31 / 36
30話 颯side
しおりを挟むそっとただ触れるだけのキス。こんな中学生みたいなキスなのに、今までしてきたどんなキスよりも気持ち良くて、胸が高なった。もっとしたい。悠をだきたい。そんな欲望が俺の中で渦巻き、支配する。
しかし、俺には済ませなくてはならないことがあった。
「…悠、俺行ってくる。」
「うん。颯は関係ないのにごめんね。」
「俺は悠の彼氏なんだから、関係なくない。」
今まで、俺は悠の友達だから、すぐ我慢する悠には頼って貰えないことも多かった。さっきだって、あいつに部外者だと言われ、言い返せなかった。でも俺は今悠の恋人。もっと頼って欲しい。
「…もう、どれだけ颯を好きにさせるだよ。」
「もっと好きになってよ、悠。」
「…そんなこと言わなくても大好きだよ。」
「…ックソ!可愛すぎる。……いきたくねーけどそろそろ行ってくるわ。」
「ありがとうね。」
「おう。また戻ってくるから、待ってて、な?」
「うん。」
また口を重ねるだけのキスを交わし俺は部屋を出た。ああ、顔がにやけて止まらない。…このままではだめだ、と思い、頬を叩いて気を引き締める。…でもやはり顔がゆるむ。…だって!しかないだろ!やっと両思いになったんだ!キキキキスだって2回も!あー幸せだ…
そんな馬鹿みたいな顔を鋭い冷たい目で見ている俺が一番嫌いな奴。
「…遅いと思ったら…ふざけんなよ。」
あーまじやらかした。
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
【BL】記憶のカケラ
樺純
BL
あらすじ
とある事故により記憶の一部を失ってしまったキイチ。キイチはその事故以来、海辺である男性の後ろ姿を追いかける夢を毎日見るようになり、その男性の顔が見えそうになるといつもその夢から覚めるため、その相手が誰なのか気になりはじめる。
そんなキイチはいつからか惹かれている幼なじみのタカラの家に転がり込み、居候生活を送っているがタカラと幼なじみという関係を壊すのが怖くて告白出来ずにいた。そんな時、毎日見る夢に出てくるあの後ろ姿を街中で見つける。キイチはその人と会えば何故、あの夢を毎日見るのかその理由が分かるかもしれないとその後ろ姿に夢中になるが、結果としてそのキイチのその行動がタカラの心を締め付け過去の傷痕を抉る事となる。
キイチが忘れてしまった記憶とは?
タカラの抱える過去の傷痕とは?
散らばった記憶のカケラが1つになった時…真実が明かされる。
キイチ(男)
中二の時に事故に遭い記憶の一部を失う。幼なじみであり片想いの相手であるタカラの家に居候している。同じ男であることや幼なじみという関係を壊すのが怖く、タカラに告白出来ずにいるがタカラには過保護で尽くしている。
タカラ(男)
過去の出来事が忘れられないままキイチを自分の家に居候させている。タカラの心には過去の出来事により出来てしまった傷痕があり、その傷痕を癒すことができないまま自分の想いに蓋をしキイチと暮らしている。
ノイル(男)
キイチとタカラの幼なじみ。幼なじみ、男女7人組の年長者として2人を落ち着いた目で見守っている。キイチの働くカフェのオーナーでもあり、良き助言者でもあり、ノイルの行動により2人に大きな変化が訪れるキッカケとなる。
ミズキ(男)
幼なじみ7人組の1人でもありタカラの親友でもある。タカラと同じ職場に勤めていて会社ではタカラの執事くんと呼ばれるほどタカラに甘いが、恋人であるヒノハが1番大切なのでここぞと言う時は恋人を優先する。
ユウリ(女)
幼なじみ7人組の1人。ノイルの経営するカフェで一緒に働いていてノイルの彼女。
ヒノハ(女)
幼なじみ7人組の1人。ミズキの彼女。ミズキのことが大好きで冗談半分でタカラにライバル心を抱いてるというネタで場を和ませる。
リヒト(男)
幼なじみ7人組の1人。冷静な目で幼なじみ達が恋人になっていく様子を見守ってきた。
謎の男性
街でキイチが見かけた毎日夢に出てくる後ろ姿にそっくりな男。
僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】
華周夏
BL
かつての恋を彼は忘れている。運命は、あるのか。繋がった赤い糸。ほどけてしまった赤い糸。繋ぎ直した赤い糸。切れてしまった赤い糸──。その先は?糸ごと君を抱きしめればいい。宿命に翻弄される神の子と、眷属の恋物語【*マークはちょっとHです】
ひとりぼっちの180日
あこ
BL
付き合いだしたのは高校の時。
何かと不便な場所にあった、全寮制男子高校時代だ。
篠原茜は、その学園の想像を遥かに超えた風習に驚いたものの、順調な滑り出しで学園生活を始めた。
二年目からは学園生活を楽しみ始め、その矢先、田村ツトムから猛アピールを受け始める。
いつの間にか絆されて、二年次夏休みを前に二人は付き合い始めた。
▷ よくある?王道全寮制男子校を卒業したキャラクターばっかり。
▷ 綺麗系な受けは学園時代保健室の天使なんて言われてた。
▷ 攻めはスポーツマン。
▶︎ タグがネタバレ状態かもしれません。
▶︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
回顧
papiko
BL
若き天才∶宰相閣下 (第一王子の親友)
×
監禁されていた第一王子 (自己犠牲という名のスキル持ち)
その日は、唐突に訪れた。王国ルーチェントローズの王子三人が実の父親である国王に対して謀反を起こしたのだ。
国王を探して、開かずの間の北の最奥の部屋にいたのは――――――――
そこから思い出される記憶たち。
※完結済み
※番外編でR18予定
【登場人物】
宰相 ∶ハルトノエル
元第一王子∶イノフィエミス
第一王子 ∶リノスフェル
第二王子 ∶アリスロメオ
第三王子 ∶ロルフヘイズ
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる