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第八章 動転する物語とハッピーエンド

馬鹿と馬方蕎麦(その7) ※全8部

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◇◇◇◇

 野槌のづち……それは山野に棲む”あやかし”。
 大きな口を持つワームのような姿で、時に人間に化け里に下りてくる。
 時には人間すら丸のみする大喰らいだけど、その恐ろしさはそこじゃない。
 伝承曰く、””。
 この即死攻撃が最大の恐怖。
 僕たちは事前に佐藤から敵の正体と、この即死攻撃の情報を入手。
 だから、野槌が転がり始める前に抑え込むのが僕らの作戦。
 ……だった。

 「「「ジェット! ストリーム! スラッァァァーシュ!」」」

 だから、この初撃で相手を転ばせる鎌井かまいさんたちの技は最悪。
 でも、間に合わない。
 風のはやさを持つ鎌井かまいさんたちのスピードには誰もついていけない。

 スターン!

 初撃の白美人さんが野槌の足を払い、それを転ばせる。
 
 「かかったな! ありがとよ!」

 野槌は身体を丸め転がる体制へ移行。
 このまま次撃の恋太刀さんの手刀が野槌に触れれば、それだけで彼女を待つのは死。
 だけど、ここにはそれを上回る雷速を持つ”あやかし”だっているのさ!

 「渡雷! 頼む!」
 「心得た!」

 バチバチッと帯電の音が響き、渡雷が雷速をって恋太刀さんへ。
 僕も彼の技をコピーして一歩遅れて伊豆奈さんへ。

 バリッ、バリッバリリッ

 ふたつの雷光が室内を照らし、僕らの胸の中へふたりは抱え込まれ、野槌の突進から逃れる。

 「危機一髪でござったな」
 「あ、ありがとよ。ここがオレの剣ヶ峰けんがみねだったぜ」
 「……大丈夫?」
 「あ、はい、大丈夫です」

 よかった、野槌に触れる前に救出。

 「ははっ、運のいいやつらだ。まあ、この体制になっちまったら俺様は無敵だがな!」

 そう叫ぶ野槌には、ギュルギュルと回転するタイヤのようなエフェクト。

 「では、遠隔攻撃ではどうであるかな?」

 ブォンと風を切る音が聞こえ、黄貴こうき兄さんから投げ飛ばされたテーブルが回転する野槌に命中。
 でも、バキッと音がして、そのテーブルは破砕。
 なら僕が!

 僕は再び帯電し、渡雷の必殺技”雷鳴一閃”の構え。
 同時に天邪鬼の妖力ちからもコピー。
 これなら即死の影響を受けず、相手を倒せる。
 これはあの“さまようのろい”を倒した複合技。

 「邪鬼一閃!」

 僕は雷光の速さで野槌を切り裂く!

 ガキン!
 
 え!? 
 術が止まった!? それに勢いが死んだ!?
 僕の手刀は野槌に振れた途端に動きを止め、僕は吹っ飛ばされる。
 その瞬間に流れ込むのはあの時の”死の呪い”から感じた【死ね】という言葉と同じ感触。
 これが、野槌の即死攻撃。
 天邪鬼の妖力ちからをコピーしてなかったら即死だった。

 「無駄無駄ぁ! どんな飛来物だろうと、術だろうと、転がる俺様に当たったら死んじゃうんだからよ!」

 回転する野槌は自信たっぷりに叫ぶ。

 「だけど、俺様の攻撃を受けて死なねぇのは褒めてやる。お前、あれだろ、仲間の能力ちからをコピーできるとかいう妖怪王候補のひとり、橙依とーいだろ。それで、天邪鬼の能力ちからをコピーしたってとこだろ。知ってるぜ、お前のこと」
 「……どうして、そこまで」

 僕が妖怪王候補だってことは知れ渡ってる。
 だけど、僕のコピー能力のことは限られた相手しか知らないはず。
 友達とか家族とか。

 「さぁ? なぜかなぁ? そこまで教えてやる義理はねぇ! 都合のいいことにテメエは俺様に触れても死なねぇ。だったら適当に痛めつけて、人質に出来るってわけだぁ!」

 そう言って、野槌から聞こえるのはギュルルルと回転数の上がる音。
 やばい、僕のコピーした天邪鬼の妖力ちからは死なないけど、他のコピーした術や技は死ぬ。
 でも、あの怪力の前では僕の素の筋力ではかなわない。
 それは、相手の即死を無効に出来る天野でも同じ。
 こうなったら、何とかみんなが逃げる時間を稼いで、僕も逃げるしかない。
 そう考えた僕の前にりんとした影。
 
 「おにげなさい。これはわたくしが招いた失態。ならば、わたくしが犠牲になっている間に逃げて、蒼明そうめい様を呼んでくるのです」
 
 立ちふさがったのは白美人さん。

 「……だめ、僕が時間を稼ぐから逃げて」
 「わたくしにも意地と責任がございます。さぁ! そこの生理的に無理なブ男! まずはわたくしから殺しにいらっしゃい!」
 「ほう……これはこれは、さっき俺様を転ばせてくれたベッピンじゃねぇか。いいだろう! まずはお礼にお前から殺してやるぜ!」

 ギュギュギュギュと畳を殺しながら回転する野槌は白美人さんに急接近。

 「だめズラー!!」
 
 野槌が白美人さんに衝突する寸前、馬鹿むましかがそこに割って入り吹き飛ばされる。

 …
 ……

 馬鹿むましかは時間にすれば一瞬、だけど僕らの心の体感時間ではゆっくりと宙を舞い、畳にドサッっと落ちて動かない。

 「イャァアアアーーー!!」

 白美人さんの悲鳴があがり、その目の端に涙がにじむ。

 「へっ、馬鹿な野郎だ。おとなしくしとけば死ぬことはなかったのによ。ま、馬鹿は死ななきゃ治らないから当然ちゃぁ当然だがな!」

 馬鹿むましかの衝突で勢いの方向が変わった野槌が広間の端でUターンしながら言い放つ。
 
 「よくも、よくもよくも! わたくしの愛しの馬鹿むましかを殺してくださりやがりましたね!」
 「……馬鹿むましかは馬鹿だけどいいやつだった。ライバルだけど、友達だったんだ。だから許さない! 僕が仇を取る!」

 白美人さんと僕の怒りの声が野槌に向かう。
 そして、刺し違えてでも倒そうという僕らの勢いを止めたのは……。
 
 「橙依とーい、それにはおよばぬ。馬鹿むましか、何を暢気のんきに寝ておる。『目覚めよ』」

 黄貴こうき兄さんの声だった。

 「いやー、死ぬかと思ったズラ!」

 え?
 足をピンと伸ばし、それを下げる勢いで馬鹿むましか飄々ひょうひょうと立ち上がる。

 「え?」
 「え? え?」
 「ええ~~!?」

 僕らの驚き視線を集めている馬鹿むましかはピンピン。

 「なぜだ! なぜ死なない! 俺様の即死攻撃を受けて!?」
 
 驚愕の最たる者は当然ながら攻撃した張本人。

 「なぜも何も、お前自身が言っておったではないか。『馬鹿は死ななきゃ治らない』と」

 そう言う黄貴こうき兄さんちょっと相手を小馬鹿にしたような口調。

 「だが、馬鹿むましかの馬鹿は死んでも治らない、そういう”あやかし”だからな……」
 
 黄貴こうき兄さんはそう言って一呼吸おく。

 「ゆえに! 馬鹿むましかは死なない!」
 「ふざけんあー! そんな馬鹿な話があるかーーーーー!!」

 あー、うん、敵だけど気持ちは同じ。

 「笑止! これは馬鹿の話である!」

 なんだろう……なんだかすごいメタ発言を聞いた気がする。

 「さあ! 我が第六の臣下『馬鹿のタンク』こと馬鹿むましかよ! お前の真の力を見せてやれ!」
 「はいズラ! オラにめをかけてくれたおうさまのためにもがんばるズラ!」

 肘をLの字に曲げた愉快なポーズで馬鹿むましかは野槌に対峙。

 「嘘だ! 俺様の無敵の妖力ちからがこんな馬鹿に負けるはずがない! あれは何かの間違いだぁー!」

 ギュリギュリギュリとさらに回転数を上げた野槌の突進が馬鹿むましかへ。

 ガシィ!!

 それを正面から受け止める馬鹿むましか

 「!?」
 「おどろいたズラか! たまこせんせーも、こうきさまもほめてくれた、オラの馬鹿力は!」

 すごい……僕と天野が簡単に吹っ飛ばされた野槌の怪力を抑え込んでいる。

 「ふっ、タンク職は膂力りょりょくに長けているのは当然のこと! さらにダメ押し! 女中よ!」

 襖がスパーンと開き、とってもいい笑顔で珠子姉さんが登場。

 「はい! 黄貴こうき様! 言われた通り、館に火を放ちました!!」

 そして、とんでもない発言。

 「た! たまこねえさん! な! なにやってんおぉーー!!」
 「あ、あほだー!!」
 「いやぁー! 私の館が―!!」

 あまりにもの超展開に僕らの口が叫びを上げる。
 同時に部屋にもうもうと入り込む黒い煙。

 「馬鹿をやってるに決まってんでしょ! さあ! 馬鹿むましか君!」
 「お前の真の力を見せるのだ!」
 
 ふたりの声援を受け、馬鹿むましかの鼻息が増々荒くなる。

 「これがぁー! オラの! かじばのぉー! 馬鹿力ズラー!!」

 どこかの噂のスーパーヒーローのように輝く妖気を身に纏い、馬鹿むましかは受け止めた野槌を締め上げる。

 ギリッギリッ……ギリギリギリッッ

 「あっ、あっ、あっ、ちょ、ちょっとまて、そんな馬鹿な、バカな、ばかな、この俺様がこんなやつにやつに、だ、、だめ、だめ、出る、出ちゃう、中の身でちゃう!」

 ぷちゅ

 あまり聞きたくない音を立てて野槌は動かなくなった。

◇◇◇◇

 「むもう! なんてことするんですか!? もうやだ、この王候補と馬鹿な仲間たち。蒼明そうめいさまー! 早く帰ってきてー!」

 あの後、僕たちは必死に消火活動を行って、何とか火事はボヤで済んだ。
 気絶した野槌は珠子姉さんんが慈道から買った真言が書き込まれた縄でがんじがらめ。

 「遅くなりました。みなさんご無事ですか?」クイッ
 「蒼明そうめい様! きいて下さいよ。このアマは私の館内に火を放ったんですよ! プンプン!」
 
 紅い玉を真っ赤に染めて、迷い家まよいがさんは珠子姉さんへの抗議を口にする。

 「ふぅ、まったくしょうがない人ですね貴方は。それ以外の被害は……なさそうですね。無事でよかったと言うべきでしょう。迷い家まよいがさんには後で私の妖力ちからを分けてあげますから、それで癒して下さい」クイッ

 縛られた野槌とその隣に立つ無事な僕たちを見て、蒼明そうめい兄さんは安堵の溜息。

 「それだけじゃありません! このアマったら、蒼明そうめいさんの電子レンジを爆発させやがったんですよ! げきおこです!」
 「な、なんてことをしやがってんですか!? 貴方は!?」ズルッ

 そういえば珠子姉さんは10分足らずで爆発を起こしてた。
 どうやったのかな?

 「説明しよう! この女は蕎麦大根餅を電子レンジに入れやがったのさ!」

 僕の心を読んだ佐藤が、きっと珠子姉さんの心を代弁。

 「そのとおり! 人類の間違った叡智! 電子レンジにデンプン質と水分の含んだものをラップ無しで長時間チンすると爆発しまーす! 例えば、肉まんや焼きいもを10分近く加熱すると爆発しちゃうの。今日は蕎麦大根餅で代用しました! 非常時以外はやっちゃダメ! 絶対!」

 非常時でもやっちゃダメ! 絶対!
 
 「それで、あの死天王デスヘブンキングとかいう馬鹿な名前のひとりがそいつですか。誰が倒したのです? 黄貴こうき兄さんですか?」クイッ
 「正確には我の手の者だ。我が第六の臣下『馬鹿のタンク』こと馬鹿むましかがな」
 「がんばったズラ!」
 「助かりましたわ。さすがわたくしの馬鹿むましか君ですの」

 この立役者の馬鹿むましかは白美人さんに、ぎゅっぎゅっされてニヘハ~という馬鹿面を晒し中。

 「なるほど、さすがは私も一目置く、東北解放の立役者ですね。黄貴こうき兄さんの配下でなければ、私が配下にしたかったくらいですよ」クイッ
 「……立役者ってどういうこと? それって蒼明そうめい兄さんじゃないの?」

 迷い家まよいがを操っていた串刺し入道を倒したのは蒼明そうめい兄さんのはず。

 「言葉通りですよ。迷い家まよいがさんを操ってた串刺し入道を倒したのは私です。ですが、あの頃の迷い家まよいがの恐ろしさは、相手を異空間に引きずり込み、そこから逃がさないことにありました。勢力は広がっているのに居場所がわからない、どこから襲ってくるかもわからない。これは脅威でした」クイッ

 そう言えば迷い家まよいがが北を荒らしまわっているというの噂はかなり前から聞いてた。
 でも、誰も逃げ出せていないなら、その正体が迷い家まよいがであることも、それがどこにいるのかもわからなかったはず。
 その情報はどこから出たのだろう……、ひょっとして……。

 「そんな時、迷い家まよいがに何度も戦いを挑む者がいました。それが彼です。馬鹿のひとつ覚えのように勝てるはずもない戦いを何度も挑み続けて返り討ちにう彼を目撃したり、話を聞いた”あやかし”も多かったのですよ。それで迷い家まよいがの情報は早期に広がったのです」クイッ
 「うむ、普通の”あやかし”なら迷い家まよいがに囚われ、串刺し入道の拘束に遭っていただろうな。だが、馬鹿の能力ちからなぞ頼まれても要らぬと返り討ちだけに留めたのが串刺し入道の敗因のひとつよ。ま、ヤツでは我のように馬鹿むましかの不死性を見出せなかっただろうがな」

 そうだったのか……
 あれ? それじゃ、あの時言っていた白美人さんの『東北解放の立役者』って……。 
 それにさっき『愛しの馬鹿むましか』って言ってたような気が……。
 
 「ん、うーん、はっ!? ここは俺様は……あの馬鹿に締め上げられて……」

 そんな事を考えていた僕の隣で野槌が目を覚ます。

 「お前は蒼明そうめい!? だとしたら他の死天王デスヘブンキングも……」
 「ええ、あの山女郎やまじょろう入道坊主にゅうどうぼうずは私が倒しました。微笑みに笑みを返したり、彼女にくすぐられると即死してしまう山女郎。先に『見ているぞ』と言われてしまうと即死する入道坊主。どちらも大したことありませんでしたよ。己の姿を隠し敵の位置を特定する私の霧の術の前では」クイッ

 フッと口から一条の霧を吹きだして蒼明そうめい兄さんは言う。

 「し、七人ミサキは!? あいつはあいつ自身を殺した相手を取り込んで仲間にするはず。決して倒せないはずだ!」

 話を聞く限り、どれも凶悪。
 野槌はまだマシだったのかな。
 
 「残念ですが……あれは私では倒せませんでした」クイッ
 「そうか! あいつはまだ健在なんだな!? だとしたら人質でも取って俺様を救出に……」
 「私が倒す前に、緑乱りょくらん兄さんが倒してしまいましたから」クイッ
 「そいつなら、俺の上で寝てるぜ。ま、倒したのは俺っちじゃなくて化け猫遊女ちゃんだけどよ」

 頭に猫を乗せ緑乱りょくらん兄さんが登場。
 1、2、3……8匹も搭乗。

 「ど、どうやって!? 七人ミサキを倒したら、七人ミサキになっちまうはずだ」
 「知らねぇのか? ”猫に九生きゅうしょうあり”って。この化け猫遊女ちゃんは命を9つ持っている。七人ミサキを倒すごとにその命を渡して、それを7回繰り返せば……」
 「”七人ミサキ”は今や”七匹のミケ”ニャ。これが十人ミサキだったら勝てなかったニャ」

 八匹の猫、いや化け猫遊女と”七匹のミケ”は「にゃぁ~」と鳴く。

 「そ、そんな……、大悪龍王様の最強の配下、死天王デスヘブンキングがものの数でなかっただと!?」

 最後の希望が消え、野槌がガックリとうなだれる。
 
 「そういうことです。さて、西の龍王こと大悪龍王について洗いざらい吐いてもらいましょうか。そうすれば命だけは助けてあげます」
 「大悪龍王とは大言壮語も過ぎたものよ。我のように”王”とだけ名乗れば良いものの。変に装飾を付ければ、”王”という名の価値が下がるではないか」

 野槌にふたりの妖怪王候補が詰め寄る。
 
 「わ、わかった! 話す! 全て話す! だから俺の命だけは、いや、お前、貴方様たちの配下に入ってもいい! だから!」
 「まあ、いいでしょう。それで大悪龍王とはどんな”あやかし”なのです?」
 「それはだ……グッグガッ、ラめらメやあめヤメヤめヤメてへぇー!!」
 
 野槌が急にもがき苦しみ出す。
 それは彼を縛る真言縄で自らを傷つけるほど。
 そして……

 「死んだか」
 「ええ、口封じでしょう」クイッ

 野槌は命を失い、その身体は霧散して幽世かくりよった。
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