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カム

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金曜日、午前9時15分(ルーシェン編)

1金曜日、午前9時15分?

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 日の光がカーテンの隙間から部屋の中に差し込んでいる。朝だ。

「……うーん」

 何となく頭が痛い。
 胃も吐くほどじゃないけど気持ち悪い。飲みすぎたかな……。
 がっつり酒を飲むと俺ってこんな感じになるのか。知らなかった。なんだか喉がカラカラだ。起きて水を飲もう。

 ん?
 起き上がれない。

 理由はすぐに分かった。
 ルーシェン王子が俺の隣りですやすやと寝息を立てている。俺の体に王子の腕が回されて、俺は完全に抱き枕状態になっていた。寝ぼけて女の子と間違えてるんだろうか。

 俺はルーシェン王子の腕を引き剥がし、ついでに王子の腕についた俺のよだれと思われるものを拭った。王子が眠ってて良かった。よだれはまずいだろ、さすがに。

 王子はきちんと服を着て寝ていたけど、俺はパンツ一枚だった。
 ベッドの下に脱ぎ散らかしたズボンとTシャツがある。床の上に昨日飲んだ酒の瓶は一本もなく、綺麗に片付いていた。光る石の瓶とリュックがベッド脇に置かれている。


 今何時だろう。リュックに手を伸ばし携帯を引っ張り出す。


 金曜日、午前9時15分


 あれ?最後に見たときから時間が進んでない……。おかしいな。壊れたのか?

 そこまで考えた時

「……うわっ」

 突然後ろから伸びてきた手が、俺を再びベッドに引きずり込んだ。
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