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リオンとジェミニ、2人の勝利

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 クモの巣トラップに捕まってしまい。倒されたブライトジェミニに、イーブルスパイダーがジリジリと距離を詰めてくる。

 先ほどのリオンのように、またしても好色な顔つきで、ブライトジェミニを見下ろした。

「貴様は、さっきのデカパイ姉ちゃんより、オッパイ小さいみたいだが、今度こそオッパイモミモミしてやるぜ」
「いやっ! こっちに来ないで!」

 ユウキが女体化したブライトジェミニの乳房は、巨乳ぶりが目立つリリアンのブライトリオンよりも小ぶりだった。しかし、怪人の乳責め宣言にはもちろん拒絶の態度を示す。

しかし、ブライトジェミニに危機が迫ったその時だった。

「ジェミニに、エッチなことしたら許さないわ!」

 ジェミニが戦って時間を稼いでいる間に、クモの巣トラップのクモの糸からなんとか自力で抜け出したブライトリオンが戦線復帰したのだ。隙ができたイーブルスパイダーに得意のハイキックを浴びせて、遠くに吹っ飛ばした。

 「ブライトスラッシュ!」 

 光の火球を放って、ブライトジェミニのカラダに絡みついていたイーブルスパイダーのネバネバ糸を焼き切って、ジェミニを解放した。

「ありがとう、リオン!」
「さあ、行くわよ!」

 ブライトリオンとブライトジェミニ、初めてタッグを組んだはずの正義のヒロインコンビが、長年の名コンビのように息のあった攻撃を見せた。

「これまでやられたお返しよ、くらえ!」

 よろけた怪人を立たせると、リオンが右から、ジェミニが左から同時に強烈な回し蹴りをイーブルスパイダーに蹴り込んだ。怒りのダブルキックだ。

「グワアアッ!」

 さらにミドルキック、ハイキックと代わる代わる、強烈な連続攻撃を怪人に加えていく。もうイーブルスパイダーは、ノックアウト寸前だった。

 そして、最後に必殺技で止めだった。

「ホーリーダブルアロー!」

 ブライトリオンの得意技に、ジェミニのパワーも加わった二倍の威力の必殺技が、怪人の身体を捉えた。

「ぎゃあっ!」

 と断末魔の叫びを上げて、2人の正義のヒロインを苦しめた怪人イーブルスパイダーは消滅したのである。

「やったわ!」

 大苦戦を強いられたブライトリオンとブライトジェミニは、チームワークの力で逆転勝利し、ハイタッチをかわした。リオンはジェミニの方を見て言った。

「わたしたち2人の勝利よ」

 ヒロインデビューのジェミニは、その言葉に応じた。

「わたしも貢献してるの?」
「もちろんよ」

 敵も倒して、そろそろ素顔に戻る時だった。

「こうやって変身解除するのよ」

 リオンが、胸に右の拳を当てて

「チェンジオフ!」

 と叫ぶ。ジェミニもリオンの真似をした。すると、正義のヒロイン2名の姿は消え、リリアンとユウキは、元の制服姿に戻ったのだ。ユウキはまた股間に手をやる。

「あった! 男に戻ったんだ」

しゃべりも男言葉に戻っている。リリアンは嬉しそうに、

「ユウキがブライトジェミニに変身するなんてね。なかなか綺麗な美少女ぶりだったわよ」
「ええっ、僕が美少女?」

 だが、ユウキはそう言われて悪い気はしなかった。更にユウキは、

「なんで、僕が女の変身ヒロインになっちゃったんだろ」

疑問を呈すると、リリアンが答えた。

「魔法スティックは、使う者の心を読み取るのよ。あなたが成りたかったのは、正義のヒーローじゃなく、正義のヒロインだったってことじゃない?」

 そう言われると、ユウキはには美少女に生まれ変わりたいという願望を抱いたことがあったのを思い出した。ひょっとしたら、それが具現化したのかもしれない。

「あのスティックはユウキにあげるわ。これからも変身する時があるかもしれないわ」
「これからも、僕は女性戦士になるの?」
「そうじゃないかしら」

 今後もヒロインに変身すると告げられたユウキは

「美少女ヒロインに変身するって悪い気はしないけどね、ただ……」
「ただ……?」

「あのスカートは短すぎるよ」
「アハハ、しかたないわ。わたしもパニエがなくなちゃったの。パンチラくらい覚悟よ」

 先輩ヒロインのリリアンは笑った。

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