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第一章
嘘
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「今日は楽しい時間をありがとうございました。」
「…ええ、私の方こそありがとう。」
お茶会の時間が終わりを告げる。
タシェ様が楽しい時間だったと言うが私はそうではない。
彼女がアドリアン様の幼馴染だと知ってからというもの、楽しめるわけがなかった。
(もしかして態とお茶会に呼ばれたのかしら。)
醜い感情が私の心を支配する。
本当はこんな事思いたくないのに。
アドリアン様が私に対して冷たい理由を彼女のせいにしなければ心を保つことができなかった。
「また、お誘いしてもよろしいでしょうか?」
そんな私の気持ちなんて知らず、タシェ様は無邪気に笑う。
その笑みが余裕そうに見えて悔しかった。
「…機会があれば。」
その一言を返すので精いっぱいだった。
――
あのお茶会以降。
極力タシェ様と距離を取ろうと思っていた私だが。
「あ、イヴェット様おはようございます!」
「イヴェット様、ここの観劇が面白いらしいんです。一緒に行かれませんか?」
「イヴェット様、有名な茶葉が入ったそうです!今日の午後のティータイムにでも!」
私の思惑とは別でタシェ様は目に見えて執拗に絡んでくるようになった。
「…。」
彼女を見るたび胸がざわめいて余計なことを言ってしまいそうだというのに。
こんな頻繁に話しかけて来て一体何を考えているのやら。
しかもタシェ様が話す内容には必ずアドリアン様がどこかで出てくる。
性格の悪い私は彼女が彼との仲の良さをアピールしている風にしか見えない。
とりあえず私はタシェ様に誘われたときは全て無言で笑顔を返すことにしている。
誘いにも応じていないので、どうにか察してほしい。
「あ、お忙しいようですね。申し訳ございません。」
タシェ様は簡単に引き下がってくれた。
アドリアン様の補佐官になるくらいだ、彼女も馬鹿ではない。
私が拒否をしているのを理解してくれるからまだ助かっている。
それで諦めてくれれば尚、嬉しいんだけれども。
断り続けているのにも関わらず、タシェ様は何度も私を誘ってきたのだった。
こんな事を続けていると当然精神的にも疲れは来るわけで。
次にまた誘ってくるようなら、いい加減はっきりと断ってしまおうかなどと思っていた時の事。
「え?今なんて…。」
部屋で読書をしていた私にマーサが言った。
「殿下がお呼びでございます。」
「…夢ではないわよね?本当に、あのアドリアン・アルフォール殿下が私をお呼びに?」
「はい。先ほどエトワール卿からそのようにお伝えになるよう言われたので確かかと。」
「!!」
(アドリアン様からお誘いが来るなんて…!)
今日の朝聞いた時はいつもの如く会えないと聞いていたのに。
急遽時間を空けられたということだろうか。
こうしている場合ではない。
急いでドレスを着替えなければ。
「マーサ!急いで準備するわよ!」
私は完全に浮かれていた。
少し考えたらアドリアン様望んで私と会うはずがないのに。
彼が時間をつくってまで私を呼び出す理由を考えようとはしなかった。
――
暫くして私はアドリアン様の執務室を訪れていた。
部屋の中には私の他にアドリアン様とエトワール卿とタシェ様の三人だ。
「殿下、お久しぶりでございます。」
以前、名前を呼んでほしくないと言われたので本人の前で言わないよう気を付けながら挨拶をする。
久しぶりに会ったせいで少し緊張してしまう。
「…顔を上げてください。」
アドリアン様からのお許しが出て顔を上げる。
「…!」
彼と顔が合った瞬間、背筋が凍った。
アドリアン様は見たこともないくらいに怒った顔でこちらを見ていたからだ。
(一体なぜ…?)
全く身に覚えがなかった私は戸惑った。
一体何がそこまで彼を怒らせてしまったのだろうか。
「ここにはなぜ呼ばれたのかわかりますか?」
「あ、その…えと。も、申し訳ございません…。」
恐怖で体が震え、口もうまく回らない。
アドリアン様の顔もまともに見ることさえできない。
私の様子を見てアドリアン様はわざとらしくため息を吐いた。
「私からだとすぐ誘いに応じるんだな。」
アドリアン様が小声で何かを呟く。
何と仰ったのか私のところまでは聞こえなかった。
「あなたは最近お忙しいと聞いていたので、今回の誘いもてっきり来てくれないものかと思っておりました。」
「!とんでもございません!殿下の誘いとあらば私はいつでも時間を空けます。」
いつでも良いので気軽に誘ってほしい。
そう言う意味を込め、私は言う。
「それに部屋にいるだけですので、特に忙しいと言う程では…。」
「おや、おかしいですね。タシェ嬢からはあなたが忙しくて中々話すことができないと聞いたのですが。」
「え。」
急にアドリアン様の口からタシェ様の名前が出て来て嫌な予感がした。
最近の私はタシェ様の誘いをことごとく断っていた。
忙しいと聞いたって言うのもタシェ様からだろうか。
彼女は私が何も言わないのを良いことに、忙しそうですねと解釈していたから。
「あ…誤解をさせてしまったみたいですね。忙しいという訳ではなく、偶々体調が優れなくて…。」
「部屋にずっといるが健康上問題なさそうだとマーサから話は聞いています。」
「…ずっとではなくて、その時一瞬だけ調子が良くない気がしたのです。」
「そうですか。」
苦しい言い訳だという事はわかっている。
アドリアン様もこれが私の嘘だという事に気づいているようだった。
重苦しい空気が私たちの間で流れる。
「ちょっと、アドリアン!もう良いでしょ?イヴェット様も怯えてしまっているわ!」
傍で静かに見守っていたタシェ様が私とアドリアン様の間に入る。
助け舟を出してくれたのだろうかと思ったが、私は彼女がアドリアン様を名前で呼んだことの方が気になってしまった。
主君に対して名前を呼び捨てするなんて不敬ではないか。
アドリアン様が怒る前に私が注意しようとしたが、彼は気にしていないようだった。
それどころか。
「カレン。」
アドリアン様までもタシェ嬢のことを名前で呼ぶ。
その時の彼の声や表情が。
決して私に向けられるようなものではなかった。
(何、あの顔は…。それに、私には名前で呼ぶなと言ったくせに。)
れっきとした差を見せつけられた気がした。
妻である私を差し置いて、幼馴染の彼女にはそれを許している。
これがどういうこと意味するか、私にはわかる。
「…。」
私の胸がまた酷く痛み出す。
10年間思い続けたこの想いがガラガラと崩れていく音がした。
悲しくて、辛くてどうしようもないのに。
アドリアン様は私を見てはくれない。
私の大好きな彼はタシェ様の方をずっと向いている。
「カレン。私の補佐官でもあるあなたは、そう簡単に軽んじられて良い存在ではありません。」
アドリアン様が今日私を呼んだのは最初から全てタシェ様の為だったみたいだ。
あんなに浮かれて馬鹿みたいだと思った。
メイド達の言うお飾りの妃である私が大切な彼女の誘いを毎回断るのが腹立たしかっただろう。
公式的な場でさえ、私の顔を見ようともしないアドリアン様が。
あんなに私が望んでも会いに来てくれなかったアドリアン様が。
こんな事で私と会おうとするなんて。
なんて、なんて皮肉だろうか。
思わず自嘲気味に笑ってしまう。
「何がおかしいんですか。」
馬鹿にされたとでも感じたのだろうか。
アドリアン様が不機嫌そうにこちらを見る。
(アドリアン様の瞳にようやく私が映った。)
こんな時でさえ、彼が私に向いてくれた事を嬉しく感じる私は狂っている。
アドリアン様に嫌われたら私はどうなってしまうだろうか。
それだけは考えたくなかった。
「アドリアン様もタシェ様も申し訳ございませんでした。タシェ様のお気持ちを踏みにじるようなことをした私が悪かったのです。タシェ様、改めて私と仲良くしてくださるかしら。」
私は私の気持ちに嘘を吐く。
そう、すべて私が悪いのだ。
そう言う事にすれば丸く収まる。
だから。
(これ以上、私の事嫌いにならないでください。アドリアン様。)
「…ええ、私の方こそありがとう。」
お茶会の時間が終わりを告げる。
タシェ様が楽しい時間だったと言うが私はそうではない。
彼女がアドリアン様の幼馴染だと知ってからというもの、楽しめるわけがなかった。
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「また、お誘いしてもよろしいでしょうか?」
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――
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極力タシェ様と距離を取ろうと思っていた私だが。
「あ、イヴェット様おはようございます!」
「イヴェット様、ここの観劇が面白いらしいんです。一緒に行かれませんか?」
「イヴェット様、有名な茶葉が入ったそうです!今日の午後のティータイムにでも!」
私の思惑とは別でタシェ様は目に見えて執拗に絡んでくるようになった。
「…。」
彼女を見るたび胸がざわめいて余計なことを言ってしまいそうだというのに。
こんな頻繁に話しかけて来て一体何を考えているのやら。
しかもタシェ様が話す内容には必ずアドリアン様がどこかで出てくる。
性格の悪い私は彼女が彼との仲の良さをアピールしている風にしか見えない。
とりあえず私はタシェ様に誘われたときは全て無言で笑顔を返すことにしている。
誘いにも応じていないので、どうにか察してほしい。
「あ、お忙しいようですね。申し訳ございません。」
タシェ様は簡単に引き下がってくれた。
アドリアン様の補佐官になるくらいだ、彼女も馬鹿ではない。
私が拒否をしているのを理解してくれるからまだ助かっている。
それで諦めてくれれば尚、嬉しいんだけれども。
断り続けているのにも関わらず、タシェ様は何度も私を誘ってきたのだった。
こんな事を続けていると当然精神的にも疲れは来るわけで。
次にまた誘ってくるようなら、いい加減はっきりと断ってしまおうかなどと思っていた時の事。
「え?今なんて…。」
部屋で読書をしていた私にマーサが言った。
「殿下がお呼びでございます。」
「…夢ではないわよね?本当に、あのアドリアン・アルフォール殿下が私をお呼びに?」
「はい。先ほどエトワール卿からそのようにお伝えになるよう言われたので確かかと。」
「!!」
(アドリアン様からお誘いが来るなんて…!)
今日の朝聞いた時はいつもの如く会えないと聞いていたのに。
急遽時間を空けられたということだろうか。
こうしている場合ではない。
急いでドレスを着替えなければ。
「マーサ!急いで準備するわよ!」
私は完全に浮かれていた。
少し考えたらアドリアン様望んで私と会うはずがないのに。
彼が時間をつくってまで私を呼び出す理由を考えようとはしなかった。
――
暫くして私はアドリアン様の執務室を訪れていた。
部屋の中には私の他にアドリアン様とエトワール卿とタシェ様の三人だ。
「殿下、お久しぶりでございます。」
以前、名前を呼んでほしくないと言われたので本人の前で言わないよう気を付けながら挨拶をする。
久しぶりに会ったせいで少し緊張してしまう。
「…顔を上げてください。」
アドリアン様からのお許しが出て顔を上げる。
「…!」
彼と顔が合った瞬間、背筋が凍った。
アドリアン様は見たこともないくらいに怒った顔でこちらを見ていたからだ。
(一体なぜ…?)
全く身に覚えがなかった私は戸惑った。
一体何がそこまで彼を怒らせてしまったのだろうか。
「ここにはなぜ呼ばれたのかわかりますか?」
「あ、その…えと。も、申し訳ございません…。」
恐怖で体が震え、口もうまく回らない。
アドリアン様の顔もまともに見ることさえできない。
私の様子を見てアドリアン様はわざとらしくため息を吐いた。
「私からだとすぐ誘いに応じるんだな。」
アドリアン様が小声で何かを呟く。
何と仰ったのか私のところまでは聞こえなかった。
「あなたは最近お忙しいと聞いていたので、今回の誘いもてっきり来てくれないものかと思っておりました。」
「!とんでもございません!殿下の誘いとあらば私はいつでも時間を空けます。」
いつでも良いので気軽に誘ってほしい。
そう言う意味を込め、私は言う。
「それに部屋にいるだけですので、特に忙しいと言う程では…。」
「おや、おかしいですね。タシェ嬢からはあなたが忙しくて中々話すことができないと聞いたのですが。」
「え。」
急にアドリアン様の口からタシェ様の名前が出て来て嫌な予感がした。
最近の私はタシェ様の誘いをことごとく断っていた。
忙しいと聞いたって言うのもタシェ様からだろうか。
彼女は私が何も言わないのを良いことに、忙しそうですねと解釈していたから。
「あ…誤解をさせてしまったみたいですね。忙しいという訳ではなく、偶々体調が優れなくて…。」
「部屋にずっといるが健康上問題なさそうだとマーサから話は聞いています。」
「…ずっとではなくて、その時一瞬だけ調子が良くない気がしたのです。」
「そうですか。」
苦しい言い訳だという事はわかっている。
アドリアン様もこれが私の嘘だという事に気づいているようだった。
重苦しい空気が私たちの間で流れる。
「ちょっと、アドリアン!もう良いでしょ?イヴェット様も怯えてしまっているわ!」
傍で静かに見守っていたタシェ様が私とアドリアン様の間に入る。
助け舟を出してくれたのだろうかと思ったが、私は彼女がアドリアン様を名前で呼んだことの方が気になってしまった。
主君に対して名前を呼び捨てするなんて不敬ではないか。
アドリアン様が怒る前に私が注意しようとしたが、彼は気にしていないようだった。
それどころか。
「カレン。」
アドリアン様までもタシェ嬢のことを名前で呼ぶ。
その時の彼の声や表情が。
決して私に向けられるようなものではなかった。
(何、あの顔は…。それに、私には名前で呼ぶなと言ったくせに。)
れっきとした差を見せつけられた気がした。
妻である私を差し置いて、幼馴染の彼女にはそれを許している。
これがどういうこと意味するか、私にはわかる。
「…。」
私の胸がまた酷く痛み出す。
10年間思い続けたこの想いがガラガラと崩れていく音がした。
悲しくて、辛くてどうしようもないのに。
アドリアン様は私を見てはくれない。
私の大好きな彼はタシェ様の方をずっと向いている。
「カレン。私の補佐官でもあるあなたは、そう簡単に軽んじられて良い存在ではありません。」
アドリアン様が今日私を呼んだのは最初から全てタシェ様の為だったみたいだ。
あんなに浮かれて馬鹿みたいだと思った。
メイド達の言うお飾りの妃である私が大切な彼女の誘いを毎回断るのが腹立たしかっただろう。
公式的な場でさえ、私の顔を見ようともしないアドリアン様が。
あんなに私が望んでも会いに来てくれなかったアドリアン様が。
こんな事で私と会おうとするなんて。
なんて、なんて皮肉だろうか。
思わず自嘲気味に笑ってしまう。
「何がおかしいんですか。」
馬鹿にされたとでも感じたのだろうか。
アドリアン様が不機嫌そうにこちらを見る。
(アドリアン様の瞳にようやく私が映った。)
こんな時でさえ、彼が私に向いてくれた事を嬉しく感じる私は狂っている。
アドリアン様に嫌われたら私はどうなってしまうだろうか。
それだけは考えたくなかった。
「アドリアン様もタシェ様も申し訳ございませんでした。タシェ様のお気持ちを踏みにじるようなことをした私が悪かったのです。タシェ様、改めて私と仲良くしてくださるかしら。」
私は私の気持ちに嘘を吐く。
そう、すべて私が悪いのだ。
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