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過激な発情期★
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「シアン――」
「ッ――」
僕が暗い顔をしたのに気付いたのか、彼女が上目遣いで僕の瞳を見つめてくる。いつものごとく彼女の愛らしい不意打ちの一撃を食らい、心臓が大きく脈打つ。
(う、うわ――か、かかか、可愛いんだけど、どうしよう!?)
ドス黒い感情そっちのけで再び半立ちになってしまった下半身を隠す事も出来ず恥ずかしさに俯くと、彼女が僕の肉棒を根元から先端にかけてゆっくり人差し指の腹で撫でた。
「ウッ――アッ――」
「私、シアンが私で気持ちよくなってくれたのが分かって嬉しかったんだ」
「???」
「こうやって、私に反応してくれるのも嬉しい」
「ヒアッ――」
先端をピチャリと水音を立てながら舐められ、ビクリと跳ねてしまう。
「だから、嬉しくって飲んじゃったんだ」
「ッ――ルチアーノ」
そう言って照れ笑いをする彼女のことがたまらなく愛おしく感じ、胸がいっぱいになる。不思議と――あのドス黒い感情はもう、どこかへと吹き飛んでしまっていた。
「ンッ、ア――って、ちょ、ちょっと待って、な、ななな、舐めないで!! そんなことしたら、また――」
全て吐き出したはずなのに、彼女がねっとりと僕のモノを舐めるせいで再び完全に立ってしまう。
「うん……また立ってきたね。良かった」
妖艶にマゼンタ色の瞳を細め、ルチアーノが僕の上に跨がる。
「ルチアー……ノ?」
彼女の不穏な動きに口の端がひきつる。思わず上半身を起こそうとするも、スルリと腹筋を撫でられ、トンッと軽くベッドに押し戻される。
白衣もワイシャツも着たままの僕だが、ボタンが全部外れていてほぼ服の意味をなしていない。彼女の方はワイシャツのみで下も全部脱いでいるようだ。
彼女の地元ではブラジャーなるものを着ける習慣がなかったらしく、ラフな格好ではよくブラジャーをしていない……僕には刺激が強すぎるので一緒に過ごすようになってからは着けるように頼んではいるのだが、しょっちゅうワイシャツ一枚にパンティ姿でそこら辺をうろついている。
豊満な胸をワイシャツ越しに揺らし、程よく引き締まった白くて綺麗な足を惜しげもなく出したままだらんと過ごす彼女の姿を見るたびに元気になってしまう僕の下半身が本当に情けない。その度にルチアーノが僕の【発情の匂い】とやらを嗅ぎつけ(おそらく、彼女がよく言っている僕の魔力の匂い――もとい、精液の香りだろう。獣人である彼女の鼻は誤魔化しがきかないので対処に困る……)、そのまま行為に及んでしまうのが常だった。
今回は起きて早々こんな事態だったので驚きだったが、どうやら彼女はブラジャーもパンティもなしでワイシャツ一枚らしい。ツンと立った充血して赤く色づいた乳首がワイシャツ越しに見え、僕の下半身がこれ以上にないほど硬くなる。
「こんな強姦紛いなことしてごめん、シアン……」
ペタンとお腹の上に馬乗りになられたことで、腹筋の上を彼女の熱い愛液がトロリと流れる。その熱い感覚にビクンと身体が反応し、早く刺激が欲しいと下半身が熱を集める。
「そ、それはルチアーノだから別に良いけど……どうした、の? 何かあった? その……最近、変だよ?」
躊躇いがちに彼女の頬に手を伸ばすと、その手を掴み彼女はスリスリと頬ずりをする。
(か、可愛い……)
猫獣人の特徴なのか彼女は猫のようにすり寄ってくる時があるのだが、そんな時の彼女は本当に可愛い。他の時ももちろん可愛いが、こうして甘えてくれる彼女の姿を見ると心が和む。
「シアンが頑張ってるのも分かってるし、邪魔だってしたくはないんだけど……もう、ね、我慢できないんだ」
「我慢――」
彼女のことを一番に考えているつもりだったのだが、何かを我慢させていたらしいーー背筋をヒヤリとした汗が流れる。
「うん……セックスの話なんだけどね」
「…………ええと、ごめん、僕の記憶違いじゃなければ昨日もシたばっか――だよね?」
そう、僕らは昨日もシたはずだ。小首を傾げる僕に、彼女は困った顔をする。
「うん……そう、なんだけど……」
「ま、まさか、嫌だった!? き、昨日、ソファでシたから!? やっぱり、ベッドの方が――」
「あ、いや、ソファでのは私が誘ったんだし、それはそれで気持ち良かったから――それとは違って……その、ごめん、シアン!」
「へ――?」
カシャンという音が頭上で聞こえ、バッと自身の手首を見るとそこにはいつの間にか銀色の手錠……。彼女と眠る際、彼女の怪力を抑えるために彼女はこの手錠をして眠るのだが、それが今は僕の両手首にはめられベッドの柵に繋がれた状態だ。
「え、ちょ、ちょっと待って……な、何――これ? え――? ごめん、どういう状況?? ル、ルチアーノ???」
「うん、ごめんね、シアン――ちょっと時期が時期で――収まらなくなっちゃって……」
頬を染め、潤んだ瞳で僕の腹筋に軽く手を置きながら彼女は熱い吐息を零す。その姿に僕は一つの結論に辿り着き、ハッとする。
「時期――って、まさか……」
彼女のマゼンタ色の瞳が捕食者のように怪しく獰猛な光を発しているのを見て、ゾクリと肌が粟立つ。
「発情期」
ペロリと舌で赤い唇を舐め彼女が動き、ギシッとベッドのスプリングが軋む音が鳴る。
発情期――獣人には定期的に訪れる繁殖行動の一つだと本で読んだことがある。それゆえに、獣人は子宝に恵まれやすく、数が多いのだと知識としても知っている。
「シアン――もう……ね、我慢できない」
艶っぽい声で――潤んだ熱っぽい瞳で――僕へとすがってくる彼女の姿に、思考がショート寸前だ。
(発情期って!? 発情期ってどうしたら良いの!? 体力的にいつも僕の方が先にへばっちゃってんのに、いつも以上ってこと……だよ、ね? いや、まあ、ルチアーノが僕を求めてくれるんだから、そりゃ、嬉しいよ? 嬉しいんだけどね……僕の身体――持つんでしょうか?)
思わずほんの少しだけ彼女から身を引くように身じろぎすると、チャリッと手首から金属音がした。
「ごめんね――でも、逃げないで?」
スルリと絡みついて来る彼女の熱っぽい視線に、タラリと冷汗が流れる。
(…………あ、うん、逃げませんよ? というか、物理的にも逃げられませんよ、ルチアーノさん――というか、やっぱり少し目が怖いんですけど?)
「ル、ルチアーノ、ぼ、僕、逃げたりしないから。だから、手錠をは――」
「ありがとう、シアン!」
とりあえず身の危険を感じて手錠を外してもらおうとしたのだが、満面の笑みで抱きつかれ、重要な要求が跳ね除けられてしまう。スリスリとすり寄られるたびに彼女の豊満な胸が当たり、意識がついついそっちに持っていかれそうになるがなんとかその欲望を頭から振り払う。
「ンッ、あ、喜んでくれて嬉しいよ。だから、手錠――」
「大丈夫、あとは全部私に任せてくれていいから!」
めげずに彼女に手錠について訴えようとするも、何やらヤル気満々の彼女には聞こえていないようだ。いや――もしかして、聞こえているけど無視されている?
「え――いや、うん、とりあえず、手――」
「シアンはただ、感じてくれてるだけでいいから――」
「ンムッ――」
妖艶に微笑んだ彼女に濃厚なキスをされたおかげで、僕の言葉は虚しく彼女の口内に飲み込まれてしまう。
「ンッ――シアン、好き」
チュッとリップ音を立てて僅かに離れた時に熱っぽく言われ、心臓がドクンと一際大きく鳴る。
「ウ、ン――僕も……好きだよ、ルチアーノ」
僕の言葉にルチアーノが先程よりも頬を朱く染め、もう一度唇を寄せてくる。僕は彼女が絡めてくる熱い舌を味わうように求めながら、少しだけ心の中で苦笑する。
(惚れた弱み――なんだろうなあ。別に手錠くらいどうってことないかなんて思っちゃうなんて……。それに、君に嘘をつかれている時の胸の痛みに比べたら、これなんて本当に些細なモノだし)
手首に当たるまだ少しひんやりとしている金属の感覚を感じながら、僕の上に乗る彼女の熱い身体を受け止める。
(ねぇ、ルチアーノ、もっと僕を求めてよ……僕のすべてをあげるから。もっともっと僕を頼ってよ……君の為なら何だってしてあげるから。もっともっともっと僕を……僕だけを欲して、よ…………僕がドス黒い感情で君を壊してしまうことがないように――)
「ッ――」
僕が暗い顔をしたのに気付いたのか、彼女が上目遣いで僕の瞳を見つめてくる。いつものごとく彼女の愛らしい不意打ちの一撃を食らい、心臓が大きく脈打つ。
(う、うわ――か、かかか、可愛いんだけど、どうしよう!?)
ドス黒い感情そっちのけで再び半立ちになってしまった下半身を隠す事も出来ず恥ずかしさに俯くと、彼女が僕の肉棒を根元から先端にかけてゆっくり人差し指の腹で撫でた。
「ウッ――アッ――」
「私、シアンが私で気持ちよくなってくれたのが分かって嬉しかったんだ」
「???」
「こうやって、私に反応してくれるのも嬉しい」
「ヒアッ――」
先端をピチャリと水音を立てながら舐められ、ビクリと跳ねてしまう。
「だから、嬉しくって飲んじゃったんだ」
「ッ――ルチアーノ」
そう言って照れ笑いをする彼女のことがたまらなく愛おしく感じ、胸がいっぱいになる。不思議と――あのドス黒い感情はもう、どこかへと吹き飛んでしまっていた。
「ンッ、ア――って、ちょ、ちょっと待って、な、ななな、舐めないで!! そんなことしたら、また――」
全て吐き出したはずなのに、彼女がねっとりと僕のモノを舐めるせいで再び完全に立ってしまう。
「うん……また立ってきたね。良かった」
妖艶にマゼンタ色の瞳を細め、ルチアーノが僕の上に跨がる。
「ルチアー……ノ?」
彼女の不穏な動きに口の端がひきつる。思わず上半身を起こそうとするも、スルリと腹筋を撫でられ、トンッと軽くベッドに押し戻される。
白衣もワイシャツも着たままの僕だが、ボタンが全部外れていてほぼ服の意味をなしていない。彼女の方はワイシャツのみで下も全部脱いでいるようだ。
彼女の地元ではブラジャーなるものを着ける習慣がなかったらしく、ラフな格好ではよくブラジャーをしていない……僕には刺激が強すぎるので一緒に過ごすようになってからは着けるように頼んではいるのだが、しょっちゅうワイシャツ一枚にパンティ姿でそこら辺をうろついている。
豊満な胸をワイシャツ越しに揺らし、程よく引き締まった白くて綺麗な足を惜しげもなく出したままだらんと過ごす彼女の姿を見るたびに元気になってしまう僕の下半身が本当に情けない。その度にルチアーノが僕の【発情の匂い】とやらを嗅ぎつけ(おそらく、彼女がよく言っている僕の魔力の匂い――もとい、精液の香りだろう。獣人である彼女の鼻は誤魔化しがきかないので対処に困る……)、そのまま行為に及んでしまうのが常だった。
今回は起きて早々こんな事態だったので驚きだったが、どうやら彼女はブラジャーもパンティもなしでワイシャツ一枚らしい。ツンと立った充血して赤く色づいた乳首がワイシャツ越しに見え、僕の下半身がこれ以上にないほど硬くなる。
「こんな強姦紛いなことしてごめん、シアン……」
ペタンとお腹の上に馬乗りになられたことで、腹筋の上を彼女の熱い愛液がトロリと流れる。その熱い感覚にビクンと身体が反応し、早く刺激が欲しいと下半身が熱を集める。
「そ、それはルチアーノだから別に良いけど……どうした、の? 何かあった? その……最近、変だよ?」
躊躇いがちに彼女の頬に手を伸ばすと、その手を掴み彼女はスリスリと頬ずりをする。
(か、可愛い……)
猫獣人の特徴なのか彼女は猫のようにすり寄ってくる時があるのだが、そんな時の彼女は本当に可愛い。他の時ももちろん可愛いが、こうして甘えてくれる彼女の姿を見ると心が和む。
「シアンが頑張ってるのも分かってるし、邪魔だってしたくはないんだけど……もう、ね、我慢できないんだ」
「我慢――」
彼女のことを一番に考えているつもりだったのだが、何かを我慢させていたらしいーー背筋をヒヤリとした汗が流れる。
「うん……セックスの話なんだけどね」
「…………ええと、ごめん、僕の記憶違いじゃなければ昨日もシたばっか――だよね?」
そう、僕らは昨日もシたはずだ。小首を傾げる僕に、彼女は困った顔をする。
「うん……そう、なんだけど……」
「ま、まさか、嫌だった!? き、昨日、ソファでシたから!? やっぱり、ベッドの方が――」
「あ、いや、ソファでのは私が誘ったんだし、それはそれで気持ち良かったから――それとは違って……その、ごめん、シアン!」
「へ――?」
カシャンという音が頭上で聞こえ、バッと自身の手首を見るとそこにはいつの間にか銀色の手錠……。彼女と眠る際、彼女の怪力を抑えるために彼女はこの手錠をして眠るのだが、それが今は僕の両手首にはめられベッドの柵に繋がれた状態だ。
「え、ちょ、ちょっと待って……な、何――これ? え――? ごめん、どういう状況?? ル、ルチアーノ???」
「うん、ごめんね、シアン――ちょっと時期が時期で――収まらなくなっちゃって……」
頬を染め、潤んだ瞳で僕の腹筋に軽く手を置きながら彼女は熱い吐息を零す。その姿に僕は一つの結論に辿り着き、ハッとする。
「時期――って、まさか……」
彼女のマゼンタ色の瞳が捕食者のように怪しく獰猛な光を発しているのを見て、ゾクリと肌が粟立つ。
「発情期」
ペロリと舌で赤い唇を舐め彼女が動き、ギシッとベッドのスプリングが軋む音が鳴る。
発情期――獣人には定期的に訪れる繁殖行動の一つだと本で読んだことがある。それゆえに、獣人は子宝に恵まれやすく、数が多いのだと知識としても知っている。
「シアン――もう……ね、我慢できない」
艶っぽい声で――潤んだ熱っぽい瞳で――僕へとすがってくる彼女の姿に、思考がショート寸前だ。
(発情期って!? 発情期ってどうしたら良いの!? 体力的にいつも僕の方が先にへばっちゃってんのに、いつも以上ってこと……だよ、ね? いや、まあ、ルチアーノが僕を求めてくれるんだから、そりゃ、嬉しいよ? 嬉しいんだけどね……僕の身体――持つんでしょうか?)
思わずほんの少しだけ彼女から身を引くように身じろぎすると、チャリッと手首から金属音がした。
「ごめんね――でも、逃げないで?」
スルリと絡みついて来る彼女の熱っぽい視線に、タラリと冷汗が流れる。
(…………あ、うん、逃げませんよ? というか、物理的にも逃げられませんよ、ルチアーノさん――というか、やっぱり少し目が怖いんですけど?)
「ル、ルチアーノ、ぼ、僕、逃げたりしないから。だから、手錠をは――」
「ありがとう、シアン!」
とりあえず身の危険を感じて手錠を外してもらおうとしたのだが、満面の笑みで抱きつかれ、重要な要求が跳ね除けられてしまう。スリスリとすり寄られるたびに彼女の豊満な胸が当たり、意識がついついそっちに持っていかれそうになるがなんとかその欲望を頭から振り払う。
「ンッ、あ、喜んでくれて嬉しいよ。だから、手錠――」
「大丈夫、あとは全部私に任せてくれていいから!」
めげずに彼女に手錠について訴えようとするも、何やらヤル気満々の彼女には聞こえていないようだ。いや――もしかして、聞こえているけど無視されている?
「え――いや、うん、とりあえず、手――」
「シアンはただ、感じてくれてるだけでいいから――」
「ンムッ――」
妖艶に微笑んだ彼女に濃厚なキスをされたおかげで、僕の言葉は虚しく彼女の口内に飲み込まれてしまう。
「ンッ――シアン、好き」
チュッとリップ音を立てて僅かに離れた時に熱っぽく言われ、心臓がドクンと一際大きく鳴る。
「ウ、ン――僕も……好きだよ、ルチアーノ」
僕の言葉にルチアーノが先程よりも頬を朱く染め、もう一度唇を寄せてくる。僕は彼女が絡めてくる熱い舌を味わうように求めながら、少しだけ心の中で苦笑する。
(惚れた弱み――なんだろうなあ。別に手錠くらいどうってことないかなんて思っちゃうなんて……。それに、君に嘘をつかれている時の胸の痛みに比べたら、これなんて本当に些細なモノだし)
手首に当たるまだ少しひんやりとしている金属の感覚を感じながら、僕の上に乗る彼女の熱い身体を受け止める。
(ねぇ、ルチアーノ、もっと僕を求めてよ……僕のすべてをあげるから。もっともっと僕を頼ってよ……君の為なら何だってしてあげるから。もっともっともっと僕を……僕だけを欲して、よ…………僕がドス黒い感情で君を壊してしまうことがないように――)
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