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ー第1話ー 堕ち行く兄妹
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降り頻る雨は激しく、辺りの全てをも飲み込む勢いがあるように思えた。
その雨の中、傘もささず立ち尽くす喪服姿の少年がいた。
状況はこれから葬式が始まろうという時。当然他にも喪服姿の人物はいる。
しかし少年、美山敬悟はまるで孤独を望む様に一人雨に打たれている。
葬儀の会場となっている荘厳な寺。その中に二人の女性の遺影。
敬悟の母親と妹のものだった。なんの偶然か、ほぼ同時に亡くなった二人。
その二人には家族として当然の愛情も有ったし、敬意も有った。
しかし敬悟にはもう一つどうしようもない感情があった。
それは”背徳”、もしくは後悔とも言えるもの。
誰にも明かす訳にはいかない関係がつい最近まであったという事実。
敬悟もそれを弁えているだけにどうしようもない後悔に苛まれていた。
事の始まり、それはあまりにも残酷な宣告だった。
突然現在入院している母の事で話しがあると連絡が入る。
相手は母、美山佳保の主治医。場所はもう通い慣れた病院。
しかし案内されたのは”いつも”の所ではなかった。
主治医と敬悟の二人だけの密室。何事かと敬悟は緊張を覚える。
「大変残念なお知らせです。」
最初に口を開いたのは主治医。しかしそれが更に敬悟にどういう事かという思いを強くする。
「お母さんはもう長くはありません。」
「えっ!。」
突然の主治医の言葉に驚く敬悟。そして同時に嘘だっ!という思いを強くする。
母、佳保はもう長い間入院をしている。最初の頃は入退院を繰り返していたが、ここ数年は入院だけとなっていた。
何か病気をしている訳ではない。元々体が弱く、若い頃に離婚を経験し、母一人で二人の子供を育てる。
しかしそれは体の弱い佳保にはあまりにも過酷なものだった。
そしてある日ついに体を壊し入退院の日々が始まった。
では子供達は?となった時佳保が頼ったのは長く関係が切れていた実の姉、怜だった。
毒親のせいで行方すら解らなかった怜を離婚を期に探し始じめ、
これも偶然だったのか入退院を繰り返すようになる手前で漸く怜と連絡が取れていた。
そして幸いだったのは元々姉妹中は良かった事。そして怜自身にそれなりの財力があった事、
何より佳保の頼みを怜が快く受け入れてくれた事。
但し、怜自身仕事が忙しく、佳保の子供の世話は人を雇ってこなしていた。
しかしそれも敬悟が高校生になる頃には止まっていた。厳密に言えば敬悟が断ったのだった。
そうして全ての物事が上手く行くように思えた。しかしそうはならなかった。
佳保は回復するどころか次第に弱っていった。主治医によればそれだけの負担が過去にあったのでは?。と言う。
そして入退院を繰り返しの日々から入院だけの日々になり今現在に至る・・・・。
「母は・・・後どれだけ生きられますか?。」
震える声で、必死な思いで質問をする敬悟。
「約三ヶ月から半年程と見ています。しかし、お母さんの状況から半年生きられる可能性はかなり低いです。」
敬悟にとってそれはあまりにも残酷な宣告だった。幼い頃母の頑張っている姿をよく見ていた。
それだけに自分が仕事を出来るようになれば母に好きなだけ楽な人生を送らせてあげたいと思っていた。
しかし今この瞬間、その思いが無惨にも叶わないと知らされたのだった。
「延命は・・・可能ですか?。」
敬悟のその言葉は藁にもすがるものだった。
「一応・・・ですが、可能です。しかし良くて一ヶ月程。ただ現状としては全く効果が得られない可能性が高いです。
そしてこれはお母さん、佳保さん自身の意志ですが。延命は望まないと・・・・・・。」
もう敬悟に口に出来る言葉は無かった。母の頑張りを知ると同時に苦しみも知っていたから・・・・。
そしてそれから敬悟は沈黙したままその場を出て帰路に着く。
正直どうやって帰ったのか覚えていない程意気消沈としていた。
そして家で待っていた妹、茅奈にこれまでの事を話す事にする。
茅奈はあまり病院に行く事はなかった。元々母佳保とは仲は良かった。
それだけに日々弱っていく母の姿を見たくはなかったのかもしれない。
しかしそれだけに敬悟の話しに茅奈がどのように反応するのかの予想は容易だった。
「嘘っ!嘘っっ!!うそぉっっーーー!!!。」
やはりと言う反応を見せる茅奈。それからしばらくは歯止めも利かずに泣きじゃくっていた。
まだ中学生の少女にこんな残酷を伝わる必要があるのか?と迷ったが、
母の余命を考えれば時間を置いてもより辛い思いをさせるだけだと判断しての事だった。
そこから兄妹に会話も無く静寂の時間が流れる。テレビも点ける事もなかったので尚更だ。
気が付けば就寝時間にまでになっていた。二人共それまでに必要な事はもう済ましている。
それだけに静かに自室へと足を向ける。
自室に入ると敬悟は迷う事無くベッドにダイブする。これまでの事でいい加減疲れたからだった。
だからといってすぐには眠れなかった。むしろ目は冴えていた。
明日からどうするか?。その考えが頭を過っていた。
茅奈の性格と佳保の関係性を考えれば今後は積極的に病院に通う事を選択するだろう。勿論兄の敬悟を連れ立って。
どいう訳か現在も兄妹仲は良い。思春期に入ればそれなりに悪化すると考えていたので敬悟には不思議な事だった。
そんな事を考えている内にどれだけの時間が経過したのか、不意に自室の入口のドアが開く音がする。
何事かと思ったが自室も自室の向こうも電気が消えていた為その正体は解らない。ただ静かに足音がするだけ・・・。
その正体は?という疑問は無意味だった。何故なら”それ”はすぐに敬悟のベッドに入り込んできたからだ。
「自分のベッドはどうした?。」
背中に伝わる感触でその正体を知り、だからこそ少しきつい口調で聞く敬悟。
「たまには・・・良いんじゃないかな・・・・。」
背中伝いに聞こえて来る声。問うまでもなく妹の茅奈だ。
たまに、ではなく間違いなく初めて見せた妹の行動に戸惑いながも平静を保とうと努める敬悟。
「一緒に寝たいのか?。」
「うん・・・・。」
敬悟の質問に消え入りそうな声で答える茅奈。こうも弱っている妹を見るのもまた初めてだった。
しかし今日のこれまでの事を考えると茅奈のこの反応は当然だと思え、
そんな妹でもどうにか自室に返したいという思いをはね除け、受け入れる事にする。
ただそれでも密着されるのは思春期の男子としては勘弁してほしいところではある。
「なあ・・・離れて欲しいんだけど。」
「嫌だよ・・・・そんな事したらまた嫌な私になっちゃう。」
敬悟の言葉に返した茅奈の反応に驚く。意味の理解出来ないその言葉に戸惑ったからだ。
「何が、嫌なんだ?。」
「私、お母さん大好きなんだよ。」
「うん、そうだな。」
「けど、今の私にはお母さんを傷付ける言葉しか思いつかないの!。
どうして死んじゃうの?。どうして私やお兄ちゃんを置いてっちゃうの?。
そんなお母さん最低だよ、消えて欲しいって。」
それは小さな叫び声だった。そしてその悲痛な想いは確かに敬悟にも伝わっていた。
「だからお兄ちゃんお願い。今はそんな酷い私にしないで・・・・・。」
茅奈の言葉に集中していて気付きもしなかった。彼女は何時の間にか敬悟から少し離れ、
敬悟の右手を掴み、自分の幼い膨らみに当てていた。
「なっ!・・・・。」
茅奈の行動に驚いた敬悟は慌てて彼女の膨らみに触れている手に引き戻そうとする。
しかし茅奈はそれを「ダメッ!!。」と強く言って静止する。
「お願い、こうさせて・・・でないと、また嫌な私になっちゃう。」
それはあまりにも卑怯な申し出だった。いくら血が繋がっているとはいえ。
思春期の男子が異性の体に触れている事実。
ましてや普通なら決して触れてはいけないところに触れているというのはあまりにも危険な事だった。
なりより普段は理性的な敬悟ではあったが、今日一日の事で精神的ダメージを負っている事もあって、
長くこの状態の中で理性を保つ事は出来そうになかった。
「そんな事をされたら、もっと触りたくなるよ・・・。」
「うん・・・して。」
もうすでに敬悟からは邪悪な欲望が沸き上がり出していた。そして何よりそれを拒まない茅奈に驚く。
「いいのか?。」
「いいよ、なんだったらパジャマ脱ごうか?。」
その茅奈の言葉に更に驚く。あまりにも大胆な答えに敬悟は自分の耳を疑った。
「なんで・・・そこまで?。」
「だって、お兄ちゃんとしたいから。」
「何を?。」
「セックス。」
もう疑いようももなかった。お互いの年齢上、そういう知識が有ってもおかしくはない。しかし・・・・・。
「本気か?。」
「もう、くどいなぁ。」
そう茅奈が言うと布の擦れる音がする。この暗闇の中で彼女は裸になろうとしているのだ。
それを理解し、どうしようもなく緊張をする敬悟。
そしてまた右手を茅奈に掴まれもう一度その幼い膨らみに当てられる。
しかし今伝わってくる感触に布のものはなく、間違いなく人肌のものだった。
そしてそれは同時に茅奈が全裸になった事を敬悟に伝えるものだった。
もう言葉もなく、ただされるがままの兄。しかし邪悪な欲望が静かなままのはずもなかった。
敬悟は衝動的に茅奈の上になる。暗闇で見えはしないが互いに見つめ合っていると思える。
「本当に良いんだな?。」
「うん、私お兄ちゃんが欲しい。」
もう敬悟にも理性なんてものは無かった。ただ雄として目の前の異性を味わいたいという欲望が少年を支配する。
敬悟は頭を下ろし、茅奈の体を顔前とする。そして唇を微かにその肌に当て、その感触で幼い膨らみに行き当たる。
そしてその小さな乳頭を口に含みだす。くちゅくちゅと音が響くようだった。しかし・・・。
「あっもうぅ止めてよ、お兄ちゃん。」
なんともこそばしそうに抗議をする茅奈。元々唇を肌に走らされた辺りから我慢出来ないものが彼女にはあった。
実際茅奈はその両手で敬悟の顔を引き離していた。そして・・・・。
「それより、ここをお願い。」
そうして頭を掴まれたままに敬悟からは後ろの方へ、下の方へと移動させられる。
またしても暗闇で見えないが、恐らく目の前に彼女の秘部があると思われる。
異性との経験の無い童貞にとって早々とメインディッシュというのは実に不満というところだったが。
「ねえ、早く。」
そう急かされると、従うしかない。まずは確かめるように右手を伸ばす。
そして触れた感触で確かに彼女の秘丘だと確認する。
指先を走らせ、その秘丘を確かめる。すると気付いた事。彼女の年齢なら有る可能性が高い陰毛が一切感じられない。
「もうっ!またやってる!。」
ましてもたこそばかったのだろう、二度目の抗議が飛んで来る。
敬悟は「御免。」と返し今度はその指を秘部の中心へ当てていく。
あくまでも知識だけだが、そこが気持ち良いところだと知っていた。
たが不安はある。経験が無いのだから当然であるし、今暗闇だからこそ文字通りの手探りという状況で全ての事をしている。
伝わって来る感覚で茅奈の秘華と思えるものを見つる。それを出来るだけ優しくと強く思う。
しかし自覚している以上に敬悟は緊張をしていた。彼女の秘部に触れる手は震え、到底上手くやれているとは思えない。
「御免、痛くないか?。」
今自分のしている失敗を悔やんでの言葉を言う敬悟。しかし茅奈は「ううん。大丈夫だから。」と優しく返して来る。
だからこそ敬悟は本当に自分が不甲斐ないと思えた。
守ってやりたいとずっと思っていた存在(いもうと)に助けられるなんてと。
そしてその思いが敬悟から緊張というものを消していた。指先の動きが異性の秘密を知り味わおうというものに変わる。
「あっ!、ううぅ~~ん。」
敬悟の行為にいやらしく反応する茅奈。そしてその甘い声が敬悟にかろうじて残っていた理性の全てを飛ばし去っていた。
これも歳相応の思考だと言えた。敬悟はもし自分に彼女が出来たらしてみたいと思っていた事を今実行しようとしていた。
茅奈の秘部に触れる手を頼りに、そこへと顔を近付けていた。
「えっ?どうしたの。」
気配というものだろう、茅奈も敬悟の動きを察して少し不安な声をあげる。
しかし敬悟その茅奈の不安には答えず、静かに目的のところへと顔を向けていく。
そしてついに茅奈の秘華に口付けを交わす。そして遠慮も無く舌を立て舐め回す動きをする。
「あっ!駄目だお兄ちゃん。そこは汚いからっ!。」
茅奈もまた知識しかない処女であり、兄のしている事の意味など知る由もない。
しかしその拒絶の声は兄が齎す快楽が勝り「なんで・・・駄目なのに気持ち良いの?・・・。」と、
茅奈自身も性の快楽に溺れだしていた。
しかしそんな甘い声を聞かされてはもう敬悟は我慢出来なくしていた。
ここまで自分のものが何もなく放置され続けたのだから当然と言えるだろう。
何より茅奈がセックスをしたいと言った事はすでに敬悟の頭に焼け付いている。
完全に理性を失った性の獣はその顔を茅奈の秘部から離し、今度は互いの秘部を近付けていく。
茅奈もそれを察したのだろう。「嬉しい、さあ来てお兄ちゃん。」とその獣を受け入れる。
しかしそこからそう上手くいくはずもなかった。互いに知識だけ、しかも暗闇の中。
その為敬悟はしばらくは自分のものの行き先を探る事となった。そして茅奈もそれを待つしかなかった。
そしてその事が敬悟を焦りへと繋げたのだろう。何か当たりを見つけたと感じ、そこに自分のものを当てていく。
もうそこからは勢いだけという感じだった。そのままただ腰を落としていく敬悟。
偶然だったかもしれない。それは確かに当たりで敬悟のものは茅奈の秘膣を捕らえて挿入出来ていた。しかし・・・。
「あぐぅっ!!いっったぁぁぁっい!!!。」
焦ったが故に勢いに任せた。それがいけなかった。敬悟は茅奈に言い例えようのない痛みを与えてしまっていた。
「あっ!あぁ・・・・御免、大丈夫茅奈?。」
敬悟は慌てて茅奈の体に重なり、その肌を摩りながら謝る。
「一応・・・・でも少し時間が欲しいな。」
茅奈がそいう言うのは兄と繋がりたいという目的の一つを達成出来たからではあったが、
自分が考えていた以上に処女を失う痛みを覚え、故に時間が欲しかったのだった。
そしてその間どうするかは決まっていた。順番はあべこべだがここでようやくのファーストキス。
しかし敬悟にこれ以上の知識は無く、妹の方から舌を入れてくる。
驚いた敬悟は一旦顔を離し、それに対し茅奈は「どうしたの?。」聞いてくる。
そして妹から顔を近付け二度目のキスからの舌の侵入。今度は敬悟も拒まない。
互いの舌がチロチロと甘美な音を立て次第に激しくなっていく。
その激しさはさっき負ったはず痛みを忘れているのでと思えるものだっだ。
そして敬悟はそのディープキスの感覚と体を重ねる事により感じられる茅奈の異性に興奮を覚え。
だんだんと自分のものを茅奈の膣(なか)で動かしたいという欲動に駆られる。
それもあってか敬悟はまた茅奈と顔を離し、彼女はまた「どうしたの?。」と聞く。
「なあ、そろそろセックスしないか?。」
敬悟のその質問は意味不明なものだった。
何故ならすでにお互いの性器が繋がっているこの状況はすでに”セックス”をしていると言えたからだ。
「うん、お願い・・・。」
それはお互いに性の知識はあってもそれが中途半端なものだったからこそ成立した応答だった。
正直、茅奈としてはまだ時間が欲しかったが、望んでいた事をして貰える喜びの方が勝っていた。
「よしっ、いくよ・・・。」
敬悟の合図の声に茅奈は応えない。痛みえの覚悟で精一杯だったからだ。
しかし敬悟は茅奈の応答を待たずに腰を動かし始める。もう我慢の限界だった。
「はあ・・・はあ・・・良い、良いよ茅奈。」
処女を失う痛み耐える妹に気付く事なく少女を犯す快楽に溺れる兄。
暗闇だったから・・・茅奈が強がったから・・・そして敬悟が”それら”に気付く余裕がなかったから。
そしてやはり初体験が故に早々と絶頂か訪れ、敬悟なそこで一時冷静になった。
「・・・なあ、避妊しなきゃだよな?・・・・。」
もう射精寸前のところで、本来ならもっと早いタイミングで気付くべき事を口にする敬悟。
「大丈夫、私まだ来てないから。だからお兄ちゃんのを私の膣(なか)にちょうだい。」
普段の冷静な判断力を持った敬悟なら、いくら血の繋がった妹の言葉でも疑ったところだろう。
しかしここに来て、茅奈のこれまでの計略が活きたと言えた時であろう。
すでに理性の大半を破壊された兄は妹の言葉をあっさりと鵜呑みにし、ただ欲望に従う判断をした。
少しばかり時間を置いた事で僅かばかりに性の喜びを楽しむ余裕が出来。
それを茅奈が喜ぶと信じてピストン運動に集中する事を決意する敬悟。
しかしやはり、男の絶頂は呆気なく訪れていた。
「くはっ・・あふはぁっ・・・いくぅっ・・いくぞぉっ!。」
「あんっ・・・はぁんぐっ・・・うん、きてぇっ!。」
それはまさに道化のフィニッシュだった。ただ快楽に溺れ、それ以外には気付かない兄。
そんな兄の為に痛みに耐え、兄からの証を受け入れる事を望む妹。
お互いの”初めて”はそんな道化な結末を迎えていた。
「はあ、はあぁ・・・これで満足か?・・・・。」
「はあ・・・うん・・・嬉しいよお兄ちゃん。」
ようやく体を離し、セックスの疲労に溺れる二人。しかし二人の疲労はそれだけではなかった。
母の悲報から始まった今日一日の疲れは確かに二人を侵食していた。
その証拠に、それから間も無く二人共微睡みに堕ちていた。
*
「うっ・・・・んっ!。」
目が覚めたと言う感覚と同時に何とも言えない頭の重さを感じる。
しかし少し間を置いて自分が裸である驚く敬悟。が、眼前に全裸にシーツの茅奈を見付けてある事を悟る。
「あれ・・・夢じゃないんだな・・・・。」
情けないとも言えたが。敬悟はまだ昨夜の出来事を信じられていなかった。
しかし、すぐ目の前にその証拠は確かにあった。
全裸の妹。血が付いたと見えるシーツ。そして敬悟自身の記憶。その感覚は生々しく確かに残っている。
しかし、それでも現実逃避をしたい思いもあった。たがらこそ意味もなくベッドに置いてある時計を見る。
今日は休日、時間は朝ではあるが、十分に遅いと言える。
「うんっ・・・・お兄ちゃんお早う。」
不意に聞こえた声で茅奈が起きた事を知り、敬悟は目を向ける。
すると茅奈はシーツをどけようとしていて。朝日のせいで彼女の美しい裸体が露わになった。
そしてそれは昨夜茅奈に触れて感じた感覚の証明でもあった。
やはり幼く、まだオッバイとも言えない膨らみ。そして一切陰毛の無い体、秘丘。
それは触れてはいけない。汚してはいけないものを汚したと改めて敬悟に感じさせるものだった。
「お早う、茅奈・・・。」
今更ながらに後ろめたさを感じ、声を落とす敬悟。
「どうしたの、お兄ちゃん?。」
「いやっ、茅奈に・・・いけない事をしたなって。」
「どうして?・・・私がお願いしたのに。」
「でもっ・・・本当に良かったのか?。」
未だに戸惑いが消えない兄。しかしそれは妹の望むものではなかった。
「うん、私は嬉しい。だってずっとお兄ちゃんとこうなりたかったんだから。」
”昨日と言っている事が違う”。いつもの敬悟ならそれに気付いただろう。
しかし破壊された理性は一晩では修復されはしない。
なにより茅奈は更に敬悟の理性を破壊しようとしていた。
その効果は確かにあり、その証拠に次の瞬間には二人は口付けと共に朝の情事にとり掛かっていた・・・・・・。
その雨の中、傘もささず立ち尽くす喪服姿の少年がいた。
状況はこれから葬式が始まろうという時。当然他にも喪服姿の人物はいる。
しかし少年、美山敬悟はまるで孤独を望む様に一人雨に打たれている。
葬儀の会場となっている荘厳な寺。その中に二人の女性の遺影。
敬悟の母親と妹のものだった。なんの偶然か、ほぼ同時に亡くなった二人。
その二人には家族として当然の愛情も有ったし、敬意も有った。
しかし敬悟にはもう一つどうしようもない感情があった。
それは”背徳”、もしくは後悔とも言えるもの。
誰にも明かす訳にはいかない関係がつい最近まであったという事実。
敬悟もそれを弁えているだけにどうしようもない後悔に苛まれていた。
事の始まり、それはあまりにも残酷な宣告だった。
突然現在入院している母の事で話しがあると連絡が入る。
相手は母、美山佳保の主治医。場所はもう通い慣れた病院。
しかし案内されたのは”いつも”の所ではなかった。
主治医と敬悟の二人だけの密室。何事かと敬悟は緊張を覚える。
「大変残念なお知らせです。」
最初に口を開いたのは主治医。しかしそれが更に敬悟にどういう事かという思いを強くする。
「お母さんはもう長くはありません。」
「えっ!。」
突然の主治医の言葉に驚く敬悟。そして同時に嘘だっ!という思いを強くする。
母、佳保はもう長い間入院をしている。最初の頃は入退院を繰り返していたが、ここ数年は入院だけとなっていた。
何か病気をしている訳ではない。元々体が弱く、若い頃に離婚を経験し、母一人で二人の子供を育てる。
しかしそれは体の弱い佳保にはあまりにも過酷なものだった。
そしてある日ついに体を壊し入退院の日々が始まった。
では子供達は?となった時佳保が頼ったのは長く関係が切れていた実の姉、怜だった。
毒親のせいで行方すら解らなかった怜を離婚を期に探し始じめ、
これも偶然だったのか入退院を繰り返すようになる手前で漸く怜と連絡が取れていた。
そして幸いだったのは元々姉妹中は良かった事。そして怜自身にそれなりの財力があった事、
何より佳保の頼みを怜が快く受け入れてくれた事。
但し、怜自身仕事が忙しく、佳保の子供の世話は人を雇ってこなしていた。
しかしそれも敬悟が高校生になる頃には止まっていた。厳密に言えば敬悟が断ったのだった。
そうして全ての物事が上手く行くように思えた。しかしそうはならなかった。
佳保は回復するどころか次第に弱っていった。主治医によればそれだけの負担が過去にあったのでは?。と言う。
そして入退院を繰り返しの日々から入院だけの日々になり今現在に至る・・・・。
「母は・・・後どれだけ生きられますか?。」
震える声で、必死な思いで質問をする敬悟。
「約三ヶ月から半年程と見ています。しかし、お母さんの状況から半年生きられる可能性はかなり低いです。」
敬悟にとってそれはあまりにも残酷な宣告だった。幼い頃母の頑張っている姿をよく見ていた。
それだけに自分が仕事を出来るようになれば母に好きなだけ楽な人生を送らせてあげたいと思っていた。
しかし今この瞬間、その思いが無惨にも叶わないと知らされたのだった。
「延命は・・・可能ですか?。」
敬悟のその言葉は藁にもすがるものだった。
「一応・・・ですが、可能です。しかし良くて一ヶ月程。ただ現状としては全く効果が得られない可能性が高いです。
そしてこれはお母さん、佳保さん自身の意志ですが。延命は望まないと・・・・・・。」
もう敬悟に口に出来る言葉は無かった。母の頑張りを知ると同時に苦しみも知っていたから・・・・。
そしてそれから敬悟は沈黙したままその場を出て帰路に着く。
正直どうやって帰ったのか覚えていない程意気消沈としていた。
そして家で待っていた妹、茅奈にこれまでの事を話す事にする。
茅奈はあまり病院に行く事はなかった。元々母佳保とは仲は良かった。
それだけに日々弱っていく母の姿を見たくはなかったのかもしれない。
しかしそれだけに敬悟の話しに茅奈がどのように反応するのかの予想は容易だった。
「嘘っ!嘘っっ!!うそぉっっーーー!!!。」
やはりと言う反応を見せる茅奈。それからしばらくは歯止めも利かずに泣きじゃくっていた。
まだ中学生の少女にこんな残酷を伝わる必要があるのか?と迷ったが、
母の余命を考えれば時間を置いてもより辛い思いをさせるだけだと判断しての事だった。
そこから兄妹に会話も無く静寂の時間が流れる。テレビも点ける事もなかったので尚更だ。
気が付けば就寝時間にまでになっていた。二人共それまでに必要な事はもう済ましている。
それだけに静かに自室へと足を向ける。
自室に入ると敬悟は迷う事無くベッドにダイブする。これまでの事でいい加減疲れたからだった。
だからといってすぐには眠れなかった。むしろ目は冴えていた。
明日からどうするか?。その考えが頭を過っていた。
茅奈の性格と佳保の関係性を考えれば今後は積極的に病院に通う事を選択するだろう。勿論兄の敬悟を連れ立って。
どいう訳か現在も兄妹仲は良い。思春期に入ればそれなりに悪化すると考えていたので敬悟には不思議な事だった。
そんな事を考えている内にどれだけの時間が経過したのか、不意に自室の入口のドアが開く音がする。
何事かと思ったが自室も自室の向こうも電気が消えていた為その正体は解らない。ただ静かに足音がするだけ・・・。
その正体は?という疑問は無意味だった。何故なら”それ”はすぐに敬悟のベッドに入り込んできたからだ。
「自分のベッドはどうした?。」
背中に伝わる感触でその正体を知り、だからこそ少しきつい口調で聞く敬悟。
「たまには・・・良いんじゃないかな・・・・。」
背中伝いに聞こえて来る声。問うまでもなく妹の茅奈だ。
たまに、ではなく間違いなく初めて見せた妹の行動に戸惑いながも平静を保とうと努める敬悟。
「一緒に寝たいのか?。」
「うん・・・・。」
敬悟の質問に消え入りそうな声で答える茅奈。こうも弱っている妹を見るのもまた初めてだった。
しかし今日のこれまでの事を考えると茅奈のこの反応は当然だと思え、
そんな妹でもどうにか自室に返したいという思いをはね除け、受け入れる事にする。
ただそれでも密着されるのは思春期の男子としては勘弁してほしいところではある。
「なあ・・・離れて欲しいんだけど。」
「嫌だよ・・・・そんな事したらまた嫌な私になっちゃう。」
敬悟の言葉に返した茅奈の反応に驚く。意味の理解出来ないその言葉に戸惑ったからだ。
「何が、嫌なんだ?。」
「私、お母さん大好きなんだよ。」
「うん、そうだな。」
「けど、今の私にはお母さんを傷付ける言葉しか思いつかないの!。
どうして死んじゃうの?。どうして私やお兄ちゃんを置いてっちゃうの?。
そんなお母さん最低だよ、消えて欲しいって。」
それは小さな叫び声だった。そしてその悲痛な想いは確かに敬悟にも伝わっていた。
「だからお兄ちゃんお願い。今はそんな酷い私にしないで・・・・・。」
茅奈の言葉に集中していて気付きもしなかった。彼女は何時の間にか敬悟から少し離れ、
敬悟の右手を掴み、自分の幼い膨らみに当てていた。
「なっ!・・・・。」
茅奈の行動に驚いた敬悟は慌てて彼女の膨らみに触れている手に引き戻そうとする。
しかし茅奈はそれを「ダメッ!!。」と強く言って静止する。
「お願い、こうさせて・・・でないと、また嫌な私になっちゃう。」
それはあまりにも卑怯な申し出だった。いくら血が繋がっているとはいえ。
思春期の男子が異性の体に触れている事実。
ましてや普通なら決して触れてはいけないところに触れているというのはあまりにも危険な事だった。
なりより普段は理性的な敬悟ではあったが、今日一日の事で精神的ダメージを負っている事もあって、
長くこの状態の中で理性を保つ事は出来そうになかった。
「そんな事をされたら、もっと触りたくなるよ・・・。」
「うん・・・して。」
もうすでに敬悟からは邪悪な欲望が沸き上がり出していた。そして何よりそれを拒まない茅奈に驚く。
「いいのか?。」
「いいよ、なんだったらパジャマ脱ごうか?。」
その茅奈の言葉に更に驚く。あまりにも大胆な答えに敬悟は自分の耳を疑った。
「なんで・・・そこまで?。」
「だって、お兄ちゃんとしたいから。」
「何を?。」
「セックス。」
もう疑いようももなかった。お互いの年齢上、そういう知識が有ってもおかしくはない。しかし・・・・・。
「本気か?。」
「もう、くどいなぁ。」
そう茅奈が言うと布の擦れる音がする。この暗闇の中で彼女は裸になろうとしているのだ。
それを理解し、どうしようもなく緊張をする敬悟。
そしてまた右手を茅奈に掴まれもう一度その幼い膨らみに当てられる。
しかし今伝わってくる感触に布のものはなく、間違いなく人肌のものだった。
そしてそれは同時に茅奈が全裸になった事を敬悟に伝えるものだった。
もう言葉もなく、ただされるがままの兄。しかし邪悪な欲望が静かなままのはずもなかった。
敬悟は衝動的に茅奈の上になる。暗闇で見えはしないが互いに見つめ合っていると思える。
「本当に良いんだな?。」
「うん、私お兄ちゃんが欲しい。」
もう敬悟にも理性なんてものは無かった。ただ雄として目の前の異性を味わいたいという欲望が少年を支配する。
敬悟は頭を下ろし、茅奈の体を顔前とする。そして唇を微かにその肌に当て、その感触で幼い膨らみに行き当たる。
そしてその小さな乳頭を口に含みだす。くちゅくちゅと音が響くようだった。しかし・・・。
「あっもうぅ止めてよ、お兄ちゃん。」
なんともこそばしそうに抗議をする茅奈。元々唇を肌に走らされた辺りから我慢出来ないものが彼女にはあった。
実際茅奈はその両手で敬悟の顔を引き離していた。そして・・・・。
「それより、ここをお願い。」
そうして頭を掴まれたままに敬悟からは後ろの方へ、下の方へと移動させられる。
またしても暗闇で見えないが、恐らく目の前に彼女の秘部があると思われる。
異性との経験の無い童貞にとって早々とメインディッシュというのは実に不満というところだったが。
「ねえ、早く。」
そう急かされると、従うしかない。まずは確かめるように右手を伸ばす。
そして触れた感触で確かに彼女の秘丘だと確認する。
指先を走らせ、その秘丘を確かめる。すると気付いた事。彼女の年齢なら有る可能性が高い陰毛が一切感じられない。
「もうっ!またやってる!。」
ましてもたこそばかったのだろう、二度目の抗議が飛んで来る。
敬悟は「御免。」と返し今度はその指を秘部の中心へ当てていく。
あくまでも知識だけだが、そこが気持ち良いところだと知っていた。
たが不安はある。経験が無いのだから当然であるし、今暗闇だからこそ文字通りの手探りという状況で全ての事をしている。
伝わって来る感覚で茅奈の秘華と思えるものを見つる。それを出来るだけ優しくと強く思う。
しかし自覚している以上に敬悟は緊張をしていた。彼女の秘部に触れる手は震え、到底上手くやれているとは思えない。
「御免、痛くないか?。」
今自分のしている失敗を悔やんでの言葉を言う敬悟。しかし茅奈は「ううん。大丈夫だから。」と優しく返して来る。
だからこそ敬悟は本当に自分が不甲斐ないと思えた。
守ってやりたいとずっと思っていた存在(いもうと)に助けられるなんてと。
そしてその思いが敬悟から緊張というものを消していた。指先の動きが異性の秘密を知り味わおうというものに変わる。
「あっ!、ううぅ~~ん。」
敬悟の行為にいやらしく反応する茅奈。そしてその甘い声が敬悟にかろうじて残っていた理性の全てを飛ばし去っていた。
これも歳相応の思考だと言えた。敬悟はもし自分に彼女が出来たらしてみたいと思っていた事を今実行しようとしていた。
茅奈の秘部に触れる手を頼りに、そこへと顔を近付けていた。
「えっ?どうしたの。」
気配というものだろう、茅奈も敬悟の動きを察して少し不安な声をあげる。
しかし敬悟その茅奈の不安には答えず、静かに目的のところへと顔を向けていく。
そしてついに茅奈の秘華に口付けを交わす。そして遠慮も無く舌を立て舐め回す動きをする。
「あっ!駄目だお兄ちゃん。そこは汚いからっ!。」
茅奈もまた知識しかない処女であり、兄のしている事の意味など知る由もない。
しかしその拒絶の声は兄が齎す快楽が勝り「なんで・・・駄目なのに気持ち良いの?・・・。」と、
茅奈自身も性の快楽に溺れだしていた。
しかしそんな甘い声を聞かされてはもう敬悟は我慢出来なくしていた。
ここまで自分のものが何もなく放置され続けたのだから当然と言えるだろう。
何より茅奈がセックスをしたいと言った事はすでに敬悟の頭に焼け付いている。
完全に理性を失った性の獣はその顔を茅奈の秘部から離し、今度は互いの秘部を近付けていく。
茅奈もそれを察したのだろう。「嬉しい、さあ来てお兄ちゃん。」とその獣を受け入れる。
しかしそこからそう上手くいくはずもなかった。互いに知識だけ、しかも暗闇の中。
その為敬悟はしばらくは自分のものの行き先を探る事となった。そして茅奈もそれを待つしかなかった。
そしてその事が敬悟を焦りへと繋げたのだろう。何か当たりを見つけたと感じ、そこに自分のものを当てていく。
もうそこからは勢いだけという感じだった。そのままただ腰を落としていく敬悟。
偶然だったかもしれない。それは確かに当たりで敬悟のものは茅奈の秘膣を捕らえて挿入出来ていた。しかし・・・。
「あぐぅっ!!いっったぁぁぁっい!!!。」
焦ったが故に勢いに任せた。それがいけなかった。敬悟は茅奈に言い例えようのない痛みを与えてしまっていた。
「あっ!あぁ・・・・御免、大丈夫茅奈?。」
敬悟は慌てて茅奈の体に重なり、その肌を摩りながら謝る。
「一応・・・・でも少し時間が欲しいな。」
茅奈がそいう言うのは兄と繋がりたいという目的の一つを達成出来たからではあったが、
自分が考えていた以上に処女を失う痛みを覚え、故に時間が欲しかったのだった。
そしてその間どうするかは決まっていた。順番はあべこべだがここでようやくのファーストキス。
しかし敬悟にこれ以上の知識は無く、妹の方から舌を入れてくる。
驚いた敬悟は一旦顔を離し、それに対し茅奈は「どうしたの?。」聞いてくる。
そして妹から顔を近付け二度目のキスからの舌の侵入。今度は敬悟も拒まない。
互いの舌がチロチロと甘美な音を立て次第に激しくなっていく。
その激しさはさっき負ったはず痛みを忘れているのでと思えるものだっだ。
そして敬悟はそのディープキスの感覚と体を重ねる事により感じられる茅奈の異性に興奮を覚え。
だんだんと自分のものを茅奈の膣(なか)で動かしたいという欲動に駆られる。
それもあってか敬悟はまた茅奈と顔を離し、彼女はまた「どうしたの?。」と聞く。
「なあ、そろそろセックスしないか?。」
敬悟のその質問は意味不明なものだった。
何故ならすでにお互いの性器が繋がっているこの状況はすでに”セックス”をしていると言えたからだ。
「うん、お願い・・・。」
それはお互いに性の知識はあってもそれが中途半端なものだったからこそ成立した応答だった。
正直、茅奈としてはまだ時間が欲しかったが、望んでいた事をして貰える喜びの方が勝っていた。
「よしっ、いくよ・・・。」
敬悟の合図の声に茅奈は応えない。痛みえの覚悟で精一杯だったからだ。
しかし敬悟は茅奈の応答を待たずに腰を動かし始める。もう我慢の限界だった。
「はあ・・・はあ・・・良い、良いよ茅奈。」
処女を失う痛み耐える妹に気付く事なく少女を犯す快楽に溺れる兄。
暗闇だったから・・・茅奈が強がったから・・・そして敬悟が”それら”に気付く余裕がなかったから。
そしてやはり初体験が故に早々と絶頂か訪れ、敬悟なそこで一時冷静になった。
「・・・なあ、避妊しなきゃだよな?・・・・。」
もう射精寸前のところで、本来ならもっと早いタイミングで気付くべき事を口にする敬悟。
「大丈夫、私まだ来てないから。だからお兄ちゃんのを私の膣(なか)にちょうだい。」
普段の冷静な判断力を持った敬悟なら、いくら血の繋がった妹の言葉でも疑ったところだろう。
しかしここに来て、茅奈のこれまでの計略が活きたと言えた時であろう。
すでに理性の大半を破壊された兄は妹の言葉をあっさりと鵜呑みにし、ただ欲望に従う判断をした。
少しばかり時間を置いた事で僅かばかりに性の喜びを楽しむ余裕が出来。
それを茅奈が喜ぶと信じてピストン運動に集中する事を決意する敬悟。
しかしやはり、男の絶頂は呆気なく訪れていた。
「くはっ・・あふはぁっ・・・いくぅっ・・いくぞぉっ!。」
「あんっ・・・はぁんぐっ・・・うん、きてぇっ!。」
それはまさに道化のフィニッシュだった。ただ快楽に溺れ、それ以外には気付かない兄。
そんな兄の為に痛みに耐え、兄からの証を受け入れる事を望む妹。
お互いの”初めて”はそんな道化な結末を迎えていた。
「はあ、はあぁ・・・これで満足か?・・・・。」
「はあ・・・うん・・・嬉しいよお兄ちゃん。」
ようやく体を離し、セックスの疲労に溺れる二人。しかし二人の疲労はそれだけではなかった。
母の悲報から始まった今日一日の疲れは確かに二人を侵食していた。
その証拠に、それから間も無く二人共微睡みに堕ちていた。
*
「うっ・・・・んっ!。」
目が覚めたと言う感覚と同時に何とも言えない頭の重さを感じる。
しかし少し間を置いて自分が裸である驚く敬悟。が、眼前に全裸にシーツの茅奈を見付けてある事を悟る。
「あれ・・・夢じゃないんだな・・・・。」
情けないとも言えたが。敬悟はまだ昨夜の出来事を信じられていなかった。
しかし、すぐ目の前にその証拠は確かにあった。
全裸の妹。血が付いたと見えるシーツ。そして敬悟自身の記憶。その感覚は生々しく確かに残っている。
しかし、それでも現実逃避をしたい思いもあった。たがらこそ意味もなくベッドに置いてある時計を見る。
今日は休日、時間は朝ではあるが、十分に遅いと言える。
「うんっ・・・・お兄ちゃんお早う。」
不意に聞こえた声で茅奈が起きた事を知り、敬悟は目を向ける。
すると茅奈はシーツをどけようとしていて。朝日のせいで彼女の美しい裸体が露わになった。
そしてそれは昨夜茅奈に触れて感じた感覚の証明でもあった。
やはり幼く、まだオッバイとも言えない膨らみ。そして一切陰毛の無い体、秘丘。
それは触れてはいけない。汚してはいけないものを汚したと改めて敬悟に感じさせるものだった。
「お早う、茅奈・・・。」
今更ながらに後ろめたさを感じ、声を落とす敬悟。
「どうしたの、お兄ちゃん?。」
「いやっ、茅奈に・・・いけない事をしたなって。」
「どうして?・・・私がお願いしたのに。」
「でもっ・・・本当に良かったのか?。」
未だに戸惑いが消えない兄。しかしそれは妹の望むものではなかった。
「うん、私は嬉しい。だってずっとお兄ちゃんとこうなりたかったんだから。」
”昨日と言っている事が違う”。いつもの敬悟ならそれに気付いただろう。
しかし破壊された理性は一晩では修復されはしない。
なにより茅奈は更に敬悟の理性を破壊しようとしていた。
その効果は確かにあり、その証拠に次の瞬間には二人は口付けと共に朝の情事にとり掛かっていた・・・・・・。
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