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野分彩斗
春 2 そして、これから (終)
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野分が寮に戻ってきたのは、谷口を含む最後まで残っていた最上級生らが追い立てられるように退寮した翌々日だった。氷川はといえば帰宅する時間が取れず、まだ両親に進路の話をできていない。
「ただいま、ってのもおかしいかね」
旅装を解いて部屋を訪れた野分は、そう照れたように笑う。氷川は踏み出したくなる足を押し止め、首を傾げた。
「おかしくないよ、おかえり、お疲れさま」
「うん。一週間も経ってないのになんか、久しぶりな感じだな」
「そう、だね。なんか……うん、会いたかった」
手を伸ばしたい。けれど、触れてしまったら歯止めが利かない気がする。今は彼の話を聞きたかった。野分も同じなのか、戸口を離れようとしない。
「俺もだよ。ほらこれ、土産あるから……食堂か談話室あたりで話そうか」
「……そうだね」
人目のある場所で話したほうがいいのかもしれない。頷くと、野分はくるりと踵を返した。
――そして現在氷川と野分は、閑散としているのをいいことに寮食堂の六人掛けのテーブルを二人で占拠していた。隣り合って座った二人の前には、淹れたてのコーヒーと、お土産のバウムクーヘンが並んでいる。
「バウムクーヘンってどう食べるのが正解なのか未だによく分かんないんだよね。ミルクレープもナイフがないと困るし」
「一応、横に薄く削ぐと美味いとは聞いたことがあるな。面倒だからやらないけど」
「どういうこと?」
「上から削る感じ?」
ナイフを取った野分が、言葉通りに年輪が見える形にそぎ切りにし、小皿にとって渡してくれる。
「意外と器用だよね」
「意外とか……まあ、とりあえずどうぞ」
「いただきます」
勧められるまま、一枚口に入れる。メロンの風味がふわりと広がり、生地が溶けるように消えた。思わず、美味しい、と声がこぼれる。野分は自慢げに口角を上げた。
「だろ」
「うん。あ、ごめん、余計な話して。ええと……どうなったの? 無理には聞かないけど」
直接的な表現をするのも気が引けて、曖昧に訊ねる。墓参りは名目で、野分は話し合いをするため、あるいは取り持つために実家に戻っていたのだ。関わっている以上、氷川には尋ねる権利があるし、野分が話したいと思ってくれているならば聞く義務がある。
彼はするするとバウムクーヘンを薄く切りながら、そうだな、と口を開いた。
茂木亜巳の感情と要望、その母にして故人の三女たる三奈子の要望、野分家の者たちそれぞれの考えと、互いの譲れないもの、あるいは譲歩できることをすり合わせた結果、やはり遺言の執行は難しいという結論になったという。
「茂木が引いたってことだな。だからこっちもある程度譲ろうってことでまとまった。お互い様の精神が通じるくらいは、日本人同士だったってことだ」
「ある程度?」
薄くスライスされたバウムクーヘンが皿の上に山になる。手を止めさせると、野分は我に返った様子で失笑した。無自覚に手を動かしていたらしい。
「遺産の分割に関してと……そうだな、茂木の扱いだな。最初は顔も見せるなって勢いだったけど、結局、ああも真っ直ぐ親しくしていただけたら嬉しいですなんて言われ続けたらな……祖父さんが可愛がるのも仕方ねえかと思えるよ。捻くれてないってのは貴重な才能だと思い知らされたね。だからって身内扱いも難しいけどな、従甥や従姪の教育にも悪いし。だけど、個人的に知人友人として関わりを持つくらいなら問題ないだろ、ってことになった」
「なんだか複雑だね」
「仕方ねえよ、元がややこしくて面倒な話だ」
フォークで紙のような菓子をすくい上げ、口に運ぶ。野分は嘆息すると、椅子を氷川の側に寄せた。もたれかかるほどの重みもなく、肩が触れ合う。
「時限爆弾みたいなもんだろ、祖父さんが死んだら炸裂する。祖母さんに責められるのが嫌だったのか、泣かれるのが怖かったのか、何にしろ残された俺ら全員にとっての災難だよ。もっと早く知ってりゃ、もう少し穏当に話せてた可能性もあるのに」
「その言い方はさすがに……」
「分かってる、それに可能性はあくまで可能性だ。実際には今以上に揉めてたかもわかんねえし、裁判沙汰だってあり得る。その意味じゃ、まあ……落ち着いて話せたのは氷川のお陰だと思うよ。おまえが言ってくれたから、話し合いを持つように説得する気になった」
自分の努力と功績をあっさり投げ渡す野分は、甘えるように肩を軽くぶつけてくる。氷川は苦笑してマグを置き、卓の下で腿を叩いた。
「頑張ったのは野分くんだよ。大変だったね」
「そう言われると、報われた気がするな」
労いを素直に受け取り、野分が目を細める。過剰に謙遜したりせず、肯定的な評価をまっすぐ受け取れるのが野分の美点だ。氷川はどうしても居心地悪くなってしまい、過当評価だと否定したくなるので、彼のその気質はとても気分が良くて羨ましいものだった。
「でも、じゃあ野分くんは茂木くんをどうするの?」
問いに答えないまま、彼はコーヒーを口に運ぶ。氷川も冷めかけたコーヒーを一口飲み、苦みに眉をひそめた。やはり寮のコーヒーはいまひとつ、まろやかさが足りない。冷めてくると苦さとえぐみが際立つようで、口直しに紙のような年輪を口に運んだ。雪のように溶ける甘さにほっとする。一連の動作を見ていたらしい野分が喉の奥で笑みを漏らした。面白がられていると思うと、つい、非難の視線を向けてしまう。
「悪趣味」
「悪い、ミルク貰ってくるか?」
「それもいいけど……あのね野分くん、俺も親戚付き合いってほとんどしたことないんだよね、だから……もしかしたら、俺の願望で無理を言ったかもしれない」
今になって気付いたのではない。茂木の話を聞いた時から、そう考えてはいた。だがそれを言ってしまえば野分を動かす大義名分が消え去ってしまう。それに、平行線の争い事に彼が疲弊しているならばと一石を投じることを案じたのも嘘ではない。だからあえて黙って野分に進言だけした。
物事の決定には、ひとつの思惑だけが関わることはまずない。総合的に評価して判断されるのが普通だ。つまり氷川もまた、野分と同様に種々の計算でもって動いている人間だと、この一件で強く思い知らされた。
氷川の懺悔を受けて、野分が僅かに首を傾げた。
「あいつに同情したってこと?」
「多分ね。そのせいで大変な思いさせてごめん」
「別に謝って貰うことじゃない。俺だって一理あると思ったから動いたんだし、結果、禍根がなくなるならそのほうが先々安泰だろ」
淡々と告げつつも、野分の目元は柔らかく緩んでいる。彼は言葉や態度よりも優しい人だ。だからこそ苦しい思いをしていたのだろうが、報われたならばそれ以上に喜ばしいことなどありはしない。
「野分くんはさ、なんか、まっすぐな感じでいいよね」
「どうだかな、おまえも知ってる通り、俺は打算ばっかり得意な人間だけど……それよりさ」
言い止して野分が氷川の手に触れる。乾いた指先は少し荒れているが、温かな体温を伝えてくれる。その指先が震えたのは、もしかして緊張しているのだろうか。身振りで話を促すと、彼はコーヒーで唇を湿らせ、だから、と意味のない接続詞を口にする。
「悪いけど、春休み中に一日、時間くれない? 氷川にもお礼したいって頼まれてるから」
主語の抜けた言葉を胸中で反芻し、氷川はゆっくり目をまたたいた。そして慌てて頷く。自然と表情が綻ぶのが分かった。茂木はどうやら、野分の行動の裏に氷川が関わっていると察しているらしい。
「うん、もちろん。何日だって付き合うよ」
弾んだ声音に、野分が面白くなさそうに顔をしかめる。そしてバウムクーヘンを一枚つまむと、氷川の口元に寄せた。雛鳥のように口を開けると、口の中に押し込まれる。唇が触れた指を舐め、野分が意地悪く唇の片端を引き上げた。
「一日で充分だ。あとは俺のものだから」
「でも野分くん、入学式や新年度の準備で忙しいでしょう」
「朝から晩まで拘束されるわけじゃない、。なんなら氷川も手伝ってくれて構わないけど?」
「野分くんの頼みなら、否はないけど」
別に仕事が好きなわけじゃない。単純作業は嫌いではないが、是非やりたいとまでは思わない。それでも、野分がいるなら楽しいだろう。どこで何をしていても、どんな状況でも、彼が隣にいれば退屈な思いはしない。
氷川の返答に野分は意外そうに目を見張り、そして幸せそうに微笑んだ。
「ありがとう。頼りにしてる」
終
「ただいま、ってのもおかしいかね」
旅装を解いて部屋を訪れた野分は、そう照れたように笑う。氷川は踏み出したくなる足を押し止め、首を傾げた。
「おかしくないよ、おかえり、お疲れさま」
「うん。一週間も経ってないのになんか、久しぶりな感じだな」
「そう、だね。なんか……うん、会いたかった」
手を伸ばしたい。けれど、触れてしまったら歯止めが利かない気がする。今は彼の話を聞きたかった。野分も同じなのか、戸口を離れようとしない。
「俺もだよ。ほらこれ、土産あるから……食堂か談話室あたりで話そうか」
「……そうだね」
人目のある場所で話したほうがいいのかもしれない。頷くと、野分はくるりと踵を返した。
――そして現在氷川と野分は、閑散としているのをいいことに寮食堂の六人掛けのテーブルを二人で占拠していた。隣り合って座った二人の前には、淹れたてのコーヒーと、お土産のバウムクーヘンが並んでいる。
「バウムクーヘンってどう食べるのが正解なのか未だによく分かんないんだよね。ミルクレープもナイフがないと困るし」
「一応、横に薄く削ぐと美味いとは聞いたことがあるな。面倒だからやらないけど」
「どういうこと?」
「上から削る感じ?」
ナイフを取った野分が、言葉通りに年輪が見える形にそぎ切りにし、小皿にとって渡してくれる。
「意外と器用だよね」
「意外とか……まあ、とりあえずどうぞ」
「いただきます」
勧められるまま、一枚口に入れる。メロンの風味がふわりと広がり、生地が溶けるように消えた。思わず、美味しい、と声がこぼれる。野分は自慢げに口角を上げた。
「だろ」
「うん。あ、ごめん、余計な話して。ええと……どうなったの? 無理には聞かないけど」
直接的な表現をするのも気が引けて、曖昧に訊ねる。墓参りは名目で、野分は話し合いをするため、あるいは取り持つために実家に戻っていたのだ。関わっている以上、氷川には尋ねる権利があるし、野分が話したいと思ってくれているならば聞く義務がある。
彼はするするとバウムクーヘンを薄く切りながら、そうだな、と口を開いた。
茂木亜巳の感情と要望、その母にして故人の三女たる三奈子の要望、野分家の者たちそれぞれの考えと、互いの譲れないもの、あるいは譲歩できることをすり合わせた結果、やはり遺言の執行は難しいという結論になったという。
「茂木が引いたってことだな。だからこっちもある程度譲ろうってことでまとまった。お互い様の精神が通じるくらいは、日本人同士だったってことだ」
「ある程度?」
薄くスライスされたバウムクーヘンが皿の上に山になる。手を止めさせると、野分は我に返った様子で失笑した。無自覚に手を動かしていたらしい。
「遺産の分割に関してと……そうだな、茂木の扱いだな。最初は顔も見せるなって勢いだったけど、結局、ああも真っ直ぐ親しくしていただけたら嬉しいですなんて言われ続けたらな……祖父さんが可愛がるのも仕方ねえかと思えるよ。捻くれてないってのは貴重な才能だと思い知らされたね。だからって身内扱いも難しいけどな、従甥や従姪の教育にも悪いし。だけど、個人的に知人友人として関わりを持つくらいなら問題ないだろ、ってことになった」
「なんだか複雑だね」
「仕方ねえよ、元がややこしくて面倒な話だ」
フォークで紙のような菓子をすくい上げ、口に運ぶ。野分は嘆息すると、椅子を氷川の側に寄せた。もたれかかるほどの重みもなく、肩が触れ合う。
「時限爆弾みたいなもんだろ、祖父さんが死んだら炸裂する。祖母さんに責められるのが嫌だったのか、泣かれるのが怖かったのか、何にしろ残された俺ら全員にとっての災難だよ。もっと早く知ってりゃ、もう少し穏当に話せてた可能性もあるのに」
「その言い方はさすがに……」
「分かってる、それに可能性はあくまで可能性だ。実際には今以上に揉めてたかもわかんねえし、裁判沙汰だってあり得る。その意味じゃ、まあ……落ち着いて話せたのは氷川のお陰だと思うよ。おまえが言ってくれたから、話し合いを持つように説得する気になった」
自分の努力と功績をあっさり投げ渡す野分は、甘えるように肩を軽くぶつけてくる。氷川は苦笑してマグを置き、卓の下で腿を叩いた。
「頑張ったのは野分くんだよ。大変だったね」
「そう言われると、報われた気がするな」
労いを素直に受け取り、野分が目を細める。過剰に謙遜したりせず、肯定的な評価をまっすぐ受け取れるのが野分の美点だ。氷川はどうしても居心地悪くなってしまい、過当評価だと否定したくなるので、彼のその気質はとても気分が良くて羨ましいものだった。
「でも、じゃあ野分くんは茂木くんをどうするの?」
問いに答えないまま、彼はコーヒーを口に運ぶ。氷川も冷めかけたコーヒーを一口飲み、苦みに眉をひそめた。やはり寮のコーヒーはいまひとつ、まろやかさが足りない。冷めてくると苦さとえぐみが際立つようで、口直しに紙のような年輪を口に運んだ。雪のように溶ける甘さにほっとする。一連の動作を見ていたらしい野分が喉の奥で笑みを漏らした。面白がられていると思うと、つい、非難の視線を向けてしまう。
「悪趣味」
「悪い、ミルク貰ってくるか?」
「それもいいけど……あのね野分くん、俺も親戚付き合いってほとんどしたことないんだよね、だから……もしかしたら、俺の願望で無理を言ったかもしれない」
今になって気付いたのではない。茂木の話を聞いた時から、そう考えてはいた。だがそれを言ってしまえば野分を動かす大義名分が消え去ってしまう。それに、平行線の争い事に彼が疲弊しているならばと一石を投じることを案じたのも嘘ではない。だからあえて黙って野分に進言だけした。
物事の決定には、ひとつの思惑だけが関わることはまずない。総合的に評価して判断されるのが普通だ。つまり氷川もまた、野分と同様に種々の計算でもって動いている人間だと、この一件で強く思い知らされた。
氷川の懺悔を受けて、野分が僅かに首を傾げた。
「あいつに同情したってこと?」
「多分ね。そのせいで大変な思いさせてごめん」
「別に謝って貰うことじゃない。俺だって一理あると思ったから動いたんだし、結果、禍根がなくなるならそのほうが先々安泰だろ」
淡々と告げつつも、野分の目元は柔らかく緩んでいる。彼は言葉や態度よりも優しい人だ。だからこそ苦しい思いをしていたのだろうが、報われたならばそれ以上に喜ばしいことなどありはしない。
「野分くんはさ、なんか、まっすぐな感じでいいよね」
「どうだかな、おまえも知ってる通り、俺は打算ばっかり得意な人間だけど……それよりさ」
言い止して野分が氷川の手に触れる。乾いた指先は少し荒れているが、温かな体温を伝えてくれる。その指先が震えたのは、もしかして緊張しているのだろうか。身振りで話を促すと、彼はコーヒーで唇を湿らせ、だから、と意味のない接続詞を口にする。
「悪いけど、春休み中に一日、時間くれない? 氷川にもお礼したいって頼まれてるから」
主語の抜けた言葉を胸中で反芻し、氷川はゆっくり目をまたたいた。そして慌てて頷く。自然と表情が綻ぶのが分かった。茂木はどうやら、野分の行動の裏に氷川が関わっていると察しているらしい。
「うん、もちろん。何日だって付き合うよ」
弾んだ声音に、野分が面白くなさそうに顔をしかめる。そしてバウムクーヘンを一枚つまむと、氷川の口元に寄せた。雛鳥のように口を開けると、口の中に押し込まれる。唇が触れた指を舐め、野分が意地悪く唇の片端を引き上げた。
「一日で充分だ。あとは俺のものだから」
「でも野分くん、入学式や新年度の準備で忙しいでしょう」
「朝から晩まで拘束されるわけじゃない、。なんなら氷川も手伝ってくれて構わないけど?」
「野分くんの頼みなら、否はないけど」
別に仕事が好きなわけじゃない。単純作業は嫌いではないが、是非やりたいとまでは思わない。それでも、野分がいるなら楽しいだろう。どこで何をしていても、どんな状況でも、彼が隣にいれば退屈な思いはしない。
氷川の返答に野分は意外そうに目を見張り、そして幸せそうに微笑んだ。
「ありがとう。頼りにしてる」
終
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