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第三章 襲来する物語とハッピーエンド

樹木子と胡椒飯(中編)

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 「……来てたの」

 あたしたちの声が聞こえたのか、橙依とーいくんが二階の部屋から降りて来た。

 「おお! 橙依とーい様! お久しぶりです!」

 緑乱りょくらんさんを見る目とはまた違った眼差しで樹木子さんが喜びの声を上げる。

 「……久しぶり。頼まれていたお針子仕事は終わった。見る?」
 「是非! いやー、これで複数個所での活躍が出来ます。緑乱りょくらん様、ちょっと失礼致します」

 樹木子さんが席を立ち、橙依とーいくんと一緒に二階に消えていく。

 ひょこ

 と思ったら階段の影から頭を出した。

 「……珠子姉さん、大丈夫だと思うけど、しばらく僕の部屋を覗いたりしないでね」

 そんな意味深なセリフを残して、ふたりは階上に消えていったのです。
 うーん、橙依とーいくんがはたでも織っているのかしら。
 『お針子仕事』って言ってたし、ちょっと気になる。

 「おじさん、橙依とーいくんってお裁縫出来るのですか?」
 
 おでんを肴にお酒をちびちびと飲んでいる緑乱りょくらんおじさんに向かってあたしは尋ねる。

 「ああ、あいつは昔はお針子をして稼いでいたからな。おじさんと樹木子のやつが外で肉体労働、橙依とーい君がここでお針子、それが『酒処 七王子』の前身の収入さ」

 現代ではもうつくろいものや小物制作などのお裁縫仕事は鳴りを潜めている。
 だけど、かつて高度経済成長期と呼ばれていた時代は、そういった仕事は主婦が家庭でやるもので、それを代理でやる”お針子”も主婦の副業として立派な仕事になっていた。
 天国のおばあさまもよくやってたっけ。
 時代遅れと言われる事もあったけど、既製品より味があって、あたしは好きだった。

 「うひょー、さすがです! 見事なワザマエ!」
 
 二階からは樹木子さんの声が聞こえてくる。
 
 「はい、次はこのポーズで! 目線はこっちで! 素晴らしいです橙依とーい様!」

 なにやら覗いてみたくなる声も聞こえるけど、さすがに年頃の男の子の部屋を覗くわけにはいきません。
 『覗いちゃダメ』と釘を刺されたならなおの事。
 あたしはちょくちょく他の兄弟の部屋の掃除に入るけど、ちゃんと許可を取って入っている。
 そのおかげで、みなさんのエロ本隠し場所マップは頭に入っていますけど。
 
 「いやー、助かりました。これで明日からの正義の活動にもバリエーションが増えます」
 「……いいからその紙袋の中身をちゃんと隠して」

 ひとしきり撮影会のような声が聞こえた後、ふたりは二階から降りて来る。
 樹木子さんの手には紙袋、きっとあの中に橙依とーいくんのお針子仕事の成果が詰まっているのだろう。

 「それでは、緑乱りょくらん様、橙依とーい様、僕はこれで失礼致します。ごちそうさまでした」
 礼儀正しい挨拶を残して、樹木子さんは夜の闇に消えていったのです。

◇◇◇◇
 
 「珠子、こっちこっち」
 「ごめーん、アスカ待った?」

 今日は街に買い出し。
 『酒処 七王子』の仕入れは業者や通販をよく利用するけど、たまには街にも買い出しに出る。
 そして久しぶりにアスカとオープンカフェでお茶する事になったのだ。
 あたしは昼夜逆転生活を続けていましたから。

 「それで、新しい職場はどう?」

 このアスカの紹介であたしは『酒処 七王子』で働く事になった。
 最初は”あやしい”仕事かと思ったけど、結果は意外とまとも。
 まあ、”あやしい”仕事だったんですけど。

 「うん、非常に快適。やっぱ店舗の切り盛りの大半が自分で判断できるって所がいいわね」

 自分で責任を持って仕事が出来るのは楽しいし、それが上手くいった時は嬉しい。
 ただ言われるがままにやっていたブラックな前職とは大違い。

 「そっか、珠子の顔も前よりずっと生き生きとしているもんね」
 
 あたしも最近はずっと身体の調子も心の調子も好調。
 出勤がおっくうだった以前とは大違い。
 空は澄み、空気は温かく、紅茶も美味しい。
 そんなあたしの視線の端で怪しい影が動く。

 怪しいといっても”あやかし”ではない。
 挙動が怪しい人間だ。
 は会話に夢中になっている隣のテーブルからハンドバックを何食わぬ顔で奪い取った。

 「あっ! 置き引き!」

 あたしの大声に周囲の視線が集中する。

 「ちっ!」

 大きな舌打ちをして、そいつはダッシュで走り始める。

 「アスカ! 置き引きよ! 警察に連絡を!」

 そんなあたしを前にして、アスカは優雅に紅茶を飲み続ける。

 「ちょっと!? 置き引きだってば!」
 「大丈夫よ。が来るわ」

 はい? 来て欲しいのは警察なんですけど……
 そんなあたしの耳に軽快な音楽が聞こえて来る。

 トロトン タラタン トルルッッタタラリララン
 タトル ドゥルル トゥロロ タラタラタッリララン

 「なにこれ?」

 日曜朝を思わせるミュージックに周囲がざわつく。
 ううん、ざわついているのは一部の人だけ。
 アスカも大半の人も落ち着いてお茶を続けている。
 ううん、スマホを出してカメラを構えている人も。

 「トオーウ!」

 その時、逃げる置き引き犯の上から野太い男の声が響き渡った。

 「平和な街を乱す悪党! たとえおてんと様が許しても、このボクが許さない! 絶対に!」
 
 声の主はピンクフリルの付いたスカート姿の変態……いや、コスプレ青年って事にしておきましょう。
 日曜朝を思わせる変身少女ヒロインころもをまとい、目を覆う仮面を付け、胸板の厚いそいつは縦三回転で置き引き半の前に降り立つ!

 「げぇ! 変態!」
 
 うん、置き引き犯に心から同意するわ。
 
 「蝶から変態! ピュアのヒロイン! それがボク! 純情! ボクっ! ジュンボッコ! 悪党なんて一瞬でフルボッコよ!」

 指を日常では使わない影絵天狗のように折り曲げ、ピュ……ピュアなヒロインが物騒な決め台詞を吐く。

 「ふざけんあ! フルボッコなんて言う、お前のような変態がヒロインなものか!」
 「枝葉末節! 細かい事は気にしないわ! さあ! お縄の時間よ!」

 ピュアのヒロイン風の青年の身体から無数の触手のようなものが伸びると、それは一瞬で置き引き犯をぐるぐる巻きにした。
 うん、ピュアとは程遠いですね。

 「やったー! すごいぞ! ジュンボッコ!」
 「ありがとう! ピュアのヒロイン!」
 
 街の人の歓声とスマホフラッシュの光を浴びながら自称ピュアのヒロインは手を振って応える。

 「ねぇ、アスカ」
 「なに?」
 「いつから八王子は特撮の聖地になったんだっけ?」
 「半年くらい前からね。ちょうど珠子が再就職したあたりよ。ちなみには撮影じゃないわ。その正体はようとして知れないご当地ヒロインっぽいものよ」

 マジですか!
 天国のおばあ様、あたしの居ない間に街の様相が様変わりしていました。

 「でも、今、注意すべきは別の所ね」

 そう言うアスカが指で示すのは、スマホフラッシュに夢中になっている男のビジネスバッグ。
 それにも置き引き犯の魔の手が迫っていたのだ!
 置き引きやひったくりで騒然としている時には、同時に別の窃盗も起きやすいと聞いた事がある。
 
 大変! あたしが声を上げようとしたその時! 地面がむくりと膨らみ、人の形を取り始める。

 「……ボクは悪を見逃さない! 純情! ボクっ娘! ジュンボッコベータ! 悪党なんて連撃でボッコボコよ!」
 「新キャラだ―!」

 あたしの声じゃありませんよ、通りすがりのそういうのが好きそうな人の声です。

 「まじかよ! 2クール目の新戦士かよ!」
 「キャー! 今度は少年風、いや少年のボクっ娘だわ!」

 新キャラはブルーが基調の魔法少女風の衣装と鉢巻き風の仮面を身に着けていた。
 胸板は薄い。
 というか、あのバストラインは女の子ではなく、少年のもの。
 うーん、通りすがりのそういうのが好きそうな人が好きそうなボディだわ。

 「えいやぁぁぁあー!」

 気合の入った気の抜けるような少年声がこだまする。
 そして、第二の魔法少女風の少年もまた、身体から伸びた触手で犯人をぐるぐる巻きにしたのです。

 「「街の平和はボクたちが守る! 純情! ボクっ娘! ジュンボッコ!」」

 最後に犯人をヒールで踏みつけて、ふたりはバレリーナを超えた身体の柔らかさで決めポーズを取る。
 輝くスマホフラッシュを浴びながら『トォオオオー!!』という雄叫びとともに自称ピュアの魔法少女風のヒロイン?は消えていったのです。

 「いやー、またジュンボッコが見られるとは」
 「ええ、第二の戦士も可愛かったわ。ウフフ」
 
 そう言いながらスマホフラッシュをしていた人たちが平然とお茶に戻る。
 もはや、街に溶け込んでいる日常のよう。
 
 「しかし、この街もしばらく見ないうちに変わったものね」

 あたしは買い出しに来る事はあっても生活のリズムの関係で普通の人とは時間帯が合わないの。

 「まあね、最近はこの街の”あやかし”たちも増えているし」

 ”あやかし”が増えているのには心当たりがある。
 あたしの活躍のおかげ……せい。

 「あのピュアを名乗っている正義とやらのヒロインも”あやかし”だし」
 「マジで!?」
 「マジよ」

 あたしの旧来の友人アスカは霊力が高い。
 慈道さんが底を見せない霊力の強さだとしたら、アスカは底が見えない強さを感じる。
 少なくともふたりともあたしより遥かに霊力が強いの。
 そのアスカが言うのなら間違いないと思う。

 そう言われてみれば、あの気配は人間というよりも”あやかし”っぽかった。
 まあ、それ以上に変態ぽかったのですけど。
 ん? あのベータって子、雰囲気が橙依とーいくんに似ているような……まさかね。

 「でも、ちょっと意外ね。珠子があれを見たら、もう少し取り乱すと思ったわ」

 紅茶を口にしながら少し感心したようにアスカが言う。

 「うーん、春だからねぇ、そういうのも出てもおかしくないわねー」

 まあ、あんなのは『酒処 七王子』の客に比べれば可愛いもの。
 あたしは、最近のポカポカ陽気を浴びながらそう言った。

 「珠子、あんたこの半年でずいぶん図太くなったわね」

 そんなあたしの言葉を受けて、少しあきれたようにアスカは呟いたのでした。

◇◇◇◇

 「とまあ、そんな事があったんですよ」
 「へぇ、けったいな”あやかし”もいるもんだねぇ」

 あれからあたしは『純情! ボクっ娘! ジュンボッコ!』について調べた。
 ネットの情報曰く、『街を守る女装変態』『変態だけど、行動は見習うべき』『ショタ系新キャラハァハァ』など評価はさまざま。
 でも、やっている事は良い事。
 おばあさんの荷物を持ってあげたり、子供たちを交通事故の魔の手から救ったり、線路に転落した人を退避ゾーンに引きずり込んだり。
 その怪しい言動と姿に目をつぶれば、彼女、いや彼のおかげで救われた人も沢山いる。
 ちなみに、ネットで一番話題だったのが『絶対防御のスカートの謎を探れ! はいてない VS 謎の光』だ。

 カラン

 扉の鈴が鳴り、お客さんが入って来る。
 今日は特別裏メニューの献血パックの仕入れの日、いつもよりちょっとお客さんが多い。
 入って来たのは樹木子さん、手にはこの前の紙袋を持って。

 「いらっしゃいませ。樹木子さん」
 「こんにちは、いつものを頼みます」

 樹木子さんはいつものように、いつもの注文をする。

 「かしこまりました。あ、今日は樹木子さんへの特別メニューがありますよ。よろしければそちらもどうですか?」

 あたしが来てから、この『酒処 七王子』のメニューは増えた。
 ”あやかし”向けのこの店ならではのメニューを開発したいなー、とあたしはずっと思っているのだ。
 特に血を吸う系の”あやかし”さんへの。

 「そうですか、それではそちらも頂きましょう。あっ、緑乱りょくらん様も一緒にどうですか?」
 「おっ、いいねぇ。それじゃあご相伴にあずかろうかねぇ」
 「はい、すぐにお持ちしますね」

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