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リュドウィック殿下、危機一髪!
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しばらく経って腰の調子が良くなったリュドウィックは、アンディとオズワルドと共に救護室を出て、応接間へと足を運んだ。
未だに『騎士団長とダブルデートをするかもしれない』という未来が信じられず、アンディは隣にいるオズワルドを横目でチラッと見る。
その視線に気がついたオズワルドが、また嬉しそうに笑ったものだから、心臓がありえないぐらいドクドクと鳴って、ついプイッとそっぽを向いてしまった。
(む、無理だよ無理だよ!自分より強いウェリントン騎士団長が、自分を…ではなくアナベルを誘うだなんて!ロザリア様はどう返事するのか気になるけど、無理っ!しかも、意識すればするほど、か、カッコよく見えてしまう!な、なにこれぇ…)
まともにオズワルドが見れず、けれど何とかリュドウィックを後ろから見続けていると、ふと嫌な予感がして窓の外を見る。
すると、遠くの木の上から何か光るものを発見して、アンディは息を呑んだ。
あの光はきっと弓矢の矢尻。そして狙うはリュドウィックの頭。
この状況はヤバいと思ったアンディは、あの矢が放たれたと同時に、咄嗟にリュドウィックにタックルし、床に倒れた。
「殿下!危ない!!」
「えっ!?うわっ!」
「!?」
外から放たれた矢は、伯爵邸の窓ガラスを割り、弧を描いて遠くの床に刺さった。
それが毒矢だとすぐに気付いたオズワルドは、その矢をつがえたものを瞬時に認識し、睨んだ顔で呪文を唱える。
すると、オズワルドのすぐ横に魔方陣が形成されて、弓矢を放った男がいつの間にか転移してきた。
「ひっ!な、ななななな!」
「…貴様…!なぜリュドウィック殿下を狙った!誰の差し金だ!」
「ひ、ひぃっ!ど、どうして…あ、アンタは魔法が使えないはずだ!そして、そこのナヨナヨないかにも弱っちそうな執事も!ど、どうして気付いた!?」
「はぁ!?俺が質問しているのに、質問するとはいい度胸だなぁ!」
「ひゃあああ!!」
怒りに任せて、オズワルドは帯刀していた剣を抜き、弓矢の男の真横にザンッと刺す。
それを見た弓矢の男は、震え上がって身体をよりガクガクと震え上がらせた。
「…いってて…。あれ?なんか、お取り込み中かい?もしや、この男が俺を狙ってたって事かい?」
「ハッ!リュドウィック殿下、ご無事ですか!?」
「うん、まぁ平気だけど…。俺を殺そうとしたって事は、牢屋行き確定って事だね」
唐突だったとはいえ、アンディの下敷きになっていたリュドウィックが、その場でゆっくりと起きて立ち上がり、即座にオズワルドの背中に隠れる。
そして、リュドウィックはオズワルドにこう指示を出した。
「すまないね、オズワルド。コイツは俺を害した罪で、一旦牢屋で話を聞いた方がいい。あと、もしまだ魔力が残っているようなら、この屋敷周辺に感知魔法をかけてくれ。そして、彼にかける転移魔法なら、俺に任せてくれないかい?」
「殿下…。承知しました。ですが、また何かあったら大変ですので、俺の後ろに」
「はいはい。ではまずは話し合いをする拷問室へご案内するよ。うーん…空いてる拷問室は、地下1階の1405室かな。あぁ、大丈夫。全て話してくれれば、焼印以外の酷いことはしないから!ではでは、行ってらっしゃ~い」
「へ?ま、待ってくれっ!話す!ここで、は、話すからっ!だから見逃して」
リュドウィックが詠唱なしで生成した白い魔方陣が、弓矢の男の床下に生成され、いつの間にか彼はこの屋敷から姿を消していた。
そして、何とか感知魔法を起動させたオズワルドは、ふらふらになりながらも、両脚を踏ん張らせて立っていた。
「…全く。あんまり無理しないでくれよ、オズワルド。ただでさえ、転移魔法は魔力を多く消費するんだから」
「す、すみません…。怒りに任せて、つい…。多分あれは、殿下を殺そうと計画している、第二王子派閥の差し金だと思われます」
「あー、やっぱりね。あの性悪側妃、まだ諦めてなかったんだ。俺の腹違いの弟も、もう十八にもなるのに、まだ全然帝王学すら手をつけていない。しかも昔の俺以上に遊びまくってヤリまくって、噂ではどこかの令嬢を妊娠させたとかさせてないとか。ほっんと、俺を見習って欲しいものだよ!確かに俺も昔はだらしなかったけど、こう見えて俺童貞だからさぁ」
「!?」
まさかリュドウィックが童貞だと思わず、アンディは目の前の元遊び人殿下を二度見する。
そのアンディの驚きように、オズワルドも『確かにそうなるよな』と同意し、肩をすくめて首を横に軽く振った。
未だに『騎士団長とダブルデートをするかもしれない』という未来が信じられず、アンディは隣にいるオズワルドを横目でチラッと見る。
その視線に気がついたオズワルドが、また嬉しそうに笑ったものだから、心臓がありえないぐらいドクドクと鳴って、ついプイッとそっぽを向いてしまった。
(む、無理だよ無理だよ!自分より強いウェリントン騎士団長が、自分を…ではなくアナベルを誘うだなんて!ロザリア様はどう返事するのか気になるけど、無理っ!しかも、意識すればするほど、か、カッコよく見えてしまう!な、なにこれぇ…)
まともにオズワルドが見れず、けれど何とかリュドウィックを後ろから見続けていると、ふと嫌な予感がして窓の外を見る。
すると、遠くの木の上から何か光るものを発見して、アンディは息を呑んだ。
あの光はきっと弓矢の矢尻。そして狙うはリュドウィックの頭。
この状況はヤバいと思ったアンディは、あの矢が放たれたと同時に、咄嗟にリュドウィックにタックルし、床に倒れた。
「殿下!危ない!!」
「えっ!?うわっ!」
「!?」
外から放たれた矢は、伯爵邸の窓ガラスを割り、弧を描いて遠くの床に刺さった。
それが毒矢だとすぐに気付いたオズワルドは、その矢をつがえたものを瞬時に認識し、睨んだ顔で呪文を唱える。
すると、オズワルドのすぐ横に魔方陣が形成されて、弓矢を放った男がいつの間にか転移してきた。
「ひっ!な、ななななな!」
「…貴様…!なぜリュドウィック殿下を狙った!誰の差し金だ!」
「ひ、ひぃっ!ど、どうして…あ、アンタは魔法が使えないはずだ!そして、そこのナヨナヨないかにも弱っちそうな執事も!ど、どうして気付いた!?」
「はぁ!?俺が質問しているのに、質問するとはいい度胸だなぁ!」
「ひゃあああ!!」
怒りに任せて、オズワルドは帯刀していた剣を抜き、弓矢の男の真横にザンッと刺す。
それを見た弓矢の男は、震え上がって身体をよりガクガクと震え上がらせた。
「…いってて…。あれ?なんか、お取り込み中かい?もしや、この男が俺を狙ってたって事かい?」
「ハッ!リュドウィック殿下、ご無事ですか!?」
「うん、まぁ平気だけど…。俺を殺そうとしたって事は、牢屋行き確定って事だね」
唐突だったとはいえ、アンディの下敷きになっていたリュドウィックが、その場でゆっくりと起きて立ち上がり、即座にオズワルドの背中に隠れる。
そして、リュドウィックはオズワルドにこう指示を出した。
「すまないね、オズワルド。コイツは俺を害した罪で、一旦牢屋で話を聞いた方がいい。あと、もしまだ魔力が残っているようなら、この屋敷周辺に感知魔法をかけてくれ。そして、彼にかける転移魔法なら、俺に任せてくれないかい?」
「殿下…。承知しました。ですが、また何かあったら大変ですので、俺の後ろに」
「はいはい。ではまずは話し合いをする拷問室へご案内するよ。うーん…空いてる拷問室は、地下1階の1405室かな。あぁ、大丈夫。全て話してくれれば、焼印以外の酷いことはしないから!ではでは、行ってらっしゃ~い」
「へ?ま、待ってくれっ!話す!ここで、は、話すからっ!だから見逃して」
リュドウィックが詠唱なしで生成した白い魔方陣が、弓矢の男の床下に生成され、いつの間にか彼はこの屋敷から姿を消していた。
そして、何とか感知魔法を起動させたオズワルドは、ふらふらになりながらも、両脚を踏ん張らせて立っていた。
「…全く。あんまり無理しないでくれよ、オズワルド。ただでさえ、転移魔法は魔力を多く消費するんだから」
「す、すみません…。怒りに任せて、つい…。多分あれは、殿下を殺そうと計画している、第二王子派閥の差し金だと思われます」
「あー、やっぱりね。あの性悪側妃、まだ諦めてなかったんだ。俺の腹違いの弟も、もう十八にもなるのに、まだ全然帝王学すら手をつけていない。しかも昔の俺以上に遊びまくってヤリまくって、噂ではどこかの令嬢を妊娠させたとかさせてないとか。ほっんと、俺を見習って欲しいものだよ!確かに俺も昔はだらしなかったけど、こう見えて俺童貞だからさぁ」
「!?」
まさかリュドウィックが童貞だと思わず、アンディは目の前の元遊び人殿下を二度見する。
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