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旅行編 お墓参り〜赤砂の街
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いくつか料理が運ばれてきた。沢山の色とりどりの飲み物も。変わった形の器に入れられて、テーブルが華やかになる。
『お酒は弱いのでアニキが飲んでください』
「いいから飲め」
渡された器にアニキが瓶から液体を注ぐ。仕方ない。ちょっとだけ飲むか。口をつけると強烈な味がした。舌がビリビリする。強そうなお酒だ。
『これはちょっと……』
「お前、さっきの女に見とれていたな。呼んでやろうか?」
『え』
「お前が何度もイくところを見てもらうか」
思わずゴクリと酒を飲む。アニキ、笑ってるけどこれはこわいやつだ。
『や、やめてください』
「俺以外に媚びた視線を向けるなと言っただろうが。まだ分からないらしいな」
うわぁめっちゃ怒ってる。見ただけなのに。
『……別に媚びてません。それにアニキだってお兄さんのことを見てました』
そう言うと、アニキに引き寄せられて膝の上に座らされた。お客さんとかお店の人通るから恥ずかしいんだけど。この程度で済んでましだと思った方がいいかな。
「お前は誰にでも尻尾を振るペットなのか?」
『違います。アニキだけ……』
お酒の匂いのする指で唇を撫でられて、アニキは怖いけど妙にセクシーに見えてドキドキする。いつもと着ている服が違うからかな。場所や食べ物も違うし。口を開くとアニキの指が侵入してきて、ペロペロ舐めると機嫌が良くなった。
キスをしてなんとか許してもらって、膝の上で料理を食べる。美味しいものばかりで楽しくなってきた。肉料理を食べた後は、珍しいデザートが並んでいるから全部味見する。
「お前、そんなに甘いものが好きなのか」
『滅多に食べられないので。アニキはお酒ばかり飲んでないで野菜も食べてください』
アニキは俺の小言を全部スルーした。こっちの世界では美味しい野菜は高価だから、こんな時くらい食べて欲しいんだけどな。といっても、異世界だから日本と同じように野菜が身体にいいのかは分からないけど。お酒を飲みすぎると良くないのは一緒だと思う。
野菜を小さく切ってアニキの口に運ぶと、アニキは仕方なさそうに食べてくれた。デザートもあげてみたけど、
「それはお前が食え」
と言われて拒否された。
***
程よく満腹になって、ほろ酔い気分で残りの料理を眺める。
もうお腹いっぱいだけど、もったいないから葉っぱなんかに包んで持って帰りたいな。高級そうな店だから駄目かな。
トイレに行きたくなって、アニキに断って席を立つ。トイレついでに料理を持って帰っていいかお店の人に聞いてみよう。
トイレはすぐに見つかった。
サボテンの陰に隠れているけど綺麗なトイレだ。入ろうとして、中から声が聞こえてくる事に気付いた。
ハアハア言ってる声と、男の喘ぎ声。これはつまり、あれか。いたしてる感じなのか。気まずくて入れないじゃないか。
でも、トイレ行きたいし……。まあ聞かなかったフリをしてさっと済ませよう。
そう思い、手洗い場に入ったのが間違いだった。
「うっ……」
俺はてっきり、トイレで恋人同士がいちゃついてるんだろうと思ってたけど違ってた。
半分個室に連れ込まれて喘がされているのは、セクシー衣装のお兄さんで、その周りに酔っ払いのような雰囲気の体格のいい男が四人。俺が入っていくとギラついた目をこっちに向けた。
「お、良さそうな奴が来たぜ?」
「ちょうどいい。一人じゃもの足りねえからな。俺はこいつで我慢するか」
……これは、かなりヤバイんじゃないか?
『お酒は弱いのでアニキが飲んでください』
「いいから飲め」
渡された器にアニキが瓶から液体を注ぐ。仕方ない。ちょっとだけ飲むか。口をつけると強烈な味がした。舌がビリビリする。強そうなお酒だ。
『これはちょっと……』
「お前、さっきの女に見とれていたな。呼んでやろうか?」
『え』
「お前が何度もイくところを見てもらうか」
思わずゴクリと酒を飲む。アニキ、笑ってるけどこれはこわいやつだ。
『や、やめてください』
「俺以外に媚びた視線を向けるなと言っただろうが。まだ分からないらしいな」
うわぁめっちゃ怒ってる。見ただけなのに。
『……別に媚びてません。それにアニキだってお兄さんのことを見てました』
そう言うと、アニキに引き寄せられて膝の上に座らされた。お客さんとかお店の人通るから恥ずかしいんだけど。この程度で済んでましだと思った方がいいかな。
「お前は誰にでも尻尾を振るペットなのか?」
『違います。アニキだけ……』
お酒の匂いのする指で唇を撫でられて、アニキは怖いけど妙にセクシーに見えてドキドキする。いつもと着ている服が違うからかな。場所や食べ物も違うし。口を開くとアニキの指が侵入してきて、ペロペロ舐めると機嫌が良くなった。
キスをしてなんとか許してもらって、膝の上で料理を食べる。美味しいものばかりで楽しくなってきた。肉料理を食べた後は、珍しいデザートが並んでいるから全部味見する。
「お前、そんなに甘いものが好きなのか」
『滅多に食べられないので。アニキはお酒ばかり飲んでないで野菜も食べてください』
アニキは俺の小言を全部スルーした。こっちの世界では美味しい野菜は高価だから、こんな時くらい食べて欲しいんだけどな。といっても、異世界だから日本と同じように野菜が身体にいいのかは分からないけど。お酒を飲みすぎると良くないのは一緒だと思う。
野菜を小さく切ってアニキの口に運ぶと、アニキは仕方なさそうに食べてくれた。デザートもあげてみたけど、
「それはお前が食え」
と言われて拒否された。
***
程よく満腹になって、ほろ酔い気分で残りの料理を眺める。
もうお腹いっぱいだけど、もったいないから葉っぱなんかに包んで持って帰りたいな。高級そうな店だから駄目かな。
トイレに行きたくなって、アニキに断って席を立つ。トイレついでに料理を持って帰っていいかお店の人に聞いてみよう。
トイレはすぐに見つかった。
サボテンの陰に隠れているけど綺麗なトイレだ。入ろうとして、中から声が聞こえてくる事に気付いた。
ハアハア言ってる声と、男の喘ぎ声。これはつまり、あれか。いたしてる感じなのか。気まずくて入れないじゃないか。
でも、トイレ行きたいし……。まあ聞かなかったフリをしてさっと済ませよう。
そう思い、手洗い場に入ったのが間違いだった。
「うっ……」
俺はてっきり、トイレで恋人同士がいちゃついてるんだろうと思ってたけど違ってた。
半分個室に連れ込まれて喘がされているのは、セクシー衣装のお兄さんで、その周りに酔っ払いのような雰囲気の体格のいい男が四人。俺が入っていくとギラついた目をこっちに向けた。
「お、良さそうな奴が来たぜ?」
「ちょうどいい。一人じゃもの足りねえからな。俺はこいつで我慢するか」
……これは、かなりヤバイんじゃないか?
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