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ライトナー子爵家の真実 (オズワルドside)
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「…う、嘘だろ…?アンディ・ライトナーが、鬼籍に入っていた、だと…?」
「はい。以前アナベル嬢を調べていた際に、たまたま知ったものになるので、違う可能性もありますが…。おそらく、六年前にあった『エンブレスト伯爵夫人殺害事件』で死亡したと思われます。当時は九歳だったそうなのですが、部屋の扉の前で死亡していた事や、部屋の奥で夫人が殺害されていた事から、部屋に入った犯人にたち向かって夫人を庇ったのではと推測しております」
「そ、そんな事…!だがアンディは…!」
つい、『アンディは生きている』と主張しようとして、オズワルドは我に返り、口を右手で隠した。
そういえば、エンブレスト伯爵家に訪問した際に、事故で触ってしまった”執事のアンディ”の胸は、男とは思えないほど柔らかかった。
つまり、あの執事は本当は男ではなく、まさか…。
自分にとって信じがたいような答え辿り着いたオズワルドは、慌てた様子でカミーユにこう質問を投げかけた。
「すまん、カミーユ!ライトナー子爵家の家族構成って、知っているか?」
「はい!?か、家族構成ですか!?えっと、アナベル嬢と婚約した時に備えて、ライトナー伯爵家の家族構成も一応調べてはいたんですけど…。確かライトナー子爵とライトナー子爵夫人、そしてアナベル嬢の三人だけだったと…」
「ま、マジか…」
カミーユからの返答に、自分の中の答えが正しかったと分かったオズワルドは、その場でしゃがみ込み、頭を抱えた。
(う、嘘だろ…!?つまり、あの執事のアンディは、男装したアナベル嬢だったって事か!?完全に振る舞いが紳士っぽかったから、だ、騙された…。しかも、身長も男に混ざる事が出来るぐらい、高かったぞ!?…そして…俺は事故であれ、女の胸を揉んだ事になる…。あ”あ”あ”あ”あ”!!俺のせいじゃないとは言ってくれたけど、これは死ぬ!申し訳なさで死ぬ!)
今にも倒れそうなほど顔が青白くなっているオズワルドに、カミーユも焦りながら座って、彼の顔を覗き込んだ。
「団長!だ、大丈夫ですか!?俺、何かまずい事言っちゃいました!?ハッ!もしかして、今更アナベル嬢の事で、勃起しちゃいました!?」
「なっ!?ぼっ、勃起はしてねぇって!た、ただ以前、ヤバいことやらかしたってだけだ…」
「や、ヤバい事って…。あっ!まさか今朝、夢精してシーツがっ!」
「ちっげぇよ!一週間前に朝勃ちして夢精したお前とは全く違うんだよ!…ったく、お前のせいで嫌な事忘れちまったじゃねぇかよ…」
興奮してカミーユの言葉にツッコミを入れ続けた事で、肌の調子が戻ってきたオズワルド。
そんな彼に、カミーユは嬉しそうな笑顔を浮かべて、大きく頷いた。
「ふふっ。ほら、俺さっき言いましたよね?今は楽しく元気に騒いでいればいいって!俺も前は朝勃ちによる夢精で落ち込んでましたが、あの時は夢の中にアナベル嬢がやってきたので、もう悲しい気持ちも吹っ飛びましたしねっ!っはぁ~!」
「…へー、そうかよそうかよ。それは良かった、なぁ!」
やはりカミーユの発言にすごく苛ついたため、オズワルドはまたまたカミーユの顔面を片手で掴んだ。
しかも今度は今までよりも握力が強く、カミーユは「ギャアアアアアア!!」と叫びながらされるがままになった。
(…アンディ殿がアナベル嬢だと知った今、この事実はカミーユや騎士団には絶対に教えてはいけないな。でないと、騎士団のメンバーがエンブレスト伯爵邸になだれ込んできて、ロザリア嬢やアンディ殿に迷惑がかかるだろう。…あー、でも流石にリュドウィックには話すべきか。あいつのロザリア嬢の食いつきは、今までとどこか違うからな…。うーん…けどやっぱりアンディ殿に興味持たれるのはイライラする。とりあえず気が済むまでこうするか)
こうしてオズワルドは、しばらくイライラが収まるまで、カミーユの顔面を掴み続けたのだった。
「だ、団長~!は、離して下さい~!イダイー!」
「ふん。あとでステーキ奢るから、そのままジッとしてろ」
「す、ステーキは魅力的ですけどぉ…。くっ!この横暴団長がぁ~!!」
「はい。以前アナベル嬢を調べていた際に、たまたま知ったものになるので、違う可能性もありますが…。おそらく、六年前にあった『エンブレスト伯爵夫人殺害事件』で死亡したと思われます。当時は九歳だったそうなのですが、部屋の扉の前で死亡していた事や、部屋の奥で夫人が殺害されていた事から、部屋に入った犯人にたち向かって夫人を庇ったのではと推測しております」
「そ、そんな事…!だがアンディは…!」
つい、『アンディは生きている』と主張しようとして、オズワルドは我に返り、口を右手で隠した。
そういえば、エンブレスト伯爵家に訪問した際に、事故で触ってしまった”執事のアンディ”の胸は、男とは思えないほど柔らかかった。
つまり、あの執事は本当は男ではなく、まさか…。
自分にとって信じがたいような答え辿り着いたオズワルドは、慌てた様子でカミーユにこう質問を投げかけた。
「すまん、カミーユ!ライトナー子爵家の家族構成って、知っているか?」
「はい!?か、家族構成ですか!?えっと、アナベル嬢と婚約した時に備えて、ライトナー伯爵家の家族構成も一応調べてはいたんですけど…。確かライトナー子爵とライトナー子爵夫人、そしてアナベル嬢の三人だけだったと…」
「ま、マジか…」
カミーユからの返答に、自分の中の答えが正しかったと分かったオズワルドは、その場でしゃがみ込み、頭を抱えた。
(う、嘘だろ…!?つまり、あの執事のアンディは、男装したアナベル嬢だったって事か!?完全に振る舞いが紳士っぽかったから、だ、騙された…。しかも、身長も男に混ざる事が出来るぐらい、高かったぞ!?…そして…俺は事故であれ、女の胸を揉んだ事になる…。あ”あ”あ”あ”あ”!!俺のせいじゃないとは言ってくれたけど、これは死ぬ!申し訳なさで死ぬ!)
今にも倒れそうなほど顔が青白くなっているオズワルドに、カミーユも焦りながら座って、彼の顔を覗き込んだ。
「団長!だ、大丈夫ですか!?俺、何かまずい事言っちゃいました!?ハッ!もしかして、今更アナベル嬢の事で、勃起しちゃいました!?」
「なっ!?ぼっ、勃起はしてねぇって!た、ただ以前、ヤバいことやらかしたってだけだ…」
「や、ヤバい事って…。あっ!まさか今朝、夢精してシーツがっ!」
「ちっげぇよ!一週間前に朝勃ちして夢精したお前とは全く違うんだよ!…ったく、お前のせいで嫌な事忘れちまったじゃねぇかよ…」
興奮してカミーユの言葉にツッコミを入れ続けた事で、肌の調子が戻ってきたオズワルド。
そんな彼に、カミーユは嬉しそうな笑顔を浮かべて、大きく頷いた。
「ふふっ。ほら、俺さっき言いましたよね?今は楽しく元気に騒いでいればいいって!俺も前は朝勃ちによる夢精で落ち込んでましたが、あの時は夢の中にアナベル嬢がやってきたので、もう悲しい気持ちも吹っ飛びましたしねっ!っはぁ~!」
「…へー、そうかよそうかよ。それは良かった、なぁ!」
やはりカミーユの発言にすごく苛ついたため、オズワルドはまたまたカミーユの顔面を片手で掴んだ。
しかも今度は今までよりも握力が強く、カミーユは「ギャアアアアアア!!」と叫びながらされるがままになった。
(…アンディ殿がアナベル嬢だと知った今、この事実はカミーユや騎士団には絶対に教えてはいけないな。でないと、騎士団のメンバーがエンブレスト伯爵邸になだれ込んできて、ロザリア嬢やアンディ殿に迷惑がかかるだろう。…あー、でも流石にリュドウィックには話すべきか。あいつのロザリア嬢の食いつきは、今までとどこか違うからな…。うーん…けどやっぱりアンディ殿に興味持たれるのはイライラする。とりあえず気が済むまでこうするか)
こうしてオズワルドは、しばらくイライラが収まるまで、カミーユの顔面を掴み続けたのだった。
「だ、団長~!は、離して下さい~!イダイー!」
「ふん。あとでステーキ奢るから、そのままジッとしてろ」
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