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しおりを挟む…ん?やっとなんか喋ったなと思ったら、ちょっと理解できない言葉が飛んできたような気がしたけど…聞き間違いかな?と思いもう一回問いかけた。
「…今、なんて言いました?」
「だからお前何回言わせたら気が済むんだ。どうせやりまくってんだろ?もったいぶらずにやらせろ。」
やはり聞き間違いではなかったか。…聞き間違いであって欲しかった。てか、こいつなんでこんな偉そうなんだ??なんかイライラしてきた。
「嫌です。」
「は?」
「なぜ私はあなたに抱かれなければいけないんですか??まず素直に抱かれると思ったんですか??そうだと思ったならあなたは救い切れないほどのバカですね。」
「…お前、ふざけやがって」
「ふざけてるのはあなたでしょう?急に今まで喋ったこともない人にやらせろ?や、どうせやりまくってんだろう?などと言うなんて…非常識極まりない。あなたこそふざけるのも大概にしてください。」
ふぅ、言いたいこと全部言ってやったぞ。どうだ!ここまで言われてさぞ悔しいだろ?だって相手はあの高山亮だ。こいつは見た目が少しばかり優れているからといって、いろんな女を食い物にしている最低野郎だ。しかしそれでも好きだと言うバカ女が絶えずいて調子乗っていると、よくない噂ばかり聞く。俺は人に関心がないから気にしたこともなかったが、この俺を怒らせた。…バカだな、高山亮。悔しくて言葉も出ないのか、一言も喋らない。…おや?震えている??ははん!ざまぁみろ!
言いたいことは全部いい、無様なやつの姿を見て満足した俺はそのまま教室を出ようとした。しかし、急に腕を後ろから引っ張られ、バランスを崩し尻餅をついた。
「な、なんなんだ!?まだ何かあるのか!?」
「お前、俺に色々言ってくれやがったな。…これを見て後悔すんのはお前だぜ??」
そう言ってやつの携帯のひらひらと俺に見せてきた。…何か悪い予感がする。君の悪い笑みを浮かばせながらやつはある写真を見せてきた。…それは俺がいろんな男とラブホテルに入っているところを撮ったものだった。
「…な、なんで…!!」
「たまたまみかけたんだよ。お前この大学で有名だからな。見かけた時はびっくりしたよ。それも何回も!お前毎回同じホテルなんだもん。結構爪が甘いよな。」
なんともいえなかった。これはどう考えても形勢逆転だ。これが大学にバレたらおれは大学にいられなくなる。それはなんとしても避けたい。
「…何が望みだ。」
「だーかーら言ってんじゃん。ヤラせろって。」
「…俺なんかとヤらなくたって、君の周りには女の子がたくさんいるだろ」
「…まぁそれもそーなんだが。女は後々面倒だ。好きだの愛だの。俺は気持ちよくなれればそれだけでいいのに」
「…最低だな」
「そこでだ。お前女みたいな見た目で有名だった。背も低いし、」
「…お前が体を売っているのを知ってちょうどいいと思ったんだ。お前人に無関心そうだし、やるのにちょうど良さそうだなーって。」
俺は絶句した。世の中にこんなクソみたいな奴がいるなんて…今まで出会ってきた人の中で飛び抜けて嫌いな人種だ。こいつに抱かれるなんて虫唾が走るが…そんなことも言ってられない。大学に通う為だ。
「…分かったよ。」
「ふッ。最初からそう言っとけばいいのを。」
こいつほんとにいちいち腹が立つな。
「…いつだ?」
「お?早速いつやりたいか聞くなんて、結構ノリノリじゃん。」
「…そんなわけない。こっちにも予定がある。」
「ハイハイ。それじゃ明日。授業終わったらLINEする。だからLINE登録しとこーぜ」
「…分かった。」
はぁあほんとに憂鬱だ。
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