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0064.死の雪合戦
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怒った顔をした雪だるまは、口の形をした部分から何かをものすごい速度で健達の方に飛ばしてきた。幸いにして健達には当たらなかったが、その何かは健達の横をかすめていき、地面の雪に衝突して周囲を揺らす。激しい衝撃で地面の雪には大きな穴があいている。健は、超感覚でそれが雪を高圧縮して作った小さい氷の砲丸だと認識できた。
雪だるまは、次から次に氷の砲弾を飛ばしてくる。健は、超感覚で砲弾の軌道を読み取って、銀髪の女を押したり引いたりしながら避け続ける。
「まずいな。俺一人なら避けられるが、ティアラを庇いながらだと、そのうちに避けきれなくなるもしれない。」
「ねえ、オイラは。」
「お前は消えても死なないだろ。そもそもお前は炎で氷を溶かせるんじゃないのか。」
「種火があれば、炎の力がパワーアップして飛んでくる氷も溶かせるさ。でも、今はオイラ本体しかないから、そこまでの力はないよ。」
そうしてる間にも雪だるまの飛ばす氷の砲弾があちこちに被弾して、近くの地面の雪が穴だらけになっていく。それに伴い、足場も悪くなっていく。このままだと、いつか砲弾の餌食になってしまうと健は少し焦ってきた。
「種火があれば、力を出せるんだな。」
「そうそう。こんな雪ばかりの中じゃ力も出ないってもんだ。」
「よし、分かった。俺の荷物の中から燃えそうなものを出すから、お前が火をつけて燃やせ。それを種火にしろ。」
「なるほど。ガッテンでい。」
健は砲弾を避けながら、荷物の中から替えの衣服等、燃えそうな物を取り出してまとめると、近くの地面に投げた。
「俺達が離れて囮になるから、その間にまずはそれを燃やして種火を作れ。」
健は銀髪の女を連れて何とか砲弾を避けながら、少し離れたところに向かった。その間に火の精が衣服等をうまく燃やし始めた。
「旦那、種火ができたぜい。」
「よし。どうだ。飛んでくる氷を溶かせそうか。」
「任しとけい。ほらほら。」
火の精は炎の玉を撃ち、飛んできた氷の砲弾を迎撃した。
「お、いい感じだな。」
「ただ、燃やす物がこれだけだと種火があまり長くは持たないよ。」
「分かった。今から俺が斬り込んで行くから、ティアラを守ってやってくれ。」
健は火の精のいる種火に銀髪の女を連れて行く。火の精は飛んでくる氷の砲丸をガンガン撃墜する。それどころか、雪だるまに向けても炎の玉を打ち込み始めた。
「グアッ。」
炎の玉が直撃した雪だるまが呻き声をあげる。
「やるな。もっと打てるか。」
「ダメダメ。沢山打つと種火が早く消えちゃうから、そんなに打てないよ。」
「分かった。俺が仕留めてくる。」
そう言って健は雪だるまの方を向いた。
雪だるまは、次から次に氷の砲弾を飛ばしてくる。健は、超感覚で砲弾の軌道を読み取って、銀髪の女を押したり引いたりしながら避け続ける。
「まずいな。俺一人なら避けられるが、ティアラを庇いながらだと、そのうちに避けきれなくなるもしれない。」
「ねえ、オイラは。」
「お前は消えても死なないだろ。そもそもお前は炎で氷を溶かせるんじゃないのか。」
「種火があれば、炎の力がパワーアップして飛んでくる氷も溶かせるさ。でも、今はオイラ本体しかないから、そこまでの力はないよ。」
そうしてる間にも雪だるまの飛ばす氷の砲弾があちこちに被弾して、近くの地面の雪が穴だらけになっていく。それに伴い、足場も悪くなっていく。このままだと、いつか砲弾の餌食になってしまうと健は少し焦ってきた。
「種火があれば、力を出せるんだな。」
「そうそう。こんな雪ばかりの中じゃ力も出ないってもんだ。」
「よし、分かった。俺の荷物の中から燃えそうなものを出すから、お前が火をつけて燃やせ。それを種火にしろ。」
「なるほど。ガッテンでい。」
健は砲弾を避けながら、荷物の中から替えの衣服等、燃えそうな物を取り出してまとめると、近くの地面に投げた。
「俺達が離れて囮になるから、その間にまずはそれを燃やして種火を作れ。」
健は銀髪の女を連れて何とか砲弾を避けながら、少し離れたところに向かった。その間に火の精が衣服等をうまく燃やし始めた。
「旦那、種火ができたぜい。」
「よし。どうだ。飛んでくる氷を溶かせそうか。」
「任しとけい。ほらほら。」
火の精は炎の玉を撃ち、飛んできた氷の砲弾を迎撃した。
「お、いい感じだな。」
「ただ、燃やす物がこれだけだと種火があまり長くは持たないよ。」
「分かった。今から俺が斬り込んで行くから、ティアラを守ってやってくれ。」
健は火の精のいる種火に銀髪の女を連れて行く。火の精は飛んでくる氷の砲丸をガンガン撃墜する。それどころか、雪だるまに向けても炎の玉を打ち込み始めた。
「グアッ。」
炎の玉が直撃した雪だるまが呻き声をあげる。
「やるな。もっと打てるか。」
「ダメダメ。沢山打つと種火が早く消えちゃうから、そんなに打てないよ。」
「分かった。俺が仕留めてくる。」
そう言って健は雪だるまの方を向いた。
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