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0080.早い再会
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「さすがに黒い仮面がすぐにまた来ることはないと思うが、もう寝る気にはならないな。とにかく、ティアラの父ちゃんのおかげで助かった。しかも、思っていた通り、かなり強い。黒い仮面が逃げ回っていたしな。」
「そうそう。今回もみんなが寝てる時に黒い仮面の野郎が来やがってさ。どうしようかと思ったけど、ティアラの父ちゃんがすぐに応戦してくれてよかったよ。」
当の黒い毛むくじゃらは、さっきまでの激しい動きがまるでなかったかのように静かに佇んでいる。健は、この後の作戦を練ることにした。
「この世界の主がいつ命の水晶を取り出すか、ティアラは分かるのか。」
「確か水晶の儀式は、いつも昼過ぎ位だったわ。あと、水晶には私の命も含まれているからか、水晶が取り出されると私も体の感覚で分かると思うわ。」
「なるほど。それなら昼過ぎ前に世界の主がいる部屋に突撃だな。この城にヤバい敵はいるのかい。」
「城の部屋のどこかに大蛇がいる部屋があったはずよ。この世界の主が自慢していた記憶があるわ。あとは、厄介なアイススライムもどこかの部屋にいると思うわ。両方とも、この世界の主が気に入らない奴隷を処分する時に使われていたみたいなの。」
話を聞いていた火の精が怒り始めた。
「本当にムカつく野郎だぜ。早く奴をブッ倒したいよ。」
「焦るな、焦るな。お前には後でいっぱい活躍してもらうから。」
「そうだ。一番確認しておかないといけないのは、水晶の儀式の部屋までの経路だ。確かティアラは、その経路が分かるんだろ。その経路の途中に大蛇とかアイススライムがいる可能性はないのか。」
「私もはっきりと記憶があるわけじゃないのよ。半分はこのネックレスの宝石頼みね。宝石の光が示す方向と、私の過去の記憶を繋ぎ合わせて、皆を連れて行くつもり。だから、ひょっとしたら、大蛇やアイススライム、それにもっと危険な相手に出遭う可能性はあるわ。」
「そうか。そうなると、やはりやっておく必要があるな。」
火の精が健の決意に反応する。
「えー、何をやるんだい。」
「そりゃあ、決まってるだろ。ウサギを呼び出すんだよ。確か来いって念じればいいんだったかな。来い、来い、来い。」
健が右手の指輪を触りながら叫ぶと、隣の部屋から自然な感じで紫色のウサギが歩いて来た。健は、超感覚を持ってるからこそ、ウサギや黒い仮面の男が突然現れたり、消えたりする瞬間を他の皆よりもはっきりと認識できている。その分、そういった相手の底知れぬ実力を目の当たりにすると、多少は精神的にダメージを受ける。
「本当に来やがった。」
「早速、またお会いしましたね。毎度、有難うございます。」
紫色のウサギは深々と一礼をする。
「そうそう。今回もみんなが寝てる時に黒い仮面の野郎が来やがってさ。どうしようかと思ったけど、ティアラの父ちゃんがすぐに応戦してくれてよかったよ。」
当の黒い毛むくじゃらは、さっきまでの激しい動きがまるでなかったかのように静かに佇んでいる。健は、この後の作戦を練ることにした。
「この世界の主がいつ命の水晶を取り出すか、ティアラは分かるのか。」
「確か水晶の儀式は、いつも昼過ぎ位だったわ。あと、水晶には私の命も含まれているからか、水晶が取り出されると私も体の感覚で分かると思うわ。」
「なるほど。それなら昼過ぎ前に世界の主がいる部屋に突撃だな。この城にヤバい敵はいるのかい。」
「城の部屋のどこかに大蛇がいる部屋があったはずよ。この世界の主が自慢していた記憶があるわ。あとは、厄介なアイススライムもどこかの部屋にいると思うわ。両方とも、この世界の主が気に入らない奴隷を処分する時に使われていたみたいなの。」
話を聞いていた火の精が怒り始めた。
「本当にムカつく野郎だぜ。早く奴をブッ倒したいよ。」
「焦るな、焦るな。お前には後でいっぱい活躍してもらうから。」
「そうだ。一番確認しておかないといけないのは、水晶の儀式の部屋までの経路だ。確かティアラは、その経路が分かるんだろ。その経路の途中に大蛇とかアイススライムがいる可能性はないのか。」
「私もはっきりと記憶があるわけじゃないのよ。半分はこのネックレスの宝石頼みね。宝石の光が示す方向と、私の過去の記憶を繋ぎ合わせて、皆を連れて行くつもり。だから、ひょっとしたら、大蛇やアイススライム、それにもっと危険な相手に出遭う可能性はあるわ。」
「そうか。そうなると、やはりやっておく必要があるな。」
火の精が健の決意に反応する。
「えー、何をやるんだい。」
「そりゃあ、決まってるだろ。ウサギを呼び出すんだよ。確か来いって念じればいいんだったかな。来い、来い、来い。」
健が右手の指輪を触りながら叫ぶと、隣の部屋から自然な感じで紫色のウサギが歩いて来た。健は、超感覚を持ってるからこそ、ウサギや黒い仮面の男が突然現れたり、消えたりする瞬間を他の皆よりもはっきりと認識できている。その分、そういった相手の底知れぬ実力を目の当たりにすると、多少は精神的にダメージを受ける。
「本当に来やがった。」
「早速、またお会いしましたね。毎度、有難うございます。」
紫色のウサギは深々と一礼をする。
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