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横峰春久
三学期 1:友人の厚意
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日本の学校の第三学期は真冬から春先までという厳しくも美しい季節に設定されている。イギリスの詩人は、閉ざされる冬は厳しいが、その季節は暖かな春へ繋がっているのだと叫んだ。芽吹く春を心待ちにして眠る季節は、しかし学生にとっては休まる時ではない。最高学年の生徒は受験本番を目前に校内から徐々に姿を消し、他の生徒達は次学年度の準備に余念がない。とはいえ、授業の合間くらいは緩やかな空気が流れるもので、昼休みの現在、学内の雰囲気は和やかだ。
「氷川は正月は帰省してたんだっけ」
白沢が眠そうに食事を進めながら訊ねてくる。氷川は手にしていた鉢を置いた。今日は白沢、大原、横峰と卓を囲んでいた。川口が用事があるからと席を外し、赤田と丸山を連れて行ったお陰で、横峰が入ってきた感触だ。
「うん。年末から三箇日は帰省してたよ。白沢くんは?」
「俺は微妙に遠いから、こっちにいたまま。下手に帰って休みを雪かきで潰したくなかったし」
「郡山って積雪多いの?」
「会津あたりと比べりゃそうでもないし、今のとこ平気だな。ただ、ドカっと来る時もある。あと、ここより寒い」
故郷の冬を思い出したのか、白沢が顔をしかめた。ああと、横峰が呻く。
「一気に来るときつよいね。腰が」
「そうそう、腰がな。背中もばっきばきになるし」
「俺も今年は怖くて帰省できなかった。もし積もったらって思って」
「親不孝だけどな。地域の人に任せる」
「慣れた人に任せたいよね」
苦い表情で苦労を分かち合う横峰と白沢を、大原が不可解そうに眺めている。彼はおそらく、氷川と同様積雪量の少ない地域の人間だ。
「横峰くんも留守番だったんだ。大原くんは?」
「俺は帰った。親父がうるさいし」
話を振ると、大原が雑に首を振る。その所作に、白沢が首を傾げた。
「あれ、おまえ彼女は?」
「遠距離なんて無理って早々に振られた。嫌味?」
「当てつけに決まってんだろ、こちとら中学からここに来てて地元のダチの顔も忘れそうだっつの。なら横峰は?」
水を向けられた横峰がちらりと氷川を窺って、苦笑を作った。その反応で、横峰にも恋人がいたことが分かってしまう。何も可怪しなことではないというのに、不自然に腹の底が重くなった。彼はうんざりしたように指を振る。
「俺も一緒。こっちきて一ヶ月も保たなかった。ここにいると彼女作る余裕もないし」
「ナンパできても全寮制って分かるとなんか引かれるしね。勝ち組自慢したいの、白沢」
ぶすくれた大原が白沢を睨む。白沢は楽しげに唇の両端を吊り上げた。そういえば、白沢は彼女持ちだ。しかも年上の社会人。現状この卓では白沢一人勝ちかと、どうでもいいことを考えながらご飯を口に運ぶ。茶碗を置こうとして、白沢の視線がこちらに向いていると気付いた。
「どうかした?」
「氷川の彼女自慢は?」
「いや、彼女とかいたことないけど」
特に虚勢を張る必要も感じず、素直に応じる。すると白沢が眉を跳ね上げ、大原が目をまたたいた。
「え、でも元旦に女の子とデートしてたよね」
「彼女じゃないの? 随分親しげだったし、氷川は兄弟いないっていうからてっきり」
「いや、ちょっと待って。なんで知ってるの?」
口々に言い立てる白沢と大原を遮り、問い質す。確かに元旦に女の子と出かけはした。しかし、白沢とも大原とも会った記憶はない。氷川の問いに、二人が視線を交わした。そして大原が口を開く。
「皆で買い物に行った時、見かけたんだよ。でもいい雰囲気だったから邪魔しちゃ悪いと思って」
「文化祭の時もいたし、その時は親御さんも一緒っぽかったから、親公認なのかと思ったけど。実は彼女じゃなくて、ただの友達? そういう距離感じゃなかったような」
怪訝そうな白沢の言葉に、横峰が眉をひそめる。彼が何か言う前にと、氷川はてのひらを向けた。
「違う、誤解。それはただの幼馴染み。姉みたいな感じの子」
「え、でも……」
「彼女に悪いから冗談でもそういうこと言わないで」
納得できない風の大原を、思わず撥ね除けてしまった。強い拒絶に、大原が背を竦ませる。氷川は慌てて表情を取り繕った。
「ごめん、前、そういうからかいで悲しませたことがあったから、つい」
古川紗織は確かに大切な相手ではある。しかし、あくまで友人としてだ。少なくとも紗織にとって氷川は恋愛対象にならない。だから彼女にとって、異性である氷川と噂が立つことはひたすらに不愉快で、そして傷つけられる出来事だった。今この場には氷川しかいないとはいえ、あの苦悩はそうそう忘れられないし、咄嗟に受け流すことも困難だった。
理解はしている。目の前に居るのは、この学校の同級生の大原と白沢だ。紗織を貶めた人物ではないし、その意図を持って言葉を発してもいない。彼らを責める謂われはない。
事情を何も話さずに誤魔化した氷川をしばし観察するように見つめ、大原がいや、と小さく呟いた。
「こっちこそ、無神経だった。ごめん」
「悪かった」
「空気悪くしてごめん、横峰くんもごめんね」
三人で謝罪し合って、最後に横峰に視線を向ける。彼は軽く肩をすくめた。
「悪くない青春劇だけど。氷川くんって意外と色んなことどうでも良さそうなのに、ひとのことで怒る時もあるんだね」
「ちょっと、何それ。あんなに色々横峰くんの手助けしたのにそういう評価だったの?」
冗談めかした横峰に、わざとらしい大仰さで眉を跳ね上げてみせる。大原が首を傾げた。
「あんなに、色々?」
「色々だよ」
興味津々の大原に、横峰がぞんざいに手を振って応じる。氷川も言う気はないし、横峰も口を割ることはないだろう。
いつの間にか皿を空にした横峰が、ちらりと時計を見てから席を立った。
「悪いけど、用事があるの思い出したから先に行くね」
「おお、また後でな」
軽い挨拶に片手を上げて答え、横峰が返却口に向かう。あからさまな出任せに、氷川は大原と顔を見合わせた。
「どうしたんだろ」
「気分悪い思いさせたから、かな」
「ないでしょ。あの氷川べったり男が」
不安になって呟く氷川に、白沢が呆れた笑みを向ける。氷川は目元を引きつらせた。
「べったりって」
「あんなに懐いてんのに気付いてねえの? 横峰って広く浅くって感じで、誰にもそつないけど、誰とも深く付き合わないだろ。あんなに突っ掛かってってたのも氷川だけなら、今みたいに何かっちゃあ構ってんのも氷川くらいだ」
「そうだね、俺も一年の時から一緒だけど、横峰の氷川への拘り方は他とは違うと思って見てた」
白沢と大原の二人に断定されて、氷川は眉をひそめた。だとしても、単に氷川が横峰の秘密を知っているためだろう。秘密の共有は、人と人の距離を縮める効果がある。だから、距離の近さが表すものが、真実の好意や友情とは限らない。連帯意識にすぎない場合もある。それを、懐いていると表現するのは少し違う気がした。
難しい表情になってしまった氷川に、大原が気遣わしげな眼差しを向ける。
「氷川、大丈夫?」
「平気だよ。どうかした?」
「重いならカバーするって言ってんだよ。おまえは分かりにくい、大原」
白沢が大原の腕を叩いて、氷川に視線を向ける。彼はおおむねいつも穏やかで、優しい。ぬるい緑茶で唇を湿らせ、白沢が唇に苦笑を浮かべた。
「ひとの事情も生活も千差万別だからな、人といるほうが楽な奴もいれば、一人のが楽な奴もいるだろ」
それが彼なりの気遣いなのだと分かって、氷川は肩の力を抜いた。自然と溜息がこぼれ落ちる。
実際、氷川は一人でいるほうが楽なタイプだ。この学院ではあえて他者と交わる時間を多くしているが、疲弊する時は確かにある。適度に輪の中で放置してくれる川口達は付き合いやすい相手だった。そういう形で利用していたと、気付かれていたとも思っていなかったが。
「ありがとう。気持ちはありがたくもらっとく」
実際には、横峰と一緒にいて疲れたと感じることは多くないが、厚意を無下にすることもない。曖昧に頷いた氷川に、白沢が苦笑した。
「氷川は正月は帰省してたんだっけ」
白沢が眠そうに食事を進めながら訊ねてくる。氷川は手にしていた鉢を置いた。今日は白沢、大原、横峰と卓を囲んでいた。川口が用事があるからと席を外し、赤田と丸山を連れて行ったお陰で、横峰が入ってきた感触だ。
「うん。年末から三箇日は帰省してたよ。白沢くんは?」
「俺は微妙に遠いから、こっちにいたまま。下手に帰って休みを雪かきで潰したくなかったし」
「郡山って積雪多いの?」
「会津あたりと比べりゃそうでもないし、今のとこ平気だな。ただ、ドカっと来る時もある。あと、ここより寒い」
故郷の冬を思い出したのか、白沢が顔をしかめた。ああと、横峰が呻く。
「一気に来るときつよいね。腰が」
「そうそう、腰がな。背中もばっきばきになるし」
「俺も今年は怖くて帰省できなかった。もし積もったらって思って」
「親不孝だけどな。地域の人に任せる」
「慣れた人に任せたいよね」
苦い表情で苦労を分かち合う横峰と白沢を、大原が不可解そうに眺めている。彼はおそらく、氷川と同様積雪量の少ない地域の人間だ。
「横峰くんも留守番だったんだ。大原くんは?」
「俺は帰った。親父がうるさいし」
話を振ると、大原が雑に首を振る。その所作に、白沢が首を傾げた。
「あれ、おまえ彼女は?」
「遠距離なんて無理って早々に振られた。嫌味?」
「当てつけに決まってんだろ、こちとら中学からここに来てて地元のダチの顔も忘れそうだっつの。なら横峰は?」
水を向けられた横峰がちらりと氷川を窺って、苦笑を作った。その反応で、横峰にも恋人がいたことが分かってしまう。何も可怪しなことではないというのに、不自然に腹の底が重くなった。彼はうんざりしたように指を振る。
「俺も一緒。こっちきて一ヶ月も保たなかった。ここにいると彼女作る余裕もないし」
「ナンパできても全寮制って分かるとなんか引かれるしね。勝ち組自慢したいの、白沢」
ぶすくれた大原が白沢を睨む。白沢は楽しげに唇の両端を吊り上げた。そういえば、白沢は彼女持ちだ。しかも年上の社会人。現状この卓では白沢一人勝ちかと、どうでもいいことを考えながらご飯を口に運ぶ。茶碗を置こうとして、白沢の視線がこちらに向いていると気付いた。
「どうかした?」
「氷川の彼女自慢は?」
「いや、彼女とかいたことないけど」
特に虚勢を張る必要も感じず、素直に応じる。すると白沢が眉を跳ね上げ、大原が目をまたたいた。
「え、でも元旦に女の子とデートしてたよね」
「彼女じゃないの? 随分親しげだったし、氷川は兄弟いないっていうからてっきり」
「いや、ちょっと待って。なんで知ってるの?」
口々に言い立てる白沢と大原を遮り、問い質す。確かに元旦に女の子と出かけはした。しかし、白沢とも大原とも会った記憶はない。氷川の問いに、二人が視線を交わした。そして大原が口を開く。
「皆で買い物に行った時、見かけたんだよ。でもいい雰囲気だったから邪魔しちゃ悪いと思って」
「文化祭の時もいたし、その時は親御さんも一緒っぽかったから、親公認なのかと思ったけど。実は彼女じゃなくて、ただの友達? そういう距離感じゃなかったような」
怪訝そうな白沢の言葉に、横峰が眉をひそめる。彼が何か言う前にと、氷川はてのひらを向けた。
「違う、誤解。それはただの幼馴染み。姉みたいな感じの子」
「え、でも……」
「彼女に悪いから冗談でもそういうこと言わないで」
納得できない風の大原を、思わず撥ね除けてしまった。強い拒絶に、大原が背を竦ませる。氷川は慌てて表情を取り繕った。
「ごめん、前、そういうからかいで悲しませたことがあったから、つい」
古川紗織は確かに大切な相手ではある。しかし、あくまで友人としてだ。少なくとも紗織にとって氷川は恋愛対象にならない。だから彼女にとって、異性である氷川と噂が立つことはひたすらに不愉快で、そして傷つけられる出来事だった。今この場には氷川しかいないとはいえ、あの苦悩はそうそう忘れられないし、咄嗟に受け流すことも困難だった。
理解はしている。目の前に居るのは、この学校の同級生の大原と白沢だ。紗織を貶めた人物ではないし、その意図を持って言葉を発してもいない。彼らを責める謂われはない。
事情を何も話さずに誤魔化した氷川をしばし観察するように見つめ、大原がいや、と小さく呟いた。
「こっちこそ、無神経だった。ごめん」
「悪かった」
「空気悪くしてごめん、横峰くんもごめんね」
三人で謝罪し合って、最後に横峰に視線を向ける。彼は軽く肩をすくめた。
「悪くない青春劇だけど。氷川くんって意外と色んなことどうでも良さそうなのに、ひとのことで怒る時もあるんだね」
「ちょっと、何それ。あんなに色々横峰くんの手助けしたのにそういう評価だったの?」
冗談めかした横峰に、わざとらしい大仰さで眉を跳ね上げてみせる。大原が首を傾げた。
「あんなに、色々?」
「色々だよ」
興味津々の大原に、横峰がぞんざいに手を振って応じる。氷川も言う気はないし、横峰も口を割ることはないだろう。
いつの間にか皿を空にした横峰が、ちらりと時計を見てから席を立った。
「悪いけど、用事があるの思い出したから先に行くね」
「おお、また後でな」
軽い挨拶に片手を上げて答え、横峰が返却口に向かう。あからさまな出任せに、氷川は大原と顔を見合わせた。
「どうしたんだろ」
「気分悪い思いさせたから、かな」
「ないでしょ。あの氷川べったり男が」
不安になって呟く氷川に、白沢が呆れた笑みを向ける。氷川は目元を引きつらせた。
「べったりって」
「あんなに懐いてんのに気付いてねえの? 横峰って広く浅くって感じで、誰にもそつないけど、誰とも深く付き合わないだろ。あんなに突っ掛かってってたのも氷川だけなら、今みたいに何かっちゃあ構ってんのも氷川くらいだ」
「そうだね、俺も一年の時から一緒だけど、横峰の氷川への拘り方は他とは違うと思って見てた」
白沢と大原の二人に断定されて、氷川は眉をひそめた。だとしても、単に氷川が横峰の秘密を知っているためだろう。秘密の共有は、人と人の距離を縮める効果がある。だから、距離の近さが表すものが、真実の好意や友情とは限らない。連帯意識にすぎない場合もある。それを、懐いていると表現するのは少し違う気がした。
難しい表情になってしまった氷川に、大原が気遣わしげな眼差しを向ける。
「氷川、大丈夫?」
「平気だよ。どうかした?」
「重いならカバーするって言ってんだよ。おまえは分かりにくい、大原」
白沢が大原の腕を叩いて、氷川に視線を向ける。彼はおおむねいつも穏やかで、優しい。ぬるい緑茶で唇を湿らせ、白沢が唇に苦笑を浮かべた。
「ひとの事情も生活も千差万別だからな、人といるほうが楽な奴もいれば、一人のが楽な奴もいるだろ」
それが彼なりの気遣いなのだと分かって、氷川は肩の力を抜いた。自然と溜息がこぼれ落ちる。
実際、氷川は一人でいるほうが楽なタイプだ。この学院ではあえて他者と交わる時間を多くしているが、疲弊する時は確かにある。適度に輪の中で放置してくれる川口達は付き合いやすい相手だった。そういう形で利用していたと、気付かれていたとも思っていなかったが。
「ありがとう。気持ちはありがたくもらっとく」
実際には、横峰と一緒にいて疲れたと感じることは多くないが、厚意を無下にすることもない。曖昧に頷いた氷川に、白沢が苦笑した。
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