世界なんて信じない

楢楽-ゆら-

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君と別れ

君と別れ

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すっと僕の間を風が吹き抜ける。
今、僕は宙に浮いている。
普通に生きている時よりは心地良い感覚。
なんでなんだろうとか、考える暇さえも惜しいくらい、この世界が嫌いだったから。
本当に大嫌いだったから。
生きてるという実感が無くなっているから。
もう僕には耐えられないんだよ。
こんな場所。こんな世界。こんな日常。
正直疲れてしまったんだ。もういいんだ。
リストカットをしても、バレれば止められる。
本当にどうすればいいか悩んだよ。
僕の世界には逃げ場なんてなくて。
逃げ場も本当はあったんだけどね。
だから、過呼吸に自らなろうとした。
確かになったよ。ちゃんと。でも、
それも無駄だった。大人は、病院へ行け。
それしか言わないんだよ。なら、もういいよ。
頼むから、それならば何もしないでくれよ。
僕の逃げ場を奪わないでくれ。
僕の大切なネット友達を奪わないでよ。
またそうやって大人達は逃げ場を奪う。
居場所を奪う。癒しを奪う。
リアル友達よりもネット友達の方がましだ。
僕に優しくしてくれるんだよ。
そんな人、生きてきて1人もいなかった。
本当はリアルな友達なんて出来れば欲しくなかった。だから、もういいんだ。
僕には"さき"だけいればいいんだ。
まぁ、"さき"からすれば迷惑なのかもな。
そう考えてしまう。そう考えると、
もう僕には逃げ場がないのだから。
仕方のないことなんだよ。
僕はきっとちゃんとしていたはず。
だから、もう忘れよう。全部忘れて。
奪われるくらいなら死んだ方がマシだ。
良くここまで耐えたね僕。えらいよ僕。
頑張ったよ僕。お疲れ様だな僕。
ここまで頑張れたのはきっと"さき"に出会えたからだ。本当にありがとう。
急に視界が暗くなる、体感では何かにぶつかった感じだ。もう眠ろうかな。疲れたから。
バイバイこの世界。








バイバイ僕の世界
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