77 / 110
0077.課金の力
しおりを挟む
「毎度有難うございます。これで全商品をお買い上げとなりますね。」
「何か言われるままにしちゃったけどよかったのかな。特に最近、俺の能力を色んな人に見せまくっちゃってるんだけど、爺ちゃんの顔を思い浮かべると、本当に生きた心地がしない。うーむ、この世界は現実の世界と違うと思い込んでおこう。あと、寿命がどうのこうのというのがすげえ気になるな。まさか俺の能力って使う度に寿命が減ってたのか。」
健がブツブツ言ってるのを紫のウサギはニコニコしながら見ている。
「では、ご購入いただいた3つの商品をお渡しします。指輪をして呼んでいただきましたら、いつでも参りますので今後ともご贔屓によろしくお願いします。」
ウサギは深々と一礼をすると木の後ろにゆっくり歩いて行った。健は超感覚で木の後ろのウサギがどこかに消えたのが分かった。
「何か最近やたらと正体不明の奴ばかりに出会うな。まあ、あのウサギが敵じゃくてよかった。」
火の精が健の手にある鈴付きリング、小笛、指輪を覗き込んでくる。
「何か色々手に入ったね。うまく氷の湖の中央まで行けそうな感じじゃん。」
「そうだな。もう夕方位か。タイムリミットの明日まで時間がないから一気に行こう。」
そう言うと、健はウサギから買った指輪を右手に嵌めて小笛は背中の袋にしまった。今、集中して使う必要があるのはこの鈴付きリングだけだ。
「みんな、次に岸辺に長い氷が繋がったら俺が合図する。そしたら、一気に渡って中央に向かうぞ。」
「おう。」
「分かったわ。」
健達が一致団結したところで、ちょうど長い氷が岸辺に繋がった。
「今だ。氷に飛び乗って奥に進め。」
一同は氷に飛び乗って湖の中央に向けて走り出す。黒い毛むくじゃらも氷に乗って一緒に走り出すが、幸いにして氷はその巨体を支えることができるほど頑丈であった。健達は、乗っている氷が他の氷にくっついてから先に進んだり、先に進む前に氷が途切れそうになるのを鈴付きリングを振って食い止めたりしながら、どんどん進むことができた。猛吹雪の中、うっすらとだが中央に氷の城があるのが見えてきた。
「ティアラ、ネックレスの宝石の光が示しているのはあの城か。」
「ええ、そうよ。それに、私もあの城の中にいた記憶があるわ。」
「よし。あと少しだ。みんな一気に行くぞ。」
健のかけ声と共に、皆は最後の力を振り絞って湖の中央の城の近くまで辿り着く。城に繋がる最後の氷は、鈴付きリングを振ってその動きを止めることで何とか渡ることができたが、魔法が切れて氷の動きが再開した瞬間に崩れ去った。
「キッチリ3回分使い切ったな。リングがなかったら絶対に城に辿り着けなかった。これが課金の力って奴か。」
「カキンって何。」
火の精がキョトンとした顔で聞く。銀髪の女も不思議そうな顔をしている。
「あ、いや。俺がいた世界の話だから気にしないでくれ。とりあえず、ウサギ様に感謝だな。」
「そうだね。ウサギ様のおかげで何とか辿り着けたね。だけど、もう夜だよ。」
「何か言われるままにしちゃったけどよかったのかな。特に最近、俺の能力を色んな人に見せまくっちゃってるんだけど、爺ちゃんの顔を思い浮かべると、本当に生きた心地がしない。うーむ、この世界は現実の世界と違うと思い込んでおこう。あと、寿命がどうのこうのというのがすげえ気になるな。まさか俺の能力って使う度に寿命が減ってたのか。」
健がブツブツ言ってるのを紫のウサギはニコニコしながら見ている。
「では、ご購入いただいた3つの商品をお渡しします。指輪をして呼んでいただきましたら、いつでも参りますので今後ともご贔屓によろしくお願いします。」
ウサギは深々と一礼をすると木の後ろにゆっくり歩いて行った。健は超感覚で木の後ろのウサギがどこかに消えたのが分かった。
「何か最近やたらと正体不明の奴ばかりに出会うな。まあ、あのウサギが敵じゃくてよかった。」
火の精が健の手にある鈴付きリング、小笛、指輪を覗き込んでくる。
「何か色々手に入ったね。うまく氷の湖の中央まで行けそうな感じじゃん。」
「そうだな。もう夕方位か。タイムリミットの明日まで時間がないから一気に行こう。」
そう言うと、健はウサギから買った指輪を右手に嵌めて小笛は背中の袋にしまった。今、集中して使う必要があるのはこの鈴付きリングだけだ。
「みんな、次に岸辺に長い氷が繋がったら俺が合図する。そしたら、一気に渡って中央に向かうぞ。」
「おう。」
「分かったわ。」
健達が一致団結したところで、ちょうど長い氷が岸辺に繋がった。
「今だ。氷に飛び乗って奥に進め。」
一同は氷に飛び乗って湖の中央に向けて走り出す。黒い毛むくじゃらも氷に乗って一緒に走り出すが、幸いにして氷はその巨体を支えることができるほど頑丈であった。健達は、乗っている氷が他の氷にくっついてから先に進んだり、先に進む前に氷が途切れそうになるのを鈴付きリングを振って食い止めたりしながら、どんどん進むことができた。猛吹雪の中、うっすらとだが中央に氷の城があるのが見えてきた。
「ティアラ、ネックレスの宝石の光が示しているのはあの城か。」
「ええ、そうよ。それに、私もあの城の中にいた記憶があるわ。」
「よし。あと少しだ。みんな一気に行くぞ。」
健のかけ声と共に、皆は最後の力を振り絞って湖の中央の城の近くまで辿り着く。城に繋がる最後の氷は、鈴付きリングを振ってその動きを止めることで何とか渡ることができたが、魔法が切れて氷の動きが再開した瞬間に崩れ去った。
「キッチリ3回分使い切ったな。リングがなかったら絶対に城に辿り着けなかった。これが課金の力って奴か。」
「カキンって何。」
火の精がキョトンとした顔で聞く。銀髪の女も不思議そうな顔をしている。
「あ、いや。俺がいた世界の話だから気にしないでくれ。とりあえず、ウサギ様に感謝だな。」
「そうだね。ウサギ様のおかげで何とか辿り着けたね。だけど、もう夜だよ。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる