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駅前のカフェの話
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予定の時間より早く到着してしまったので、紗奈は少しの間カフェで時間を潰すことにした。
駅の構内にあるカフェは、いつもと変わらず大勢の人で賑わっている。
カウンター席とテーブル席が均等に店の奥まで配置されていて、それらはほぼ満席状態だったが、紗奈はタイミングよく空いた窓際の席に座ることができた。
席に着くと鞄から手帳と携帯電話、それに文庫本を取り出して並べる。
買ったばかりの手帳に文字を書き込んでいると、店員がブレンドコーヒーを運んできた。
コーヒーにはミルクと砂糖が付いていたが、紗奈はいつもミルクだけ入れることにしている。
かき混ぜずに口を付けて、一息ついた。
ぼんやりと窓の外を眺めると、駅を利用する人々がせわしなく行き交っている。
紗奈はこうして往来を行き来する人々を眺めるのが好きだ。自分とは一生関わりあう事のない人達。だけどもしかしたら、この中の誰かといつか出会うかもしれない。
それから手帳は鞄にしまって、次に文庫本を手に取る。
表紙のイラストの洋風の城のような建物が気に入って衝動買いしてしまった、名前も知らない作者の本だ。
よく見れば城の中に小さく入っていく女性の後ろ姿が描かれている。
本屋で見つけた時は大好きなミステリーかと思ったが、中を見ればそれはエッセイのような旅行記だった。
コーヒーを飲みながらぱらりとページをめくり、行ったことのない旅行に思いを馳せていると、テーブルの上の携帯電話が小さく音を立てた。
駅の構内にあるカフェは、いつもと変わらず大勢の人で賑わっている。
カウンター席とテーブル席が均等に店の奥まで配置されていて、それらはほぼ満席状態だったが、紗奈はタイミングよく空いた窓際の席に座ることができた。
席に着くと鞄から手帳と携帯電話、それに文庫本を取り出して並べる。
買ったばかりの手帳に文字を書き込んでいると、店員がブレンドコーヒーを運んできた。
コーヒーにはミルクと砂糖が付いていたが、紗奈はいつもミルクだけ入れることにしている。
かき混ぜずに口を付けて、一息ついた。
ぼんやりと窓の外を眺めると、駅を利用する人々がせわしなく行き交っている。
紗奈はこうして往来を行き来する人々を眺めるのが好きだ。自分とは一生関わりあう事のない人達。だけどもしかしたら、この中の誰かといつか出会うかもしれない。
それから手帳は鞄にしまって、次に文庫本を手に取る。
表紙のイラストの洋風の城のような建物が気に入って衝動買いしてしまった、名前も知らない作者の本だ。
よく見れば城の中に小さく入っていく女性の後ろ姿が描かれている。
本屋で見つけた時は大好きなミステリーかと思ったが、中を見ればそれはエッセイのような旅行記だった。
コーヒーを飲みながらぱらりとページをめくり、行ったことのない旅行に思いを馳せていると、テーブルの上の携帯電話が小さく音を立てた。
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