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おまけ(仲良し兄弟)
7 仲良し兄弟
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ラウルのおもちゃを片付け、明日の幼稚園の準備をする修平。それから布団を敷いて、恐竜の絵本を持って三人で布団に入る。
「ラウルきょうりゅうこわい」
「そうか?格好いいだろ?」
「もう絶滅してるからこわくないよ」
修平を挟んで、ラウルとリックが横にくっついて来る。絵本を読んでいるうちに、ラウルはすぐに寝てしまった。寝相の悪いラウルの足を戻し、布団をかけてやる。
「修兄、おやすみなさい……」
リックもそう言って、すぐにすやすやと寝息を立て始めた。
二人の寝顔は天使みたいだと修平は思う。
二人が熟睡していることを確認して、起こさないようにそっと布団を抜け出した。
隣の部屋は兄二人の部屋だが、今はレヴィンがいないのでルーシェンと修平が使っている。寝るのは全員同じ部屋だ。
今は試験期間なので、勉強が嫌いでも少しくらいしなければまずいだろう。
だが修平は勉強が苦手だった。ルーシェンとリックは頭がいいので、自分も少しくらい賢くてもいいはずなのだが。
「あ、ルー兄、勉強手伝ってよ」
風呂から上がったルーシェンがおそろいのパジャマ姿で現れた。でも何故か上半身は裸だ。兄は高校では部活動をしていないのに引き締まったいい身体をしている。修平はいつも同じ男なのに何でこうも違うのかと思ってしまう。スタイルがいいのはレヴィンも同じなので自分も鍛えればそうなるかもしれない。
「兄ちゃん早く服着たら?風邪ひくよ」
「修平は優しいな」
と言いながらルーシェンは服も着ずに隣に座る。
「テスト期間中なんだろ」
「うん……もう半分あきらめた」
「勉強みてやるから、あきらめたなんて言うな」
「ルー兄は頭いいからなぁ。あ、そういえば、今日レヴィン兄が来たんだけど」
「何かあったのか?」
レヴィンの方がルーシェンより四歳年上だ。
だけどリックやラウルと同じく、ルーシェンもレヴィンには厳しい。レヴィンと仲がいいのは修平だけで、それが修平には少し不思議だった。レヴィンとルーシェンは性格がまったく違うので、仕方ないかもしれない。
「うん。お金持ってきた。これ」
引き出しに入れておいた封筒を見せると、ルーシェンは厳しい表情で受け取った。
「取りあえず俺が預かっておこう。生活費ならまだ何とかなるからな」
「うん……でも変なお金じゃないと思うよ」
「他には何か言ってたか?」
「アパート借りたから遊びに来いって」
「なるほど」
あまり行って欲しくなさそうだな、と修平は思った。
気分を切り替えてルーシェンと勉強する修平。
ルーシェンは頭が良く教え方が上手で、修平でもテストがなんとかなりそうな気がしてくる。ただ三時間程度勉強すると眠気が襲ってきたので、今日はもう寝ることにした。
「兄ちゃん、服着てよ」
隣に寝ようとしたルーシェンにパジャマを渡し、ラウルに押されて丸くなっているリックを正しい位置に戻し布団をかけて、隣に横になる。
「修平、おやすみ」
ルーシェンが頭を撫でてきて、本当に弟に甘い兄だなと思う修平だった。
「おやすみなさい」
こうして仲良し兄弟の一日は終わるのでした。
おわり
「ラウルきょうりゅうこわい」
「そうか?格好いいだろ?」
「もう絶滅してるからこわくないよ」
修平を挟んで、ラウルとリックが横にくっついて来る。絵本を読んでいるうちに、ラウルはすぐに寝てしまった。寝相の悪いラウルの足を戻し、布団をかけてやる。
「修兄、おやすみなさい……」
リックもそう言って、すぐにすやすやと寝息を立て始めた。
二人の寝顔は天使みたいだと修平は思う。
二人が熟睡していることを確認して、起こさないようにそっと布団を抜け出した。
隣の部屋は兄二人の部屋だが、今はレヴィンがいないのでルーシェンと修平が使っている。寝るのは全員同じ部屋だ。
今は試験期間なので、勉強が嫌いでも少しくらいしなければまずいだろう。
だが修平は勉強が苦手だった。ルーシェンとリックは頭がいいので、自分も少しくらい賢くてもいいはずなのだが。
「あ、ルー兄、勉強手伝ってよ」
風呂から上がったルーシェンがおそろいのパジャマ姿で現れた。でも何故か上半身は裸だ。兄は高校では部活動をしていないのに引き締まったいい身体をしている。修平はいつも同じ男なのに何でこうも違うのかと思ってしまう。スタイルがいいのはレヴィンも同じなので自分も鍛えればそうなるかもしれない。
「兄ちゃん早く服着たら?風邪ひくよ」
「修平は優しいな」
と言いながらルーシェンは服も着ずに隣に座る。
「テスト期間中なんだろ」
「うん……もう半分あきらめた」
「勉強みてやるから、あきらめたなんて言うな」
「ルー兄は頭いいからなぁ。あ、そういえば、今日レヴィン兄が来たんだけど」
「何かあったのか?」
レヴィンの方がルーシェンより四歳年上だ。
だけどリックやラウルと同じく、ルーシェンもレヴィンには厳しい。レヴィンと仲がいいのは修平だけで、それが修平には少し不思議だった。レヴィンとルーシェンは性格がまったく違うので、仕方ないかもしれない。
「うん。お金持ってきた。これ」
引き出しに入れておいた封筒を見せると、ルーシェンは厳しい表情で受け取った。
「取りあえず俺が預かっておこう。生活費ならまだ何とかなるからな」
「うん……でも変なお金じゃないと思うよ」
「他には何か言ってたか?」
「アパート借りたから遊びに来いって」
「なるほど」
あまり行って欲しくなさそうだな、と修平は思った。
気分を切り替えてルーシェンと勉強する修平。
ルーシェンは頭が良く教え方が上手で、修平でもテストがなんとかなりそうな気がしてくる。ただ三時間程度勉強すると眠気が襲ってきたので、今日はもう寝ることにした。
「兄ちゃん、服着てよ」
隣に寝ようとしたルーシェンにパジャマを渡し、ラウルに押されて丸くなっているリックを正しい位置に戻し布団をかけて、隣に横になる。
「修平、おやすみ」
ルーシェンが頭を撫でてきて、本当に弟に甘い兄だなと思う修平だった。
「おやすみなさい」
こうして仲良し兄弟の一日は終わるのでした。
おわり
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すごく面白かったです!
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