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0141.闇の印

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「よし。それじゃあ交渉成立ってことでいいな。」
 ナイスガイは隣にいるフードの方を見て怪しい笑みを浮かべながらうなずいた。すると、フードの男は体の前で素早く手を組み合わせて印を結ぶ。
 警戒する暇もなく、健は首に熱さを感じて思わず叫んだ。
「何をしやがった。」
「いやな。口約束だけだと破る奴がいるんで首に闇の印をつけさせてもらった。解除しなければ10日後にお前の首は吹っ飛ぶぜ。お前が情報を持って来たら解除してやる。」
「何だと、この野郎。」
「まあ聞けよ。悪いことばかりじゃない。闇の印を付けていたら、ビクターの恐怖の魔眼に対する耐性が上がるんだぜ。あと青い花が闇属性を持っているかは分からんが、もし持っているならいきなり動けなくなる状況は回避できるはずた。」
 ナイスガイはニヤニヤしながら説明した。
「それも全部、あんたの目的の為じゃないか。」
「まあ、それはそうだ。とにかく俺らの為に一働きしてきてくれや。それじゃ、俺らは次に行くか。」
 ナイスガイとフードの男は、健達など相手にならないと言わんばかりに堂々と健達の間を突っ切って健達が元来た通路の先に消えて行った。
 ふと気がつくと健の横で龍が寝ている。どうやら健とナイスガイの話が退屈だったらしい。ナイスガイは、話の途中で一瞬だけ龍に目をやっていたが、すぐに龍は脅威にはなり得ないと判断していたようだ。
「畜生、チビ助が変な呪いにかかっていなければ奴らの言いなりにはならなかったのにな。」
 健は眠る龍を見ながら呟いた。まあだが、重要な情報をもらえた点や、いきなりナイスガイ達に襲われずに済んだ点を考えれば、最悪の事態は回避できたのかもしれない。
 まずは、早く龍を呪術師のところに連れて行って、最強の戦力として早く復活してしてもらわないといけない。
「おい、チビ助。起きろ。先を急ぐぞ。」
「うーん、眠い。あれ、さっきいた二人がいなくなってるね。何か健が色々話していたけど、何かいい話あった。僕は眠過ぎて聞いていられなかったよ。」
「まあ、いいか悪いかで言ったら悪い話だな。あいつらは基本的に敵だから、次に会った時はそんなに無警戒で無防備な状態にはなるなよ。」
「だってさ、本当に死ぬほど眠かったんだよ。」
「そのヤバい状態を治す為に早く呪術師のところに行くぞ。ガンゴ、またこの通路を先に進むぞ。先頭を歩いてくれ。」
 岩石ゴーレムは健の指示を聞くとゆっくりと歩き始めた。次に健、そして眠そうな龍が続く。とりあえずは、一本道が続くので、白い羽で行き先を確認する必要もなさそうだ。
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