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野分彩斗
勉強会 1
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高校物理は何も難しいことはないと、大人は言う。微積分も用いないし、数学の基礎だけでこなせる。別の大人はこうも言う。いや、高校物理は面倒だ。微積分を用いたほうが分かりやすい。どちらの意見が正しいかは氷川には判断ができない。多分に主観的な物言いだからだ。そしてどちらにせよ、現在、高校物理に躓いている人間には関係ない言説だった。
参考までにと返却された小テストを見た時は絶句したものの、単元を総浚いする勢いで説明に言葉を尽くすこと十日ほど、なんとかなりそうな見通しが立ちつつある。
「ちょっと休憩にしようか」
時刻を確認して、野分に声を掛ける。今日は朝から自室に籠もりきりだった。寮の自習室は決して室数が多くなく、一人二人で占拠していい構造にはなっていない。言葉を交わすにも不適切なので、検討の結果、平日は教室などで、休日は氷川の私室で勉強会を開いていた。倉庫から椅子を一脚借りてきて、野分はその予備の椅子に腰掛けている。軽く頷いた野分は、キリのいいところまで筆記具を動かしてから手を止めた。
「どう、分かんないとこあった?」
「今のところ大丈夫」
「そっか、良かった」
見せられたノートを解答と照らし合わせていく。確認を終えて顔を上げると、野分が不安そうな面持ちで待っていた。氷川は安心させるように唇の端を上げる。
「全問正解。頑張ったね」
そう告げると、野分が安堵したように肩の力を抜いた。
「良かった」
「このまま本番でも良い結果が出るといいんだけど」
第二学期の期末考査は今週の後半から始まる。氷川自身も不安な部分があり、野分に物理を教えるのは今日中に仕上げたい所だった。その事情も把握している彼は、申し訳なさそうに目を伏せた。
「面倒掛けて悪いな」
「俺も復習になってるから気にしないで。それにしても、いつもこんなに苦労してるの? 土曜日の講習も出てるんだよね」
「いや、今まではもうちょい何とかなってたんだけどな……私用が立て込んでたり、文化祭の準備で余裕がなかったりで、ろくに勉強できてなかったから」
過去の定期考査はどうだったのかと思ったが、意外としっかりした返答に少し安心する。この期に及んで見栄を張る必要もない筈だ、嘘はついていないだろう。それに、野分は説明すれば理解も早い、良い生徒だった。
ペンを置き、採点を終えたノートを返す。
「そういう事情なら、先生に教えて貰いに行っても門前払いされないでしょう」
「どんな理由でも門前払いはされないよ。迷惑だった?」
「俺も復習になったって言ったじゃない。でも、専門家のほうが理解も深いし、教えるのも上手いから」
生徒よりも教員に教わったほうが確実な指導が受けられるのは当然の理だ。野分は少し考える風に視線を落とし、指で顎をなぞった。顎を引いたまま、窺い見るように氷川に視線を向ける。
「不純な動機があったとは思わねえの?」
「どんな?」
休憩や移動中などに幾度となく仕掛けられる、言葉遊びめいた示唆に、氷川は一度もまともに応じていない。駆け引きをできるほどの対人技術もなく、対処の仕方がわからないためだ。いつも適当に流しているというのに、野分はそれこそが面白いとでもいうように諦めようとしなかった。
今もにやりと口角を上げ、首を傾ける。楽しげな表情は、意地悪そうな雰囲気を帯びてなお陰がない。人徳の成せるわざかと感心半分に眺めていると、彼はわざとらしく人差し指を立てた。
「単純に一緒にいたい、口実」
柔らかく甘い声音に、氷川は軽く眉をひそめた。そして大きく息を吐く。
「疲れてないなら再開する?」
「もうちょっと休憩させてよ。これでも結構疲れてる」
半眼で非難する氷川に、野分は困ったように首を横に振ると、教材を入れてきたトートバッグを引き寄せた。中身を探る野分に問いかける声が平坦になる。
「今日は何持ってきたの」
「普通のトランプ」
「ねえ、勉強しに来てるんだよね?」
先の休日にも野分はトランプカードを持ち込んできた。うっかり付き合ってしまったのが悪かったのか、気をよくしたらしい。ケースから出したてのひらサイズのカードをシャッフルしつつ、野分は目をまたたいた。
「息抜きは必要だろ。負けたほうが飲み物買いに行くってことで」
「わざわざゲームしなくても買いに行くのに……何するの」
「戦争。やったことは?」
「ないよ」
前回は神経衰弱を仕掛けられたものの、休憩の筈が余計に疲れたと野分は苦笑していた。今回はその轍を踏まないよう、他の遊びを選んだようだ。耳馴染みのある単語の、知らないゲームに、氷川は説明を求めるように野分を見返す。彼は目を細めた。
「札を等分に配って、それぞれ手札を一枚ずつ、上から取って表にするんだ。場に出たカードの数字が強いほうが勝ちで、出てるカードを取れる。取ったカードはある程度溜まったらシャッフルして手札に足すことができる。手札がなくなったら負け、なんだけど、二人じゃ悪けりゃ延々続いちまう。取ったカードは別に積んでおいて、最初に配った分が終わった時に手札が多い方が勝ちってことにしよう」
「だったら最初からカードを半分にすれば良かったのに」
等分に配られた山を裏向きのまま整えつつ言うと、野分はそうかと頷いた。
「そうだな。半分にしようか。全部で五十二枚だから、十三枚だ」
「下から、上から」
「お好みでどうぞ。切ってもいい」
「そこまで疑ってないよ」
上から十三枚数えて取り除く。野分も同様にして、第三の山ができた。
「十三回勝負って案外多いよね。はい一回目」
「氷川の勝ちだな。追加ルールでもつけるか」
「どんな?」
「枚数が多いほうが、多い数だけ相手に何か要求できるとか」
「特に野分くんに頼みたいこともないんだけど……」
「つれないな。俺は氷川に頼みたいことはいくらでもあるっていうのに。エースは一番強いカードだ。俺の勝ちだな」
クラブのジャックとダイヤのエースが野分の元に引き取られる。特に頭を使うゲームでもないので、手は止まらない。現状、三勝四敗だ。
「これ、要はどっちか七勝でゲームチェックなんだよね」
「勝敗だけならな。どっちも九か、もう一枚めくって」
「野分くんの勝ちだ」
二枚の九と、四とクイーンを野分が引き寄せる。そのあとは二勝二敗で、野分が十六枚、氷川が十枚手元に残った。手元の札を揃えて、野分に手渡す。
「おめでとう。それで、なんだっけ、飲み物を調達してきて、六個お願いをきけばいいの?」
「……あー、と、三つで」
笑顔で訊ねた氷川に、野分が頬を撫でながら答える。本当に困ったような表情で言うものだから、毒気を抜かれてしまった。
「そんなに困った顔するなら、こんな勝負ふっかけなければいいのに」
「負けるつもりだったんだよ、俺、運も悪いし」
「残念だったね。でも、どうして? さすがに俺もそこまで困窮してないよ」
「違う。氷川が勝ったら、俺に何を頼もうか考えてくれるだろ」
飲み物一本奢る程度の余裕はある。そう言った氷川に、野分は言いづらそうに否定を返した。そして、視線を外してやや早口に告げる。言われた内容を検討し、導き出された結論に、氷川は指でこめかみを押さえた。
自分のことを考えろという、それは口説き文句でなくて何だというのだろう。思い浮かんだ感想を飲み込み、椅子を離れた。寮内の自販機もスマートフォンで清算ができるので、学内では日常生活に財布すら必要ない。
「勝ったからってお願いをしなきゃいけない道理はないよ。棄権したっていいんだから。とりあえずなんか買ってくる。自販機でいいでしょ、リクエストは?」
「じゃあ、ブラック微糖」
「分かった。待ってる間に考えといて。俺に頼みたいこと、いくらでもあるんでしょ」
先の彼自身の言葉をそのまま告げると、野分は失笑した。
客を残して部屋を開けることに不安はない。本棚や寝台の下を探られてもやましいものは出てこないし、そもそも野分はそんな不作法な人間ではないと知っている。だから安心して、自動販売機コーナーのベンチに腰を下ろすことが出来た。
寮の自動販売機コーナーは、自習室がフロアを閉める最上階にある。大手メーカーのロゴが入った自動販売機が数台並び、ベンチが三つ置かれていた。ロビーめいた雰囲気だが、ロビーとして利用している生徒を見たことはない。話しをするならば一階の談話室なりを用いるのだろう。お陰で安心して居座れる。
野分は待っているだろう、それは分かっている。だがなんとなく帰りづらい。そもそも来る時も逃げ出すように部屋を後にした。こちらが動揺していることは筒抜けだ。となれば案外、帰りが遅いことすら楽しんでいるかもしれない。
氷川は嘆息して項垂れた。膝に肘をつき、組み合わせた両手で額を支える。
好感を持たれていることは分かる。おそらく相当好かれているし、気に掛けられているし、信頼もされているらしい。だが、好意の種類については判然としない。軽やかに距離を詰め、踊るように離れる、その振る舞いが駆け引きなのか、からかいなのか、ためらっているのかの見分けがつかない。それさえ分かれば、対応方法を考えることが出来るのに。
今のように受け流すだけではなく、逃げるとか、避けるとか、やり返すとか、対処法は色々あるはずだ。うだうだと考えている氷川の前で、誰かが立ち止まった。屋内履きスニーカーの鮮やかなオレンジが目に痛い。
参考までにと返却された小テストを見た時は絶句したものの、単元を総浚いする勢いで説明に言葉を尽くすこと十日ほど、なんとかなりそうな見通しが立ちつつある。
「ちょっと休憩にしようか」
時刻を確認して、野分に声を掛ける。今日は朝から自室に籠もりきりだった。寮の自習室は決して室数が多くなく、一人二人で占拠していい構造にはなっていない。言葉を交わすにも不適切なので、検討の結果、平日は教室などで、休日は氷川の私室で勉強会を開いていた。倉庫から椅子を一脚借りてきて、野分はその予備の椅子に腰掛けている。軽く頷いた野分は、キリのいいところまで筆記具を動かしてから手を止めた。
「どう、分かんないとこあった?」
「今のところ大丈夫」
「そっか、良かった」
見せられたノートを解答と照らし合わせていく。確認を終えて顔を上げると、野分が不安そうな面持ちで待っていた。氷川は安心させるように唇の端を上げる。
「全問正解。頑張ったね」
そう告げると、野分が安堵したように肩の力を抜いた。
「良かった」
「このまま本番でも良い結果が出るといいんだけど」
第二学期の期末考査は今週の後半から始まる。氷川自身も不安な部分があり、野分に物理を教えるのは今日中に仕上げたい所だった。その事情も把握している彼は、申し訳なさそうに目を伏せた。
「面倒掛けて悪いな」
「俺も復習になってるから気にしないで。それにしても、いつもこんなに苦労してるの? 土曜日の講習も出てるんだよね」
「いや、今まではもうちょい何とかなってたんだけどな……私用が立て込んでたり、文化祭の準備で余裕がなかったりで、ろくに勉強できてなかったから」
過去の定期考査はどうだったのかと思ったが、意外としっかりした返答に少し安心する。この期に及んで見栄を張る必要もない筈だ、嘘はついていないだろう。それに、野分は説明すれば理解も早い、良い生徒だった。
ペンを置き、採点を終えたノートを返す。
「そういう事情なら、先生に教えて貰いに行っても門前払いされないでしょう」
「どんな理由でも門前払いはされないよ。迷惑だった?」
「俺も復習になったって言ったじゃない。でも、専門家のほうが理解も深いし、教えるのも上手いから」
生徒よりも教員に教わったほうが確実な指導が受けられるのは当然の理だ。野分は少し考える風に視線を落とし、指で顎をなぞった。顎を引いたまま、窺い見るように氷川に視線を向ける。
「不純な動機があったとは思わねえの?」
「どんな?」
休憩や移動中などに幾度となく仕掛けられる、言葉遊びめいた示唆に、氷川は一度もまともに応じていない。駆け引きをできるほどの対人技術もなく、対処の仕方がわからないためだ。いつも適当に流しているというのに、野分はそれこそが面白いとでもいうように諦めようとしなかった。
今もにやりと口角を上げ、首を傾ける。楽しげな表情は、意地悪そうな雰囲気を帯びてなお陰がない。人徳の成せるわざかと感心半分に眺めていると、彼はわざとらしく人差し指を立てた。
「単純に一緒にいたい、口実」
柔らかく甘い声音に、氷川は軽く眉をひそめた。そして大きく息を吐く。
「疲れてないなら再開する?」
「もうちょっと休憩させてよ。これでも結構疲れてる」
半眼で非難する氷川に、野分は困ったように首を横に振ると、教材を入れてきたトートバッグを引き寄せた。中身を探る野分に問いかける声が平坦になる。
「今日は何持ってきたの」
「普通のトランプ」
「ねえ、勉強しに来てるんだよね?」
先の休日にも野分はトランプカードを持ち込んできた。うっかり付き合ってしまったのが悪かったのか、気をよくしたらしい。ケースから出したてのひらサイズのカードをシャッフルしつつ、野分は目をまたたいた。
「息抜きは必要だろ。負けたほうが飲み物買いに行くってことで」
「わざわざゲームしなくても買いに行くのに……何するの」
「戦争。やったことは?」
「ないよ」
前回は神経衰弱を仕掛けられたものの、休憩の筈が余計に疲れたと野分は苦笑していた。今回はその轍を踏まないよう、他の遊びを選んだようだ。耳馴染みのある単語の、知らないゲームに、氷川は説明を求めるように野分を見返す。彼は目を細めた。
「札を等分に配って、それぞれ手札を一枚ずつ、上から取って表にするんだ。場に出たカードの数字が強いほうが勝ちで、出てるカードを取れる。取ったカードはある程度溜まったらシャッフルして手札に足すことができる。手札がなくなったら負け、なんだけど、二人じゃ悪けりゃ延々続いちまう。取ったカードは別に積んでおいて、最初に配った分が終わった時に手札が多い方が勝ちってことにしよう」
「だったら最初からカードを半分にすれば良かったのに」
等分に配られた山を裏向きのまま整えつつ言うと、野分はそうかと頷いた。
「そうだな。半分にしようか。全部で五十二枚だから、十三枚だ」
「下から、上から」
「お好みでどうぞ。切ってもいい」
「そこまで疑ってないよ」
上から十三枚数えて取り除く。野分も同様にして、第三の山ができた。
「十三回勝負って案外多いよね。はい一回目」
「氷川の勝ちだな。追加ルールでもつけるか」
「どんな?」
「枚数が多いほうが、多い数だけ相手に何か要求できるとか」
「特に野分くんに頼みたいこともないんだけど……」
「つれないな。俺は氷川に頼みたいことはいくらでもあるっていうのに。エースは一番強いカードだ。俺の勝ちだな」
クラブのジャックとダイヤのエースが野分の元に引き取られる。特に頭を使うゲームでもないので、手は止まらない。現状、三勝四敗だ。
「これ、要はどっちか七勝でゲームチェックなんだよね」
「勝敗だけならな。どっちも九か、もう一枚めくって」
「野分くんの勝ちだ」
二枚の九と、四とクイーンを野分が引き寄せる。そのあとは二勝二敗で、野分が十六枚、氷川が十枚手元に残った。手元の札を揃えて、野分に手渡す。
「おめでとう。それで、なんだっけ、飲み物を調達してきて、六個お願いをきけばいいの?」
「……あー、と、三つで」
笑顔で訊ねた氷川に、野分が頬を撫でながら答える。本当に困ったような表情で言うものだから、毒気を抜かれてしまった。
「そんなに困った顔するなら、こんな勝負ふっかけなければいいのに」
「負けるつもりだったんだよ、俺、運も悪いし」
「残念だったね。でも、どうして? さすがに俺もそこまで困窮してないよ」
「違う。氷川が勝ったら、俺に何を頼もうか考えてくれるだろ」
飲み物一本奢る程度の余裕はある。そう言った氷川に、野分は言いづらそうに否定を返した。そして、視線を外してやや早口に告げる。言われた内容を検討し、導き出された結論に、氷川は指でこめかみを押さえた。
自分のことを考えろという、それは口説き文句でなくて何だというのだろう。思い浮かんだ感想を飲み込み、椅子を離れた。寮内の自販機もスマートフォンで清算ができるので、学内では日常生活に財布すら必要ない。
「勝ったからってお願いをしなきゃいけない道理はないよ。棄権したっていいんだから。とりあえずなんか買ってくる。自販機でいいでしょ、リクエストは?」
「じゃあ、ブラック微糖」
「分かった。待ってる間に考えといて。俺に頼みたいこと、いくらでもあるんでしょ」
先の彼自身の言葉をそのまま告げると、野分は失笑した。
客を残して部屋を開けることに不安はない。本棚や寝台の下を探られてもやましいものは出てこないし、そもそも野分はそんな不作法な人間ではないと知っている。だから安心して、自動販売機コーナーのベンチに腰を下ろすことが出来た。
寮の自動販売機コーナーは、自習室がフロアを閉める最上階にある。大手メーカーのロゴが入った自動販売機が数台並び、ベンチが三つ置かれていた。ロビーめいた雰囲気だが、ロビーとして利用している生徒を見たことはない。話しをするならば一階の談話室なりを用いるのだろう。お陰で安心して居座れる。
野分は待っているだろう、それは分かっている。だがなんとなく帰りづらい。そもそも来る時も逃げ出すように部屋を後にした。こちらが動揺していることは筒抜けだ。となれば案外、帰りが遅いことすら楽しんでいるかもしれない。
氷川は嘆息して項垂れた。膝に肘をつき、組み合わせた両手で額を支える。
好感を持たれていることは分かる。おそらく相当好かれているし、気に掛けられているし、信頼もされているらしい。だが、好意の種類については判然としない。軽やかに距離を詰め、踊るように離れる、その振る舞いが駆け引きなのか、からかいなのか、ためらっているのかの見分けがつかない。それさえ分かれば、対応方法を考えることが出来るのに。
今のように受け流すだけではなく、逃げるとか、避けるとか、やり返すとか、対処法は色々あるはずだ。うだうだと考えている氷川の前で、誰かが立ち止まった。屋内履きスニーカーの鮮やかなオレンジが目に痛い。
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