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第2話
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気がついた時には赤ちゃんへと戻っていた。———いや、その言い方は間違っているであろう。
ただ単に時間が巻き戻ったというのではなく、気がついた時には別の人物へと生まれ変わっていた。
俗にいう転生という現象が自分に起こったのだと悟った。
だが転生したということは何となく理解が出来ても、自分が前世でどんな人物だったのかは可笑しいくらいに思い出せなかった。
思い出せるのは地球という此処とは別の星の日本という国で暮らしていた、ということだけだ。
それ以外のことは何か強い力に封じられているように思い出すことができない、そんな感じだ。
この世界では珍しいと言われる黒目黒髪の容姿で産まれた少年にはマークという名前が付けられた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アーカイル辺境伯領、ノーゼンハイム王国の最東部に位置し、すぐ隣にはサルサリニア王国、ハラルド王国が隣接する辺境の領地。
そのアーカイル辺境伯邸宅にて、マークという男の子が誕生してからというもの、いつも通りの騒がしい日常が繰り広げられていた。
☆☆☆
僕はアーカイル家の長男のマークという少年へと転生してから約1か月という月日が経った。
この1か月という期間はかなり辛いものがあった。
というのも産まれたばかりということもあって、どうしても自分の力で身体を動かすことが出来なかったり。
これには本当に今もひどく悩ませられている。
自分で動く事が出来ないというのが、直結するのは自分で排泄を処理するという事が出来ないという事だ。
結果、この1ヶ月間は用を我慢して我慢して我慢して。そして———限界を迎える。
そして限界を突破しスッキリとした後はというと、突破後のオムツ蒸れにひたすら悩ませられる。
そして、僕はなるべく早くオムツを変えてもらう為に、ガン泣きをする事で屋敷内の侍女を呼びつける。
これが日常だった。
このことには転生してある程度の知性が残っているからこそ思うところがあった。
最初のうちは自分の裸を見られて恥ずかしいという思いもあったが、羞恥心よりも解放感が何よりも優先事項だった。
———何とも情けない。
そんな日々を乗り越えて産まれてからようやく1か月が経過した。
だがそのままの状況を甘んじて受け入れる程尊厳が無くなったわけでもない。
僕は遂にこの苦痛から抜け出す為のステップを一段駆け上がった。
そう。
———黒目黒髪の少年マークが立った。
「あぅ! あぅ!(ようやく! ようやくだ!)」
「あなたぁぁ、凄いわーー! マークちゃんが、マークちゃんがぁぁ! マークちゃんは正真正銘の天才よぉぉ!」
紅髪紅瞳の女性は生後1か月の息子が捕まり立ちしている状況に驚きを隠せなかった。
マリアナは執務中ということなどお構いなしに大声でダリウスを呼びつけた。
妻マリアナの大声を聞きつけたダリウスが慌ただしく駆け付けてくる。
「マリア、俺は一応だが執務に忙しいんだ! だからあまり騒ぐのはやめてくれ———ッ!? マ、マークが立ってるぞ! おい、マリアッ!? マークが立ってるぞ! まだ1か月だろ!?」
ダリウスはマークの捕まり立ちをする姿を見て一変。驚きを隠せずにその怪異現象とも思える光景をマリアに必至に伝える。
「あなた、二度も言わなくても分かるわよッ! そうなの!マークがもう立っちゃったの! マークは正真正銘の天才ね! 流石はわたしの息子ね!」
「……お、お、俺の息子でもあるだろう!?」
マリアナにはどうでもいいようでダグラスの主張は簡単にあしらわれた。
マリアはその小さい腕でにも関わらず、ダリウスの隆々の腕を簡単に払い、掴まり立ちが成功して少し誇らしげにも見える息子の方へと向かっていった。
そして軽々と息子のマークを抱き上げた。
「あぅ、あぅ!(ようやく立てたぞ! 自力でトイレが出来るまで後少しだ!)」
「流石ね、マークちゃん! マークちゃんは正真正銘の天才なのね! 将来はママみたいに凄い魔法使いになれるかもしれないわね!」
抱き上げられ抵抗も出来ないマークの頬に口付けをした。
ふとマリアナが興味深い事を口にした気がする。
「あぅ?(この世界には魔法があるのか?)」
問いかけてみたがまだ上手く話すことが出来ないので上手く伝わらない。
返答は返ってこなかったが、どうやらこの世界には魔法が存在するみたいだ!
マリアナに抱き上げられたマークはようやく立つことが出来たことに達成感で胸が一杯だった。
なるべく早く自力でトイレが出来るようにとマークは必死に努力した。
マークは必死に試行錯誤をしてこの赤子でも出来るトレーニングを考えた。
寝返りを意識的にうつことで上半身の筋肉を刺激したり、寝ている時に足を少し浮かるとすることで立つのに必要な足の筋肉の筋力強化を計ったりした。
起きている間はこの独自の筋トレをすることによって少しずつであるが筋力を付いていった。
筋トレ以外の時間は特にやれる事がなかったので、ただひたすらに瞑想することにした。
瞑想での副産物ではあるが最近何かマークの身体のにに不思議なエネルギーが眠っている事に気づいていた。
その正体は瞑想している間もずっと謎のままでいた。
そのエネルギーが魔力であると理解したのは、母親のマリアナに抱き上げられているちょうどこの時だった。
だが、ようやく捕まり立ちが出来た喜びと同時に必死に今まで押し留めていた何かが解放された。
「あらあら、マークちゃん! いましちゃったの? 臭い臭い! 掴まり立ちが出来てもまだまだでちゅね~!」
「あぅ、あぅ……(またやってしまった……)」
またもマークは溢れ出る解放感と罪悪感によって胸を締め付けられた。
だがそんなマークの苦労は知りもせず、マリアナは抱き上げていたマークを置いて
「マークちゃん、今日はママがオムツを変えてあげまちゅからね~♪」
「あぅ……(不甲斐ない……)」
マーク担当の侍女が「奥様、私がやります」と進言したのだが、マリアナはそれを遮って
「今回いいのよ~! 自分の息子のオムツを変えるなんて母親として当たり前でしょ? たまにはわたしにもやらせてちょうだい!」
侍女もそうマリアナに言われて引き下がった。
そしてルンルンでオムツを変えるマリアナと対比して、マークは強い意志を再確認した。
———絶対に早く歩けるようになろう!
意志は体内の魔力の存在によってすぐさま実現されることになった。
ただ単に時間が巻き戻ったというのではなく、気がついた時には別の人物へと生まれ変わっていた。
俗にいう転生という現象が自分に起こったのだと悟った。
だが転生したということは何となく理解が出来ても、自分が前世でどんな人物だったのかは可笑しいくらいに思い出せなかった。
思い出せるのは地球という此処とは別の星の日本という国で暮らしていた、ということだけだ。
それ以外のことは何か強い力に封じられているように思い出すことができない、そんな感じだ。
この世界では珍しいと言われる黒目黒髪の容姿で産まれた少年にはマークという名前が付けられた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アーカイル辺境伯領、ノーゼンハイム王国の最東部に位置し、すぐ隣にはサルサリニア王国、ハラルド王国が隣接する辺境の領地。
そのアーカイル辺境伯邸宅にて、マークという男の子が誕生してからというもの、いつも通りの騒がしい日常が繰り広げられていた。
☆☆☆
僕はアーカイル家の長男のマークという少年へと転生してから約1か月という月日が経った。
この1か月という期間はかなり辛いものがあった。
というのも産まれたばかりということもあって、どうしても自分の力で身体を動かすことが出来なかったり。
これには本当に今もひどく悩ませられている。
自分で動く事が出来ないというのが、直結するのは自分で排泄を処理するという事が出来ないという事だ。
結果、この1ヶ月間は用を我慢して我慢して我慢して。そして———限界を迎える。
そして限界を突破しスッキリとした後はというと、突破後のオムツ蒸れにひたすら悩ませられる。
そして、僕はなるべく早くオムツを変えてもらう為に、ガン泣きをする事で屋敷内の侍女を呼びつける。
これが日常だった。
このことには転生してある程度の知性が残っているからこそ思うところがあった。
最初のうちは自分の裸を見られて恥ずかしいという思いもあったが、羞恥心よりも解放感が何よりも優先事項だった。
———何とも情けない。
そんな日々を乗り越えて産まれてからようやく1か月が経過した。
だがそのままの状況を甘んじて受け入れる程尊厳が無くなったわけでもない。
僕は遂にこの苦痛から抜け出す為のステップを一段駆け上がった。
そう。
———黒目黒髪の少年マークが立った。
「あぅ! あぅ!(ようやく! ようやくだ!)」
「あなたぁぁ、凄いわーー! マークちゃんが、マークちゃんがぁぁ! マークちゃんは正真正銘の天才よぉぉ!」
紅髪紅瞳の女性は生後1か月の息子が捕まり立ちしている状況に驚きを隠せなかった。
マリアナは執務中ということなどお構いなしに大声でダリウスを呼びつけた。
妻マリアナの大声を聞きつけたダリウスが慌ただしく駆け付けてくる。
「マリア、俺は一応だが執務に忙しいんだ! だからあまり騒ぐのはやめてくれ———ッ!? マ、マークが立ってるぞ! おい、マリアッ!? マークが立ってるぞ! まだ1か月だろ!?」
ダリウスはマークの捕まり立ちをする姿を見て一変。驚きを隠せずにその怪異現象とも思える光景をマリアに必至に伝える。
「あなた、二度も言わなくても分かるわよッ! そうなの!マークがもう立っちゃったの! マークは正真正銘の天才ね! 流石はわたしの息子ね!」
「……お、お、俺の息子でもあるだろう!?」
マリアナにはどうでもいいようでダグラスの主張は簡単にあしらわれた。
マリアはその小さい腕でにも関わらず、ダリウスの隆々の腕を簡単に払い、掴まり立ちが成功して少し誇らしげにも見える息子の方へと向かっていった。
そして軽々と息子のマークを抱き上げた。
「あぅ、あぅ!(ようやく立てたぞ! 自力でトイレが出来るまで後少しだ!)」
「流石ね、マークちゃん! マークちゃんは正真正銘の天才なのね! 将来はママみたいに凄い魔法使いになれるかもしれないわね!」
抱き上げられ抵抗も出来ないマークの頬に口付けをした。
ふとマリアナが興味深い事を口にした気がする。
「あぅ?(この世界には魔法があるのか?)」
問いかけてみたがまだ上手く話すことが出来ないので上手く伝わらない。
返答は返ってこなかったが、どうやらこの世界には魔法が存在するみたいだ!
マリアナに抱き上げられたマークはようやく立つことが出来たことに達成感で胸が一杯だった。
なるべく早く自力でトイレが出来るようにとマークは必死に努力した。
マークは必死に試行錯誤をしてこの赤子でも出来るトレーニングを考えた。
寝返りを意識的にうつことで上半身の筋肉を刺激したり、寝ている時に足を少し浮かるとすることで立つのに必要な足の筋肉の筋力強化を計ったりした。
起きている間はこの独自の筋トレをすることによって少しずつであるが筋力を付いていった。
筋トレ以外の時間は特にやれる事がなかったので、ただひたすらに瞑想することにした。
瞑想での副産物ではあるが最近何かマークの身体のにに不思議なエネルギーが眠っている事に気づいていた。
その正体は瞑想している間もずっと謎のままでいた。
そのエネルギーが魔力であると理解したのは、母親のマリアナに抱き上げられているちょうどこの時だった。
だが、ようやく捕まり立ちが出来た喜びと同時に必死に今まで押し留めていた何かが解放された。
「あらあら、マークちゃん! いましちゃったの? 臭い臭い! 掴まり立ちが出来てもまだまだでちゅね~!」
「あぅ、あぅ……(またやってしまった……)」
またもマークは溢れ出る解放感と罪悪感によって胸を締め付けられた。
だがそんなマークの苦労は知りもせず、マリアナは抱き上げていたマークを置いて
「マークちゃん、今日はママがオムツを変えてあげまちゅからね~♪」
「あぅ……(不甲斐ない……)」
マーク担当の侍女が「奥様、私がやります」と進言したのだが、マリアナはそれを遮って
「今回いいのよ~! 自分の息子のオムツを変えるなんて母親として当たり前でしょ? たまにはわたしにもやらせてちょうだい!」
侍女もそうマリアナに言われて引き下がった。
そしてルンルンでオムツを変えるマリアナと対比して、マークは強い意志を再確認した。
———絶対に早く歩けるようになろう!
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