妖魔を封印して村を救います。

 家族の都合で、幼なじみの親友と離れ東京から九州の祖母の家に引っ越すことになった。


 ばあちゃんは笑顔で俺たち家族を出迎えてくれた。美味しいご飯を食べ、近くの銭湯で身体を清め、疲れていたのかすぐに寝床についた。

----------------------------------------
 
 人の気配を感じふと目が覚めた。今は、何時だろうか。身体が重い。何故か身体が動かない。

(金縛り?いや疲れてただけか。)
なんとか目を薄らと開けると、

 寝ている俺の上に髪の長い人らしきものがまたがって俺を見ている。俺の顔に長い髪がパラパラと落ちてきた。

(え、)

次の瞬間、
「助けてよ助けてよ助けてよぉぉおお」
急に女が大声を出して叫び出した。

 よく見ると、人の形をしたそいつの顔はただ真っ黒で顔とはいえず、人ではなく化け物だった。

「助けて助けて助けてってばああああああああああああああああああああ」

(や、やばい何だこの化け物)

 叫んで別室にいる両親に助けを呼びたいのに声が出ない。化け物はまだ叫び続けている。俺は目をきつく閉じ、ただ時が過ぎるのを待った。

----------------------------------------
 今日から級友となる新しい仲間にワクワクし、いよいよと教室の扉を開けるとそこには2つしか席がない。そして埋まっているのは1席。

「ほら、光君。挨拶!」

「え、あぁ、東京から転校してきました、遠藤光です。よろしくお願いします。




ってクラスメイト1人だけ!!??」

…………。教室に沈黙が流れる。

「そりゃこんな田舎なんだから、居るだけマシでしょ。実質、君が来るまで俺学年1人だったし。」

 このどうも仲良くなれそうにないツンとした男の子が恭介。

----------------------------------------

「ねえ、君見えてるんでしょ?祓えんの?」

「え、何が。」

「そこにいる化け物だよ」

 恭介が指さした先、グラウンドの方を見ると、昨日俺にまたがっていた髪の長い化け物がいた。

「うわぁぁぁああ!」

「やっぱ見えてんじゃん。」

「昨日の夜俺にまたがってたんだよあいつ!てかなんで平然としてんだよ!」

「あれは害がないやつ。ただうるさいだけで。祓う?」

「害がない!?祓う?お前何言ってんの!?」

「とりあえず落ち着いてよ。まあ、簡単に言うと化け物!」

「見りゃ分かるよ、。」

「ああいう化け物を封印するのが俺ん家の家業なんだよ。」

「もう何言ってるか分かんねぇし、え、化け物近づいて来てね!?」

「見えるヤツ中々いねーよ?教えてやるからお前も祓えるようになれ。」

そうして、この田舎で俺は級友の恭介と化け物を封印する生活を始めた。。










24h.ポイント 0pt
0
小説 194,839 位 / 194,839件 ファンタジー 45,003 位 / 45,003件

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

されたのは、異世界召喚のはずなのに、なぜか猫になっちゃった!?

弥湖 夕來
ファンタジー
彼に別れを告げられた直後、異変を感じ気が付いた時には変わった衣服の人々に取り囲まれ、見知らぬ神殿に居たわたし。なぜか儀式を中断させた邪魔者として、神殿から放りだされてしまう。猫の姿になっていたことに気が付いたわたしは、元の世界に帰ろうと試みるが、どこに行っても追い立てられる。召喚された先は猫が毛嫌いされる世界だった。召喚物お決まりのギフトは小鳥の話を聞きとれることだけ。途方に暮れていたところを、とある王族のおねぇさんに拾われる。出だしに反し、裕福なお家でのイケメンさんに囲まれた猫ライフを満喫していると、

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

ギルド・ティルナノーグサーガ『還ってきた男』

路地裏の喫茶店
ファンタジー
請け負い冒険者ギルド ティルナノーグにかつて在籍していた男、ヴェスカードは木こりと賭博場を往復する日々だった。 ある日自宅を訪れたティルナノーグの女剣士フィオレはヴェスカードにギルドに戻ることを提案する。嫌がるヴェスカードだったが、彼女の口からかつての戦友クリラが重体となっている事を聞かされるのだった。 ハイファンタジー、冒険譚。群像劇。 長く続く(予定の)ギルドファンタジー。 地の文描写しっかり目。 他のメンバーの冒険は『ブルジァ家の秘密』で検索。(完結済み) 本編完結!!ありがとうございました!!

封印された祖だよ

あおい夜
ファンタジー
この世界には様々な種類の生き物がいる。 例えば人形(ヒトガタ)のモノなら多い順で 人族・じんぞく 獣人族・じゅうじんぞく 精霊族・せいれいぞく(一部) 魔族・まぞく(一部) 神族・しんぞく 等である。 そしてその種族の祖が生きているのは 精霊族、魔族の二種族のみと言われていた。 、、、んだけど ある日、意識が目覚めた“私”は今の“私”が生まれる前の記憶、、、前世の記憶がよみがえっていた。 そして意識 は目覚めたけど肉体的には目覚めていなかった。 私の肉体はクリスタルみたいな透明な宝石みたいなモノの中で眠っている。 今の私は幽霊(生き霊?)みたいなモノで誰も私の姿は見えないみたいだ。 もうひとつ分かった事は私はどうやらずいぶん昔に死んでいることになっているみたいだ。 私は神族最後の祖だ。

君と歩いた、ぼくらの怪談 ~新谷坂町の怪異譚~

Tempp
キャラ文芸
東矢一人(とうやひとり)は高校一年の春、新谷坂山の怪異の封印を解いてしまう。その結果たくさんの怪異が神津市全域にあふれた。東矢一人が生存するにはこれらの怪異から生き残り、3年以内に全ての怪異を再封印する必要がある。 これは東矢一人と5人の奇妙な友人、それからたくさんの怪異の3年間の話。 ランダムなタイミングで更新予定です

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。