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カム

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金曜日、午前9時15分(ルーシェン編)

12 王子関係ないだろ

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『あっ……ふあっ、ルーシェン……』

 何故かテーブルの上に移動している俺。
 小さなキッチンには作業台のようなテーブルがある。きっと食材を置いたり、材料を混ぜたりする場所だ。断じてこんな事をする場所じゃない。

「ああっ、あー……」

 何故かテーブルに上半身だけうつ伏せに乗っかっていて、背中にルーシェンが覆い被さってる。
 ルーシェンの力が強いのか、乳首をいじられていて力が出ないのか、多分両方の理由ではねのけられない(しかも恥をしのんでお願いしたのに、相変わらず左側だ)
 俺は中途半端にシャツを着ているけど、ルーシェン王子は上半身裸で、背中越しでもしなやかな筋肉とか分かってしまう。
 ちなみに下半身は逆で、テーブルの下には俺のズボンと下着がぐしゃぐしゃに投げてある。つまり俺は下は丸出し状態だ。
 いつ脱がされたんだ。マジックか。
 別の場所に気をそらしておいて、その隙にっていう高度なテクニックだな。ていうかやっぱり脱がされる運命なんだな。もう慣れてきてそれほど羞恥心も湧き起こらな……。

「あ、ああっ!?」

 声がうわずった。
 それまで腰のあたりにあったルーシェンの片方の手が、俺のけしてやわらかくもない尻をなぞり、唐突に割れ目の奥に侵入してきたからだ。
 違和感と弱い痛みに全身の筋肉が強ばる。ルーシェン、いきなり指とか入れるなんて反則だろ!

『いた、痛い!痛いです』
「ああ……そうだよな。悪かった」

 だったら指を抜け!この酔っ払い!
 二日前までそこは傷だらけで座薬のお世話になってたんだぞ(捨てたけど)

「シュウヘイ……お前……」
『な、何ですか、あう……痛っ、動かさないでください……』

 ルーシェンはゆるゆると指を動かしながら、俺が女だったら一瞬で恋に落ちそうな低音ボイスで囁きかけてきた。

「お前、男に抱かれ慣れてるのか?」
「……」

 何故かわからないけど冷や汗が出た。一拍遅れて思いきり首を振る。

『ぜ、全然そんな事ありません。何を言ってるかさっぱりです』

 俺はラウルもリックも好きだけど、だからと言って抱かれたいなんて思ったことは一度もないぞ。
 第一これに慣れるなんて事あるか!?俺は淫乱じゃない!さっきはお願いなんてしたけど一時の気の迷いだ。魔がさした。たんなる事故だ。だから……。

「ああっ、あっ」

 指が曲げられて、気持ちいい所に当たる。そのままぐりぐりと擦られて腰が跳ねた。

「……体は正直だな、シュウヘイ」
『ち、違いま……す』
「王子の俺を嫉妬させるとは、いい度胸だ」

 王子関係ないだろ!論点がずれてるぞ……。
 しかし僅かに横を向いて見上げたルーシェン王子は思いきり目が据わっていて、酔っ払いには何を言っても無駄だという事を、俺はこれから身をもって体験するのだった。


 ルーシェンが俺のシャツを捲りあげて背中に舌を這わせてる。
 指はいつの間にか三本に増やされていて、基本ゆるゆるとした動きに時おり激しさが混ざる。

 耐えきれずに声をあげ、自分の手でまだ触れられてすらいない自身をテーブルに擦り付けた。
 触られていないのにイキそうな自身が恥ずかしくて、直接的な刺激が与えられないのがもどかしくての行動だったけど、すぐに後悔した。

「……っ!!!」

 想像以上の快感に意識が飛びそうになる。
 テーブルに顔を押しつけて声を殺し、自身を刺激からガードしようとした時だった。手を取られて起こされる。

『うあ!……やめ、ルーシェン……!』
「ちゃんと触ってやるから」

 この姿勢嫌だ。
 指が奥まで当たって、力を抜きたいのに抜けない。すがりつくものもない。
 更に宣言通りルーシェンが空いている手で俺の固くなってプルプルしているムスコに触れる。
 裏側と先端をぐりぐりと指先でしごかれたら耐えろという方が無理だ。もちろん後ろは後ろで三本の指が入ったまま、広げるように動かされてる。

『む、無理……!奥、も、動かしたら……!』

 もう自分で何を言っているか分からない。ルーシェンが前と後ろを同時に刺激するからおかしくなりそうだ。

『ああ……!で、出る』

 出ると宣言した瞬間に、ルーシェンの手の動きはスローになり、先端ではなく下の方に移動する。
 包むようにヤワヤワと袋を揉まれているだけなのに、射精感があっさりとそのスピードを飛び越える。

 もっと激しくして欲しいのに……。こんな少しの刺激でイってしまうとか、恥ずかしすぎる。
 でもルーシェンの指の動きは止まらなくて、大した抵抗も出来ずボタボタと白濁が溢れた。

「ううっ……」

 何これすげー恥ずかしい。
 勢いはないのになかなか止まらなくて、テーブルの上とか床の上に俺の出した物が飛び散った。
 キッチンでこんな事するなんて、食べ物に対する冒涜だ。でも止まらないし気持ちいい。

 ルーシェンが後ろを犯していた指を抜いた。このまま眠ってしまいたい。
 射精の余韻に浸りながら、床に倒れこもうとしたのにそれは叶わなかった。

「シュウヘイ……」

 ルーシェンが俺をがっつり抱きしめたまま、髪にキスしてくる。

『ルーシェン……疲れたのでもう寝ま……すうあっ!?』

 さっきまで指が入っていた場所に当たる、あきらかに指より太いもの。いつズボン脱いだんだ!

『あ、む、無理……!』
「シュウヘイ、お前、王子の俺より先に寝るつもりか」

 王子関係ないだろ!
 昨日は先に寝ても文句言わなかったのに、酒が入るとこうも違うのか。

 ルーシェンは俺の片足を抱えあげ、バランスを崩した俺はカーテンにしがみつく。
 カーテンの奥、ガラスを隔てた窓の外に真っ黒いお化けが無数に張り付いているのが見えた。

「ひーっ!」

 あわててカーテンから手を放そうとした瞬間、文字通り体を貫くような衝撃が襲ってきた。

「ああ、あーっ!」
「シュウヘイ、力抜け」
『無理、いたっ……あっあっ』

 片足だとろくな抵抗も出来ず、あっという間に体の中に熱くて固いものが埋められる。

「思ったよりきついな」

 少しだけ上気したルーシェンの声がするけど、こっちはそれどころじゃない。
 そのままかき混ぜるように腰を動かされて、俺はただ声をあげるしか出来なくなった。
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