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木曜日、午前6時(リック編)
5 医者怖い
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『大丈夫です。もう治りました』
「ええ?マイク先生は治療が終わっていないと……」
『終わりました』
治療してくれたのはありがたいが、これ以上恥ずかしい治療に付き合ってられるか。
助手がこっちに近づいてきたので、慌てて人形で前を隠しつつベッドから下りる。
ん?
動いた衝撃で何かお尻の穴から出たような。固体じゃなくて液体のような何かが。固まった俺を見て、助手がさらに近寄る。
「大丈夫ですか?やっぱりどこか痛むんじゃありませんか?」
『いえ、全然』
足を伝って床に落ちた何かの存在は無視する事にしよう。俺は何も見てな……。
げ!赤い。
赤って血の色以外の何物でもないだろ!ついに痔がここまで悪化したのか! それとも気を失ってる間に盗賊たちにひどい目にあわされて、何か深刻な病気か怪我になってしまったのか!?
ショックで床に座り込んだ俺の肩に、助手がいたわるように手を置いた。
「ちょっと傷を診せてもらってもいいですか?」
***
「……」
存在を無視するのは、床に落ちた血じゃなくて助手にする事に決めた。
人生で恥ずかしいから穴があったら入りたい瞬間ランキングがあれば、今間違いなくベストスリーには入っているはずだ。
俺は床に四つん這いになって、床の模様をひたすら睨みつけていた。
「少し切れてますね……」
助手が俺のお尻の穴をまじまじと見て、あれこれ状況を伝えてくる。
「痛っ!!あっ、バカ!止めろ!」
「中も傷がありますよ」
「いてーーーっ!」
何か動く物が入ってきた。多分指だ。広げるな、痛いから。
涙目で睨んでも、助手は平然とした態度だ。
「あんまりやり過ぎちゃ駄目ですよ。デリケートな場所なんですから。どんなに荒々しいプレイが好きでも、当分行為は控えてくださいね」
こいつ、絶対俺にケンカ売ってるな。
『好きではありません』
俺は被害者だ。誰が好きこのんでこんな目に合うって言うんだ。
「え?違うんですか?」
『違います。襲われたんです』
「身代わり人形を持ってるのに使っていないので、てっきり男同士の行為が大好きなのかと」
『身代わり人形?』
助手は床に落ちた手作り人形を指した。
「これ、魔法アイテムですよ。お腹に髪の毛を入れておくと、一度だけ自分の身代りになってくれます」
何!?
この完成度の低い手作り人形が!?そして今さらそんな情報、遅い!
「大事にしてるから知ってるのかと……ただの人形好きな人だったんですね。それはまた残念というか……」
残念で悪かったな。
「いてぇー……っ」
「薬入れておきます」
やっと助手の指が抜けたと思ったら、 今度はもう少し大きめの何かが入ってきた。形といい大きさといい位置といい、中途半端だ。
中途半端って何だよ……。
「はい。溶けるまで我慢してくださいね。出したら駄目ですよ」
気持ち悪い。出したい。
俺の表情に何かを察したのだろうか、助手はポケットからコルクのような物を取り出した。
「栓しときます?」
医者怖い!
全力で首を振って否定した。
***
「くそーっ……ヤブ医者と鬼畜助手め……」
もちろん言いがかりだ。
でも悪態をつかずにはいられない。結局栓をされて、気持ち悪さに拍車がかかった。この薬、座薬にしてはでかすぎだろ。溶ける気配もないし……。もっと薬の技術を向上させてくれ、ラキ王国。
「こっちの薬はお湯に浸かった後、背中に塗ってください」
『その前に服ください……お湯?』
助手が瓶に入った薬と、ガウンのような灰色の服を俺に手渡してきた。
頭からかぶって帯を結ぶ簡単な服だ。
「この砦には、傷ついた兵士の為に傷に効能のある温泉があるんですよ。今から入りに行ってもらいますね」
温泉!?
ちょっとテンションが上がってきた。
「ええ?マイク先生は治療が終わっていないと……」
『終わりました』
治療してくれたのはありがたいが、これ以上恥ずかしい治療に付き合ってられるか。
助手がこっちに近づいてきたので、慌てて人形で前を隠しつつベッドから下りる。
ん?
動いた衝撃で何かお尻の穴から出たような。固体じゃなくて液体のような何かが。固まった俺を見て、助手がさらに近寄る。
「大丈夫ですか?やっぱりどこか痛むんじゃありませんか?」
『いえ、全然』
足を伝って床に落ちた何かの存在は無視する事にしよう。俺は何も見てな……。
げ!赤い。
赤って血の色以外の何物でもないだろ!ついに痔がここまで悪化したのか! それとも気を失ってる間に盗賊たちにひどい目にあわされて、何か深刻な病気か怪我になってしまったのか!?
ショックで床に座り込んだ俺の肩に、助手がいたわるように手を置いた。
「ちょっと傷を診せてもらってもいいですか?」
***
「……」
存在を無視するのは、床に落ちた血じゃなくて助手にする事に決めた。
人生で恥ずかしいから穴があったら入りたい瞬間ランキングがあれば、今間違いなくベストスリーには入っているはずだ。
俺は床に四つん這いになって、床の模様をひたすら睨みつけていた。
「少し切れてますね……」
助手が俺のお尻の穴をまじまじと見て、あれこれ状況を伝えてくる。
「痛っ!!あっ、バカ!止めろ!」
「中も傷がありますよ」
「いてーーーっ!」
何か動く物が入ってきた。多分指だ。広げるな、痛いから。
涙目で睨んでも、助手は平然とした態度だ。
「あんまりやり過ぎちゃ駄目ですよ。デリケートな場所なんですから。どんなに荒々しいプレイが好きでも、当分行為は控えてくださいね」
こいつ、絶対俺にケンカ売ってるな。
『好きではありません』
俺は被害者だ。誰が好きこのんでこんな目に合うって言うんだ。
「え?違うんですか?」
『違います。襲われたんです』
「身代わり人形を持ってるのに使っていないので、てっきり男同士の行為が大好きなのかと」
『身代わり人形?』
助手は床に落ちた手作り人形を指した。
「これ、魔法アイテムですよ。お腹に髪の毛を入れておくと、一度だけ自分の身代りになってくれます」
何!?
この完成度の低い手作り人形が!?そして今さらそんな情報、遅い!
「大事にしてるから知ってるのかと……ただの人形好きな人だったんですね。それはまた残念というか……」
残念で悪かったな。
「いてぇー……っ」
「薬入れておきます」
やっと助手の指が抜けたと思ったら、 今度はもう少し大きめの何かが入ってきた。形といい大きさといい位置といい、中途半端だ。
中途半端って何だよ……。
「はい。溶けるまで我慢してくださいね。出したら駄目ですよ」
気持ち悪い。出したい。
俺の表情に何かを察したのだろうか、助手はポケットからコルクのような物を取り出した。
「栓しときます?」
医者怖い!
全力で首を振って否定した。
***
「くそーっ……ヤブ医者と鬼畜助手め……」
もちろん言いがかりだ。
でも悪態をつかずにはいられない。結局栓をされて、気持ち悪さに拍車がかかった。この薬、座薬にしてはでかすぎだろ。溶ける気配もないし……。もっと薬の技術を向上させてくれ、ラキ王国。
「こっちの薬はお湯に浸かった後、背中に塗ってください」
『その前に服ください……お湯?』
助手が瓶に入った薬と、ガウンのような灰色の服を俺に手渡してきた。
頭からかぶって帯を結ぶ簡単な服だ。
「この砦には、傷ついた兵士の為に傷に効能のある温泉があるんですよ。今から入りに行ってもらいますね」
温泉!?
ちょっとテンションが上がってきた。
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