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盗賊とペット
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***
「うあ、あっ……」
新しくペットにしたミサキという男が、俺の頭上で喘ぐ。
俺の命令通り、必死に声を我慢しているようだ。だが、無理矢理開かせた太股はガクガクと震え、頬は上気し、目が潤んでいる。
もちろん、さっき尻の奥に突っ込んでやった催淫剤のせいだ。
何もしなくても辛い薬を入れられた上、さらに俺がガチガチの性器を口に含んでたっぷり可愛がってやったのだから無理もない。
内股に舌を這わせながら、王都に向かう時間を聞く。
「あ、あと、一時間くらい……」
快感に耐えながら、ミサキは俺の質問に答える。ぶり返していた痛みを忘れさせるほど、コイツは俺好みの反応を返す。
「いい子だ」
「……ん、ううっ!」
褒美を与えるように、指を奥に侵入させる。そこに少し残っていた媚薬の塊で、敏感な部分を擦りあげてやった。
ミサキが無意識に俺の髪を掴む。のけ反って快感に耐えているのだろう。立場を分かっていないペットだ。もっときっちりした躾が必要だな。
死ぬまで続くと思っていた、俺の盗賊としての人生は唐突に終わった。それも俺の行動ではなく、王都の飛行部隊というエリート共によってだ。盗賊としての過去は消えないが、組織のしがらみからは自由になった。
つかの間の自由だ。どうせ俺に未来などない。運良く生きのびても、刺青の黒い獣が俺を赦さないだろう。
快感に呆けた表情を浮かべるミサキは、態度こそ俺に服従しているようだが実際は違う。
運命に絶望しているわけでもなく、俺を見る目に憎しみがこもっているわけでもない。
見ているとイラつく。こいつは俺が失ったものをまだ持っているからだ。
***
結局、新しいペットも手放す事にした。
つかの間の自由に、本能のままに楽しもうと思っていたのに、あてが外れた。
俺はどこまでいっても、誰かを傷つけずにはいられないらしい。だが、泣き顔を見るのはもううんざりだった。
最後まで、ペットは俺を恨まなかった。短時間では、どれだけ酷い仕打ちをしようが無駄のようだ。
「ペットは終わりですか?」
「ああ」
冷たい体温のトカゲにも命があるように、鬼畜と呼ばれた俺にも、まだ感情が残っているらしい。
いや……それもきっと気のせいだ。
眠るときにそいつがいないと、少しだけ残念に思うだけだ。それにもう、安らかに眠る事はない。
ペットだった男、ミサキは部屋を出る前に小さな声で告げた。
「さようなら」
扉が閉まり、笑い出したいような気持ちに駆られる。
今気がついた。
それは盗賊の俺に生まれて初めてかけられた、別れの言葉だった。
「うあ、あっ……」
新しくペットにしたミサキという男が、俺の頭上で喘ぐ。
俺の命令通り、必死に声を我慢しているようだ。だが、無理矢理開かせた太股はガクガクと震え、頬は上気し、目が潤んでいる。
もちろん、さっき尻の奥に突っ込んでやった催淫剤のせいだ。
何もしなくても辛い薬を入れられた上、さらに俺がガチガチの性器を口に含んでたっぷり可愛がってやったのだから無理もない。
内股に舌を這わせながら、王都に向かう時間を聞く。
「あ、あと、一時間くらい……」
快感に耐えながら、ミサキは俺の質問に答える。ぶり返していた痛みを忘れさせるほど、コイツは俺好みの反応を返す。
「いい子だ」
「……ん、ううっ!」
褒美を与えるように、指を奥に侵入させる。そこに少し残っていた媚薬の塊で、敏感な部分を擦りあげてやった。
ミサキが無意識に俺の髪を掴む。のけ反って快感に耐えているのだろう。立場を分かっていないペットだ。もっときっちりした躾が必要だな。
死ぬまで続くと思っていた、俺の盗賊としての人生は唐突に終わった。それも俺の行動ではなく、王都の飛行部隊というエリート共によってだ。盗賊としての過去は消えないが、組織のしがらみからは自由になった。
つかの間の自由だ。どうせ俺に未来などない。運良く生きのびても、刺青の黒い獣が俺を赦さないだろう。
快感に呆けた表情を浮かべるミサキは、態度こそ俺に服従しているようだが実際は違う。
運命に絶望しているわけでもなく、俺を見る目に憎しみがこもっているわけでもない。
見ているとイラつく。こいつは俺が失ったものをまだ持っているからだ。
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結局、新しいペットも手放す事にした。
つかの間の自由に、本能のままに楽しもうと思っていたのに、あてが外れた。
俺はどこまでいっても、誰かを傷つけずにはいられないらしい。だが、泣き顔を見るのはもううんざりだった。
最後まで、ペットは俺を恨まなかった。短時間では、どれだけ酷い仕打ちをしようが無駄のようだ。
「ペットは終わりですか?」
「ああ」
冷たい体温のトカゲにも命があるように、鬼畜と呼ばれた俺にも、まだ感情が残っているらしい。
いや……それもきっと気のせいだ。
眠るときにそいつがいないと、少しだけ残念に思うだけだ。それにもう、安らかに眠る事はない。
ペットだった男、ミサキは部屋を出る前に小さな声で告げた。
「さようなら」
扉が閉まり、笑い出したいような気持ちに駆られる。
今気がついた。
それは盗賊の俺に生まれて初めてかけられた、別れの言葉だった。
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