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第127話

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 「ポポルおばちゃんの食堂はもう開いているかな」

 優人やスノウにナセルさん達が、王都に来る途中の街道で出会いチラシをもらった人物は王都で大衆食堂を開いているらしく、観光で動き回ってお腹が空いたので一度ゴーレンさんの実家に寄りゴーレンさんやアスカさんにサロパスタが戻っていないか確認したが、メイドさん達から戻ってきていないと告げられたので、観光に行ったメンバー全員で食事をしに王都の街に繰り出した。

 「ああ、もうお店を開いているみたい」

 ナセルさんが、連れてきてくれたのは飲食店のお店が建ち並ぶ場所であり人で賑わっていた。

 「ここが騎士団時代によく来たポポルおばさんの食堂でね、安くて美味しくて量が多いんで力仕事の人達がよく来る場所なんだよ。おばちゃーん来たよ~」

 ナセルさんが、食堂に入りながら声をかけると

 「ナセルちゃん来てくれたんだね、ちょっと待ってね奥の部屋を開けてくるから」

 店内は沢山の人が食事を食べており、その人達が食べている料理を見るととても美味しそうだった。そんな事を考えているとポポルさんはものの数分で準備を終えて、奥の部屋に通してくれた。

 「王都を救ってくれて、私達がまたこの場所で商売が出来るのもナセルちゃん達のおかげだから、今日は好きなものをドンドン頼んでね、英雄様達からはお代はいただけないからね」

 ポポルさんはそう言って笑った。

 それから、みんなで好きな物を頼みナセルさんが勧めるだけはある美味しい食事を堪能してからお店をあとにした。お代はいらないとポポルさんは言っていたが優人も《アイテムボックス》の中に貯まる一方だったお金を少し多めに机の上に置いておいた。

 「さて、お腹も一杯になって買い物も充分にこれまでしたから、ゴーレンさんの実家でマッタリとしていようか」

 優人の提案が採用されて、マッタリとしていると

 「失礼する」

 鎧を纏った騎士達がゴーレンさんの実家に押し入ってきた。

 「貴方達を王都で行った反逆行為で捕縛する」

 フルフェイスの兜越しに突然そんな事を言われ、騎士達が次々に部屋に押し入ってきたが、入ってきたところで体が動かなくなった事に騎士達は驚いた。

 「反逆行為って何のことだ。魔人ヴェロニカを追い払ったことが反逆行為になるのか?」

 デロックさんがそう尋ねて

 「この騎士達が帯刀している剣の紋章は北の侯爵ダサガル様の紋章だね」
 
 「どうして北の大貴族様が私達を捕まえようとしたのかな?」

 「晩餐会で聞いたけど、ダサガル侯爵は今もまだ行方知れず王様と一緒に消えた大臣だったヘラスと親類らしい、魔人と通じていたなんて権力争いには致命傷にも等しいからね、王都奪還の英雄でも自分の手の内に入れて権力争いに有利にしようとしたんじゃないのかな」

 「ねえいい加減に私の魔眼でもキツイんだけど騎士達がドンドン増えてくる」

 ホワイトが押し入ってくる全員に静止の魔眼で動きを止めているが、ぶつくつ文句を言ってくるので紐で騎士を1人ずつ縛り上げていく。

 「けど、こうして私達の捕縛に失敗したからダサガルも終わりね公爵ファース様はこの事態は只では済まさないでしょうしね」

 そうして、騎士達を全員捕縛するとゴーレンさん達が帰ってきた。

 「どうしたんですか、この騎士達は」

 優人が事情を説明するとゴーレンさんはため息をついてから、再び公爵の屋敷に向かう事になった。
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