訳あり男装執事は、女嫌いの騎士団長に愛され口説かれる

プロローグ ★

　ほのかに薄暗いが、少し広くて綺麗なとある寝室のベッドに、二つの影が上下に並んでいる。
　その中で、上に乗った身体の大きな男性は、ベッドに沈められている華奢な人物を組み敷き、下半身を露わにした状態で己の昂った熱をしきりにぶつけていた。

「…くっ、ふぅっ！あ、アンディ…！アンディアンディアンディっ！だ、出すっ！お前のナカに、全部っ！全部！！」
「あっ、やっ！お、オズワルド、様っ！ああっ！お、おやめださいぃっ…！ぼ、僕はっ…お、男でっ！あ”っああっん！」
「チッ！そんなの関係ねぇ！男でも女でも、お前が好きだっ！お前の子宮に、子種を注ぐから！全て受け止めてくれっ、アナベル！」
「あっ！ああっ！だっ、ダメっダメっ、ダメえぇぇぇぇ！！」

　突然自分の本名を言われたのだろう、アンディと呼ばれる人物は動揺して涙を流し、激しい快楽に身を包まれながら、男の熱を奥の方で受け止めた。

　そして、オズワルドと呼ばれる男がアンディから身体を離すと、アンディの身体が露わになった。
　ある程度ふくよかな胸がついているアンディは、本当は男性ではなく女性だったのだ。

「はぁ…はぁ…。アンディ…いや、アナベル…。愛している…。初めて逢った時からずっと…」
「…ぜぇ、はぁ…。でもっ…オズワルド様は、女性嫌いなのでは？」
「ははっ！お前以外には、な？」

　そう言って、オズワルドは蕩けた笑顔を向けたまま、アンディの額にキスをする。
　一方で、アンディは口を尖らせつつ、オズワルドを睨んでいた。

　女性嫌いの騎士団長・オズワルドと、訳あり男装執事・アンディ。
　この二人がどうやって出逢い、身体を重ねる事になったのかは、今から約二ヶ月前まで遡る事となる…。