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0002.石牢の男達
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健が警戒しながら闇の中の男達を凝視していると、しばらくして目が慣れてきた。細身の1人はスーツに七三分けのサラリーマン風の男だ。もう1人は小柄でTシャツを着ている。服装からすると、明らかにフードの男達とは違い、健と同じ現実世界の人だ。だが、2人ともうなだれていて、こちらに注意を払う気配もない。
とりあえず、健は声をかけてみることにした。
「ちょっと教えてくれないか。ここは何なんだ。」
2人とも返事をしない。
「おーい。聞こえているか。」
健は一応、警戒体制をとりながらゆっくりと近づいてみた。2人は相変わらず俯いたままだ。
かなり近付いてから2人のうちスーツの男は片手がなく、もう1人のTシャツの男は片手と片足がないことに気付く。
「うっ。奴らにやられたのか。」
思わず声をあげると、スーツの男がこっちを向いた。
「もう終わりだ。」
「おい。教えてくれ。何がどうなってる。」
「あんたが来たという事は、俺かコイツが近いうちに殺られるって事だ。」
スーツの男は苦しそうに声を絞り出した。Tシャツの男はどうやら精神がやられ過ぎたのかボーっとしており、こちらに反応しない。
それから時間をかけてスーツの男と話をしてみたところ、いくつかの恐ろしい事実が分かった。やはりここは異世界であり、スーツの男達も現実世界から別々に召喚されてきたこと。スーツの男が石牢に入れられる時には別の男がいたこと。定期的に外に連れ出されて手足を切断されること。どうやら奴らは切断した手足を食っているらしい。
そして新しい3人目が来ると最初にいた2人のうちの1人が連れ出されて二度と戻ってこないことも分かった。
「おいおいおい。最悪じゃねーかよ。」
健は覚悟を決めた。異世界の情報は全然ないが、とりあえず現状は最悪らしい。
「俺はここから逃げる。」
そう言うと、スーツの男だけじゃなく、Tシャツの男もこっちを見た。
「無理だ。俺らの前にいた奴も暴れて逃げ出そうとしたが、捕まって目を潰されていたぞ。こちらは丸腰だが、奴らは剣を持っているしな。」
スーツの男は重い溜息をついた。
だが、健には誰にも言えない秘策があった。
「とにかく、俺は逃げるつもりだ。あんた達の面倒までは見てられないから俺が逃げる時にチャンスがあれば自分で逃げてくれ。」
「どういう事だ。何かあるのか。」
スーツの男が食いついてきたが、残念ながら俺の秘策は誰にも明かすことはできない。
「奴らは次にいつ来るんだ。」
「ここは外の光もなくて時間も分からないが、腹の減り具合からそろそろ飯を持って来ると思う。」
「奴らはお前らの手足を食ってるのに飯をくれるのか。一体どういうことだ。」
とりあえず、健は声をかけてみることにした。
「ちょっと教えてくれないか。ここは何なんだ。」
2人とも返事をしない。
「おーい。聞こえているか。」
健は一応、警戒体制をとりながらゆっくりと近づいてみた。2人は相変わらず俯いたままだ。
かなり近付いてから2人のうちスーツの男は片手がなく、もう1人のTシャツの男は片手と片足がないことに気付く。
「うっ。奴らにやられたのか。」
思わず声をあげると、スーツの男がこっちを向いた。
「もう終わりだ。」
「おい。教えてくれ。何がどうなってる。」
「あんたが来たという事は、俺かコイツが近いうちに殺られるって事だ。」
スーツの男は苦しそうに声を絞り出した。Tシャツの男はどうやら精神がやられ過ぎたのかボーっとしており、こちらに反応しない。
それから時間をかけてスーツの男と話をしてみたところ、いくつかの恐ろしい事実が分かった。やはりここは異世界であり、スーツの男達も現実世界から別々に召喚されてきたこと。スーツの男が石牢に入れられる時には別の男がいたこと。定期的に外に連れ出されて手足を切断されること。どうやら奴らは切断した手足を食っているらしい。
そして新しい3人目が来ると最初にいた2人のうちの1人が連れ出されて二度と戻ってこないことも分かった。
「おいおいおい。最悪じゃねーかよ。」
健は覚悟を決めた。異世界の情報は全然ないが、とりあえず現状は最悪らしい。
「俺はここから逃げる。」
そう言うと、スーツの男だけじゃなく、Tシャツの男もこっちを見た。
「無理だ。俺らの前にいた奴も暴れて逃げ出そうとしたが、捕まって目を潰されていたぞ。こちらは丸腰だが、奴らは剣を持っているしな。」
スーツの男は重い溜息をついた。
だが、健には誰にも言えない秘策があった。
「とにかく、俺は逃げるつもりだ。あんた達の面倒までは見てられないから俺が逃げる時にチャンスがあれば自分で逃げてくれ。」
「どういう事だ。何かあるのか。」
スーツの男が食いついてきたが、残念ながら俺の秘策は誰にも明かすことはできない。
「奴らは次にいつ来るんだ。」
「ここは外の光もなくて時間も分からないが、腹の減り具合からそろそろ飯を持って来ると思う。」
「奴らはお前らの手足を食ってるのに飯をくれるのか。一体どういうことだ。」
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