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月曜日、午後6時(ラウル編)
4 耳は駄目なんです
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ラウルに押し倒されて俺は床に転がった。
「いてて……ラウル、やめろ」
ラウルが俺のつなぎのボタンを外して脱がそうとする。はずれないのでイライラして引っ張ったせいで、ボタンがちぎれて飛んだ。
「ラウル!これオッサンのだぞ」
俺が怒ると、ラウルは苦しそうに顔をゆがめた。だが、何も言わずにつなぎが破れてはだけた俺の胸元に顔を押しつけてきた。
「ラウル、っつ」
ラウルがペロペロと俺の鎖骨を舐める。ざらざらした熱い舌の感触に背筋がぞくりとした。このままじゃ、昼の二の舞だ。
「ラウル、さっきのは言い間違えて」
ぽたりと何かが俺の首にかかり、床へと流れた。汗じゃない。
『ラウル?』
俺の声に顔をあげたラウルは泣いていた。
「シュウヘイ……」
ずきんと胸が痛んだ。
俺の何気ない言葉、もしかして、ラウルをすごく傷つけたのか?
「シュウヘイ、いやだ……みんなとなかよし、いやだ。ラウルと」
『ごめん』
俺はラウルの涙をぬぐうと、頭に腕をまわした。そのまま引き寄せて、よしよししてやった。
『ごめんな、ラウル』
俺の謝罪にラウルはいつまでもめそめそしている。
「俺、ラウルの事好きだよ。でも、もうすぐお別れなんだ……俺はラウルの仲間じゃないし、こっちの世界の人間でもないから、もとの世界に帰らないといけない。親友が王都で俺を待ってるんだ。だから……ごめんな」
いいわけのように言葉をつなげながら、俺も泣きたくなってきた。何でなんだろう。
ラウルの体温は高くて、俺が撫でてるのに、まるで抱きしめられてるみたいで胸が痛くなる。
もうすぐお別れなのに、俺はラウルに何もしてやれない。
俺が持っている物で、ラウルに何かしてあげられるとしたら、この体をさし出す事だけじゃないか?いやいや、エッチしといてさよならなんてタチ悪すぎるだろ。
ぐるぐる考えていると、胸元でスースーと音が聞こえてきた。
ラウルが頬を涙で濡らしたまま、俺の胸の上で眠りに落ちていた。
寝息を聞きながら、そのまましばらくじっとしていたが、次第にラウルの頭が重くなってきたので、俺はそっとラウルをずらし床に横たえた。
起きないな……こいつ。
ほっとしたような寂しいような気持ちだ。俺は毛布を持ってくるとラウルを包んでやった。
目を閉じてしまうと、あの動物を思わせる水色の瞳が見えなくなるので、人間の男そのものだ。角はあるけど。
明日になったらラウルともっと遊んでやろう。
オッサンに食材をもらって料理を作ってやってもいいな。
俺あまり料理得意じゃないけど、それくらいしか出来る事が思い浮かばない。
俺が持ってきたのは携帯と財布と家の鍵だけだからな。
俺は再びガイドブックを開いて単語を覚えながら、明日作る料理をあれこれ考えた。
午後11時頃になるとさすがに眠くなってきた。
トイレを済ませ、小屋の灯りを消すと自分用の毛布にくるまって眠りについた。
***
喉が渇いた……。
暑くて寝苦しい。
起きて水を飲みに行こうと思うのに、体が動かない。今度こそ金縛りか!?
毛布をずらすとひやりとした空気が肌に感じられる。
俺、つなぎ着て寝たよな?ついでにぞわぞわと妙な感触が。背中とか胸のあたりに……。
真っ暗でよく見えないが、背後から誰かに羽交い締めにされている。
つなぎを着て寝てたのに、何故かパンツしかはいてない。俺を羽交い締めにしてるやつ(一人しかいないが)の息づかいが後頭部にかかって落ち着かない。
『ラウル!』
振り向こうとしたが、がっちりホールドされているので身動き取れなかった。
返事がない。
『ラウル?』
「シュウヘイ……」
耳の近くでラウルの声が聞こえた。まずいな……耳はダメなんだ俺は。
「ラウル……ちょっと苦しいから放してくれ」
ラウルからの返事はなく、代わりに寝息が聞こえてきた。寝てるのか?
「んーシュウヘイ……」
寝言か。
ところで俺のつなぎはどこに行った。
そして毛布は。
まさか、寝てる間に自分で脱いだのか?そんなに器用だっただろうか。手をのばして探ると、毛布らしき感触にたどり着いた。
ラウルがもぞもぞと俺の裸の胸を触ってくる。早く毛布でガードしないと危険だ。
「ふあっ!」
うわあ、変な声が出た。
毛布に手を伸ばしていたら脇の下にラウルの指が。実は脇もダメなんだ。というか、もう全身無理だ。
平気だと思っていた後頭部も、ラウルの息がかかるだけでくすぐったくてたまらない。
「ふ……はあっ」
わあ、首の後ろ舐められてる。
「ラウル、お前起きてるだろ!」
ペロペロ
「シュウヘイ、ラウルねむい……」
だったらおとなしく寝ろ!
「シュウヘイ、あたたかい。ラウルあんしんする……」
それは良かった。
『おやすみ』
俺はラウルの腕を撫でてやった。
さっさと寝かしつけて、ラウルが眠った所でホールド解除だ。子守唄でも歌ってやりたいが、獣人にも通用するのかわからないので止めた。カラオケでは常に盛り上げ役で、康哉よりうまく歌えた事はないからな。
「シュウヘイ、おやすみ」
ラウルは眠そうな口調でそう言うと、いきなり俺の下着の中に手を突っ込んできた。
「あうっ!」
ラウルの両手が、下着の中でおやすみ中だった俺の息子をきゅっと握り締めた。なんてことするんだ。最小限の労力で身動き取れなくされてしまった。
そのままやわやわと、マッサージにしては少し強めの力で揉まれる。
「や、やめろ……ラウル」
「ラウル、ねるまでシュウヘイのさわる」
「早く寝ろっ……あっ」
俺は自由になる両手でラウルの腕を下着から出そうとしたが、全く効果はなかった。
ラウルは淡々と指を動かし続け、じわじわと下半身を中心に身体中に妙な熱がまわる。ダメだ。感じるな。
そう言い聞かせるのに、体はラウルの指の動きに翻弄され、ラウルの手の中の息子はすぐに芯を持ち始めた。
「っ、ラウル……はあっ」
「シュウヘイ、こえだすとラウルねむれない」
なんて理不尽な!
最初に起こしたのお前だろ。
だがそんな文句も言えず、俺は片手で口を塞いだ。そんな俺を嘲笑うかのように、ラウルは俺の耳をぱくりとくわえた。
「ふっ、んっ……」
何で寝ようとしてる奴が耳なんかくわえるんだよ。あれか?赤ちゃんがおしゃぶりをくわえたり、幼児がブランケットを舐めたりするあれか?
ちゅ、ちゅ、と耳たぶを吸われる音が直接頭の中に響く。耳と下半身をいじられているだけなのに、身体中に甘い痺れが走る。
「んっ、っ……っ」
クチャクチャと耳からではない音が下着の中からも聞こえてきた。
……ラウル、一体いつ眠るんだよ。
これ何ていう拷問だ?
ラウルの手の動きは眠気でゆっくりになったり、突然早くなったりと全く読めない。
必死に口を塞いでラウルが眠るのを待っていたけど、そろそろ限界だ。
ラウルの手の中の息子は痛いくらい固くなって雫をこぼしているし、知らず知らずのうちに腰を動かしてる俺がいる。
「あっ」
ラウルは片手を下着から出すと、無防備だった俺の胸に触れた。ぬるっとした指が、俺の乳首を優しくなぞる。
口を塞ぐのを止めてラウルの手を制止しようとするが、力が入らない。
「シュウヘイ、べたべた」
ラウルが耳をくわえたまま囁き、俺は羞恥でますます熱くなった。
「いてて……ラウル、やめろ」
ラウルが俺のつなぎのボタンを外して脱がそうとする。はずれないのでイライラして引っ張ったせいで、ボタンがちぎれて飛んだ。
「ラウル!これオッサンのだぞ」
俺が怒ると、ラウルは苦しそうに顔をゆがめた。だが、何も言わずにつなぎが破れてはだけた俺の胸元に顔を押しつけてきた。
「ラウル、っつ」
ラウルがペロペロと俺の鎖骨を舐める。ざらざらした熱い舌の感触に背筋がぞくりとした。このままじゃ、昼の二の舞だ。
「ラウル、さっきのは言い間違えて」
ぽたりと何かが俺の首にかかり、床へと流れた。汗じゃない。
『ラウル?』
俺の声に顔をあげたラウルは泣いていた。
「シュウヘイ……」
ずきんと胸が痛んだ。
俺の何気ない言葉、もしかして、ラウルをすごく傷つけたのか?
「シュウヘイ、いやだ……みんなとなかよし、いやだ。ラウルと」
『ごめん』
俺はラウルの涙をぬぐうと、頭に腕をまわした。そのまま引き寄せて、よしよししてやった。
『ごめんな、ラウル』
俺の謝罪にラウルはいつまでもめそめそしている。
「俺、ラウルの事好きだよ。でも、もうすぐお別れなんだ……俺はラウルの仲間じゃないし、こっちの世界の人間でもないから、もとの世界に帰らないといけない。親友が王都で俺を待ってるんだ。だから……ごめんな」
いいわけのように言葉をつなげながら、俺も泣きたくなってきた。何でなんだろう。
ラウルの体温は高くて、俺が撫でてるのに、まるで抱きしめられてるみたいで胸が痛くなる。
もうすぐお別れなのに、俺はラウルに何もしてやれない。
俺が持っている物で、ラウルに何かしてあげられるとしたら、この体をさし出す事だけじゃないか?いやいや、エッチしといてさよならなんてタチ悪すぎるだろ。
ぐるぐる考えていると、胸元でスースーと音が聞こえてきた。
ラウルが頬を涙で濡らしたまま、俺の胸の上で眠りに落ちていた。
寝息を聞きながら、そのまましばらくじっとしていたが、次第にラウルの頭が重くなってきたので、俺はそっとラウルをずらし床に横たえた。
起きないな……こいつ。
ほっとしたような寂しいような気持ちだ。俺は毛布を持ってくるとラウルを包んでやった。
目を閉じてしまうと、あの動物を思わせる水色の瞳が見えなくなるので、人間の男そのものだ。角はあるけど。
明日になったらラウルともっと遊んでやろう。
オッサンに食材をもらって料理を作ってやってもいいな。
俺あまり料理得意じゃないけど、それくらいしか出来る事が思い浮かばない。
俺が持ってきたのは携帯と財布と家の鍵だけだからな。
俺は再びガイドブックを開いて単語を覚えながら、明日作る料理をあれこれ考えた。
午後11時頃になるとさすがに眠くなってきた。
トイレを済ませ、小屋の灯りを消すと自分用の毛布にくるまって眠りについた。
***
喉が渇いた……。
暑くて寝苦しい。
起きて水を飲みに行こうと思うのに、体が動かない。今度こそ金縛りか!?
毛布をずらすとひやりとした空気が肌に感じられる。
俺、つなぎ着て寝たよな?ついでにぞわぞわと妙な感触が。背中とか胸のあたりに……。
真っ暗でよく見えないが、背後から誰かに羽交い締めにされている。
つなぎを着て寝てたのに、何故かパンツしかはいてない。俺を羽交い締めにしてるやつ(一人しかいないが)の息づかいが後頭部にかかって落ち着かない。
『ラウル!』
振り向こうとしたが、がっちりホールドされているので身動き取れなかった。
返事がない。
『ラウル?』
「シュウヘイ……」
耳の近くでラウルの声が聞こえた。まずいな……耳はダメなんだ俺は。
「ラウル……ちょっと苦しいから放してくれ」
ラウルからの返事はなく、代わりに寝息が聞こえてきた。寝てるのか?
「んーシュウヘイ……」
寝言か。
ところで俺のつなぎはどこに行った。
そして毛布は。
まさか、寝てる間に自分で脱いだのか?そんなに器用だっただろうか。手をのばして探ると、毛布らしき感触にたどり着いた。
ラウルがもぞもぞと俺の裸の胸を触ってくる。早く毛布でガードしないと危険だ。
「ふあっ!」
うわあ、変な声が出た。
毛布に手を伸ばしていたら脇の下にラウルの指が。実は脇もダメなんだ。というか、もう全身無理だ。
平気だと思っていた後頭部も、ラウルの息がかかるだけでくすぐったくてたまらない。
「ふ……はあっ」
わあ、首の後ろ舐められてる。
「ラウル、お前起きてるだろ!」
ペロペロ
「シュウヘイ、ラウルねむい……」
だったらおとなしく寝ろ!
「シュウヘイ、あたたかい。ラウルあんしんする……」
それは良かった。
『おやすみ』
俺はラウルの腕を撫でてやった。
さっさと寝かしつけて、ラウルが眠った所でホールド解除だ。子守唄でも歌ってやりたいが、獣人にも通用するのかわからないので止めた。カラオケでは常に盛り上げ役で、康哉よりうまく歌えた事はないからな。
「シュウヘイ、おやすみ」
ラウルは眠そうな口調でそう言うと、いきなり俺の下着の中に手を突っ込んできた。
「あうっ!」
ラウルの両手が、下着の中でおやすみ中だった俺の息子をきゅっと握り締めた。なんてことするんだ。最小限の労力で身動き取れなくされてしまった。
そのままやわやわと、マッサージにしては少し強めの力で揉まれる。
「や、やめろ……ラウル」
「ラウル、ねるまでシュウヘイのさわる」
「早く寝ろっ……あっ」
俺は自由になる両手でラウルの腕を下着から出そうとしたが、全く効果はなかった。
ラウルは淡々と指を動かし続け、じわじわと下半身を中心に身体中に妙な熱がまわる。ダメだ。感じるな。
そう言い聞かせるのに、体はラウルの指の動きに翻弄され、ラウルの手の中の息子はすぐに芯を持ち始めた。
「っ、ラウル……はあっ」
「シュウヘイ、こえだすとラウルねむれない」
なんて理不尽な!
最初に起こしたのお前だろ。
だがそんな文句も言えず、俺は片手で口を塞いだ。そんな俺を嘲笑うかのように、ラウルは俺の耳をぱくりとくわえた。
「ふっ、んっ……」
何で寝ようとしてる奴が耳なんかくわえるんだよ。あれか?赤ちゃんがおしゃぶりをくわえたり、幼児がブランケットを舐めたりするあれか?
ちゅ、ちゅ、と耳たぶを吸われる音が直接頭の中に響く。耳と下半身をいじられているだけなのに、身体中に甘い痺れが走る。
「んっ、っ……っ」
クチャクチャと耳からではない音が下着の中からも聞こえてきた。
……ラウル、一体いつ眠るんだよ。
これ何ていう拷問だ?
ラウルの手の動きは眠気でゆっくりになったり、突然早くなったりと全く読めない。
必死に口を塞いでラウルが眠るのを待っていたけど、そろそろ限界だ。
ラウルの手の中の息子は痛いくらい固くなって雫をこぼしているし、知らず知らずのうちに腰を動かしてる俺がいる。
「あっ」
ラウルは片手を下着から出すと、無防備だった俺の胸に触れた。ぬるっとした指が、俺の乳首を優しくなぞる。
口を塞ぐのを止めてラウルの手を制止しようとするが、力が入らない。
「シュウヘイ、べたべた」
ラウルが耳をくわえたまま囁き、俺は羞恥でますます熱くなった。
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