112 / 190
野分彩斗
ディプロマシー 2
しおりを挟む
詰める所を詰めた後、氷川は野分の袖をそっと引いた。
「あとは、スカンディナビアとその近海についてだけど」
「俺は橘先輩とお話ししたいですし、外します。よろしくお願いしますね」
最後に残した話題を俎上に載せると、山井が礼儀正しくその場を離れた。充分な距離が開くのを待って、野分がそっと囁く。
「本題は?」
「野分くんはスウェーデン、欲しい?」
「そりゃ、貰えるもんならな」
直截な問いに、野分は動じることなく頷く。氷川は視線だけで山井を窺った。
「これは純粋にパターンの話だけど、露土がオーストリアを併呑した後、ロシアが西を向かずにトルコを攻めて、勝ったとする。その間、ドイツが東欧を静観しているとは思えない。俺なら迷わずロシアの国力を削ごうとする。または、ドイツとトルコが協調して北上する可能性もある」
「そうだな、ロシアは巨大だし、極地に近いとはいえ海もある。そもそも、ドイツにとってはロシアは絶対に脅威だしな」
「そう。もしドイツが対露姿勢を取ったら、ドイツの背中をつついてくれると嬉しい。それが成功すれば見返りに北欧を引き渡してもいい。もちろん、イギリスが対独するなら手伝う」
無論、ロシアが滅べば北欧はイギリスの天下だ。この頼みをイギリスが受ける必要はない。いっそ英独土でロシアを分割するという手段もある。だが、氷川は切り分けられるのを待つパイになりたくはなかった。
目を細めて暫し考え、野分が氷川を横目で見遣った。
「イギリスが対独戦線を張らない場合、俺のメリットが薄いな」
「何が欲しいの? デンマーク、ヘルゴランドとスカゲラク……ボスニア湾、バルト海」
「海ばっかりだな。まあ、ボスニア湾は空白で構わない。あとは、そうだな……個人的な楽しみも欲しいかな」
バルト海までイギリスの侵入を許したくはないのだが、そんな思考を途切れさせ、氷川は顔を上げた。野分は唇に笑みを掃き、首を傾げる。柔らかそうな髪の向こうに、夕焼けに染まった空が見えた。
「陸地を出せないなら他のものでもいい」
賄賂の要求に氷川は眉を跳ね上げた。
分かりやすい金銭の授受は禁止、金額上限は食堂のコースメニューまでという取り決めは、ボードゲーム部の規則らしい。古今東西どこででもあるやりとりだ。差し出せるものがないならば、ゲーム外の利益を提供する。氷川はさして迷わず問い返した。
「なにが欲しいの?」
「多少、下世話な要求をしても?」
「下世話、って。野分くんが俺に何を求めてるか分かんないんだけど。内容によっては断るよ」
ゲーム内の滅亡と現実の自尊心ならば、後者を取る。もちろん滅ぼされても精神は傷つくが、自分から売り渡すよりはいくらかマシだ。顔をしかめて告げた氷川の反応に笑みを漏らし、野分は袖に触れたままだった手を指先で撫でた。
「じゃあ、簡単なものにしよう。氷川の読みが当たって俺の助けが役に立ったら……そうだな、遊びに行こう。映画でも奢ってくれ。なんならハグでもいいけど、メシじゃ対価になんないだろ」
「映画ね、後で好きなジャンル教えて」
「スプラッタホラーって言っても付き合ってくれんの?」
「クメール・ルージュとルワンダ虐殺、どっちを扱った作品がいい?」
「スプラッタでもホラーでもねえな」
氷川の出した凄惨かつ非道徳的な選択肢に、野分が顔をしかめた。その反応は正しい。スプラッタホラーは娯楽だが、それら虐殺は実際にあった悲劇だ。家族を、恋人を、友人を、恩師を失った人々にとって、それは歴史にはならない。腕を、足を、人間の尊厳を奪われた人々には、謝罪があり法の裁きが下されても、犯人を許すことは困難だ。
真っ当な反応に安堵し、氷川は肩をすくめた。
「不謹慎だって怒る? 一応、精一杯の譲歩のつもりだけど」
「いや、いい。ちゃんと考えとくから睨むな」
「ん。約束を守ってくれたら映画でもなんでも連れて行くし、なんなら黙ってクッションにもなってあげる。だから、俺が狙われたら助けてね」
軽く握った拳を顔の高さまで上げると、野分は表情を緩め、そこに拳を軽くぶつけた。
結論から言えば、氷川の懸念は正解だった。
山井ドイツは神森オーストリア保護政策を採り、オーストリアは地中海へ展開しようとした。平沢とも懸念を共有し、橘と話をつけておいたお陰でドイツを押さえ込めたことは喜ばしい。最終的には見事に食い合いになり、食堂のラストオーダーを前に強制終了と相成ったが。
「もう……いつも思うんですけど、氷川さん絶対、性格悪いですよね? いつもいつも俺の夢を打ち砕いてくれて……」
「諦めろ、そもそも神聖ローマ帝国による欧州制覇って夢が間違ってるんだ。あんなの神聖じゃなければローマでもなく、帝国ですらない、ローマ帝国とは別物じゃないか」
野分の辛辣な言葉に、山井が眦を吊り上げた。
「ヴォルテールは名言多いですけど、その言葉はロマンを解してないですよ」
「本当のことじゃん。でも実際、氷川先輩はなんで山井の出方が分かるんです?」
ロールキャベツを切る手を止めて、平沢が訊ねてきた。黒海での衝突を偽装しつつ一緒に征西した仲なので、自然と当たりが柔らかくなる。興味深そうにこちらを見る橘と神森の視線を意識して、氷川は箸を置いた。
「分かってるわけじゃないよ、ありったけの可能性を考えて、できる限りセーフティを張ってるだけ。誰が嘘を言ってても、どう動いても、他の皆と協力体制を築けてたら簡単に滅びないでしょ?」
「お陰で俺は早々に袋にされましたけどね。根回し早いし厄介なんですよ本当。またやりましょう」
山井が煮込みハンバーグにフォークを突き刺す。笑顔だが、所作が荒い。氷川は頬を引きつらせた。
「お手柔らかに」
「こっちの台詞です。次は鉄壁の同盟組みましょうね」
卓の向こうから睨め付けてくる山井に、苦笑して曖昧に頷く。橘がてのひらで耳の下をさすった。
「そんな後ろから狙われそうな同盟はやめといたほうがいいよ。卓全体に氷河期が来る」
「僕は悪くないと思いますよ、氷川くんと山井くんが潰し合っている所に横から奇襲を仕掛ければこの二人を排除できるかもしれません」
「ウロボロスか、逆に他の国が滅びそうだけど……神森くんも意外と怖いよね」
「神森先輩きついです、俺が何したって言うんですか」
「そりゃあ今までの数々の……な」
クリームシチューを掬う手を止めて、野分が思わせぶりに笑う。そして氷川に視線を向けた。
「氷川も気を付けな、次は我が身だ。山井も大概容赦ないけど、おまえも結構えげつない」
「肝に銘じておくよ」
氷川は隣に座った野分にメインディッシュの皿を寄せる。唐揚げをいくつか取って、野分が皿を返した。その様子に、山井が目をまたたく。
「もしかして、それが賄賂ですか?」
移動した唐揚げを身振りで示す山井を見返し、氷川は野分に視線を滑らせた。彼は軽く首を傾げ、唇だけで微笑む。
「秘密」
「あとは、スカンディナビアとその近海についてだけど」
「俺は橘先輩とお話ししたいですし、外します。よろしくお願いしますね」
最後に残した話題を俎上に載せると、山井が礼儀正しくその場を離れた。充分な距離が開くのを待って、野分がそっと囁く。
「本題は?」
「野分くんはスウェーデン、欲しい?」
「そりゃ、貰えるもんならな」
直截な問いに、野分は動じることなく頷く。氷川は視線だけで山井を窺った。
「これは純粋にパターンの話だけど、露土がオーストリアを併呑した後、ロシアが西を向かずにトルコを攻めて、勝ったとする。その間、ドイツが東欧を静観しているとは思えない。俺なら迷わずロシアの国力を削ごうとする。または、ドイツとトルコが協調して北上する可能性もある」
「そうだな、ロシアは巨大だし、極地に近いとはいえ海もある。そもそも、ドイツにとってはロシアは絶対に脅威だしな」
「そう。もしドイツが対露姿勢を取ったら、ドイツの背中をつついてくれると嬉しい。それが成功すれば見返りに北欧を引き渡してもいい。もちろん、イギリスが対独するなら手伝う」
無論、ロシアが滅べば北欧はイギリスの天下だ。この頼みをイギリスが受ける必要はない。いっそ英独土でロシアを分割するという手段もある。だが、氷川は切り分けられるのを待つパイになりたくはなかった。
目を細めて暫し考え、野分が氷川を横目で見遣った。
「イギリスが対独戦線を張らない場合、俺のメリットが薄いな」
「何が欲しいの? デンマーク、ヘルゴランドとスカゲラク……ボスニア湾、バルト海」
「海ばっかりだな。まあ、ボスニア湾は空白で構わない。あとは、そうだな……個人的な楽しみも欲しいかな」
バルト海までイギリスの侵入を許したくはないのだが、そんな思考を途切れさせ、氷川は顔を上げた。野分は唇に笑みを掃き、首を傾げる。柔らかそうな髪の向こうに、夕焼けに染まった空が見えた。
「陸地を出せないなら他のものでもいい」
賄賂の要求に氷川は眉を跳ね上げた。
分かりやすい金銭の授受は禁止、金額上限は食堂のコースメニューまでという取り決めは、ボードゲーム部の規則らしい。古今東西どこででもあるやりとりだ。差し出せるものがないならば、ゲーム外の利益を提供する。氷川はさして迷わず問い返した。
「なにが欲しいの?」
「多少、下世話な要求をしても?」
「下世話、って。野分くんが俺に何を求めてるか分かんないんだけど。内容によっては断るよ」
ゲーム内の滅亡と現実の自尊心ならば、後者を取る。もちろん滅ぼされても精神は傷つくが、自分から売り渡すよりはいくらかマシだ。顔をしかめて告げた氷川の反応に笑みを漏らし、野分は袖に触れたままだった手を指先で撫でた。
「じゃあ、簡単なものにしよう。氷川の読みが当たって俺の助けが役に立ったら……そうだな、遊びに行こう。映画でも奢ってくれ。なんならハグでもいいけど、メシじゃ対価になんないだろ」
「映画ね、後で好きなジャンル教えて」
「スプラッタホラーって言っても付き合ってくれんの?」
「クメール・ルージュとルワンダ虐殺、どっちを扱った作品がいい?」
「スプラッタでもホラーでもねえな」
氷川の出した凄惨かつ非道徳的な選択肢に、野分が顔をしかめた。その反応は正しい。スプラッタホラーは娯楽だが、それら虐殺は実際にあった悲劇だ。家族を、恋人を、友人を、恩師を失った人々にとって、それは歴史にはならない。腕を、足を、人間の尊厳を奪われた人々には、謝罪があり法の裁きが下されても、犯人を許すことは困難だ。
真っ当な反応に安堵し、氷川は肩をすくめた。
「不謹慎だって怒る? 一応、精一杯の譲歩のつもりだけど」
「いや、いい。ちゃんと考えとくから睨むな」
「ん。約束を守ってくれたら映画でもなんでも連れて行くし、なんなら黙ってクッションにもなってあげる。だから、俺が狙われたら助けてね」
軽く握った拳を顔の高さまで上げると、野分は表情を緩め、そこに拳を軽くぶつけた。
結論から言えば、氷川の懸念は正解だった。
山井ドイツは神森オーストリア保護政策を採り、オーストリアは地中海へ展開しようとした。平沢とも懸念を共有し、橘と話をつけておいたお陰でドイツを押さえ込めたことは喜ばしい。最終的には見事に食い合いになり、食堂のラストオーダーを前に強制終了と相成ったが。
「もう……いつも思うんですけど、氷川さん絶対、性格悪いですよね? いつもいつも俺の夢を打ち砕いてくれて……」
「諦めろ、そもそも神聖ローマ帝国による欧州制覇って夢が間違ってるんだ。あんなの神聖じゃなければローマでもなく、帝国ですらない、ローマ帝国とは別物じゃないか」
野分の辛辣な言葉に、山井が眦を吊り上げた。
「ヴォルテールは名言多いですけど、その言葉はロマンを解してないですよ」
「本当のことじゃん。でも実際、氷川先輩はなんで山井の出方が分かるんです?」
ロールキャベツを切る手を止めて、平沢が訊ねてきた。黒海での衝突を偽装しつつ一緒に征西した仲なので、自然と当たりが柔らかくなる。興味深そうにこちらを見る橘と神森の視線を意識して、氷川は箸を置いた。
「分かってるわけじゃないよ、ありったけの可能性を考えて、できる限りセーフティを張ってるだけ。誰が嘘を言ってても、どう動いても、他の皆と協力体制を築けてたら簡単に滅びないでしょ?」
「お陰で俺は早々に袋にされましたけどね。根回し早いし厄介なんですよ本当。またやりましょう」
山井が煮込みハンバーグにフォークを突き刺す。笑顔だが、所作が荒い。氷川は頬を引きつらせた。
「お手柔らかに」
「こっちの台詞です。次は鉄壁の同盟組みましょうね」
卓の向こうから睨め付けてくる山井に、苦笑して曖昧に頷く。橘がてのひらで耳の下をさすった。
「そんな後ろから狙われそうな同盟はやめといたほうがいいよ。卓全体に氷河期が来る」
「僕は悪くないと思いますよ、氷川くんと山井くんが潰し合っている所に横から奇襲を仕掛ければこの二人を排除できるかもしれません」
「ウロボロスか、逆に他の国が滅びそうだけど……神森くんも意外と怖いよね」
「神森先輩きついです、俺が何したって言うんですか」
「そりゃあ今までの数々の……な」
クリームシチューを掬う手を止めて、野分が思わせぶりに笑う。そして氷川に視線を向けた。
「氷川も気を付けな、次は我が身だ。山井も大概容赦ないけど、おまえも結構えげつない」
「肝に銘じておくよ」
氷川は隣に座った野分にメインディッシュの皿を寄せる。唐揚げをいくつか取って、野分が皿を返した。その様子に、山井が目をまたたく。
「もしかして、それが賄賂ですか?」
移動した唐揚げを身振りで示す山井を見返し、氷川は野分に視線を滑らせた。彼は軽く首を傾げ、唇だけで微笑む。
「秘密」
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
とある隠密の受難
nionea
BL
普通に仕事してたら突然訳の解らない魔法で王子の前に引きずり出された隠密が、必死に自分の貞操を守ろうとするお話。
銀髪碧眼の美丈夫な絶倫王子 と 彼を観察するのが仕事の中肉中背平凡顔の隠密
果たして隠密は無事貞操を守れるのか。
頑張れ隠密。
負けるな隠密。
読者さんは解らないが作者はお前を応援しているぞ。たぶん。
※プロローグだけ隠密一人称ですが、本文は三人称です。
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる