私は………必要な子?

苺姫 木苺

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私は要らない子

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よく晴れた日のいつもどうりの朝に母親らしき人と子供が揉めていた
「ティアラ!またあんたはシュリルの物を盗ったらしいね!」
「ち、ちが…」
パン!っと8歳位の女の子はゴテゴテアクセサリーを着けた女の人に平手をされた
「言い訳は許さないと言ったわよね。妹の物を盗る姉なんてこの家には要らないわ」
「お母様ご、ごめんない!ごめんなさい!」
女の子は泣いて謝っているのに母親は睨みつけあまつさえ鞭で背中を叩いた
「魔力はこの国随一なのに魔法を使えないなんてティアラあんたゴミね」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
ティアラはごめんなさいを繰り返して言った。言い訳などしたらもっと怪我をすると分かっていたからだ
「ごめんなさい、ごめんなさい煩いわね。ティアラあんたはこの伯爵家には要らないわ。あんたを一度も私の子だとも思っていないわ」
「はい」
「お母様~??私と遊んでー!」とどこからか聞こえてきた
「シュリルが呼んでいるから今日はここまでだわ」と言い残し母親は部屋から出ていった。残されたティアラは一人呟いた
「私は…要らない子。この家のお荷物でゴミ……」
コンコンとティアラのいる部屋がノックされた
「どうぞ…」
「失礼します……………ティアラ様また、奥様に……」
「カロン私は平気、だよ」
ティアラは誰が見ても平気なわけないのに無理して平気と言った
「……ティアラ様!この家から逃げましょう!ティアラ様が殺されてしまいます!」
「ううん。いいの」
「よくありません!」
「カロン今日はもう私の部屋に来なくて大丈夫だよ。カロンもお母様、に怒られちゃう」
ティアラはお母様と言った瞬間目に見えて怯えているように見える
「奥様に叱られるくらいへっちゃらです!」
「だめ!…とりあえず大丈夫なものは大丈夫だから!私今日ずっと部屋から出るつもり無いから」と言ってティアラはカロンを追い出した




カロンがティアラの部屋を出てから暫くして、ティアラの部屋がノックされた。
「どうぞ」
「ねえ様……ごめんなさい!私がおもちゃ失くしちゃったばっかりに姉様怒られちゃって……ぐす」
シュリルは自分のせいでティアラが母親に怒られたと思いしゅんとしている
「シュリ私は平気よ。ここにいるとシュリがお母様に怒られちゃうからもう来てはだめと言ったでしょ?」
「で、でも……ねえ様に会いたかったから……私が来たら迷惑?」
「迷惑なわけ無いわ」
「よかった!あ、これカロンがねえ様に渡してって」
はい!とティアラに薬を渡した
「ありがとう」
「ううん!ねえ様どこかお怪我してるの??」
「……いいえ。カロンが心配性なだけよ」
ティアラはシュリルに心配をかけたくない為嘘をついた
「そっかー」
「ねえ様はどうしてねえ様にあったらだめなの?」
「私が魔法を使えないからよ」
「でも、魔力はこの国で一番持っているんでしょ?」
シュリルはわかんなーいと言ってきた
「魔力は魔法を使えないと意味ないからよ」
「ふーん。どうして魔法を使えないの?」
「魔力口が私にはないから、よ」
「まりょくこう???」
「魔力口とはね、魔力を出す蛇口みたいなものよ」
「そうなんだ………あれ???でもそしたらねえ様どこからか魔力出してるの??」
「出せてないわ」
「え、でもこの前先生が魔力を出さないで溜め続けたら死んじゃうって…………ねえ様死んじゃうの?!」
シュリルはオロオロしている
「ふふっ……私は何故か平気なのよ。だから死なないわ」
「よかったー!………………」
「シュリ?どうしたの?」
「私お母様とお父様嫌い。ねえ様を虐める人なんか大ッキライ!」
シュリルはあんな母親に育てられてるのにとてもいい子に育っている
「そっか………」
「ねえ様は好きよ!!私ねえ様を助けたいのに力がない………」
「気にしなくていいわ。シュリもう行った方がいいわ」
「うん……また、来てもいい?」
ティアラは返事をせずニコッと微笑ってシュリルを見送った






バン!っとノックもされずティアラの部屋のドアが開いた
「ティアラ!マリアから聞いたぞ!シュリルの物を盗ったらしいな!なんて奴だ!お前にはこの屋敷から出ていってもらう!この家の家名を名乗るのも禁ずる!お前などもう私の娘ではない!」
「え、ごめんなさい!ごめんなさい!お父様捨てないで下さい」
ティアラは髪を捕まれ引きずられ屋敷から追い出された


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