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☆ Familiar18 ☆ それが依存でも
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「ヒッ――」
喉をひきつらせたバリスの声が聞こえ、一瞬でその場の全ての動きが止まる。血が滲んだボロボロの茶色いコートで両腕を広げて主を守るリリアンに、肩で息をしながら血と涙に濡れた顔を殺意に歪め、牙をむき出したままの私……。
一瞬の静寂。それを破ったのは、殺意に支配されていた私の後ろから、その腕を掴んでいたもう一つの存在だった。
「そいつに殺すほどの価値なんかない」
低く深みのある綺麗なバリトンボイスが響く。
「なん、で――なんで、なんでなんでナンデ――生き、て…………?」
床に座りこんだまま、そう呟くバリスの顔には、困惑だけでなく、明らかな恐怖が浮かんでいる。
「不、死――?」
「ああ、俺は不死だ」
「そんな――バカな!! そんなチートなんかがあってたまるかああぁぁぁぁ!!! 魔法使いが不死なんて、そんな、そんなこと、はッ――」
「ああ、その通りだ。このからくりにチートはない。俺も周りの一般大衆と同じ――」
グレイスの言葉が言い終わらないうちに、バリスを守るように立っていたリリアンが支えを失ったかのように前のめりに倒れこむ。
主を守るために全力を出し切り、魔力不足になったようだ。もともと、呪術のせいで身体も本調子でなかったため、かなり無理をしていたのだろう。荒い息を繰り返す彼女の周囲に淡く白い光の粒子が飛び交い、彼女の傷を癒していく。それを見た瞬間、男は驚きに目を見開く。
「まさ、か……そんな、そんな、バカなことがあっていいはず――き、君は――君達は――」
バリスが震える手を持ち上げ、その指先がグレイスと私の間を彷徨う。
「その【まさか】だ。残念ながらお前が殺したグレイス=クライシスは魔法使いじゃない。俺は【吸魔】の能力を持つ――」
グレイスが淡々と核心をつく言葉を紡ぎ、それを聞いたバリスがかすれた声で笑う。やがて、枯れた笑いが終わり、男は辿り着いた答えをかすれた声で口に出す。
「使い――魔…………」
「その通り。俺はナタリア=クライシスの使い魔、グレイス=クライシス」
「馬鹿げてる。本当に馬鹿げてる!!」
「ああ、そうだろうな。だが、魔法使いと使い魔の平等を考えている俺達にとっては意味のあることだ」
「クッ――で、も……君が死んだ時のあの取り乱しようは演技にしてはッ――」
「取り乱すに決まってるでしょ。私の大切で大事で愛しくてしょうがないグレイスをッ――グレイスをおおおぉぉォォ!!」
グレイスの制止を受けて大人しくしていたのだが、耐え切れず再び咆哮をあげて一歩前に踏み出してしまう。
「ナタリア、俺はここにいる。生きている。だから、やめろ。魔法使いを殺せば罪を背負うことになる」
「魔法使いを殺せば罪。使い魔を殺しても無罪。そんなのッ――納得できるはずがない! なんでグレイスを殺しても罪にはならないっていうの? 使い魔は不死だから人殺しになんないなんて、無罪だなんてそれこそ馬鹿げてる!」
「ナタリア……落ち着け。そもそも、奴を殺せば使い魔であるお前の親友も失うことになるんだぞ」
「あ――」
グレイスの一言に、冷静さを取り戻す。ついで、リリアンを見やれば、彼女は寂しげな顔で笑っていた。
「ハハ、ハハハッ――何なんだ、この茶番は……僕が、僕が一番優秀なはずなのに、僕こそが神童だったはずなのに、オマエのせいで、オマエらのせいで滅茶苦茶で、全部全部全部」
フラリと立ち上がったバリスがおもむろに紫色の液体が入った小瓶を取り出す。
「その液体……待って、それはッ――」
「ああ、ナタリア=クライシス――この魔法薬が何か分かるんですねぇ……ということは、研究は君が担当だったのですか?」
「研究は意識同調で情報共有しながら二人で行っているのよ。そんなことより、その魔法薬を使うのはやめなさい!!」
「アハハ、なんてバカバカしい! もう、滑稽すぎて笑うしかないじゃないか!? そう、そうだよ。これは君達が今研究してる魔法薬。魔法使いと使い魔を分断する研究? こんなの簡単に完成するのにまだ作成途中? なんの冗談なんですか! 僕をバカにしてるんですか!?」
小瓶の蓋を投げ捨て、バリスが顔を歪める。
「やめて! それを飲んだらッ――」
「リリアンが死んでしまう――ですか? まあ、魔力の供給がなくなれば使い魔は死ぬ。魔力こそが生きるために必要なエネルギーなんですからねぇ。でも、僕にはそんなの知ったこっちゃありません。研究には犠牲もつきものでしょう?」
グイッと一気に小瓶の液体を飲み干したバリスが狂ったように笑う。彼を包んでいた薄い魔力の膜が、ブワリと広がり、その異様な大きさの魔力量が可視化できるほどに膨らむ。
「ああ、すごい! これですよ、この魔力ですよ! こんなにも多くの魔力を私はただただ無駄に使い魔へと垂れ流していたのですね! ああ、まったく、本当にもったいない!」
「バリス――死ぬのはあなたよ」
「は? 何を――」
「まだ研究段階で発表してはいないけど、使い魔は存在するだけで膨大な魔力を消費するの。それこそ、私達魔法使いが普段生活するのに必要な魔力の十倍以上は軽く必要なのよ。体内での魔力回復量が異常に速いのが分かるでしょ?」
「いや、しかし、そんなはずは――」
「使い魔は魔法使いなしでは生きられない。みんなそう言うけど、本当は――魔法使いが生きるために使い魔が必要なの」
バリスの血管が黒く浮き出てくる。魔力過剰摂取状態の症状に、バリスだけでなく私の顔も蒼白になっていることだろう。見たところ、研究データよりも彼の魔力回復速度が速い。
(どうしたら良い? このままだと、本当にバリスは――)
「魔法使いは使い魔より優れ、てッ――痛ッッ、ギ、あぁぁあぁぁアア゛ァァァア゛!!!」
ボコボコと血管が脈打ち始め、ジタバタとバリスが苦しみ出す。おそらく、症状的にあと十分ほどは持ちそうだが、このままでは地獄の苦しみの果てに死に至るという最悪なパターンになりそうだ。
「ど、どうしよう、グレイス……」
「まあ、当然の報いだな。魔法薬を作れる才能があったとしても、碌な検討もせず自身に使用する迂闊さ、自分さえよければいいという自己中心的な考え、ナタリアを誘拐して傷つけた罪――全て自業自得だ。勝手に自分で作った魔法薬で死ぬんだから、自殺で処理されるだろう。助ける義理はない」
「えっと、最後ら辺は若干グレイス中心の考えもあったような気はするけど……流石にこのままは可哀想――かな」
先程の怒りが少しだけ鎮火した今、目の前で苦しむバリスを哀れに思ってしまい、どうしたものかと考える。こうしている間にも、バリスの苦しむ声が大きくなっていき、カタカタと手が震えてしまう。
「ナタ、リア――」
か細い声で私の名を呼んだのは、床に倒れたままのリリアンだった。魔力の供給が途切れたせいで呪術の影響を直に受けているらしい。いつも以上に顔色が悪い彼女が、必死に私へと手を伸ばす。私はその手をギュッと握る。
「リリアン、何? どうしたの?」
「バ、リス様を、助け、て……」
彼女の言葉に、一瞬動きが止まる。
「たとえ、何をされても、もうパートナーじゃないとしても、あの人を、捨て、られない……何度も、何度もあの人を、助けてほしいと思った――」
「え――」
(じゃあ、夢見で聞こえた心の声は……自分を助けてほしいんじゃなく、バリスを助けてほしいってことだったの? そんなの――)
「あの人は努力家なの。昔はね、努力で神童って呼ばれるくらいスゴい研究を何個も完成させたんだよ? でも、ある時、色々上手くいかなくなっちゃって、それでも頑張ればいつかは報われるって、また神童に戻るんだってずっとずっと頑張ってた。ずっと1番傍で見てきたの。でも、あの人は頑張るのに疲れちゃったのよ。頑張り過ぎて爆発しちゃったの。肩の抜き方を知らない可哀想な人なの……そして、私を、必要としてる人、だから――傍にいてあげたいの」
彼女のこれはただの依存症なのかもしれない。暴力で飼いならされて染みついた自己防衛の感覚なのかもしれない。
ここでバリスを見殺しにして、彼女を本当の意味で救ってあげることで大団円にできるのかもしれない。どうするのがいいかなんて、分からない。だけど、確かなことはある……。
「ねぇ、グレイス――私、困ってる人を放っておけない。目の前で苦しんでる人から目を逸らして逃げたくない……」
「…………分かった。それで? 俺はどうしたら良い?」
体内にたまった魔力を出すには、バリス自身が魔力を使うか魔法陣を書いて魔力を吸収する必要がある。でも、バリスの身体の色が紫色に変色してきているのを見ると、魔法陣を書いている途中で彼は息絶えてしまうだろう。先ほどまでの迷っていた時間が惜しい。
(他に何か、何か――)
喉をひきつらせたバリスの声が聞こえ、一瞬でその場の全ての動きが止まる。血が滲んだボロボロの茶色いコートで両腕を広げて主を守るリリアンに、肩で息をしながら血と涙に濡れた顔を殺意に歪め、牙をむき出したままの私……。
一瞬の静寂。それを破ったのは、殺意に支配されていた私の後ろから、その腕を掴んでいたもう一つの存在だった。
「そいつに殺すほどの価値なんかない」
低く深みのある綺麗なバリトンボイスが響く。
「なん、で――なんで、なんでなんでナンデ――生き、て…………?」
床に座りこんだまま、そう呟くバリスの顔には、困惑だけでなく、明らかな恐怖が浮かんでいる。
「不、死――?」
「ああ、俺は不死だ」
「そんな――バカな!! そんなチートなんかがあってたまるかああぁぁぁぁ!!! 魔法使いが不死なんて、そんな、そんなこと、はッ――」
「ああ、その通りだ。このからくりにチートはない。俺も周りの一般大衆と同じ――」
グレイスの言葉が言い終わらないうちに、バリスを守るように立っていたリリアンが支えを失ったかのように前のめりに倒れこむ。
主を守るために全力を出し切り、魔力不足になったようだ。もともと、呪術のせいで身体も本調子でなかったため、かなり無理をしていたのだろう。荒い息を繰り返す彼女の周囲に淡く白い光の粒子が飛び交い、彼女の傷を癒していく。それを見た瞬間、男は驚きに目を見開く。
「まさ、か……そんな、そんな、バカなことがあっていいはず――き、君は――君達は――」
バリスが震える手を持ち上げ、その指先がグレイスと私の間を彷徨う。
「その【まさか】だ。残念ながらお前が殺したグレイス=クライシスは魔法使いじゃない。俺は【吸魔】の能力を持つ――」
グレイスが淡々と核心をつく言葉を紡ぎ、それを聞いたバリスがかすれた声で笑う。やがて、枯れた笑いが終わり、男は辿り着いた答えをかすれた声で口に出す。
「使い――魔…………」
「その通り。俺はナタリア=クライシスの使い魔、グレイス=クライシス」
「馬鹿げてる。本当に馬鹿げてる!!」
「ああ、そうだろうな。だが、魔法使いと使い魔の平等を考えている俺達にとっては意味のあることだ」
「クッ――で、も……君が死んだ時のあの取り乱しようは演技にしてはッ――」
「取り乱すに決まってるでしょ。私の大切で大事で愛しくてしょうがないグレイスをッ――グレイスをおおおぉぉォォ!!」
グレイスの制止を受けて大人しくしていたのだが、耐え切れず再び咆哮をあげて一歩前に踏み出してしまう。
「ナタリア、俺はここにいる。生きている。だから、やめろ。魔法使いを殺せば罪を背負うことになる」
「魔法使いを殺せば罪。使い魔を殺しても無罪。そんなのッ――納得できるはずがない! なんでグレイスを殺しても罪にはならないっていうの? 使い魔は不死だから人殺しになんないなんて、無罪だなんてそれこそ馬鹿げてる!」
「ナタリア……落ち着け。そもそも、奴を殺せば使い魔であるお前の親友も失うことになるんだぞ」
「あ――」
グレイスの一言に、冷静さを取り戻す。ついで、リリアンを見やれば、彼女は寂しげな顔で笑っていた。
「ハハ、ハハハッ――何なんだ、この茶番は……僕が、僕が一番優秀なはずなのに、僕こそが神童だったはずなのに、オマエのせいで、オマエらのせいで滅茶苦茶で、全部全部全部」
フラリと立ち上がったバリスがおもむろに紫色の液体が入った小瓶を取り出す。
「その液体……待って、それはッ――」
「ああ、ナタリア=クライシス――この魔法薬が何か分かるんですねぇ……ということは、研究は君が担当だったのですか?」
「研究は意識同調で情報共有しながら二人で行っているのよ。そんなことより、その魔法薬を使うのはやめなさい!!」
「アハハ、なんてバカバカしい! もう、滑稽すぎて笑うしかないじゃないか!? そう、そうだよ。これは君達が今研究してる魔法薬。魔法使いと使い魔を分断する研究? こんなの簡単に完成するのにまだ作成途中? なんの冗談なんですか! 僕をバカにしてるんですか!?」
小瓶の蓋を投げ捨て、バリスが顔を歪める。
「やめて! それを飲んだらッ――」
「リリアンが死んでしまう――ですか? まあ、魔力の供給がなくなれば使い魔は死ぬ。魔力こそが生きるために必要なエネルギーなんですからねぇ。でも、僕にはそんなの知ったこっちゃありません。研究には犠牲もつきものでしょう?」
グイッと一気に小瓶の液体を飲み干したバリスが狂ったように笑う。彼を包んでいた薄い魔力の膜が、ブワリと広がり、その異様な大きさの魔力量が可視化できるほどに膨らむ。
「ああ、すごい! これですよ、この魔力ですよ! こんなにも多くの魔力を私はただただ無駄に使い魔へと垂れ流していたのですね! ああ、まったく、本当にもったいない!」
「バリス――死ぬのはあなたよ」
「は? 何を――」
「まだ研究段階で発表してはいないけど、使い魔は存在するだけで膨大な魔力を消費するの。それこそ、私達魔法使いが普段生活するのに必要な魔力の十倍以上は軽く必要なのよ。体内での魔力回復量が異常に速いのが分かるでしょ?」
「いや、しかし、そんなはずは――」
「使い魔は魔法使いなしでは生きられない。みんなそう言うけど、本当は――魔法使いが生きるために使い魔が必要なの」
バリスの血管が黒く浮き出てくる。魔力過剰摂取状態の症状に、バリスだけでなく私の顔も蒼白になっていることだろう。見たところ、研究データよりも彼の魔力回復速度が速い。
(どうしたら良い? このままだと、本当にバリスは――)
「魔法使いは使い魔より優れ、てッ――痛ッッ、ギ、あぁぁあぁぁアア゛ァァァア゛!!!」
ボコボコと血管が脈打ち始め、ジタバタとバリスが苦しみ出す。おそらく、症状的にあと十分ほどは持ちそうだが、このままでは地獄の苦しみの果てに死に至るという最悪なパターンになりそうだ。
「ど、どうしよう、グレイス……」
「まあ、当然の報いだな。魔法薬を作れる才能があったとしても、碌な検討もせず自身に使用する迂闊さ、自分さえよければいいという自己中心的な考え、ナタリアを誘拐して傷つけた罪――全て自業自得だ。勝手に自分で作った魔法薬で死ぬんだから、自殺で処理されるだろう。助ける義理はない」
「えっと、最後ら辺は若干グレイス中心の考えもあったような気はするけど……流石にこのままは可哀想――かな」
先程の怒りが少しだけ鎮火した今、目の前で苦しむバリスを哀れに思ってしまい、どうしたものかと考える。こうしている間にも、バリスの苦しむ声が大きくなっていき、カタカタと手が震えてしまう。
「ナタ、リア――」
か細い声で私の名を呼んだのは、床に倒れたままのリリアンだった。魔力の供給が途切れたせいで呪術の影響を直に受けているらしい。いつも以上に顔色が悪い彼女が、必死に私へと手を伸ばす。私はその手をギュッと握る。
「リリアン、何? どうしたの?」
「バ、リス様を、助け、て……」
彼女の言葉に、一瞬動きが止まる。
「たとえ、何をされても、もうパートナーじゃないとしても、あの人を、捨て、られない……何度も、何度もあの人を、助けてほしいと思った――」
「え――」
(じゃあ、夢見で聞こえた心の声は……自分を助けてほしいんじゃなく、バリスを助けてほしいってことだったの? そんなの――)
「あの人は努力家なの。昔はね、努力で神童って呼ばれるくらいスゴい研究を何個も完成させたんだよ? でも、ある時、色々上手くいかなくなっちゃって、それでも頑張ればいつかは報われるって、また神童に戻るんだってずっとずっと頑張ってた。ずっと1番傍で見てきたの。でも、あの人は頑張るのに疲れちゃったのよ。頑張り過ぎて爆発しちゃったの。肩の抜き方を知らない可哀想な人なの……そして、私を、必要としてる人、だから――傍にいてあげたいの」
彼女のこれはただの依存症なのかもしれない。暴力で飼いならされて染みついた自己防衛の感覚なのかもしれない。
ここでバリスを見殺しにして、彼女を本当の意味で救ってあげることで大団円にできるのかもしれない。どうするのがいいかなんて、分からない。だけど、確かなことはある……。
「ねぇ、グレイス――私、困ってる人を放っておけない。目の前で苦しんでる人から目を逸らして逃げたくない……」
「…………分かった。それで? 俺はどうしたら良い?」
体内にたまった魔力を出すには、バリス自身が魔力を使うか魔法陣を書いて魔力を吸収する必要がある。でも、バリスの身体の色が紫色に変色してきているのを見ると、魔法陣を書いている途中で彼は息絶えてしまうだろう。先ほどまでの迷っていた時間が惜しい。
(他に何か、何か――)
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