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思わぬハプニング 3
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「…アンディ殿。わ、悪かった…。えっと、俺の手が…えっと…」
「い、いやいやいや!も、元々はと言えば、転けそうになった僕が悪いですし!あ、あれは、ただのハプニングですから!僕を支えようとして下さった騎士団長様は、全く悪くないです!」
「そ、そうか…。いやでも、やっぱり気持ちが晴れそうにないから、せめて謝罪だけは受け取って欲しい。…すまなかった」
「は、はい…」
お互い耳まで顔を真っ赤に染めたまま、双方の間に気まずい空気が流れ始める。
そして、座りながら条件反射で背中を背けて、応接間での話し合いが終わるのを待っている事、数十分。
もう既に防御結界が薄くなってきた応接間の扉が開き、中からリュドウィックが出てきて、アンディ達の今の状況を確認した。
「あっら~!お互い顔赤くしちゃって!もしや、アンディくんとオズ、絶賛お取り込み中だったかい?」
「お取り込み中じゃねぇ!あとは、ここで食事を召し上がって帰るんだろ!?くっ…!あ、アンディ殿。すまないが、ここのダイニングまで案内して頂けないか?」
「は、はい!この後は、リュドウィック殿下のために用意した、フルコースのブランチをご用意しております!ご当主様とロザリア様と共に向かいますので、少々お待ち頂けると助かります」
「うん。ありがとう、アンディくん」
今度は転けることなく、ゆっくり立ち上がったアンディは、応接間へとスタスタ入ってロザリアを見る。
すると案の定、ロザリアは顔を青くして、ソファの上でため息をついていた。
「ロザリア様。途中で抜けてしまい、申し訳ありません。何か、殿下に手を出されたりとか、しせんでしたか?」
「…アンディ。いいえ、それはされてないわ。けれどまた次回、貿易についてと私に会いに、この屋敷を訪れるそうよ。…まぁ、私は苦渋の決断ではあったけど、その意見に頷いたわ。…前に言ったでしょう?殿下は他の男とは違う『不思議な男』だって…」
「ロザリア様…」
ぶっきらぼうではあるが、リュドウィック嫌ってなさそうな発言に、アンディは安堵の息を漏らす。
そして、次にエンブレスト伯爵を見ると、彼も安心したような笑みを見せた。
「アンディ。すまないが、また1週間後に、リュドウィック殿下がこちらを訪れたいと仰った。それまで準備を整える事は可能か?」
「はい。承知いたしました。今回は夜会の日から3日で支度を整える必要がありましたが、1週間であれば、ある程度余裕が生まれるので可能かと。…ただ、今回は訪問だけでしたので安全でしたが、今後いつ何時殿下がロザリア様に手を出すか分かりません。なので客室の出入りはさせないよう行動したいと思います」
「…ははっ…。まぁ、応接間の扉が開いているから、殿下にもその発言を聞かれているとは思うが、これからもロザリアの世話と護衛をよろしく頼むよ」
「はい。お任せ下さい」
アンディは胸に左手を置いて深くお辞儀をし、ロザリアとエンブレスト伯爵を交互に見る。
普通に出来ているだろうかと少し不安だったけれど、嬉しそうにうんうん頷いている当主に安堵の息を漏らした。
けれど、ロザリアはこの時もう既に知っていた。
アンディが応接間に戻ってきた時の顔が、ほんのりと耳まで赤くなっている事に…。
「い、いやいやいや!も、元々はと言えば、転けそうになった僕が悪いですし!あ、あれは、ただのハプニングですから!僕を支えようとして下さった騎士団長様は、全く悪くないです!」
「そ、そうか…。いやでも、やっぱり気持ちが晴れそうにないから、せめて謝罪だけは受け取って欲しい。…すまなかった」
「は、はい…」
お互い耳まで顔を真っ赤に染めたまま、双方の間に気まずい空気が流れ始める。
そして、座りながら条件反射で背中を背けて、応接間での話し合いが終わるのを待っている事、数十分。
もう既に防御結界が薄くなってきた応接間の扉が開き、中からリュドウィックが出てきて、アンディ達の今の状況を確認した。
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「お取り込み中じゃねぇ!あとは、ここで食事を召し上がって帰るんだろ!?くっ…!あ、アンディ殿。すまないが、ここのダイニングまで案内して頂けないか?」
「は、はい!この後は、リュドウィック殿下のために用意した、フルコースのブランチをご用意しております!ご当主様とロザリア様と共に向かいますので、少々お待ち頂けると助かります」
「うん。ありがとう、アンディくん」
今度は転けることなく、ゆっくり立ち上がったアンディは、応接間へとスタスタ入ってロザリアを見る。
すると案の定、ロザリアは顔を青くして、ソファの上でため息をついていた。
「ロザリア様。途中で抜けてしまい、申し訳ありません。何か、殿下に手を出されたりとか、しせんでしたか?」
「…アンディ。いいえ、それはされてないわ。けれどまた次回、貿易についてと私に会いに、この屋敷を訪れるそうよ。…まぁ、私は苦渋の決断ではあったけど、その意見に頷いたわ。…前に言ったでしょう?殿下は他の男とは違う『不思議な男』だって…」
「ロザリア様…」
ぶっきらぼうではあるが、リュドウィック嫌ってなさそうな発言に、アンディは安堵の息を漏らす。
そして、次にエンブレスト伯爵を見ると、彼も安心したような笑みを見せた。
「アンディ。すまないが、また1週間後に、リュドウィック殿下がこちらを訪れたいと仰った。それまで準備を整える事は可能か?」
「はい。承知いたしました。今回は夜会の日から3日で支度を整える必要がありましたが、1週間であれば、ある程度余裕が生まれるので可能かと。…ただ、今回は訪問だけでしたので安全でしたが、今後いつ何時殿下がロザリア様に手を出すか分かりません。なので客室の出入りはさせないよう行動したいと思います」
「…ははっ…。まぁ、応接間の扉が開いているから、殿下にもその発言を聞かれているとは思うが、これからもロザリアの世話と護衛をよろしく頼むよ」
「はい。お任せ下さい」
アンディは胸に左手を置いて深くお辞儀をし、ロザリアとエンブレスト伯爵を交互に見る。
普通に出来ているだろうかと少し不安だったけれど、嬉しそうにうんうん頷いている当主に安堵の息を漏らした。
けれど、ロザリアはこの時もう既に知っていた。
アンディが応接間に戻ってきた時の顔が、ほんのりと耳まで赤くなっている事に…。
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