転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ

文字の大きさ
上 下
11 / 19
序章 神の園編 (改訂版)

第11話 【VS白銀牙狼】

しおりを挟む

 長い時間の末、EXPスライムを討伐した晴人にボーナスモンスターかのように、大量の経験値が流れ込んでいた。

 ピロリン♪

『報告、レベルアップしました』

 ピロリン♪
 ピロリン♪
 ………………………。

 
 止まらないレベルアップの音が晴人の脳内に流れ続ける。
 暫くレベルアップの音が流れてから音が止む。

 レベルアップ音ではどれだけレベルが上がったかどうかを確認できないのでステータスからレベルがどれだけ伸びたかを確認する。

————————————————————————
【名前】竹中晴人(タケナカハルト)
【種族】人族
 Lv.51/♾
【HP】118100
【MP】85100
【攻撃力】88100
【防御力】88100
【敏捷】86100
【知力】86100
【幸運】83100
————————————————————————
【スキル】

【鑑定SP】【投石】【跳躍】【飛翔】【風魔法】
【回復魔法】

————————————————————————

【称号】神の園に踏み入れし者
    異世界人

————————————————————————

 レベルアップ音の後、ステータスを確認するとレベルが28も上昇していて。ステータス値に関してもレベルアップと同時に各ステータス値が1000ずつアップしていた。

「これなら白銀牙狼プラチナウルフともなんとか戦えるかもしれない……けれどまだまだ足りないな……目標は白銀牙狼を凌駕する事だ」

 白銀牙狼とは戦えない程はないし、このステータスがあれば工夫さえあれば野生の白銀牙狼を討伐することも可能だっただろう。
 だがそれでは目標を達成した事にならない。
 あの時自分が強者に逃げたように白銀牙狼にはそれくらいの恐怖を与えないと仕返しにはならない。

 晴人はまだまだとステータスを確認し、自分を鼓舞した。
 そしてEXPスライムを討伐した場所である事に気づく。

「なんなんだろう……これは……」

 EXPスライムを討伐した場所に金色の小さな石頃が落ちていたので、何かと思い晴人は拾い上げる。

「定石通り考えるとすると、EXPスライムからドロップしたと考えて間違いないと思うけど……」

 拾い上げた金色の石を晴人は【鑑定SP】を使用して鑑定する。

 すると、EXPスライムからドロップした金色の石の正体が明らかになる。


————————————————————————

【名称】EXPスライムの魔石

【等級】神話級

【効果】
 この魔石を吸収したものにEXPスライムが所持していた【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】を譲渡する。

【詳細】

『神の園』にしか棲息しないと言われている伝説のボーナスモンスターのEXPスライムの魔石。この魔石を体内に吸収すると、吸収した者には、伝説の勇者と同じくらいの成長スピードを獲得することができる。

————————————————————————


 晴人はEXPスライムからドロップした金色の石の正体を見て驚く。

「これってさっきのEXPスライムが持っていた成長系のスキルじゃないか? それも【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】ってことは成長のスピードがもう既に100倍になったという事だろ?

 最近晴人はこの場所にきて思うのだが、『神の園』という名前の場所だけあって、この馬車は異常なレベルのもので溢れている。

 それが果たして良いことなのか、悪いことなのかは判断できないのだが……

「このEXPスライムの魔石を体内に吸収すれば、【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】が手に入るんだよな、でも石を取り込むってどうするんだろ……」

 石をどう取り込もうか考えていたが、とりあえず晴人は石を口の中へと放り込んだ。

 すると予想していたゴリゴリ感ではなく、飴玉の様な甘い香りが口の中を包んだ。
 さらに晴人は金色の石を舌で転がしていくと本当に飴玉の様に溶けて行く。

 暫く晴人は飴玉を堪能して、完全に舐め終わった時、いつものアナウンス音が晴人の脳内に響き渡った。

 
 ピロリン♪

『報告、【EXPスライムの魔石】を体内に吸収したことを確認しました。よって【EXPスライムの魔石】の効果をステータスに反映させます』

 ピロリン♪

『報告、【EXPスライムの魔石】によりスキル欄に【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】を追加させます』

 
 晴人はアナウンス音を聞いた後、自分のステータスを確認した。するとアナウンス通りに、自分自身のスキル欄に【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】が増えていた。

 そしてEXPスライムを討伐し、その魔石の飴を吸収し、【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】を獲得してから数日が経った。

 2つの追加された【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】と【ふしぎな果実】のお陰で数日間で急速なパワーアップを果たした。

 飛蹴兎を1匹倒すだけでも、前の100匹分になったのでこれがレベルアップに大きく影響した。

 そして、今の晴人のステータスはというと、

————————————————————————
【名前】竹中晴人(タケナカハルト)
【種族】人族
 Lv.88/♾
【HP】168100
【MP】137100
【攻撃力】152100
【防御力】152100
【敏捷】150100
【知力】150100
【幸運】160100
————————————————————————
【スキル】

【鑑定SP】【投石】【跳躍】【飛翔】
【風魔法】【回復魔法】
【取得経験値10倍】【必要経験値1/10倍】

————————————————————————

【称号】神の園に踏み入れし者
    異世界人

————————————————————————

「よし! これならあの白銀牙狼プラチナウルフでも圧倒的な力の差で倒せるぞ!」

 急激なパワーアップを果たした晴人は白銀牙狼へのリベンジをする為に、以前白銀牙狼を発見した場所へと【飛翔】を使って駆けつけた。

「絶対に倒してやる!」


 そして、またも同じような場所から白銀牙狼のと思われる野太い遠吠えが聞こえてきた。

 ワォォォォォォォン!


 
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

処理中です...