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文月凉太
幼馴染みと彼女と彼とこれから 2 (終)
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「泰弘くん、文月くんをちゃんと紹介して貰っていいかな」
穏やかな声の要請に、長沢が首を傾げて目を瞬く。文月がこちらを伺うのを視界の端で捉えながら、氷川は手にしていたカップをゆっくりとソーサーに置いた。磁器の触れ合う硬質な音が小さく響き、すぐに消える。
「そうだね、確かに、さっきはおざなりだったかも」
「氷川?」
「別に隠す気もないでしょう、文月くん」
怪訝そうに声を掛ける文月に、遠回しな言葉で紗織の言葉の意味合いを告げる。文月は息を呑み、逡巡してから頷いた。
「分かった」
「ごめん、呼ぶ時に言っておくべきだった。ええと……長沢さん、失礼しました。紗織ちゃん、気付いてると思うけど、俺は彼とお付き合いしています。すぐにきちんと紹介できなくてごめんね」
「ううん、こっちこそ、不粋でごめんね。文月くんも呼び出してごめんなさい」
「いや……まあ、仲のいい幼馴染みなら、気になるのは当然だし」
腰を折るように頭を下げた紗織に、文月が慌てたように手を振る。そのままてのひらをぱたりと卓に落とした。
「でも、どうして。氷川が言ったのか」
「俺は何も言ってない。紗織ちゃんには話してもいいとは思ったけど、文月くんに確認もしないで言ったりはしないよ」
「言われなくても分かるよ」
コーヒーを一口飲んで、紗織が当たり前のように言う。そして思わせぶりに文月を一瞥し、笑みを漏らした。
「あんなに怖い目で睨まれたら、どうしてもね。だから、誤解は解いておくのが賢明かなって思ったの」
「……文化祭の時の話?」
「そう」
紗織が半分に割ったクッキーを口に入れる。文月が顔をしかめた。
「すまない。そんなに態度に出てたか?」
「警戒バリバリだったよ。気付いてなかったの?」
「申し訳ない」
謝罪は迂遠な肯定だ。紗織と文月が一緒にいる間中、氷川も同行していたのに気付かなかった。かといって紗織の被害妄想とも断定できない。氷川が鈍感で、文月も無自覚だったのだろう。往々にして女性のほうが感情の機微には聡いものだ。考えてみれば、紗織の存在を誤解した文月の警戒――悋気のお陰で、今があるわけだし。
思い出すと熱を持ちそうな頬を撫でて、ええと、と氷川は卓に満ちた沈黙を破った。
「とりあえず誤解は解けたんだし、よかったよ。気を遣わせてごめんね、紗織ちゃん。長沢さんも」
「私はいいんですけど……私も聞いていい話だったのかな、と」
なんとなく居心地悪そうに言って、長沢がティースプーンで紅茶をかき混ぜる。どちらかというと、慣れない男を前にしていたことよりも、疎外感に困っていたようだ。氷川はできるだけ穏やかに見えるように笑みをつくった。
「紗織ちゃんの彼女さんに隠すことなんてなにもないつもりですよ、少なくとも俺は」
「俺も氷川の幼馴染みの恋人にまで隠すようなことはないけどな。内輪の話をしてしまって失礼しました」
氷川に言い返したあと、文月も長沢にフォローを入れる。そんなやりとりに、長沢が物珍しそうに目を瞬く。
「いいえ、そう言って貰えると、気が楽です」
「私としては長沢さんに泰弘くんを紹介したかったし、長沢さんに会って貰えれば誤解も解けるしで一石二鳥って感じだったんだけど、まあ、強引だったかなとは思います。ごめんなさい。お詫びに会計は私と泰弘くんで割り勘にしますね」
綺麗に笑った紗織が当たり前のように言うのに、氷川は何も言わずに頷いた。用事を効率化しようとするのは、人付き合いが絡む場合は必ずしもよいこととはいえないのだが、今回に限っては結果として悪くなかった。溜息を押し戻し、氷川は長沢に視線を向けた。彼女が少し怯えたように目をそらすのに気付いて、目線を少しそらす。
「長沢さん、紗織ちゃんのことをよろしくお願いします。こういう感じのちょっとたまに乱暴な子ですけど、本当に善良でいい子なので」
「微妙に失礼だよ泰弘くん……」
「でも、そういうところが可愛いんですよね。認めて貰えてよかった。ありがとうございます」
不満げな紗織の腕に触れて、長沢が柔らかく微笑する。はっきりした面立ちの美人なのにきつい印象がないのは、彼女の気質に由来するのだろう。
彼女が優しそうな人でよかった。心の底からそう思って、氷川はゆっくり頭を下げると、コーヒーを飲み干した。そして伝票を取る。
「申し訳ないですけど、学校まで割と時間がかかるので、そろそろ失礼します」
え、と紗織が声を漏らす。既にカップを空にしていた文月が荷物を手に取った。
「お会いできてよかったです。では、お先に」
「はい、また」
紗織が応えるのに倣って、長沢が会釈する。どこかほっとした様子に、やはり無理をさせていたんだろうなと心苦しくなった。もう少し早く話を済ませて切り上げるべきだった。
伝票を持って会計に向かう氷川の隣に文月が追いつく。
「俺が出す」
「いいよ、代わりに今日の晩ご飯奢って」
「でも」
「付き合わせたんだから格好くらい付けさせてよ。紹介する側が負担するのが順当でしょ」
紗織は文月に改めて何か言うことはなかったが、要するにそういう場だったはずだ。文月はそうかと財布を仕舞う。会計を済ませて外に出てから、ためらいがちに口を開いた。
「俺は認めて貰ったと思っていいのか、あれ」
「気になる?」
「そりゃあな。おまえの身内だろ」
横に広がって歩く男女の集団をやり過ごしてから、駅へと進路を取る。メインストリートではないからか、道は比較的空いている。街路樹がはらりと枯れた葉を散らした。
「身内、そうだね、多分……両親より家族かも。でも紗織ちゃんは別に文月くんを見定めたかったわけじゃないと思うよ。言ってたでしょ、誤解を解きたいって」
文月がああと頷いて、氷川の後ろに回る。道の中央を車がゆっくりと通り抜けた。歩行者に遠慮するように静かに走る、まろやかなフォルム。よく見かけるハイブリッド車だ。追い越されるのを待って、文月が隣に戻ってくる。
「確かに。失礼なことをしていたみたいで悪かったとは思うが」
「うん、だからね、誤解を解されたままにしたくないって思ってくれたってことだよ」
常になく察しの悪い文月に、噛んで含めるように言う。彼ははたと足を止め、何度か口を開いては閉じることを繰り返したあと、手で口元を覆った。瞳が歓喜に見開かれる。
認めていない相手なら、誤解など放置しておくだろう。認識を正したいと考えるのは、その人物が相応に重要な相手だからだ。意味合いを考えれば、自ずとそのスタンスも推察できる。紗織は氷川たちが立ち位置を変える前から、理解してくれていた。それだけの話だ。
ようやく納得できたらしい文月がそわそわと視線を揺らす。
「お礼を言いに戻ったら……」
「今日の所はやめたほうがいいんじゃないかな、長沢さんがびっくりするだろうし」
これ以上負担を掛けるのは可哀想だ。社会に出ればどうしても異性と接することも必要になってくるが、今はいいだろう。
「じゃあ、いつ言えば」
「寒中見舞いでも出すなら住所を教えていいか聞いてみるけど、別に春休みでもいいんじゃない?」
冬が過ぎて春になっても当たり前に隣にいてくれるはずだと信じて提案する。文月はしばし考えるように黙してから、そうだなと頷いた。
「春が待ち遠しいな」
「俺は冬も好きだし、紗織ちゃんは何も言わなくても気にしないけどね」
それでも彼といられるならば、春でも秋でも、苦手な夏でもきっと悪くない。それは寮に戻ってから言おうと決めて、早く帰ろうと文月を急かした。
いつまでも一緒にいられると無条件で信じられる無邪気さは持っていないし、文月の両親に合わせる顔もない。それでもせめて今くらいは、当然のように近くにいて、彼に触れる権利を独占していたかった。
終
穏やかな声の要請に、長沢が首を傾げて目を瞬く。文月がこちらを伺うのを視界の端で捉えながら、氷川は手にしていたカップをゆっくりとソーサーに置いた。磁器の触れ合う硬質な音が小さく響き、すぐに消える。
「そうだね、確かに、さっきはおざなりだったかも」
「氷川?」
「別に隠す気もないでしょう、文月くん」
怪訝そうに声を掛ける文月に、遠回しな言葉で紗織の言葉の意味合いを告げる。文月は息を呑み、逡巡してから頷いた。
「分かった」
「ごめん、呼ぶ時に言っておくべきだった。ええと……長沢さん、失礼しました。紗織ちゃん、気付いてると思うけど、俺は彼とお付き合いしています。すぐにきちんと紹介できなくてごめんね」
「ううん、こっちこそ、不粋でごめんね。文月くんも呼び出してごめんなさい」
「いや……まあ、仲のいい幼馴染みなら、気になるのは当然だし」
腰を折るように頭を下げた紗織に、文月が慌てたように手を振る。そのままてのひらをぱたりと卓に落とした。
「でも、どうして。氷川が言ったのか」
「俺は何も言ってない。紗織ちゃんには話してもいいとは思ったけど、文月くんに確認もしないで言ったりはしないよ」
「言われなくても分かるよ」
コーヒーを一口飲んで、紗織が当たり前のように言う。そして思わせぶりに文月を一瞥し、笑みを漏らした。
「あんなに怖い目で睨まれたら、どうしてもね。だから、誤解は解いておくのが賢明かなって思ったの」
「……文化祭の時の話?」
「そう」
紗織が半分に割ったクッキーを口に入れる。文月が顔をしかめた。
「すまない。そんなに態度に出てたか?」
「警戒バリバリだったよ。気付いてなかったの?」
「申し訳ない」
謝罪は迂遠な肯定だ。紗織と文月が一緒にいる間中、氷川も同行していたのに気付かなかった。かといって紗織の被害妄想とも断定できない。氷川が鈍感で、文月も無自覚だったのだろう。往々にして女性のほうが感情の機微には聡いものだ。考えてみれば、紗織の存在を誤解した文月の警戒――悋気のお陰で、今があるわけだし。
思い出すと熱を持ちそうな頬を撫でて、ええと、と氷川は卓に満ちた沈黙を破った。
「とりあえず誤解は解けたんだし、よかったよ。気を遣わせてごめんね、紗織ちゃん。長沢さんも」
「私はいいんですけど……私も聞いていい話だったのかな、と」
なんとなく居心地悪そうに言って、長沢がティースプーンで紅茶をかき混ぜる。どちらかというと、慣れない男を前にしていたことよりも、疎外感に困っていたようだ。氷川はできるだけ穏やかに見えるように笑みをつくった。
「紗織ちゃんの彼女さんに隠すことなんてなにもないつもりですよ、少なくとも俺は」
「俺も氷川の幼馴染みの恋人にまで隠すようなことはないけどな。内輪の話をしてしまって失礼しました」
氷川に言い返したあと、文月も長沢にフォローを入れる。そんなやりとりに、長沢が物珍しそうに目を瞬く。
「いいえ、そう言って貰えると、気が楽です」
「私としては長沢さんに泰弘くんを紹介したかったし、長沢さんに会って貰えれば誤解も解けるしで一石二鳥って感じだったんだけど、まあ、強引だったかなとは思います。ごめんなさい。お詫びに会計は私と泰弘くんで割り勘にしますね」
綺麗に笑った紗織が当たり前のように言うのに、氷川は何も言わずに頷いた。用事を効率化しようとするのは、人付き合いが絡む場合は必ずしもよいこととはいえないのだが、今回に限っては結果として悪くなかった。溜息を押し戻し、氷川は長沢に視線を向けた。彼女が少し怯えたように目をそらすのに気付いて、目線を少しそらす。
「長沢さん、紗織ちゃんのことをよろしくお願いします。こういう感じのちょっとたまに乱暴な子ですけど、本当に善良でいい子なので」
「微妙に失礼だよ泰弘くん……」
「でも、そういうところが可愛いんですよね。認めて貰えてよかった。ありがとうございます」
不満げな紗織の腕に触れて、長沢が柔らかく微笑する。はっきりした面立ちの美人なのにきつい印象がないのは、彼女の気質に由来するのだろう。
彼女が優しそうな人でよかった。心の底からそう思って、氷川はゆっくり頭を下げると、コーヒーを飲み干した。そして伝票を取る。
「申し訳ないですけど、学校まで割と時間がかかるので、そろそろ失礼します」
え、と紗織が声を漏らす。既にカップを空にしていた文月が荷物を手に取った。
「お会いできてよかったです。では、お先に」
「はい、また」
紗織が応えるのに倣って、長沢が会釈する。どこかほっとした様子に、やはり無理をさせていたんだろうなと心苦しくなった。もう少し早く話を済ませて切り上げるべきだった。
伝票を持って会計に向かう氷川の隣に文月が追いつく。
「俺が出す」
「いいよ、代わりに今日の晩ご飯奢って」
「でも」
「付き合わせたんだから格好くらい付けさせてよ。紹介する側が負担するのが順当でしょ」
紗織は文月に改めて何か言うことはなかったが、要するにそういう場だったはずだ。文月はそうかと財布を仕舞う。会計を済ませて外に出てから、ためらいがちに口を開いた。
「俺は認めて貰ったと思っていいのか、あれ」
「気になる?」
「そりゃあな。おまえの身内だろ」
横に広がって歩く男女の集団をやり過ごしてから、駅へと進路を取る。メインストリートではないからか、道は比較的空いている。街路樹がはらりと枯れた葉を散らした。
「身内、そうだね、多分……両親より家族かも。でも紗織ちゃんは別に文月くんを見定めたかったわけじゃないと思うよ。言ってたでしょ、誤解を解きたいって」
文月がああと頷いて、氷川の後ろに回る。道の中央を車がゆっくりと通り抜けた。歩行者に遠慮するように静かに走る、まろやかなフォルム。よく見かけるハイブリッド車だ。追い越されるのを待って、文月が隣に戻ってくる。
「確かに。失礼なことをしていたみたいで悪かったとは思うが」
「うん、だからね、誤解を解されたままにしたくないって思ってくれたってことだよ」
常になく察しの悪い文月に、噛んで含めるように言う。彼ははたと足を止め、何度か口を開いては閉じることを繰り返したあと、手で口元を覆った。瞳が歓喜に見開かれる。
認めていない相手なら、誤解など放置しておくだろう。認識を正したいと考えるのは、その人物が相応に重要な相手だからだ。意味合いを考えれば、自ずとそのスタンスも推察できる。紗織は氷川たちが立ち位置を変える前から、理解してくれていた。それだけの話だ。
ようやく納得できたらしい文月がそわそわと視線を揺らす。
「お礼を言いに戻ったら……」
「今日の所はやめたほうがいいんじゃないかな、長沢さんがびっくりするだろうし」
これ以上負担を掛けるのは可哀想だ。社会に出ればどうしても異性と接することも必要になってくるが、今はいいだろう。
「じゃあ、いつ言えば」
「寒中見舞いでも出すなら住所を教えていいか聞いてみるけど、別に春休みでもいいんじゃない?」
冬が過ぎて春になっても当たり前に隣にいてくれるはずだと信じて提案する。文月はしばし考えるように黙してから、そうだなと頷いた。
「春が待ち遠しいな」
「俺は冬も好きだし、紗織ちゃんは何も言わなくても気にしないけどね」
それでも彼といられるならば、春でも秋でも、苦手な夏でもきっと悪くない。それは寮に戻ってから言おうと決めて、早く帰ろうと文月を急かした。
いつまでも一緒にいられると無条件で信じられる無邪気さは持っていないし、文月の両親に合わせる顔もない。それでもせめて今くらいは、当然のように近くにいて、彼に触れる権利を独占していたかった。
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