り落とす気だ。
少しの浮遊感を伴い、ドラゴンは飛翔する。
時折、こちらを見ているが、首の可動域から俺は外れているからな、その牙も届かないぞ。
さて、最終兵器の出番だ。
俺は紙で巻いた筒と紐を取り出し、揺れる背中から何度か落ちそうになりながらも、それをドラゴンの首に巻き付ける。
よし、俺がそれに火を着けた時点で、天と地が入れ替わった。
こいつ、背面飛行も出来るのか!?
俺は落下した。
このまま落ちれば、俺は死ぬだろう。
だが、最低限相打ちに持っていける。
化粧水に使われているグリセリンを硝酸と硫酸でニトロ化した物、すなわちニトログリセリン。
そして、それを、これまた前回の転移で作った綿を硝酸と硫酸でニトロ化したニトロセルロースと混ぜて、ゼリー状にしたゼリグナイト。
それが、あの筒の中身の正体。
人類初のプラスチック爆弾、ダイナマイトだ!
ドドドドドガーン!!!
上空で大きな爆発が見え、ドラゴンが落下していくのが分かる。
これが地上で爆発していたら、俺が落下中でなければ、その威力はドラゴンだけでなく、他の者も巻き添えにしていただろう。
そして、俺は地上に激突……しなかった。
バサァ!
あの爆弾を落としていた鳥たちが俺を掴んでくれたからだ。
「ドトーに感謝しろー!」
俺の着地地点へ近づく、影から声が聞こえた。
俺はゆっくりと着地した。
ドラゴンは大きな地響きを上げて着地した。
◇◇◇◇◇
「死んだ……のかな?」
地面に落ちたドラゴンに俺は恐る恐る近づく。
逃げていた者たちも、次第に集まってきていた。
「スゴイです神様! あんな神の炎を作るなんて! この竜族すら倒してしまうなんて!」
バス―は俺に抱き着いて、ぴょんぴょんしている。
「まさか、竜族を地に貶めるとはな」
「いや、まだだっ!」
俺の残心が第六感に警戒を告げた。
ざわっと、周囲に緊張が走り、ドラゴンが瞳を開いた。
そして、ゆっくりと体を起こす。
その動きは鈍い。
「今です! とどめを刺すのです!」
「止めろ!」
バス―が号令するが、俺はそれを止めた。
「なぜ、止めた」
「お前を殺したくないからさ。最初から『なら死ね』じゃなく、ともだちとして一緒に暮らそうと俺は言ったはずだが」
「甘いな、それでは支配者とは言えん。この屈辱は傷が癒えたら返す」
バサァ! と翼を揺らして、ドラゴンは再び飛翔する。
そして、南の山脈へと飛び立って行った。
助かった。
「どうして、お止めになったのです!?」
「あいつらは、母がいると言った。竜族の王子とも言った。きっと、相当な個体数がいる」
「ええ、だから、一匹でも殺しておかないと……」
「逆だ、殺せば、一族が集団でやってくる、すぐに敵討ちにだ。だが、生きて帰せば、傷が癒えるまでの時間が稼げる」
まあ、すぐに一族が来る可能性も否定できないけどね。
だが、王子というなら、そのプライドや立場から、次も自分自身が参加するだろう。
その回復に掛かる時間が俺たちには必要だ。
このままでは、俺達は負ける。
本意ではないが、戦うための戦力を整える科学を教える必要がある。
いやだなー、おっぱいを愛でる心で共感を呼んでくれるような敵だったらいいのに。
◇◇◇◇◇
俺は神殿の町に戻った。
「各部門の長を集めよ。情報を収集し、状況を説明する」
「はい」
そして、電気が必要だ。
電灯レベルではない、大量の電気が必要になる。
最低でも水力発電クラスの。
「神様、長たちがあつまりました」
「うむ、すぐ行く」
神殿の広間の隣には大部屋がある。
かつてシリーたちとビール作りに精を出した部屋だ。
ここに集まった長は、すごい石の家の長のメルー。
すごい布の家の長のヒー。
超すごい酒の家の長のリリー。
獣人の町の長のガオー。
魚人の湖の巫女のパトー12世。
トカゲ人の町の長のトカー。
新参のドトー。
バス―は神の巫女という位置づけだが、行政の長を司っているらしい。
「さて、噂は聞いていると思うが、竜族と敵対する事になった」
一同にざわざわという動揺が走る。
「恐れる事はない、この神がいれば竜族も恐るるに足りぬ。事実、俺だけで退ける事が出来た」
俺の声に一同にさらに、ざわざわとした声が広がった。
「か、神様、それは本当ですか?」
「本当だ。その科学は皆に授けよう。だが、本当はこの力は、戦いには使いたくなかった」
そう、ニトログリセリンをベースとしたダイナマイトは本当は工事用なのだ。
大河をたどり、南の山脈を探検すれば、そこには滝がある可能性が高い。
そこに水力発電所を作って、大規模発電を行うのが、俺のこの世界でのゴールだと思っていた。
「だが、ここに至っては仕方がない。竜続は今度は集団で侵攻してくるだろう。戦う術を授けよう」
「すでに、量産化計画は立案済です」
メルーは仕事が早い。
昨晩のうちに伝えておいた要素から計画を立案していた。
「それでだ、俺は竜族の情報が欲しい。数、強さ、居場所などだ」
「神様、おはつ! ビールおいしい!」
「ビールおいしい!」
発言したのは、パトー12世。
魚人の巫女だ。
その姿は、もう競泳水着を着た女の子にしか見えない。
おっぱいは水の抵抗を小さくする形をしていた。
つまり、小さめだ。
「竜族は南の火山島に住んでる。大きい、強い、その炎は鉄溶かす。ぎょーは、ずっと竜の女王に貢物してきた」
「ずっと……ってハトの頃からか?」
ハトは俺とモモ―がビール造りをしていた時に助けたウナギだ。
「それより、ずっと昔! 牛とかワニとかの肉、真珠やサンゴとかの海のキラキラ、今は金とか宝石とか!」
「知らなかった……バス―は知っていたか?」
「はい、うわさ程度ですが」
うーん、貢物で満足してくれて、俺たちの縄張りを犯さなければ良かったのに。
「ドトーも同じ。肉とキラキラした物を捧げた。その代わり、色々な事を教えてくれた。でも、ある日、あの王子が縄張りよこせと言ってきた。だから、ドトーは住処を捨てて、山を下りた」
「よし、山を登ってみよう。そこに竜族が居れば、交渉してみるか」
戦わずに済めば良いなー。
あれって、もしかして……
ボブワァー!!
やっぱりブレス!
青白く、赤い炎が口から放出された。
「散開ー! 逃げろー!」
あんなのに当たったら、ひとたまりもない。
というか、死ぬ。
炎は天幕を焼き、いたる所で火災と爆発が起きる。
ん? 爆発?
「神様! 逃げる! ドトーに乗る!」
ドトーが俺を抱える。
こんな小さな体なのに、すごいパワーだな。
だが、逃げてもドラゴンは俺達を追ってくるだろう。
あんなのを町に連れていく訳にはいかない。
「ドトー! あいつの後ろに回れるか? それと頼みがある!」
「お前には恩がある。これからもばさーの味方してくれるなら、その話乗る!」
話が早くて助かる!
「よし、行くぞドトー! ばさー!」
ドトーは俺を抱えたまま、侍女の背に乗る、そして、その侍女ももうひとりの侍女の背に乗った。
「いくぞ、3段式ロケットジャーンプ!」
疾走する侍女の背から、侍女が跳び、そしてその上からドトーが跳び、最後に俺が跳んだ。
ボスッ
そして俺はドラゴンの背に乗る。
あっ、首を後ろに曲げたドラゴンと目があっちゃた。
そうだよねー、縮尺的に人の背にネズミが乗ったら気づくよね。
だが、この角度ではブレスは撃てまい。
そして、手も届かないだろう。
俺は背中から、ドラゴンの首筋に移動する。
翼が羽ばたいた。
やはり、そうきたか。
俺を上空から振り落とす気だ。
少しの浮遊感を伴い、ドラゴンは飛翔する。
時折、こちらを見ているが、首の可動域から俺は外れているからな、その牙も届かないぞ。
さて、最終兵器の出番だ。
俺は紙で巻いた筒と紐を取り出し、揺れる背中から何度か落ちそうになりながらも、それをドラゴンの首に巻き付ける。
よし、俺がそれに火を着けた時点で、天と地が入れ替わった。
こいつ、背面飛行も出来るのか!?
俺は落下した。
このまま落ちれば、俺は死ぬだろう。
だが、最低限相打ちに持っていける。
化粧水に使われているグリセリンを硝酸と硫酸でニトロ化した物、すなわちニトログリセリン。
そして、それを、これまた前回の転移で作った綿を硝酸と硫酸でニトロ化したニトロセルロースと混ぜて、ゼリー状にしたゼリグナイト。
それが、あの筒の中身の正体。
人類初のプラスチック爆弾、ダイナマイトだ!
ドドドドドガーン!!!
上空で大きな爆発が見え、ドラゴンが落下していくのが分かる。
これが地上で爆発していたら、俺が落下中でなければ、その威力はドラゴンだけでなく、他の者も巻き添えにしていただろう。
そして、俺は地上に激突……しなかった。
バサァ!
あの爆弾を落としていた鳥たちが俺を掴んでくれたからだ。
「ドトーに感謝しろー!」
俺の着地地点へ近づく、影から声が聞こえた。
俺はゆっくりと着地した。
ドラゴンは大きな地響きを上げて着地した。
◇◇◇◇◇
「死んだ……のかな?」
地面に落ちたドラゴンに俺は恐る恐る近づく。
逃げていた者たちも、次第に集まってきていた。
「スゴイです神様! あんな神の炎を作るなんて! この竜族すら倒してしまうなんて!」
バス―は俺に抱き着いて、ぴょんぴょんしている。
「まさか、竜族を地に貶めるとはな」
「いや、まだだっ!」
俺の残心が第六感に警戒を告げた。
ざわっと、周囲に緊張が走り、ドラゴンが瞳を開いた。
そして、ゆっくりと体を起こす。
その動きは鈍い。
「今です! とどめを刺すのです!」
「止めろ!」
バス―が号令するが、俺はそれを止めた。
「なぜ、止めた」
「お前を殺したくないからさ。最初から『なら死ね』じゃなく、ともだちとして一緒に暮らそうと俺は言ったはずだが」
「甘いな、それでは支配者とは言えん。この屈辱は傷が癒えたら返す」
バサァ! と翼を揺らして、ドラゴンは再び飛翔する。
そして、南の山脈へと飛び立って行った。
助かった。
「どうして、お止めになったのです!?」
「あいつらは、母がいると言った。竜族の王子とも言った。きっと、相当な個体数がいる」
「ええ、だから、一匹でも殺しておかないと……」
「逆だ、殺せば、一族が集団でやってくる、すぐに敵討ちにだ。だが、生きて帰せば、傷が癒えるまでの時間が稼げる」
まあ、すぐに一族が来る可能性も否定できないけどね。
だが、王子というなら、そのプライドや立場から、次も自分自身が参加するだろう。
その回復に掛かる時間が俺たちには必要だ。
このままでは、俺達は負ける。
本意ではないが、戦うための戦力を整える科学を教える必要がある。
いやだなー、おっぱいを愛でる心で共感を呼んでくれるような敵だったらいいのに。
◇◇◇◇◇
俺は神殿の町に戻った。
「各部門の長を集めよ。情報を収集し、状況を説明する」
「はい」
そして、電気が必要だ。
電灯レベルではない、大量の電気が必要になる。
最低でも水力発電クラスの。
「神様、長たちがあつまりました」
「うむ、すぐ行く」
神殿の広間の隣には大部屋がある。
かつてシリーたちとビール作りに精を出した部屋だ。
ここに集まった長は、すごい石の家の長のメルー。
すごい布の家の長のヒー。
超すごい酒の家の長のリリー。
獣人の町の長のガオー。
魚人の湖の巫女のパトー12世。
トカゲ人の町の長のトカー。
新参のドトー。
バス―は神の巫女という位置づけだが、行政の長を司っているらしい。
「さて、噂は聞いていると思うが、竜族と敵対する事になった」
一同にざわざわという動揺が走る。
「恐れる事はない、この神がいれば竜族も恐るるに足りぬ。事実、俺だけで退ける事が出来た」
俺の声に一同にさらに、ざわざわとした声が広がった。
「か、神様、それは本当ですか?」
「本当だ。その科学は皆に授けよう。だが、本当はこの力は、戦いには使いたくなかった」
そう、ニトログリセリンをベースとしたダイナマイトは本当は工事用なのだ。
大河をたどり、南の山脈を探検すれば、そこには滝がある可能性が高い。
そこに水力発電所を作って、大規模発電を行うのが、俺のこの世界でのゴールだと思っていた。
「だが、ここに至っては仕方がない。竜続は今度は集団で侵攻してくるだろう。戦う術を授けよう」
「すでに、量産化計画は立案済です」
メルーは仕事が早い。
昨晩のうちに伝えておいた要素から計画を立案していた。
「それでだ、俺は竜族の情報が欲しい。数、強さ、居場所などだ」
「神様、おはつ! ビールおいしい!」
「ビールおいしい!」
発言したのは、パトー12世。
魚人の巫女だ。
その姿は、もう競泳水着を着た女の子にしか見えない。
おっぱいは水の抵抗を小さくする形をしていた。
つまり、小さめだ。
「竜族は南の火山島に住んでる。大きい、強い、その炎は鉄溶かす。ぎょーは、ずっと竜の女王に貢物してきた」
「ずっと……ってハトの頃からか?」
ハトは俺とモモ―がビール造りをしていた時に助けたウナギだ。
「それより、ずっと昔! 牛とかワニとかの肉、真珠やサンゴとかの海のキラキラ、今は金とか宝石とか!」
「知らなかった……バス―は知っていたか?」
「はい、うわさ程度ですが」
うーん、貢物で満足してくれて、俺たちの縄張りを犯さなければ良かったのに。
「ドトーも同じ。肉とキラキラした物を捧げた。その代わり、色々な事を教えてくれた。でも、ある日、あの王子が縄張りよこせと言ってきた。だから、ドトーは住処を捨てて、山を下りた」
「よし、山を登ってみよう。そこに竜族が居れば、交渉してみるか」
戦わずに済めば良いなー。
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