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0078.氷の城
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氷の湖の中央に位置する氷の城の門の前には警備はいなかった。氷の城の周囲は、激しく流れる水と、激しく変化する氷、それにバカデカい鎧ザメで守られているので、常識的に考えると普通は誰も来れないからかもしれない。実際、健達も紫色のウサギから有用なアイテムを手に入れなければ絶対に辿り着けていなかっただろう。
「よし。門の先に進もう。」
氷の城に入った後も誰の気配も感じない。
「どういうことだ。誰もいないな。」
「でも、ネックレスの宝石の光は、城の奥を示しているわ。」
「ひょっとしたら、明日の命の水晶の準備の為に、今はこの世界の主は一人でいるのかもしれないな。」
「なるほど、今なら一人だから倒し易いってことか。」
「いや、今は駄目だ。やるのは、明日、奴が体の中から命の水晶を取り出している時だ。そうしないと、ティアラも一緒に死んでしまう。それに水晶を砕かないと奴が確実に死なずに他の命を使って生き延びる可能性が高い。」
「そうか、面倒くさいね。」
「何も考えずに城に入ってしまったが、この世界の主に今見つかると逃げられてしまって、明日の水晶の儀式をやらなくなるかもしれない。明日まで、城のどこかに隠れていよう。ティアラ、確かこの城に来たことがあるんだろ。俺達がこの世界の主から隠れていられそうな場所があれば、そこに連れて行ってくれないか。」
「分かったわ。確かこっちにちょうどいい場所があったはずよ。」
健達は、銀髪の女に案内されて城の中で、恐らく端の方に位置する小さい部屋に着いた。小さいとは言っても、黒い毛むくじゃらが余裕で入れるほど、天井は高い。4人が潜むには充分の空間である。
「この部屋は、あまり使われていなかったし、この世界の主も全然来なかったはずよ。」
「そいつはいいな。よし、ここで明日の作戦会議をしながら夜を明かそう。」
「まず、ティアラに聞いておきたいんだが、明日、この世界の主が現れそうな部屋とかの場所は分かるか。」
「ええ、何回か命の水晶の儀式を見たことがあるの。いつも同じ部屋だったから明日も同じ部屋だと思うわ。」
「了解。その時に周りに護衛はつけていたか覚えてないか。」
「うーん、護衛かどうかはよく分からなかったけど、世界の主の近くに動く鎧が4体ほどいたような気がするわ。」
「なるほど。恐らく護衛の可能性が高いな。今の俺らの戦力は、ティアラの父ちゃんが協力してくれるならば、かなり高いはずだ。」
そう言って、健は黒い毛むくじゃらの方を見るが、無反応である。
「おいおい、娘の自由がかかっているんだぞ。」
健はハッパをかけてみるが、相変わらず反応はない。
「お父さんには、私の為だからといって無理はして欲しくはないわ。」
「よし。門の先に進もう。」
氷の城に入った後も誰の気配も感じない。
「どういうことだ。誰もいないな。」
「でも、ネックレスの宝石の光は、城の奥を示しているわ。」
「ひょっとしたら、明日の命の水晶の準備の為に、今はこの世界の主は一人でいるのかもしれないな。」
「なるほど、今なら一人だから倒し易いってことか。」
「いや、今は駄目だ。やるのは、明日、奴が体の中から命の水晶を取り出している時だ。そうしないと、ティアラも一緒に死んでしまう。それに水晶を砕かないと奴が確実に死なずに他の命を使って生き延びる可能性が高い。」
「そうか、面倒くさいね。」
「何も考えずに城に入ってしまったが、この世界の主に今見つかると逃げられてしまって、明日の水晶の儀式をやらなくなるかもしれない。明日まで、城のどこかに隠れていよう。ティアラ、確かこの城に来たことがあるんだろ。俺達がこの世界の主から隠れていられそうな場所があれば、そこに連れて行ってくれないか。」
「分かったわ。確かこっちにちょうどいい場所があったはずよ。」
健達は、銀髪の女に案内されて城の中で、恐らく端の方に位置する小さい部屋に着いた。小さいとは言っても、黒い毛むくじゃらが余裕で入れるほど、天井は高い。4人が潜むには充分の空間である。
「この部屋は、あまり使われていなかったし、この世界の主も全然来なかったはずよ。」
「そいつはいいな。よし、ここで明日の作戦会議をしながら夜を明かそう。」
「まず、ティアラに聞いておきたいんだが、明日、この世界の主が現れそうな部屋とかの場所は分かるか。」
「ええ、何回か命の水晶の儀式を見たことがあるの。いつも同じ部屋だったから明日も同じ部屋だと思うわ。」
「了解。その時に周りに護衛はつけていたか覚えてないか。」
「うーん、護衛かどうかはよく分からなかったけど、世界の主の近くに動く鎧が4体ほどいたような気がするわ。」
「なるほど。恐らく護衛の可能性が高いな。今の俺らの戦力は、ティアラの父ちゃんが協力してくれるならば、かなり高いはずだ。」
そう言って、健は黒い毛むくじゃらの方を見るが、無反応である。
「おいおい、娘の自由がかかっているんだぞ。」
健はハッパをかけてみるが、相変わらず反応はない。
「お父さんには、私の為だからといって無理はして欲しくはないわ。」
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