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0176.五つの主勢力

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「ところで、あんたは骨龍とどういう関係なんだ。」
 健は龍の流れに乗ってストレートに聞くことにした。
「私と骨龍の関係かい。そうだね、分かりやすく言えばご主人様とペットって感じかの。ふふふ。」
 女主は楽しそうに笑う。健は骨龍の恐ろしさを知っているだけに何が可笑しいのか分からなかった。
「あんな恐ろしい奴をペットにしてるのか。アイツが誰かに従っているというイメージが湧かないんだが。あんた、何かすごいな。」
 健が本心からそう思って感心する様子を見た女主は、手の平側を健に向けて左手を上げ、手を開いて見せた。健はどういう意味か分からずポカンとしていると、女主は少し含み笑いをしながら呟いた。
「五。」
 相変わらず、全く意味が分からない。龍は分かっているのだろうかと、そっちを見ると魚料理に夢中になっていて女主の話は気にしていないようだ。健が諦めて素直に聞いた。
「五って何が五なんだ。」
「この世界の主勢力が五つっていうことじゃ。」
「へー、そうなのか。それは知らなかった。でも、何で今その話が出てくるんだ。」
「それを今から説明してやろう。まず、五つの主勢力のうちの一つはそいつじゃ。」
 女主が指を差した先にはチビ助がいる。
「チビ助。つまり、龍ってことか。」
「その通り。さすがにお前も知っておると思うが、龍は誰もが認めるほど強いのじゃ。古来から常に主勢力の一角を担っておる。」
「ふむ。」
「そして、二つ目が精霊の一族じゃ。森に住む様々な妖精や、人型のエルフ等の一族がこれに含まれる。基本的に他と交流をしたがらず、ひっそりと隠れておる。じゃが、自然のあるところにはどこでもいるので勢力範囲は一番広いな。」
「なるほど。」
「三つ目は、魔法使いの勢力じゃ。これは少し複雑でな。魔法使いは種族というよりも、魔法を使える者であれば種族を問わないのじゃ。だから、魔法使いの勢力は、他の勢力と重なる場合もある。例えば、エルフにも魔法使いはおるのじゃ。」
「あ、そう言えば知り合いにもエルフの魔法使いがいたな。」
 健はレイニーを思い出してつい口に出してしまった。
「ほう。エルフは基本的に魔法使いの素質が高いとはいえ、実際に魔法使いになれる者は少ないのじゃ。そのせいかエルフの魔法使いはかなりの実力者が多い。さっきのウサギといい、お前も存外、顔が広いな。」
「いやあ、たまたまだよ。」
 健はまた自分に注意が向きそうになったので話題を変える発言をする。
「あんたは、どうなんだ。何か魔法を使えそうだな。」
「さすがじゃな。私も一応、魔法使いじゃ。まあ、一応じゃな。」
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