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第131話
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「大丈夫か、スノウ、ホワイト、レイア」
「大丈夫」
「私も」
「怪我も無いし、大丈夫だよ」
視界が戻り、3人が近くにいるのを確認してから周りを確認する。
「何なのここは、さっきまでドワーフの里だったよね」
ホワイトもレイアの腕に抱かれながら辺りを確認すると、辺りを確認し終えた優人が口を開く。
「ダンジョンを攻略した後に神への願い石を手に触れて、神様の所に行った時と同じ感覚がする」
「じゃあ、神様の世界なの?でもダンジョンを攻略していないよ」
この場で話し合っても、埒があかない。それに《アイテムボックス》などのアビリティも使えないため移動するしか無い。
「でも見たことが無い様式の屋内だね」
レイアはそう言うが、優人にとっては馴染みがある。床は板張りとなっており両側面は襖となっている。天井には和紙で作られたランプがあり、その和風なテイストに謎が深まるばかりである。
「この横のは扉みたいだけど開かないし後ろは行き止まりだし、前に進むしか無いね」
4人で先を目指して歩き出し、優人が先頭になって歩き出した。やはり男としてここは先頭に出た。
「なんか、進むにつれて強い気配を感じる」
スノウも感じているようだ。優人が感じているこの強烈で濃密な神気を当てられて、更に進んでいくとホワイトやレイアも優人達が言っている神気を感じ始めた。
「あそこの奥から、気を感じる」
長い廊下を歩いて、遂に目の前に金色の襖が目に入った。
「ここまで、一本道だったからな。あの向こうに行けば今の状況にも変化が起きるだろう」
そうして、優人は襖を一息で開けた。
「ようやく来たね、もっと近づきな」
部屋の奥には、豪華な着物に身を包んだ黒髪の女性がキセルで煙をくゆらせながら、切れ長の目で此方を見ている。
「ほら、そんなに離れていたら話しにくいだろう」
女性に手招きを受けて、4人は畳の和室に入っていった。
「よく来たね、優人にスノウにホワイトにレイアの4人」
名前を呼ばれて、内心驚いたが4人は座るように勧められたので、畳の上に座った。
「自己紹介をしましょうか、火と断罪の神であるヘラスです。どうぞよしなに」
ヘラス様の挨拶を受けて、ホワイトとレイアが驚いた表情をする。
「まさか、神様だって聞いていたけど属性神様だなんて」
ホワイトがワナワナと言葉を続ける。
「ヘラス様、私達を招きました理由は何でしょう」
レイアがおずおずと聞くと
「そうね、貴方達が偶然私の神力が宿った神石を祀った祠にいたものだから、呼ばせてもらったの」
妖艶に微笑むヘラス様がそう言っても、呼ぶ理由が分からない。
「貴方達に私の加護を与えようと思っているの」
「加護ですか」
「貴方達のメンバーには火の属性を持っている人が少ないようだから、丁度いいと思って」
「そんな神の加護を与えても良いものなんですか?」
「じゃあ、神の加護ってどんな人に与えられるものなのかしら?」
「それは」
言葉に詰まると、ヘラス様はキセルから煙を吸い込み、長く吐き出した。
「結局、加護なんて神の気まぐれなんだから貰っておけば良いのよ」
そう言っている間にヘラス様が手を此方に差し出してきて手のひらから光が飛び出して優人達の中に入っていった。
「これで、貴方達も火の魔法が使えるようになったわ」
アッサリと加護が付与されて、横のスノウの方を向くとスノウとレイアとホワイトの姿が消えていた。
「安心しなさい。もう帰ってもらっただけよ」
ヘラス様にそう言われて、安全であることだと伝わった。
「貴方とは、1対1で会話をしたくて残ってもらったの」
「大丈夫」
「私も」
「怪我も無いし、大丈夫だよ」
視界が戻り、3人が近くにいるのを確認してから周りを確認する。
「何なのここは、さっきまでドワーフの里だったよね」
ホワイトもレイアの腕に抱かれながら辺りを確認すると、辺りを確認し終えた優人が口を開く。
「ダンジョンを攻略した後に神への願い石を手に触れて、神様の所に行った時と同じ感覚がする」
「じゃあ、神様の世界なの?でもダンジョンを攻略していないよ」
この場で話し合っても、埒があかない。それに《アイテムボックス》などのアビリティも使えないため移動するしか無い。
「でも見たことが無い様式の屋内だね」
レイアはそう言うが、優人にとっては馴染みがある。床は板張りとなっており両側面は襖となっている。天井には和紙で作られたランプがあり、その和風なテイストに謎が深まるばかりである。
「この横のは扉みたいだけど開かないし後ろは行き止まりだし、前に進むしか無いね」
4人で先を目指して歩き出し、優人が先頭になって歩き出した。やはり男としてここは先頭に出た。
「なんか、進むにつれて強い気配を感じる」
スノウも感じているようだ。優人が感じているこの強烈で濃密な神気を当てられて、更に進んでいくとホワイトやレイアも優人達が言っている神気を感じ始めた。
「あそこの奥から、気を感じる」
長い廊下を歩いて、遂に目の前に金色の襖が目に入った。
「ここまで、一本道だったからな。あの向こうに行けば今の状況にも変化が起きるだろう」
そうして、優人は襖を一息で開けた。
「ようやく来たね、もっと近づきな」
部屋の奥には、豪華な着物に身を包んだ黒髪の女性がキセルで煙をくゆらせながら、切れ長の目で此方を見ている。
「ほら、そんなに離れていたら話しにくいだろう」
女性に手招きを受けて、4人は畳の和室に入っていった。
「よく来たね、優人にスノウにホワイトにレイアの4人」
名前を呼ばれて、内心驚いたが4人は座るように勧められたので、畳の上に座った。
「自己紹介をしましょうか、火と断罪の神であるヘラスです。どうぞよしなに」
ヘラス様の挨拶を受けて、ホワイトとレイアが驚いた表情をする。
「まさか、神様だって聞いていたけど属性神様だなんて」
ホワイトがワナワナと言葉を続ける。
「ヘラス様、私達を招きました理由は何でしょう」
レイアがおずおずと聞くと
「そうね、貴方達が偶然私の神力が宿った神石を祀った祠にいたものだから、呼ばせてもらったの」
妖艶に微笑むヘラス様がそう言っても、呼ぶ理由が分からない。
「貴方達に私の加護を与えようと思っているの」
「加護ですか」
「貴方達のメンバーには火の属性を持っている人が少ないようだから、丁度いいと思って」
「そんな神の加護を与えても良いものなんですか?」
「じゃあ、神の加護ってどんな人に与えられるものなのかしら?」
「それは」
言葉に詰まると、ヘラス様はキセルから煙を吸い込み、長く吐き出した。
「結局、加護なんて神の気まぐれなんだから貰っておけば良いのよ」
そう言っている間にヘラス様が手を此方に差し出してきて手のひらから光が飛び出して優人達の中に入っていった。
「これで、貴方達も火の魔法が使えるようになったわ」
アッサリと加護が付与されて、横のスノウの方を向くとスノウとレイアとホワイトの姿が消えていた。
「安心しなさい。もう帰ってもらっただけよ」
ヘラス様にそう言われて、安全であることだと伝わった。
「貴方とは、1対1で会話をしたくて残ってもらったの」
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