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3王の視点
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~王&大悪魔×2side~
バンッ
扉を蹴りあげる音が聞こえ、ギムレットとヴィネは即時に戦闘態勢に入った。
まさか侵入者如きにここまで入られるとは思っておらず、2人は少しばかり冷や汗を流す。
侵入者は赤い甲冑の男とその腕に抱えられている幸いの主。
「ふむ。なかなかに良いところに住んでいるではないか。久しぶりだな。45柱」
ヴィネは目の前にいる男に見覚えがあった。
72柱の中で極めて残虐な性格を持ち、ソロモンに仕えていた大悪魔達を壺の中に封印するという原因を作ったやつのことを忘れるはずもない。
コイツはっ…。
「まさか汝、28柱かっ!?おい、るしに何をしたのだ!!」
「…いや、我は何もしていない。そうだな…この家畜は蝿の王ベルゼブブと戦っていてな、我がそれを助けた…ただそれだけの事象」
「汝が人助け…家畜を助けるなどとそんなことを無償でするような奴ではないことくらい知っておるわ!!本当のことを言えっ!28柱!!」
「嗚呼、五月蝿い。五月蝿いぞ、45柱。貴様、我よりも弱いくせにキャンキャン吼えるではない。我はこの家畜を助けた。結果は変わらぬのなら、その過程は必要ないであろう?」
二人の間に火花という名の殺気が散る。
一触即発…その時。
「ベリ…ト」
眠る主の口からベリトの名が漏れた。
ギムレットから殺気が漏れる。
「わた…私の!!…私だけのるし様がッ!!」
などとブツブツ言い、怒りで美しい顔が般若のように歪み、髪がフワリと浮く。
「お、おい、ギムレット。その殺気を沈めろ。るしに何かあったらどうするのだ?しかも見ろ、あの出血量を。」
「…っ!!」
ギムレットの顔が赤から青に変わる。
「…28柱かと呼ばれたそこの悪魔、そのまま るし様を抱えて私についてきなさい。」
「汚れた精霊風情が。我に指図するでないわっ!」
その言葉にギムレットは眉を顰めるが、主(るし)のことを考えて何も言わずにベリトを奥の部屋に案内した。
ヴィネは二人のあとをついていく。
…滴り落ちる血を【生活魔法】で消しながら。
秘密の部屋とは、世界樹と直接繋がっている湖がある家族だけしか入れない隠れた部屋のこと。
どんな傷でも治すと言われる世界樹の湖ならば、大きな風穴も治ると踏んだのだ。
スピリット達が心配そうにるしに近寄ってくる。
「我に触れるでない。殺すぞ?」
ベリトの赤いオーラにあてられ、スピリット達は慌てて散開する。
その様子を見て、ギムレットはベリトに向けて怖い笑みを浮かべた。
「28柱、この湖の中にるし様を」
ベリトは鼻を鳴らし、腕の中に眠る家畜を湖の中にそっと入れる。
ヴィネは、湖に浸かったるしの傷を見て、小さく唸った。
るしの身体にポッカリと大きな風穴が空いているのだから。
大悪魔ヴィネと言えど、唸ってしまうのは仕方の無いことだった。
じっと傷口を見つめる。
これは…っと、ヴィネは目を見開いた。
回復の湖であっても、るしの傷が一向に塞がり始めないのだ。
…ベルゼブブの仕業か。
アイツはどの時代においても面倒臭い奴だ。
天災、疫病、飢饉を起こす張本人だと言われている。
よりにもよって、我が家族に手を出すとはな…。
ヴィネから重い殺気が溢れ出す。
「45柱、漏らすな。汚い。水攻めの刑に処すぞ?」
「む…すまぬ」
殺気を内に抑え込み、チラリとギムレットの方を見やる。
るしが瀕死の状態に陥ったのだから、ギムレットが冷静でいられるはずがない。
彼女、ギムレットはるしに心酔しているのだから。
「るし様!るし様ぁぁっ!!……ァァァッ…るし様ぁぁぁ!!!」
案の定、ギムレットは湖の淵から、死んだように眠る るしを見て、大粒の涙を流している。
こんなに取り乱す精霊王を見るのはいつぶりだろうか、とヴィネは思った。
「ギムレット、我は童共を連れてくる。るしの容態については、我らが家族内だけの秘密だ。なに、ユニオンメンバー如きに口を割ることはあるまいよ」
ギムレットは腫れた目でヴィネを見送り、暫くして自身もゆっくりと立ち上がった。
「28柱、ここを出ます。私達がここに居続けると、治療の邪魔になりますから」
「ふっ。分かっておる」
ベリトは赤い甲冑をカチャカチャと鳴らし、部屋を出る。
それを確認し、ギムレットも部屋を出、厳重な鍵をかけた。
そして、名残惜しげに扉を見つめ、その場を後にした。
数刻後、ベリトは鍵のかかったはずの部屋の中にいた。
「この程度の魔法、我には効かぬ。…もっと強固なものにして、新しい鍵をつくろう」
そんな物騒なことを呟き、ベリトはリビングからパクってきた白い椅子の上にゆったりと座る。
更に、アイテムボックスから白い本を取り出し、静かに密室での読者を始めた。
~主人公side~
【鎮魂歌(レクイエム)】を歌いきった後、意識が完全に落ちた。
ピロリん。
『強制ログアウトされました。
身体修復時間は残り、5日と5時間、54分です』
「そんなぁぁぁぁっっ!!!!」
ヘッドギアを外し、悲しみに暮れる。
この5日間、私は一体何をすればよいと?
超絶暇なんですけどっ!!
そっとお腹を触る。
「空いてない…」
あっちの世界ではデカイ風穴が空いてるんだよね。
んー、実感湧かないわぁ。
ふと脳裏にベリトの不敵な笑みが甦った。
あ~アイツ腹立つわ~。
だってすっごい偉そうなんだもん。
…貴族とかってこんな感じなんだろうなぁ。
ベリトを見た後だと想像しやすいわ。
この後5日間は、部屋をゴロゴロして、足を机の角にぶつけまくったという。
バンッ
扉を蹴りあげる音が聞こえ、ギムレットとヴィネは即時に戦闘態勢に入った。
まさか侵入者如きにここまで入られるとは思っておらず、2人は少しばかり冷や汗を流す。
侵入者は赤い甲冑の男とその腕に抱えられている幸いの主。
「ふむ。なかなかに良いところに住んでいるではないか。久しぶりだな。45柱」
ヴィネは目の前にいる男に見覚えがあった。
72柱の中で極めて残虐な性格を持ち、ソロモンに仕えていた大悪魔達を壺の中に封印するという原因を作ったやつのことを忘れるはずもない。
コイツはっ…。
「まさか汝、28柱かっ!?おい、るしに何をしたのだ!!」
「…いや、我は何もしていない。そうだな…この家畜は蝿の王ベルゼブブと戦っていてな、我がそれを助けた…ただそれだけの事象」
「汝が人助け…家畜を助けるなどとそんなことを無償でするような奴ではないことくらい知っておるわ!!本当のことを言えっ!28柱!!」
「嗚呼、五月蝿い。五月蝿いぞ、45柱。貴様、我よりも弱いくせにキャンキャン吼えるではない。我はこの家畜を助けた。結果は変わらぬのなら、その過程は必要ないであろう?」
二人の間に火花という名の殺気が散る。
一触即発…その時。
「ベリ…ト」
眠る主の口からベリトの名が漏れた。
ギムレットから殺気が漏れる。
「わた…私の!!…私だけのるし様がッ!!」
などとブツブツ言い、怒りで美しい顔が般若のように歪み、髪がフワリと浮く。
「お、おい、ギムレット。その殺気を沈めろ。るしに何かあったらどうするのだ?しかも見ろ、あの出血量を。」
「…っ!!」
ギムレットの顔が赤から青に変わる。
「…28柱かと呼ばれたそこの悪魔、そのまま るし様を抱えて私についてきなさい。」
「汚れた精霊風情が。我に指図するでないわっ!」
その言葉にギムレットは眉を顰めるが、主(るし)のことを考えて何も言わずにベリトを奥の部屋に案内した。
ヴィネは二人のあとをついていく。
…滴り落ちる血を【生活魔法】で消しながら。
秘密の部屋とは、世界樹と直接繋がっている湖がある家族だけしか入れない隠れた部屋のこと。
どんな傷でも治すと言われる世界樹の湖ならば、大きな風穴も治ると踏んだのだ。
スピリット達が心配そうにるしに近寄ってくる。
「我に触れるでない。殺すぞ?」
ベリトの赤いオーラにあてられ、スピリット達は慌てて散開する。
その様子を見て、ギムレットはベリトに向けて怖い笑みを浮かべた。
「28柱、この湖の中にるし様を」
ベリトは鼻を鳴らし、腕の中に眠る家畜を湖の中にそっと入れる。
ヴィネは、湖に浸かったるしの傷を見て、小さく唸った。
るしの身体にポッカリと大きな風穴が空いているのだから。
大悪魔ヴィネと言えど、唸ってしまうのは仕方の無いことだった。
じっと傷口を見つめる。
これは…っと、ヴィネは目を見開いた。
回復の湖であっても、るしの傷が一向に塞がり始めないのだ。
…ベルゼブブの仕業か。
アイツはどの時代においても面倒臭い奴だ。
天災、疫病、飢饉を起こす張本人だと言われている。
よりにもよって、我が家族に手を出すとはな…。
ヴィネから重い殺気が溢れ出す。
「45柱、漏らすな。汚い。水攻めの刑に処すぞ?」
「む…すまぬ」
殺気を内に抑え込み、チラリとギムレットの方を見やる。
るしが瀕死の状態に陥ったのだから、ギムレットが冷静でいられるはずがない。
彼女、ギムレットはるしに心酔しているのだから。
「るし様!るし様ぁぁっ!!……ァァァッ…るし様ぁぁぁ!!!」
案の定、ギムレットは湖の淵から、死んだように眠る るしを見て、大粒の涙を流している。
こんなに取り乱す精霊王を見るのはいつぶりだろうか、とヴィネは思った。
「ギムレット、我は童共を連れてくる。るしの容態については、我らが家族内だけの秘密だ。なに、ユニオンメンバー如きに口を割ることはあるまいよ」
ギムレットは腫れた目でヴィネを見送り、暫くして自身もゆっくりと立ち上がった。
「28柱、ここを出ます。私達がここに居続けると、治療の邪魔になりますから」
「ふっ。分かっておる」
ベリトは赤い甲冑をカチャカチャと鳴らし、部屋を出る。
それを確認し、ギムレットも部屋を出、厳重な鍵をかけた。
そして、名残惜しげに扉を見つめ、その場を後にした。
数刻後、ベリトは鍵のかかったはずの部屋の中にいた。
「この程度の魔法、我には効かぬ。…もっと強固なものにして、新しい鍵をつくろう」
そんな物騒なことを呟き、ベリトはリビングからパクってきた白い椅子の上にゆったりと座る。
更に、アイテムボックスから白い本を取り出し、静かに密室での読者を始めた。
~主人公side~
【鎮魂歌(レクイエム)】を歌いきった後、意識が完全に落ちた。
ピロリん。
『強制ログアウトされました。
身体修復時間は残り、5日と5時間、54分です』
「そんなぁぁぁぁっっ!!!!」
ヘッドギアを外し、悲しみに暮れる。
この5日間、私は一体何をすればよいと?
超絶暇なんですけどっ!!
そっとお腹を触る。
「空いてない…」
あっちの世界ではデカイ風穴が空いてるんだよね。
んー、実感湧かないわぁ。
ふと脳裏にベリトの不敵な笑みが甦った。
あ~アイツ腹立つわ~。
だってすっごい偉そうなんだもん。
…貴族とかってこんな感じなんだろうなぁ。
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