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旅行編 お墓参り〜赤砂の街
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言葉のかわりに何か音がして、廊下の様子が見えない俺には想像するしか出来なくなった。
けど、今の音ーー。
それに……。
(愛してるって、何度も言ってくれたじゃない)
ルイーズさんのその言葉が、頭の中で繰り返される。まるで鈍器で頭を殴られたような衝撃で、さっきまで興奮していた身体が一気に冷静になった。
俺は一度もアニキにそんな言葉をかけられた事がない。当然だ。俺が勝手につきまとっているんだから。
悪魔と契約を結んだから離れられなくなっただけで、最初から俺のことなんてアニキは何とも思ってないんだ。
涙が出てきて、頬から耳に伝わって枕に染み込む。腕を縛られてるから拭えなくて、なんとか止めようとするけど、涙は後から後からこぼれてきて対応出来なかった。
「……レヴィン」
廊下のルイーズさんの声が再び聞こえて来て身体が強張る。
アニキがルイーズさんに何て返事をするのか聞きたく無かった。俺も愛してるなんて言われたらもうダメだ。アニキがルイーズさんと付き合い出したら、俺には性欲の捌け口としての価値すら無くなってしまう。
怖いから聞きたくないはずなのに、廊下の声に耳をすましてしまう。だけど扉が閉められたのか声は聞こえなくなり、廊下を遠ざかる足音がしただけだった。
アニキとルイーズさん……昔、付き合ってたんだ。知らなかった。
仲がいいとは思っていたけど。そうだよな。あんなに美人で色っぽくて優しい人、いくらアニキが鬼畜でも恋に落ちないわけがない。
「ううう……」
やばい。涙が止まらない。
もぞもぞしていたら、さっき入れられた座薬が効いて来たのか再び身体が気持ち良くなって、ますます自分が情けなくなった。
***
……苦しい。
アニキが全然帰って来ない。
あれから何時間過ぎたのか分からない。縛られた腕は麻痺して感覚がない。すごく落ち込んでいるのに身体が熱い。じくじくと下半身に熱が溜まって渦巻いてる。自分ではどうすることも出来なくて辛い。
きっと今頃、アニキはルイーズさんとよりを戻して愛し合ってるんだ。そんな気がして自分が情けなくて涙が止まらない。
はやく帰って来て欲しい。そして、ルイーズさんじゃなくて俺を愛してると言って欲しい。アニキが俺の事好きだったら、どんなお仕置きにも耐えられるのに。
けど、今の音ーー。
それに……。
(愛してるって、何度も言ってくれたじゃない)
ルイーズさんのその言葉が、頭の中で繰り返される。まるで鈍器で頭を殴られたような衝撃で、さっきまで興奮していた身体が一気に冷静になった。
俺は一度もアニキにそんな言葉をかけられた事がない。当然だ。俺が勝手につきまとっているんだから。
悪魔と契約を結んだから離れられなくなっただけで、最初から俺のことなんてアニキは何とも思ってないんだ。
涙が出てきて、頬から耳に伝わって枕に染み込む。腕を縛られてるから拭えなくて、なんとか止めようとするけど、涙は後から後からこぼれてきて対応出来なかった。
「……レヴィン」
廊下のルイーズさんの声が再び聞こえて来て身体が強張る。
アニキがルイーズさんに何て返事をするのか聞きたく無かった。俺も愛してるなんて言われたらもうダメだ。アニキがルイーズさんと付き合い出したら、俺には性欲の捌け口としての価値すら無くなってしまう。
怖いから聞きたくないはずなのに、廊下の声に耳をすましてしまう。だけど扉が閉められたのか声は聞こえなくなり、廊下を遠ざかる足音がしただけだった。
アニキとルイーズさん……昔、付き合ってたんだ。知らなかった。
仲がいいとは思っていたけど。そうだよな。あんなに美人で色っぽくて優しい人、いくらアニキが鬼畜でも恋に落ちないわけがない。
「ううう……」
やばい。涙が止まらない。
もぞもぞしていたら、さっき入れられた座薬が効いて来たのか再び身体が気持ち良くなって、ますます自分が情けなくなった。
***
……苦しい。
アニキが全然帰って来ない。
あれから何時間過ぎたのか分からない。縛られた腕は麻痺して感覚がない。すごく落ち込んでいるのに身体が熱い。じくじくと下半身に熱が溜まって渦巻いてる。自分ではどうすることも出来なくて辛い。
きっと今頃、アニキはルイーズさんとよりを戻して愛し合ってるんだ。そんな気がして自分が情けなくて涙が止まらない。
はやく帰って来て欲しい。そして、ルイーズさんじゃなくて俺を愛してると言って欲しい。アニキが俺の事好きだったら、どんなお仕置きにも耐えられるのに。
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