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魔法少女に変身、妖魔と対決
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異世界転移は無事に成功して、わたしたち五人の新しい場所での新しい生活は始まっていた。文化もテクノロジーも、以前いたルビー王国とは違っていたが、わたしたちの特殊能力をフルに使ってなんとか生活基盤も確保、新たな社会に適応していた。
ここは異世界の日本という国の東京という都市らしかった。なんだが、ひどく雑然としているが、人々は活気にあふれている。わたしはここが気に入っていた。
何と言っても以前との大きな違いは、誰もわたしの事を知らないことだ。ルビー王国では、次期王妃として、わたしの名前を知らないものはいなかった。あらゆる所で、まるで監視されているような気詰まりがあったのも確かで、こちらでの自由な生活を満喫している。
わたしは民情視察と称して、一人であちこち街を見回っていた。といっても、実際にはいろいろな所を見て自分が楽しむためでもあった。自由ってこんなに素晴らしいものだったのか、改めて噛みしめていた。
時々、ルビー王国のことも考えないではなかった。お父様たちはうまく、離脱に成功しただろうか。魔族の総攻撃が近いという噂が立っていた。王国の大きな守備力になっていたわたしたち女騎士団がいなくなって、果たして王国を守れるのか。だがもう考えてもどうしようもなかった。だが、その時だった。
「うわあ、助けてくれえ!」
助けを求めて逃げる、何人かの声が聞こえてきた。見ると奇怪な怪物と戦闘員が、人々を追い立てていた。怪物は背中から何本もの触手が伸びている不気味な姿をしていた。
「妖魔だわ!」
こちらの世界では、妖魔と呼ばれる怪物が一般市民を苦しめているという話は聞いていた。だが、実際に遭遇するのは初めてだ。姫騎士としての本能が蘇ってきた、罪もない人々が襲われている時に、逃げることはできない。
ペンダントを取り出す。変身アイテムだ。それを掲げて、変身! と叫ぶと、全身が光の帯に包まれた。わたしはバトルモードのコスチュームに変身した。わたしは魔法少女に変身したのだ。
「待て、妖魔!」
わたしは、妖魔らの前に仁王立ちになった。全身赤を基調にした戦闘スタイルで、両腕両脚には白いロンググローブとロングブーツ、顔には蝶のような仮面をつけ、上はドレス風、下はミニのフレアスカートだ。髪も真っ赤に変わっている。この姿になると、一般人の数倍の戦闘能力も持ち、必殺技まで出せるようになるのだ。
妖魔は、わたしの姿を見ると嘲笑を浴びせてきた。
「なんだお前、その変なコスプレ?」
わたしは負けずに言い返す。
「わたしの名前は正義の魔法少女プリティレッド。妖魔、大人しく引き下がりなさい」
だが、敵がその程度で引っ込むはずはない。
「正義の魔法少女だと。本当にいたとはな。だが、飛んで火にいる夏の虫だ。俺は妖魔クラーケンだ。お前ら、この女をやってしまえ!」
5人ほどの戦闘員が、わたしに襲いかかってきた。いよいよ戦闘開始だ。
ここは異世界の日本という国の東京という都市らしかった。なんだが、ひどく雑然としているが、人々は活気にあふれている。わたしはここが気に入っていた。
何と言っても以前との大きな違いは、誰もわたしの事を知らないことだ。ルビー王国では、次期王妃として、わたしの名前を知らないものはいなかった。あらゆる所で、まるで監視されているような気詰まりがあったのも確かで、こちらでの自由な生活を満喫している。
わたしは民情視察と称して、一人であちこち街を見回っていた。といっても、実際にはいろいろな所を見て自分が楽しむためでもあった。自由ってこんなに素晴らしいものだったのか、改めて噛みしめていた。
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「うわあ、助けてくれえ!」
助けを求めて逃げる、何人かの声が聞こえてきた。見ると奇怪な怪物と戦闘員が、人々を追い立てていた。怪物は背中から何本もの触手が伸びている不気味な姿をしていた。
「妖魔だわ!」
こちらの世界では、妖魔と呼ばれる怪物が一般市民を苦しめているという話は聞いていた。だが、実際に遭遇するのは初めてだ。姫騎士としての本能が蘇ってきた、罪もない人々が襲われている時に、逃げることはできない。
ペンダントを取り出す。変身アイテムだ。それを掲げて、変身! と叫ぶと、全身が光の帯に包まれた。わたしはバトルモードのコスチュームに変身した。わたしは魔法少女に変身したのだ。
「待て、妖魔!」
わたしは、妖魔らの前に仁王立ちになった。全身赤を基調にした戦闘スタイルで、両腕両脚には白いロンググローブとロングブーツ、顔には蝶のような仮面をつけ、上はドレス風、下はミニのフレアスカートだ。髪も真っ赤に変わっている。この姿になると、一般人の数倍の戦闘能力も持ち、必殺技まで出せるようになるのだ。
妖魔は、わたしの姿を見ると嘲笑を浴びせてきた。
「なんだお前、その変なコスプレ?」
わたしは負けずに言い返す。
「わたしの名前は正義の魔法少女プリティレッド。妖魔、大人しく引き下がりなさい」
だが、敵がその程度で引っ込むはずはない。
「正義の魔法少女だと。本当にいたとはな。だが、飛んで火にいる夏の虫だ。俺は妖魔クラーケンだ。お前ら、この女をやってしまえ!」
5人ほどの戦闘員が、わたしに襲いかかってきた。いよいよ戦闘開始だ。
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