盗賊とペット(レヴィン編)

カム

文字の大きさ
上 下
3 / 65
盗賊とペット

2 *

しおりを挟む
***

「うあ、あっ……」

 新しくペットにしたミサキという男が、俺の頭上で喘ぐ。
 俺の命令通り、必死に声を我慢しているようだ。だが、無理矢理開かせた太股はガクガクと震え、頬は上気し、目が潤んでいる。
 もちろん、さっき尻の奥に突っ込んでやった催淫剤のせいだ。
 何もしなくても辛い薬を入れられた上、さらに俺がガチガチの性器を口に含んでたっぷり可愛がってやったのだから無理もない。

 内股に舌を這わせながら、王都に向かう時間を聞く。

「あ、あと、一時間くらい……」

 快感に耐えながら、ミサキは俺の質問に答える。ぶり返していた痛みを忘れさせるほど、コイツは俺好みの反応を返す。

「いい子だ」
「……ん、ううっ!」

 褒美を与えるように、指を奥に侵入させる。そこに少し残っていた媚薬の塊で、敏感な部分を擦りあげてやった。

 ミサキが無意識に俺の髪を掴む。のけ反って快感に耐えているのだろう。立場を分かっていないペットだ。もっときっちりした躾が必要だな。



 死ぬまで続くと思っていた、俺の盗賊としての人生は唐突に終わった。それも俺の行動ではなく、王都の飛行部隊というエリート共によってだ。盗賊としての過去は消えないが、組織のしがらみからは自由になった。

 つかの間の自由だ。どうせ俺に未来などない。運良く生きのびても、刺青の黒い獣が俺を赦さないだろう。


 快感に呆けた表情を浮かべるミサキは、態度こそ俺に服従しているようだが実際は違う。
 運命に絶望しているわけでもなく、俺を見る目に憎しみがこもっているわけでもない。
見ているとイラつく。こいつは俺が失ったものをまだ持っているからだ。

***

 結局、新しいペットも手放す事にした。
 つかの間の自由に、本能のままに楽しもうと思っていたのに、あてが外れた。
 俺はどこまでいっても、誰かを傷つけずにはいられないらしい。だが、泣き顔を見るのはもううんざりだった。
 最後まで、ペットは俺を恨まなかった。短時間では、どれだけ酷い仕打ちをしようが無駄のようだ。

「ペットは終わりですか?」

「ああ」

 冷たい体温のトカゲにも命があるように、鬼畜と呼ばれた俺にも、まだ感情が残っているらしい。

 いや……それもきっと気のせいだ。
 眠るときにそいつがいないと、少しだけ残念に思うだけだ。それにもう、安らかに眠る事はない。


 ペットだった男、ミサキは部屋を出る前に小さな声で告げた。

「さようなら」


 扉が閉まり、笑い出したいような気持ちに駆られる。
 今気がついた。
 それは盗賊の俺に生まれて初めてかけられた、別れの言葉だった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

尻で卵育てて産む

高久 千(たかひさ せん)
BL
異世界転移、前立腺フルボッコ。 スパダリが快楽に負けるお。♡、濁点、汚喘ぎ。

大親友に監禁される話

だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。 目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。 R描写はありません。 トイレでないところで小用をするシーンがあります。 ※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。

公開凌辱される話まとめ

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 ・性奴隷を飼う街 元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。 ・玩具でアナルを焦らされる話 猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。

誕生日会終了5分で義兄にハメられました。

天災
BL
 誕生日会の後のえっちなお話。

ドSな義兄ちゃんは、ドMな僕を調教する

天災
BL
 ドSな義兄ちゃんは僕を調教する。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

処理中です...