上 下
206 / 411
第八章 動転する物語とハッピーエンド

安達ケ原の鬼婆とどぶ汁(その6) ※全6部

しおりを挟む

 おねえちゃんの”どぶ汁”ってメニューにボクたちはちょっと不安になった。

 「”どぶ汁”は言葉の響きは悪そうですが味は絶品ですよ。では、調理開始といきましょう! おじさん……じゃなかった、あなた綺麗な水を用意して下さい。今からさばきますから」

 りょこう中でも珠子おねえちゃんはお料理の道具を忘れない。
 バッグの中からほうちょうセットとまな板を取り出すと、その上にアンコウをどーんとおく。
 アンコウってちょっとぶきみだよね。

 「アンコウと言えばるし切りが有名ですが、このサイズならまな板でも十分にさばけます。まずはヒレをズダーンと落とし、この大きな口まわりに切り込みを入れて、皮をズルーっとむきまーす」

 すごーい! せなかとおなかの皮がペリペリペリってむけた。

 「あとは肛門から刃を入れて、中の内臓を取り出して部位でわけまーす。ぬのと呼ばれる卵巣、水袋とよばれる胃、そしてこれが肝心、キモだけに! あん肝の登場でーす! 生き胆ですよおかあさん!」
 「お、おう……手際がええのう」

 おねえちゃんの手はアンコウの血でまっかっか。
 だけどすっごくいいえがお。
 おばあちゃんはちょっと引いているかも。

 「あとは身をおろせば完了! でもちょっとお待ちあれ、頭に頬肉が残っていますねぇ。ここは柳肉やなぎにくとも呼ばれ、とってもおいしいんです。ここを忘れてはいけません!」

 皮がむかれてピンク色の顔になったアンコウの顔におねえちゃんはようしゃなくほうちょうをさす。
 ズシャズシャと楽しそうに。

 「さて、アンコウと言えば”アンコウの七つ道具”とよばれるヒレ、エラ、皮、卵巣、胃、肉、肝が有名ですが、ヒレとエラは上級者向けなので、その代わりに頬肉をいれましょう! はいかんせー! 思ったよりもかんたーん!」

 まな板の上にのっているのは、ピンク色の身と黒っぽいヒレと皮、ちょっと赤ピンクのないぞうと、白っぽいキモ。
 うえー、ちょっとグロテスク。
 アンコウの見た目もそうだったけど、なかみもあんまりおいしそうじゃない。
 でも、ボクはヒメだからあれを食べなきゃいけないんだよね。
 びょうきをなおすために。
 
 「野菜も用意してっと……、さて! これからが”どぶ汁”の調理開始ですっ!」

 こんなのはせつめいふよう、そんなあざやかな手つきでおねえちゃんはハクサイとネギをカットして同じようにならべた。

 「まずは肝の半分を土鍋で乾煎からいりりして崩していきまーす。生き胆とは生きた動物から取った内臓の意味なので、生食する必要はありませーん。というか、アンコウの内臓はアニサキスがいるので生食はNGです」
 「へぇ、本当にドブっぽい色なんだな」

 どなべの中でくずれてそぼろみたいになっていくアンキモの色はちょっと赤めの土の色。
 あんまりおいしそうじゃない。
 
 「これからもーっとドブ色になりますよ。はい、ここで酒少々と味噌を入れてさらに混ぜて、半ペーストみたいにします」

 うわっ!? もっとおいしくなさそうになった。
 

 「続けて、びろーんと薄い卵巣と丸い袋の胃袋と皮、そして切り身と頬肉を食べやすい大きさにカットしてお鍋に投入! 肝の味噌ペーストをまぶすようにまぜまーす」

 どなべの中はぐにょぐにょうねうねした生き胆でいっぱい。
 ボクは切り身だけにしたいなー。

 「さっ、生き胆と身から出た水分でちょっと鍋っぽくなってきたので、さらに鍋っぽくするために白菜とネギを入れます。ほいっ、野菜の水分で完全に鍋になりましたね。ここで!」

 おねえちゃんは満面の笑みで残った半分のアンキモをもちあげる。

 「やっぱアンコウといえばあん肝! ですが! 内臓や身と違って崩れやすいので最後に入れて軽く混ぜます。そしてふたをして弱火で少々待てば……」

 フタの穴から湯気がシュッシュッっと出てきた所で、おねえちゃんはフタをパッと開く。
 お鍋の中からたくさんの湯気が広がった。

 「うわぁ」

 そのおなべはボクの知っているなべ料理とはちがって、見た目は本当にドブみたい。

 「これが姫の病を治すちゅう”どぶ汁”かね? 確かに薬効がありそうな見た目じゃが……」
 「その名の通りドブみたいですね。土気色の粘りのある液体が所々盛り上がっていて、ちょっと野菜の緑が見え隠れする所とか……」
 「嬢ちゃんの話だと、上級者向けにはこれにエラとヒレが入るんだろ。まさに生ごみが捨てられたドブじゃねぇか」

 みんなの感想はけっこうひどい。
 でも、ボクもみんなと同じ。
 あまり食べたくないなー。

 「んもう、鬼婆さんも実方さんも緑乱りょくらんおじさんまで、ひどい言いざまですね。いいでーす、これはあたしと姫で食べちゃいますから」

 んふっんふっふっ、とはな歌を歌いながらおねえちゃんはお皿によそうけど、ちょっとにげたい。
 
 「はい姫、あーん」

 おねえちゃんが姫のボクにむかってドブ色のをむける。
 あーん、してくれなきゃ、きっとにげてた。

 パクッ

 お口の中に広がったのはおいしいおみその味。
 ううん、ドロドロだけどおみそ味のおいしさのかたまり。
 そして中からあらわれたのへ、きっと切り身。
 かむとくずれるおさかなの身が、くずれるごとにおみそ味のおいしさと合体してさらに大きくなる。
 橙依とーいおにいちゃんといっしょに見たアニメみたいに、お口の中で合体ロボがグレート合体したみたい!

 「おいし~、これ、お口の中がしあわせになる~」
 
 あ、いけない、しゃべっちゃいけないのにしゃべっちゃった。

 「姫がしゃべった!」

 あ、そうだった! ここでしゃべるんだった。
 だけど、そんなボクの役をわすれるくらいおいしかった。

 「これがあん子……ではなく! アンコウの生き胆の効果ですっ! 美味しさで心のリミッターすら解除しちゃうんですよ!! これが、さねか……ではなく、易者さんに教えてもらった効果ですよ、おかっちゃん!!」

 おねえちゃんはボク以上に役をわすれてるね。

 「そして、トドメのきもです! さっ、しーく……姫! これを食べれば姫の口がきけない病なんて吹っ飛んじゃいますよ!」

 あーんとボクに向けられたのはドブにおおわれた
 ドブのすきまからちょっと赤白いものがみえる。
 さいしょにこれを向けられたら、きっと食べたくなくなるような見た目。
 でも、ボクはこのドブがとってもおいしいものだって、もうしってる。

 パクッ

 ……こんどはちがった。
 おいしいおみそあじの中から出てきたのは、すごーいおいしさのかたまりだった!
 さっきのがグレート合体だとしたら、パーフェクト合体くらい!!

 「うわぁー! すっっごく、すっごっく、おいしぃ~! もっともっと!」
 「はいはい、わかりました」

 ボクのお口に次々とおなべの具が入ってくる。
 どれもすっごくおいしい。
 皮はプルプルしていて、らんそうやいぶくろはかむとおいしいおみそあじがなかにもいっぱい。
 おやさいはシャキッとしていてお口の中がちょっとすっきり。
 そして、ホホ肉はギュギュっとはごたえがあって、切り身とちがってお肉なおいしさがつまってる。

 「おおっ!? 見た目はあれだが、こいつはうめぇなぁ!」
 「ええ、水を全然使っていないので、アンコウの旨みと野菜の旨みをドブが全部吸収しているんですよ」
 「こら姫の心が動くのも当然じゃな! 婆もうまい! うまい! って叫びたいくらいじゃ!」

 いつのまにかみんなも”どぶ汁”にむちゅう。
 さいしょはあんまり食べたそうじゃなかったのにね。
 あれ? おねえちゃんがなんだか、ふっふっふっ、ってわらってるよ。
 これって、何かよからぬことをたくらんでる顔だね。

 「そんな所にトドメとばかりに登場ですっ! じゃーん、白いおにぎりと日本酒ー!」

 おねえちゃんのリュックの中からラップにつつまれたおにぎりがポンポンと取り出され、さらには日本酒がドンッっとおかれる。

 「この”どぶ汁”は確かに美味しいです! でも、旨みのアンキモとしょっぱめの味噌を加えた濃厚ペーストで食材をあえる、ついには旨み満載の肝でアンキモをあえるという禁断の旨み合体を果たしたものを食べ続けると、どーしても舌が鈍ります。そこで、それをリセットしてくれるのが冷たいおにぎりですっ! 冷たさは濃厚な味を抑えてくれますから。たとえ冷たくても福島の新米を使ったおにぎりはおいしいっ!」

 パーっと光りかがやくような白いおにぎりをおねえちゃんが高くかかげる。

 「やったー! おにぎりだー! ちょうどたべたくなってたところ!」

 この”どぶ汁”はおいしいけど、ちょっと口の中が塩からくなっちゃった。
 ボクはラップをくるんとむいて、おにぎりをパクッ。
 
 「うわー、このおにぎりおいしいー」

 おこめのあまさは塩からさにバッチリ。
 
 「こらほんまにお米を握っただけじゃな。塩すらふっとらん。そやけどそれがええ」
 「お米はウチも大好物でチュン!」

 このおにぎりと”どぶ汁”の組み合わせはとってもスゴイ。
 パーフェクト合体がギガンティックファイナル合体になったみたい。
 あまりのおいしさに人間スズメさんもスズメさんの時のしゃべりになってる。

 「そしてこれが嬢ちゃん……、いやハニーが買いたかった酒、『千功成せんこうなり』か。ふぅ~、ためいきがでちゃうね。うっとりしちゃってさ」

 おにいちゃんはひとあしさきにお酒をキュッ。

 「へっへっへっ、この檜物屋ひものや酒造店 の千功成せんこうなりはかつては幻の酒とされていましてね。この二本松の地場でしか売られていなかったんですよ。今は通販で買えます、が! 知らないと検索すら出来ませんよね~。ふぅ~」

 そういっておねえちゃんもお酒をのんでためいき。
 おいしそう。

 「なんでぃ、そんな物欲しそうな顔をして。お前さんは日本酒はあまり好きじゃなかっただろ」
 
 おにいちゃんの言う通り、ボクは日本酒はあまり好きじゃない。
 もっとミルク系とかクリーム系とかの甘いお酒が好き。
 だけど、あまりにもおいしそうだから……
 
 「そうだけど、ちょっとのんでみたいなー」
 「そうなの。じゃ、ハイどうぞ」

 おねえちゃんがボクにもトトトとお酒をついでくれたので、ボクはおにいちゃんのまねをしてキュッとそれをのむ。

 「うわぁ~、おくちのなかにおいしさがひろがった~」

 お酒がボクのベロをおよぐと、そこからあの”どぶ汁”のおいしさがもういちどよみがえって、ノドへとながれていく。
 そして、ベロの上には、ほんのりあまくてすっぱいお酒のあじ。
 これはもう! おいしさの全部乗せ合体だね!

 「ええ味じゃ。ええ意味での溜息が出る」

 おばあちゃんもお酒をのんで、ふぅ。

 「この千功成せんこうなりの名はこの二本松藩主の丹羽家のかつての主君、豊臣秀吉の馬印”千成瓢箪せんなりびょうたん”にちなんで付けられたものじゃ。千の功績が成るようにと」

 お酒をじっと見たあと、おばあちゃん顔を上げてボクたちの目をまっすぐ見ながら話し始めた。
 
 「二本松藩の初代藩主、丹羽光重にわみつひではかづで羽柴秀吉と肩を並べた織田家の武将、丹羽長秀にわながひでの孫じゃ。丹羽長秀にわながひでは織田家の中で米五郎左こめごろうざども呼ばれ、米のように日々欠かせない者として重用ちょうようされておったそうじゃ。この地さ生まれた婆のようにな」

 あれ?
 
 「ねぇ、鬼婆さんが今、言いましたよね。この地に生まれたって……」
 
 珠子お姉ちゃんが今までとちがう何かに気づいたように言った。

 「ああ、婆はこの地で生まれだ。いや、今、こごで生まれたと言った方が正しいがの。ありがどな、こだ鬼婆のだめに芝居までうってぐれで」

 おばあちゃんはそう言うと、ボクたちに向かって深々と頭を下げた。
 やっぱり!

 「目覚めたってのかい!? 自我に!」
 「そうです紫君しーくん能力ちからで思念体だったおばあさんが”あやかし”に目覚めた瞬間ですよ! やったー! 紫君しーくんったらスゴーイ!!」

 おねえちゃんがおててをボクに向けてあげたので、ボクもあげて、ハイタッチ。

 「思えば出口のねぇ迷路延々どまわってるような感じじゃった。ただ、語られ続けた昔話の通りに旅人に幻さ見せで怖がらせるだげの存在、それが婆じゃった。じゃが、それ優しいおめさん方ど、この料理が目覚めさせでぐれだ。思わず声がでるぐらいの美味でな」

 おばあちゃんはズズッっと”どぶ汁”の汁をのんで、ニコッとわらう。
 ボクもわかる。
 これは旅人をだます、おしばいのえがおじゃなくて、本当のえがお。

 「ありがとう。優しい子。姫……ではなく、君の優しさで婆は鬼婆になれだ。安達ケ原の鬼婆に」

 おばあちゃんはボクの頭にそっと手をのせナデナデ。

 「ねぇ、おばあちゃんはこれからも鬼婆をつづけるの?」
 「この安達ケ原には鬼婆がいなくてはならんじゃろ。かつて、米五郎左こめごろうざと呼ばれた丹羽家の先祖のようにな。婆はこの地に欠かすごとができねぇもんじゃ」

 おばあちゃんはそう言うと、ボクのあたまをワシワシとして、

 「ま、これからはお前さんたちを見習って、へっだぐそな演技で人間をおどろかすとすっぺ。ちょっとゆがいにも見えるくらいにな」
 
 ボクたちに向かってほうちょうをふりあげた。

 「ぐわぁ~、あだちがはらのおにばばじゃぞ~」と笑顔で言いながら。

◇◇◇◇

 「いよっ、おめさんたぢ。昨日の鮟鱇あんこうはどうだったけ?」
 
 次の日、ボクたちが駅へ向かうとちゅうでお店のおじさんに声をかけられた。

 「とってもおいしかったですよー! いい仕入れしていますね。あたしたちはこれから宮城に向かいます」
 「そっか。とごろで時間があったら、まだ紙芝居でもみでいがねぇがい? 死んだばさまが夢枕に立って、新しい紙芝居描げって言うもんでさ、新作作ったんだ。二本松名物の”イカにんじん”でもづまみながらさ」

 そう言ってお店のおじさんが細切のイカとニンジンをにたもんをさしだす。

 「一昨日、おめさんたぢに言われだのど、夢枕のばさまの話参考にしてさ、今日は話のストーリさ変えで、易者の占いを岩手が聞ぎ間違えちまってさ、実はあんこ……おおっと、こごがら先は”イカにんじん”買ってぐれねぇどな」

 お店のおじさんの言葉にボクたちは顔をみあわせてわらう。

 「そのストーリは大体予想がつきます。それはハッピーエンドのお話ですよね」
 「だよねー」
 「だろうなぁ」

 ボクたちの言葉にお店のおじさんは目をパチクリ。

 「おっ、鋭いね。そう、ハッピーエンドがいいって言でたから、ハッピーエンドにしてみただ」
 「うーん、時間があれば聞きたい所ですが、旅行の予定も狂っちゃいましたので今日は遠慮しておきます。旅のお供に”いか人参”だけ買っていきますね」
 「そっが、まいどありっ! またよっでぐれよ」
 「バイバーイ、またねー!」

 お店のおじさんに手をふって、ボクたちは駅へ。

 「今回は紫君しーくんが大活躍だったな。まさか鎮魂の権能ちからが成仏以外にも使えるとは」
 「まったくでち」
 「ホント、スゴかったです。さすが紫君しーくん!」
 「えっへん!」

 おにいちゃんとおねえちゃんがほめてくれて、ボクはちょっとじまーん。

 「この能力ちからってお前さんたちの想像よりずっと強いでちよ。なんせ、魂の宿ってないものに魂を与えて、そこにちょっと工夫をすれば自分の味方にできちゃうんでちから。そこらへんのアイテムから付喪神つくもがみを創り出したり、他にも嵐や洪水みたいな魂の無い自然現象でもしずめられるんではないでちか。魂をって万物をしずめる。まさに鎮魂でちね」

 つくもがみってあれだよね、黄貴こうきおにいちゃんの所のせとたいしょうみたいな”あやかし”だよね。
 ボクはそれがつくれるのかな?
 それができたら楽しそう!
 
 「おっ、そいつはすっげぇな。さすが鎮魂ちんこんの巫女の子だぜ!」
 「ふぅ、弟たちはこんなにスゴイのにお前さんときたら」

 スズメさんはおにいちゃんのかたでためいき。

 「前にも言ったじゃねぇか。俺っちの弟は俺っちよりずっとスゴイってな」

 スズメさんは、またためいきをついた。

 「でもよ、あの鬼婆ちゃんはこれからどんな話を演じるんだろうな」
 「きっと、ゆかいでおもしろくておいしい話だよ」
 「そうですね。昔話から生まれた安達ケ原の鬼婆さんの将来は、きっとこれから伝えられる話で変わっていくと思います。おとぎ話も時代とともに詳細が変わってきていますからね。例えば、シンデレラは継母と継姉を殺さずに仲直りしますし、桃太郎も鬼を殺さずに仲良しさんになっちゃうパターンだってあります」

 あ、なんかそんな話を橙依とーいおにいちゃんが読んでた『本当はこわい童話』みたいなので見た。
 昔のお話って、もっとグログロだったんだって。

 「もしかしたら、数百年後の安達ケ原の鬼婆の話は……、オニアンコウを求めて! 脅威の健脚! 安達ケ原の鬼婆、姫のために阿武隈山地あぶくまさんちを越え、港からアンコウを持って走る! って話になっているかもしれませんね」
 「そいつは鬼でちね。マラソンの鬼でち」
 
 スズメさんの言葉にボクたちは「「「ハハハ」」」とわらった。
 
 あのおばあちゃんはこれからも旅人にまぼろしを見せ続ける。
 でもだいじょうぶ、もう悲しい話をくりかえすのはここでおしまい。
 これからは『まちがいだと気づいたおばあちゃんは、姫と娘といつまでも、みんなでなかよくくらしましたとさ』ってお話がはじまるんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます

今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。 アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて…… 表紙 チルヲさん 出てくる料理は架空のものです 造語もあります11/9 参考にしている本 中世ヨーロッパの農村の生活 中世ヨーロッパを生きる 中世ヨーロッパの都市の生活 中世ヨーロッパの暮らし 中世ヨーロッパのレシピ wikipediaなど

辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。 隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。 私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。 辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。 本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。 辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。 辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。 それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか? そんな望みを抱いてしまいます。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 設定はゆるいです。  (言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)  ❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。  (出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

未亡人クローディアが夫を亡くした理由

臣桜
キャラ文芸
老齢の辺境伯、バフェット伯が亡くなった。 しかしその若き未亡人クローディアは、夫が亡くなったばかりだというのに、喪服とは色ばかりの艶やかな姿をして、毎晩舞踏会でダンスに興じる。 うら若き未亡人はなぜ老齢の辺境伯に嫁いだのか。なぜ彼女は夫が亡くなったばかりだというのに、楽しげに振る舞っているのか。 クローディアには、夫が亡くなった理由を知らなければならない理由があった――。 ※ 表紙はニジジャーニーで生成しました

【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢

美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」  かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。  誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。  そこで彼女はある1人の人物と出会う。  彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。  ーー蜂蜜みたい。  これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。

処理中です...