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0133.迷宮の名医

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「何か今は、チビ助の変化がすげえ気になる。」
「そうかな。僕も気配くらいなら昔から分かったよ。あまり、気にしてなかっただけで。あはは。」
「じゃあ、気配を気にするようになった変化がチビ助らしくないってことかもしれん。」
「うーん、そう言われるとよく分かんないや。」
 健達がそういう話をしながら通路を進んで行くと、やがて通路の左手に扉が見えて来た。扉の上にはマーロン診療所と書いてある。
「おいおい、何かタイミング良すぎないか。あまりにもタイミング良過ぎて怪しいんだけど。」
「え、どういうこと。」
「チビ助が前と違うから気になっていて、医者かレイニーに診てもらいたいって言ってたら、診療所が現れたんだぜ。怪しいだろ。」
「確かにタイミングがいいかもしれないね。でも、中の気配はいい感じだよ。」
「確かに俺の超感覚でも穏やかな気配を感じるな。まあ、診療所の中に入ってみるか。」
 健は扉をコンコンとノックした。しばらく待っていると、何者かが歩いて扉に近付いて来る足音が聞こえる。足音が扉に達すると、扉が開いて中からライオンが顔を出した。健は一瞬驚いたが、よく見るとライオンは白衣を着て二足歩行をしている。
「見ない顔だけど、患者さんかな。今、別の患者さんを診ているから中に入って待っててもらえるかい。」
「はい。ちょっと診てもらいたいんです。」
 健の返事を聞くと、ライオンは健達を中に招き入れた。部屋の中には長イスがあり、部屋の奥には別の部屋に続く扉がある。
「そこの長イスに座って待っていてくれたまえ。君には少し小さいかもしれないが。」
 ライオンは岩石ゴーレムを見上げながら、健達を長イスに促した。
「あー、コイツは立ったままで大丈夫です。」
「そうか。とりあえず私は患者さんの治療の続きをして来るよ。では。」
 ライオンは部屋の奥の扉の中に入って行った。
「何かよさそうなお医者さんだね。」
「そうだな。最初はライオンの顔を見てビックリしたが、話を聞くと何か知的な感じがするな。それにしても、こんな迷宮の中でも患者が来て繁盛してるんだな。」
「他の患者って誰なんだろうね。」
「それも気になるな。」
 龍は待っている間もじっとしていられず、部屋の中をトコトコと見て回っている。長イスの正面の本棚には、色々な本が置かれており、それらの本を漁っていた龍はどうやら料理の絵が描かれている本を見つけたようだ。大喜びしている。
「この部屋は、本当に病院の待合室みたいだな。」
「いい本あったし、僕はすごく楽しいよ。」
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