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バイトで騙された男子大学生が連続絶頂する話

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それを見かけたのは数日前の夜のことだった。都会の大学に通うために下宿した先で貧困に喘いでいた僕には、とにかく手っ取り早く稼げるバイトが必要であった。厳しい親には仕送りの額を増やしてもらうことをお願いすることもできず、友達にお金を借りる度胸もない。藁にもすがる思いで単発バイトの一覧を見ていた僕は、他のバイトが並ぶ場所とは少し離れたところにあった広告の部分に
「日給5万円!誰でもすぐに稼げる簡単バイト」
という文が表示されているのを見逃さなかった。彩度の高いカラフルな色使いが、見るからに怪しい文章を彩っている。僕はあまりよく考えず、日給の額と「自宅で稼げる」という宣伝文句に気を取られ、応募してしまった。もっとも、日給が過度に高かったり「誰でもできる」といったことを誇張したりしているバイトにロクなものがないという知識はあったのだが、5万円はとても非現実的な額でもなかったし、もし危険な目に遭わされたら法律を盾にして逃げれば良いと考えていた。とにかく僕にはお金が必要だったのだ。貧困の前には御託など意味を成さなかったのである。

 広告のリンクを押すと同意書が表示された。単発バイトについてそれほど知識のなかった僕は、こんなものなのかと思いながら同意書を頭から読み始めた。しばらく読んだところで、とても数十分では読みきれそうもない同意書の全文の長さにうんざりとし、途中からは斜め読みをしてから必要事項を記入して、バイトの日を待った。
 バイトの日、果たしてそれは来た。郵送で自宅に小包が送られ、包装を解くと中には説明書と小瓶があった。説明書にはバイトの内容が簡単に記載されていた。
 それに従って、僕は小瓶を手に取った。中には薄桃色の液体が入っている。蛍光灯の光に透かすと、床に綺麗なピンク色の影を落とした。バイトの内容は、この液体を足に垂らして8時間ほど放置し、時間になったら液体を小瓶に戻して郵送するといったものであった。実情はよくわからないが、どうやらこの液体にはプログラムが組み込まれており、雇用主の設定した通りに動かされるようになっているようだ。同意書に書いてあった内容によると、実際にその液体が設計通りに動くかどうかを試すのが目的らしい。最近の科学はよくわからないが、僕たちが習っているものよりもずっと進歩しているのだなと思った。そしてこれは、その進歩を試すための治験バイトのようなものなのかもしれない。

 部屋を汚さないために新聞紙を敷き、その上に両足を乗せた。8時間は長く感じられるが、本を読んでいればすぐに経ってしまうものである。僕は本棚から数冊の文庫本を取り出し、読む順番を決めてから小瓶を手に取った。ためしに小瓶を揺らしてみると、最初はさらさらとした水のように波打っていた液体は、しばらくするとどろどろとした液状のりのように動きが鈍くなり、しまいには丸まってすっかり波打たなくなった。その一連の流れがまるで意思を持った生物のように感じられ、僕は内心ぞっとしながら小瓶を振る手を止めた。中の液体はまるで何かに擬態するかのように、再びさらさらとした水に戻っていった。

 僕は本当にこのバイトに応募してよかったのか少し不安になりつつも、もう申し込んでしまったものは仕方がないと割り切り、小瓶の蓋を開けた。両足の上から液体を垂らしながら、こんなに変なバイトがあるものなのかと考えていた。一体なぜ足に液体を垂らすのだろうか。考えている間に、液体は僕の両足に到達した。新聞紙越しに床を汚さなかったかと少し心配になり、足元を覗き込んだ瞬間、その液体は急に粘度を増してゆき、遂にはスライムのような固形状になった。僕は液体の急な変化に戦慄し、同時に後悔した。やはりやめておくべきだったのだ。急いで液体を掴もうとすると、予期したように液体はするりと僕の手をすり抜け、ズボンの隙間に入って足から膝の方へと上がっていった。僕はすっかりこの液体のことが恐ろしくなり、必死になって液体が脚を上っていくのを阻止しようとしたが、液体は僕の想像を遥かに超えるしぶとさでゆっくりと腰付近まで移動していった。僕がズボンを脱いで引き剥がすよりも前に、液体はまさぐるようにして僕の皮膚上を移動していき、やがて陰茎と尻を覆った。そこから僕の動きを待たずして、素早く尻穴に入っていった。すっかりパニックになっている僕とは裏腹に液体は僕の内部をゆっくりと移動し、やがて一つの到達点に達したかのように尻穴の奥をひと突きした。
「っあ゛…」
 急な刺激に声が漏れ出て、呼吸が浅くなる。胸を上下させながら、僕は鈍くなった頭で自分に何が起きたのか理解しようとした。
 そういえば以前、何かの本で男性の性感帯のことについて記載されているのを見たことがある。周りに人がいないのを確認して、僕は赤面しながらその本を読んだのであった。本によると、前立腺というところが性感帯の一つに数えられるらしい。今僕が液体に突かれたのはその部分なのであった。僕がそこまで考えるよりも早く、液体はさらに僕の内部をぎゅう、と押した。
「っん゛、あ゛、…」
 両脚が激しく痙攣し、バランスを崩した僕はそのまま床に突っ伏した。その間も液体は僕の前立腺をいじめるのをやめない。同意書をしっかり読まなかった後悔と怒り、そしてこれから起こることへの恐怖が同時に襲ってきた。時計を見ると液体を足元に垂らしてから10分しか経過しておらず、まさかあと7時間50分もこのままなのかと青ざめた。
 その瞬間、陰茎を覆っていた液体がぐりぐりと動き始めた。敏感な場所を指先でくすぐるかのような動きと、全体を揉みしだくような動きが合わさった刺激に耐えきれなくなり、ついに僕ははしたない喘ぎ声を大きく上げてしまった。股間を中心として全身に快感の波が行き渡り、それが届くと同時に手足の指先がぴくぴくと動く。
「うるさいぞ!!」
 壁を怒りに任せて殴る音がする。壁の薄いボロアパートでは話し声はおろか、少し大きい呼吸音ですら隣人に聞かれてしまうのである。僕は途方もなく恥ずかしい気持ちになった。このまま自分の股間に与えられ続ける刺激に応えるように喘ぎ続けていたようでは、僕がとんでもない変態だと誤解されて言いふらされるかもしれない。それだけはごめんだ。僕は床にうずくまり、両手を口元に当てて快感に耐えるようにした。

「…っ、…~~っ………っぁ…っ…」
 ひたすら陰茎と前立腺に送られ続ける快感を逃がすために思わず上げてしまいたくなる嬌声を抑え込む代わりに、肩と太腿が大きくビクビクと痙攣した。じっとしているだけでは到底刺激を受け止めることなどできず、僕は握り拳を作っては床に擦り付けたり、大きな音を立てない程度に足をバタ突かせたりした。それでも刺激は止むことを知らず、僕の口からは涎が垂れて床を汚していく。
「………っは、~~っ…っあ、あ…っ~っ…」
 突然、陰茎のあたりの快感が宙に浮くような感覚になった。それはやがて大きな波となり、体の内部からゆっくりと押し上げてくる。僕は間も無く自分が絶頂を迎えることを予測し、大きな声を上げないように両手を再び口元に当て、全身を使ってそれに耐えるように仕向けた。
「っあ……!…っっ、…っは、っ…ぅ…あっ…!!」
 数秒も待たないうちにその波は陰茎を辿って外部に出され、僕は激しく射精した。声を上げないために両手に大きく力を入れて、呼吸音を小さくするために震えながら何度か大きく息を吸って吐いた。音を立てないために無意識となった、下着一枚しか付けていない下半身ががに股となって激しく動き、僕はみっともない姿で床に寝転がったまま絶頂した。体外に排出された精液は体や下着を汚すことなく、陰茎を覆う液体に取り込まれたようだった。

 絶頂を迎えた後でも液体は手を緩める素振りを見せなかった。一週間に一度程度しか自慰行為をしない僕は、射精して敏感になった陰茎をいじったことがなかったため、容赦のない刺激に当然耐えられるわけがなかった。寝転がったまま大きく背中を逸らし、食いしばった歯の隙間から甲高い声が漏れ出ているのを聞いた。先ほど喘ぎ声を抑えるためにわざとらしく整えた呼吸の反動なのか、僕は激しく息切れをし、肩を上下させた。汗ばんだ体に服がへばりついて気持ちが悪い。朦朧とした意識がアパートの壁が薄かったことを思い出させ、僕は2、3度わざとらしい咳をしてうるさい呼吸音を誤魔化した。
「………っは、ひっ………っっ…~!!」
 相変わらず奥を突いてくる液体の動きに合わせて発せられそうになる喘ぎ声を抑えつつ、僕は少しでも液体の動きを止めるために横向きとなって両脚で陰茎を挟んだ。股間にくっついたままの液体が波打つ動きが太ももにも伝播してくる。すると、また例の前兆が僕を襲った。僕はまだ絶頂を迎えたばかりなのにと思いながら、再び波に耐える準備をした。目からは涙が伝って床にこぼれていく。そうしていると再び波が僕を襲った。
「っあっ、っひ……っっ~~!!!」
 脚をばたつかせながら僕は再び射精した。しかし、今度は前回とは少し様子が違った。いつもは一瞬で終わる射精が何秒も続くのである。
 僕はついに声を抑えきれなくなり、あられもない喘ぎ声をみっともなく振り撒いた。もう隣人のことは意識の外にあった。僕は長く続く絶頂にもてあそばれながら、これが液体のせいであることを理解した。何のために作られたスライムか知らないが、きっとより強い刺激を求めるための玩具か何かなのだろう。これが事前にわかっていれば応募なんてしなかったのに。くそ、もっとちゃんと調べておけばよかった。くそ、くそ、くそ…

 僕は携帯電話が鳴っていることに気がついた。どうやら数秒前から鳴っていたようで、大きな声を上げては存在を主張してくる。こんな状態ではまともに会話ができるわけがないので無視しようかとも考えたが、電話の相手を見て出ることにした。電話の相手は大学の友人で、こいつはしつこい奴なので僕が出ない限り何度も何度も電話をかけてくる。僕は何度か深呼吸して息を整える努力をし、できるだけ自然な調子で応答しようと作り笑いまでして電話に出た。

「もしもし。……僕だけど…っ…」
「あ、良かった。なかなか出ないから不安になったよ。どうかしたの。」
「………っ…どうもっ……してないよ。すこし…風邪をひいてしまってね、、…っ。大丈夫だから。」
「そうか。お大事にな。そんで、明日の授業だけど……」
ふとした拍子に漏れ出てくる甲高い喘ぎ声を誤魔化すため、僕はわざとらしく低い声で話した。友人の長い話に付き合いながら、はやく終わってくれと心のそこで願い続けた。一度、友人が話している間に例の絶頂が僕を襲ってきた時は、声を聞かれないように携帯電話を床に押さえつけて肩を痙攣させながら絶頂した。
「お前、本当に大丈夫なの。心配だから家に行くよ。そうだな、何か買ってきてやる。」
僕は友人の気遣いに感謝しながらも、精一杯拒否した。しかし友人は僕の話を一切聞かず、数十分ほどしたら家に着くからと言って電話を切った。僕は目の前が真っ暗になったが、それも前立腺を強く刺激する液体の動きにかき消された。

 数十分後、僕が相変わらず刺激に足をバタつかせていた時、玄関のチャイムが鳴った。本当に彼が来たのだ。僕は顔面蒼白となりながら、覚束ない手でズボンを履き、よろけそうになりながらドアまで向かった。ドアを開けた先では、友人がコンビニの袋をぶら下げて立っていた。
「うわ、すごい汗じゃん。本当に辛いんだな。これ、ゼリーとスポーツドリンクな。ゆっくり飲んで休めよ。」
 僕は何事もないかのように振る舞いながら笑顔を浮かべ、彼に感謝の言葉を述べた。彼が帰ると言って扉を閉める最中、ドアの影で絶頂の波に耐えていた。完全に扉が閉まって部屋に戻った時、僕は押さえつけていた分増幅した波に一気に襲われ、より激しさを増した長い射精をしながらその場に倒れ込んだ。
「んあっ、ん、っあ、もう、むり、んあっ、あ、あ、あっ…あああっ!!」
 口の端から涎が垂れ、僕の全身に絶頂の波が響き渡っていく。もう声を押さえつけることは不可能で、僕は陰茎が精液を吐き出し続けるままにはしたない喘ぎ声を上げた。
 絶頂の波はどんどん間隔を狭めていき、一分も待たないうちに次の前兆が現れた。僕はもうパニックになりながら体を痙攣させていた。突然、壁を強く殴る音と怒鳴り声がした。

「いい加減にしろ!!お前!!」
 隣人が部屋を飛び出し、荒々しい足音を立てながら僕の部屋にやってくる音がする。しまった、扉の鍵を閉めていない。急いで立ちあがろうとしたとき、絶頂の波がいよいよ勢いを増した。さんざん股間をこねくり回された僕の体は非常に敏感になって、立つことすらままならなかった。結局僕はその場に倒れたまま、目を閉じてまたあの地獄のような射精をするしかなかった。
 数秒経った頃に、僕の部屋のドアが勢いよく開く音がした。ぼんやりした視界では、隣人が床に倒れている僕を見ていた。運が悪いことに、ちょうどその時僕は絶頂を迎えた。僕は泣きながら自分の喉から漏れ出ているとは思えない喘ぎ声を上げ、射精しているところを隣人に見られていた。
 隣人は何も見なかったふりをして扉を閉め、その場を後にした。僕はすっかり絶望し、ふと時計に目を遣った。時刻は僕は足元に液体を垂らしてから2時間を指している。僕は残りの時間のことを思って暗い気持ちになり、目を閉じてただ喘ぐことしかできなかった。
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